メインコンテンツへスキップ

Zendeskが貴重な顧客接点を効果的にサポート

手頃な運賃で気軽な空の旅をかなえてくれるPeach Aviation株式会社は、遺失物の問い合わせ対応にZendesk Supportを活用している。問い合わせの状況を可視化し、適切な担当者をアサインして問題解決を円滑化することで、顧客満足度の向上を目指す。

Peach Aviation株式会社
「問い合わせ対応の可視化により、拠点空港間でも手の空いたスタッフがフォローし合えるようになり、担当者の負荷軽減はもちろん、対応の遅れや漏れの解消にもつながっています。」

撫養 司氏

オペレーション本部 空港業務推進部 空港業務推進課
アシスタントマネージャー
- Peach Aviation株式会社

手頃な運賃で気軽な空の旅をかなえてくれるPeach Aviation株式会社は、遺失物の問い合わせ対応にZendesk Supportを活用している。問い合わせの状況を可視化し、適切な担当者をアサインして問題解決を円滑化することで、顧客満足度の向上を目指す。そのシンプルで正統派な使い方に、Zendeskの原点を見ることができる。

Peach Aviation株式会社
Peach Aviation株式会社
オペレーション本部 空港業務推進部 空港業務推進課 アシスタントマネージャー 撫養 司氏
イノベーション本部 イノベーション部 ビジネスイノベーション課 マネージャー 栢原 宏樹氏

Zendeskソリューション導入の背景と課題

日本初のLCC(ローコストキャリア:Low Cost Carrier)として2011年2月に設立、2012年3月に就航したPeach Aviation株式会社(以下、Peach)。関西国際空港(以下、関空)からスタートした。拠点空港は、新千歳、仙台、那覇へと拡大。2019年10月のバニラエアとの統合を機に成田も加わり、新しい需要を喚起しつつ、アジアのリーディングLCCへの歩みをより一層加速しようとしている。

Peach Aviation株式会社

目指すは「日本とアジアのかけ橋」となること。ともすると手頃な運賃だけが注目されがちなLCCだが、日本にLCCがすっかり浸透した今だからこそ、その地位に甘んじることなく、航空会社の枠に捉われることのない取り組みで独自の体験価値を高めようという動きもある。一方で、ビジョンの一つに「1円にこだわり、コスト競争力で他社に打ち勝つ」を掲げるように、社内には徹底したコスト意識が根付いている。厳格なコストマネジメントが求められるなかで、いかにカスタマーエクスペリエンスを高めるか。この重要な経営課題に挑んだのが、遺失物に関する問い合わせ対応である。

忘れ物以外に、手荷物の未着、破損、引き取り忘れなど、顧客の手荷物全般を扱う遺失物対応は、1日に20~30件、月間で500~600件。対応する担当者は専任ではなく、他の業務を抱えながら、合間を縫うようにして対応にあたっている。しかし、これだけの問い合わせ件数をメールのみで処理するとなると、その煩雑さは想像に難くない。しかも、ホームページ上に公開したメールアカウント宛に、顧客が自由なフォーマットで問い合わせ内容を送付できたというから、なおさらである。Peachオペレーション本部 空港業務推進部 空港業務推進課 アシスタントマネージャーの撫養(むや)司氏は、詳細をこう説明する。

「関空にいる担当者が各拠点の担当者にお客様の手荷物の状況をメールで問い合わせ、受け取った回答内容を再び関空の担当者からお客様にメールで返していました。メールだと一人で対応するほかありませんし、保留になっているもの、お客様に回答できていないもの、各拠点から返信のないものなど、ステータスを把握するのにも時間がかかります。途中でメールの件名を変更されてしまうと、ますます追い切れません。結果として対応の遅れだけでなく、対応漏れも発生し、メールによる運用に限界を感じていました。」

Zendeskが選ばれた理由

「事業の成長と共に問い合わせが増え、いよいよ整理がつかなくなり、このままでは関空の担当者がパンクしてしまいそうな状況でした。現場の担当者からも、今の運用をすぐにでもやめたいという声が上がっていました」と、Peach イノベーション本部 イノベーション部 ビジネスイノベーション課 マネージャー 栢原 宏樹氏は振り返る。

