大企業向けヘルプデスクツールの機能や導入するメリットとは?
デジタル時代の今、従来のサポートソリューションでは多様化する顧客のニーズに応え続けられません。この記事では、顧客の期待に応えるための大企業向けヘルプデスクツールをご紹介します。
更新日: 2023年7月28日

大企業に電話で問い合わせた時の経験を思い出してみて下さい。「なんていいカスタマーサービスなんだ!」と思ったことはありますか?
顧客の期待に応えるのに苦労している大企業は少なくありません。カスタマーサービスソフトウェアに新しいサポートチャネルを統合する場合でも、大企業は二の足を踏む傾向があります。この原因のひとつが、創業時からの伝統的手法をそのまま使い続けていることです。
ですが、デジタル化が進んだ現在、電話やメールだけでは多様化する顧客のニーズに応え続けられません。
大企業にとっての課題は、規模が大きくても運営コストを引き上げることなく迅速に採用できるツールの選定です。サポート担当者が効率よく協力しながら働ける環境を整えなければなりません。大企業の場合は、問い合わせの数が中小企業に比べて格段に多いため、ヘルプデスクツールの力を借りなければ、個別に最適化された対応をカスタマーサービスで提供することは至難の業です。
この記事では、こうした課題を解決する大企業向けヘルプデスクツールをご紹介します。
大企業向けヘルプデスクツールとは
大まかに言うと、ヘルプデスクツールとは、複数のチャネルを超えた顧客対応やセルフサービス型サポートを提供するためのオールインワンのプラットフォームです。ヘルプデスク業務の対象は顧客の場合もありますし、社員の場合もあります。
エンタープライズサービスデスクツールと呼ばれることもある大企業向けヘルプデスクツールも、ソリューションとしては通常のヘルプデスクツールと同じです。唯一の違いは、社員1000人以上の大企業に対応している点です。
Zendeskでアドボカシーオペレーションズのシニアマネージャーを務めるChris Grosspietschがヘルプデスクのコンセプトをわかりやすく説明しています。「ヘルプデスクという言葉の定義は企業ごとに異なります。ですが、そこには共通する基本的な概念があります。つまるところ、ヘルプデスクのすべきことは、人々を助けることであり、また人々が助けを求めるために訪れる場所になるべきなのです」
デジタル第一主義を実践する大企業は、旧来型の大企業よりも40%迅速に顧客の問い合わせを解決しています。その秘密は大企業向けヘルプデスクツールにあります。ツールを使ってワークフロー管理を効率化しています。
高度なヘルプデスクツールを使えば、すべてのシステム、チャネル、記録を同期化させて、ひとつのプラットフォームにまとめられます。サポート担当者はひとつの画面から、対応中の顧客のすべての情報を把握できます。
大企業向けヘルプデスクツールは顧客のサポートだけではなく、社員のサポートにも利用できます。一般的に次のような機能が搭載されています。
- セルフサービス型サポートの導入:顧客の自己解決を促進するコンテンツがまとめられたナレッジベースやFAQの構築や顧客対応を自動化するボットの活用などがあります。
- チケット管理システム:サポートリクエストに対応して、問い合わせ内容を整理するためのシステムです。
- 問題追跡:ITの問題やバグを自動的に記録します。
- アナリティクス:顧客満足度(CSAT)や初回解決率など、カスタマーエクスペリエンス全般を測定できます。
- 自動化:サポート担当者のスキルに基づいた問い合わせの振り分け処理、マクロ、繰り返し処理などを自動化できます。
- 高度なインテグレーション:一元化された画面から社内のすべてのツールにアクセスできるようにするための統合機能です。
- オムニチャネルのサポート:顧客が好みに応じて問い合わせ方法を選べるようにします。
上記はほんの一部の機能で、大企業向けヘルプデスクツールにはこれ以外にも多くの有用な機能が用意されています。ヘルプデスクツールを導入すれば、生産性や顧客満足度を損なうことなく、大企業に特有の複雑なワークフローを管理しやすくなります。
主な利点をさらに詳しくまとめました。
大企業向けヘルプデスクの4つの利点
「数か国に5,000人の社員を持つ会社で、全く新しいソリューションをスムーズに採用・導入できるようになったら、導入してもいい時期といえるだろう」。こんな風に考えていませんか?