そこで、現状の運用方法を代替する仕組みをスクラッチで開発することを検討したものの、「そもそもメールでしか運用していなかったので、何をどこまで作れば運用に耐え得るのかが判断できないわけです。スクラッチ開発にはかなりの困難が伴うことが予測されたところに、別の業務に使用している他部署からZendeskを紹介してもらいました」と栢原氏。

Zendeskの担当者による現場のヒアリングを通じて、ひとまずカスタマイズなしで運用を開始できることがわかり、導入を決断。少人数で問い合わせに漏れなく対応できる点が決め手になった。また、コストマネジメントの観点でも、簡単に導入でき、すぐに使い始められるのは好都合だったと言える。

お問い合わせ画面
お問い合わせ画面
  お問い合わせ画面


Zendesk導入の効果

Zendesk導入後の運用はこうだ。顧客からWebフォーム経由で受けた問い合わせには、それぞれに固有の番号が付与され、顧客が利用した便に応じて担当者がアサインされる。たとえば、関空から成田に飛んだ顧客の忘れ物に関する問い合わせであれば、はじめに着地である成田の担当者がアサインされ、成田にないことが判明した時点で関空の担当者へとエスカレーションされる。こうして最終的に忘れ物が見つかった空港の担当者が顧客に返信するルールだ。アサイン操作は手動だが、別の空港の担当者に引き継いだ時点で手が離れるため、保留になっていないかどうか、対応が完了したかどうかなど、その後のステータスを気にする必要はない。

「誰がどんなボールを握っているのかが一目瞭然です。管理画面上で、現在自分にアサインされている問い合わせだけを表示できるビューを作成できるので、精神的にもラクになりました。基本的には24時間以内にお客様に回答をするようにしているのですが、24時間を過ぎたものは自動的にアラートが上がってくるので、拠点空港間をまたいで手の空いたスタッフが対応することも可能になっています」と栢原氏が語るように、可視化により一元管理できるメリットは大きい。撫養氏もこう補足する。

「メールの場合は、その日のうちに解決できない問い合わせが溜まってくるとステータスがまったく把握できなくなっていきますが、Zendeskならアサインされている担当者でなくても問い合わせのステータスを確認できるので、たとえば、関空にいる担当者が成田着のお客様に対応できたり、空港間でフォローし合えます。これなら対応漏れの恐れもありません」

Zendesk導入によるもう一つのメリットは、「破損」「忘れ物」「引き取り忘れ/間違い」といった問い合わせの種類別に、フォームに表示されるフィールドを動的に変化させられる点である。たとえば、「忘れ物」に関する問い合わせであれば、忘れ物の詳細情報を求めるフィールドが表示され、「破損」の場合は、手荷物札番号や破損状況、携行品保険への加入状況を尋ねるフィールドが表示される。メールと違い、問い合わせ対応に必要な情報を一度でもれなく収集できるため、顧客との間でムダなやりとりが発生しない。

同社が目指すのは、顧客の期待値を超える対応だ。当然ながら、LCCとはいえ、サービスの質はリーズナブルであることとは比例しない。「航空業界は接客業と言われつつも、お客様との接点が意外と少なかったりします。当社の場合はコスト効率を高めるため、予約の大半はオンラインで受け付け、チェックインも自動チェックイン機。まるで電車のような感覚で飛行機に乗れてしまうので、特にお客様との接点は大切にしたいと考えています」と撫養氏。Zendeskが顧客と同社をつなぐ重要な導線となっているわけだ。

今後について、カスタマーエクスペリエンスのさらなる改善に取り組んでいくという。価格競争のステージから一歩先へ。今まで通り手頃な運賃を維持しつつも、新しい価値創造を模索している。

「問い合わせ対応の可視化により、拠点空港間でも手の空いたスタッフがフォローし合えるようになり、担当者の負荷軽減はもちろん、対応の遅れや漏れの解消にもつながっています。」

– 撫養 司氏オペレーション本部 空港業務推進部 空港業務推進課 アシスタントマネージャー