だとしたら、今が導入のタイミングです。大企業向けヘルプデスクは、大企業や急成長中の企業がカスタマーサービスに取り組む時に直面する主な課題を解決するできるように設計されています。適切な製品を選びさえすれば、大企業でも導入は簡単です。
サポート担当者のワークフロー改善による効率化
大企業は非常に多くの顧客を相手にさまざまなサポートを提供しています。信頼性のあるサービスを迅速に提供するには、込み入ったワークフローを簡便化するためのツールをサポート担当者に用意する必要があります。
エージェントのスキルに基づいて問い合わせを振り分けるように設定しておくと、問い合わせが入ってきた時に、自動的に最適な担当者に割り当てることができます。自分の能力では対応しきれない問題を割り当てられるエージェントがいなくなるため、より多くの問い合わせを処理できるようになります。
スキルに基づいた振り分けによる効率化
サポート担当者のスキルに基づいて問い合わせを振り分けている大企業は、この方法で振り分けていない企業と比べて、対応している問い合わせ件数が50%多いにもかかわらず、サポート担当者1人あたりの処理件数が2倍を上回っています。
大企業向けヘルプデスクには問題の解決に必要なリソースを集めて表示する機能があるため、サポート担当者の業務効率が高まります。Zendesk Supportでは、この機能を「コンテキストワークスペース」と呼んでいます。
コンテキストワークスペースでサポートチケットを開くと、対応中のチケットに関連するマクロ(返信用テンプレート)だけが表示されます。
また、特別なインターフェースを作成して、顧客が問い合わせに使ったフォームを確認できるようにすることもできます。
Zendeskの大企業向けヘルプデスクは、ナレッジキャプチャーアプリと併用すれば、問い合わせに基づいて自動的にナレッジベースの記事を提案できます。この効果は2つあります。
- 一度クリックするだけで、顧客が自力で問題を解決するためのリソースが提供されます。
- サポート担当者がより多くの問い合わせに対応できるようになります。
ナレッジベース管理強化によるセルフサービス型サポートの合理化
顧客の63%は「問題があったら、必ず、あるいはほぼ全ての場合、まずはその会社のWebサイトを検索することから始める」と答えています。
大企業にとって課題になるのは、これらのリソースをリアルタイムで作成・更新するために利用するシステムの管理です。
Zendeskのチームパブリッシングを導入すれば、エージェントが次を実施できるようになります。
- ナレッジベースの記事に対する改善を提案できます
- 自ら記事を更新できます
- 全く新しいリソースを追加できます
共有するコンテンツの品質を管理するために、公開権を特定の担当者に割り当てることができます。こうしておけば、顧客にとって有用なナレッジベースのリソースをすべての担当者が作成できるようにしながら、その分野の専門家が承認するまで公開されない業務フローにすることができます。
「チームパブリッシングのワークフローにより、担当者によるナレッジ作成とレビューが容易になり、記事作成プロセスが効率化されました。以前はコンテンツの公開に1週間かかったところ、今ではほんの1~2日で公開できます。当社のチームで評価されているのは記事のレビュー担当を割り当てる機能です。通知メールが自動送信されるので、キューをいちいちチェックしなくても、ただメールが来るのを待っていればよくなります」
Veeva Systems社 ナレッジマネージャー Mary Pae [出典]
最新の情報を提供するために内容を確認する準備ができたら、そのトピックの専門家に通知が送られるように設定することもできます。
AIを活用してナレッジベースのコンテンツを分析できるのも、大企業向けヘルプデスクツールの非常に大きな利点です。Zendeskではこの機能をコンテンツキューと呼んでいます。次のような活用方法があります。
- 評価の低いコンテンツがあれば、アーカイブ化を提案できます
- 利用頻度の高いコンテンツが定期的に更新されるように、注意を促すことができます
全社的にシームレスな協力体制を構築
カスタマーサポートの担当者が顧客の問題解決にあたる過程で、同僚やマネージャーの協力が必要になることは少なくありません。例えば、顧客に割引を提供するため、あるいは請求に関する詳細を確認するために承認が必要になる場合もあるでしょう。大企業向けヘルプデスクツールを導入すれば、チケット画面を開いたままで関係部署とチャットできるので、こういった連絡が合理化されます。
たとえば、Zendeskのコラボレーションアドオンを使うと、チケットを表示したまま他のメンバーや社内の関係部署とやりとりできます。
この機能があれば、サポート担当者は顧客の対応を他の担当者や部門に引き継がなくても、素早く答えを見つけられます。このため、初回解決率と全般的な顧客満足度の向上につながります。
30日以内での本格稼働が可能
新しいカスタマーサポートソリューションの採用は気が遠くなるような大掛かりな仕事のように感じられるかもしれません。定評のある大企業であればなおさら踏ん切りがつかないものです。しかし、適切な製品を選べば、導入はスムーズです。
Zendeskでは、大企業が最新の革新的なカスタマーサービスソリューションを採用するお手伝いをするために、専任のチームを設けています。導入やそれに伴う体制構築でお悩みの企業はお気軽にご連絡ください。契約から30日以内に稼働を開始することがも可能です。
「Zendeskを採用する最大の利点は、自社のニーズに合わせて細かくカスタマイズできることです。トリガの設定から業務ルール、自動化、レポートやAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)まで、何もかもカスタマイズ可能です。Zendeskを使えば、自由自在に自社に最適なワークフローを構築できます」
Stanley Black & Decker ビジネスイノベーションマネージャー Orlando Gadea Ros
Zendeskでは、目標設定の段階から、定期的な確認・レポートを通じた継続的な業務規模の調整まで、さまざまな支援を提供しています。業界ベンチマークも活用することで、着実に成功への道筋を進んでいけるようにしています。
大企業の場合、カスタマーサービスは一筋縄ではいきません。何千万もの顧客の膨らみ続ける期待に応えながら、予算も守る必要があります。千人以上のエージェントが常に一貫性のあるパーソナライズ化された顧客の体験を提供することは簡単ではありません。
機敏な対応が可能で規模も調整しやすい大企業向けヘルプデスクツールを活用すると、社員も新しい仕事の仕方を抵抗なく受け入れてくれます。
大規模なサポート業務での人間関係の構築
適切なツールやプロセス、技術がなければ、大企業が温かみを感じる人間的な対応をすることは困難です。
大企業向けヘルプデスクツールは規模の大きい企業のために作られていますので、大企業ならではのニーズに応えることができます。
- サポート担当者同士が効率的に協力できます
- チーム内のメンバー間で責任の所在が明確になります
- ワークフローを一元化できます
- 社員のやる気を引き出すことができます
Zendeskを採用すれば、短期間のうちに簡単に導入できます。ぜひお問い合わせの上、無料トライアルでZendeskをお試しください。