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ビジネスの規模が拡大するにつれ、創業当初の製品だけでなく、他にも複数の製品を開発・販売することになります。すると、顧客との関係性も必然的に変化し、自社ブランドにおける「顧客ファースト」の意味を見直す必要が出てくるはずです。

Zendeskの場合は、1つのカスタマーサービス製品に始まり、顧客関係の強化に特化した製品スイートへと発展を遂げました。当社は、企業の皆様が顧客について理解し、良好なコミュニケーションを行い、必要なときに必要な場所でカスタマーサービスを提供できるよう支援する製品ファミリーを提供しています。

提供する製品が増え始めたとき、Zendeskはまず、お客様が自力で情報を見つけられるよう、製品ごとにオンラインのヘルプセンターを設置しました。セルフサービス(自己解決)を促進するには、顧客にとって必要な情報をシームレスに提供することが重要だからです。

Zendesk以外の企業でも、おそらく製品やブランド別に複数のヘルプセンターを立ち上げることになるでしょう。しかし、多くのお客様がZendesk製品を複数導入してくださるようになるつれ、ヘルプセンター間でエクスペリエンスの齟齬が生まれてしまい、ユーザーは必要な情報を探すためにいくつものヘルプセンターを行ったり来たりしなくてはなりませんでした。

1年前、直観的な統合型のセルフサービスエクスペリエンスをすべてのお客様に提供するための最善策を見極めようと、プロジェクトを立ち上げました。Melissa Burch率いるカスタマーサポート セルフサービスチームは、お客様が当社のヘルプセンターをどう利用しているか、そのときのエクスペリエンスを改善するために社内でどう協力すべきかを調査・検討しました。

Zendeskでは、自社のカスタマーサービスを改善して、ベストプラクティスを見つけ出し、それをお客様にも共有することで、同じ効果を挙げていただきたいと考えています。

目標は「シンプルで統一感のあるカスタマーエクスペリエンス」

問題が起きたとき、まず自力で解決しようとする顧客が増えています。Harvard Business Reviewのデータによると、81%もの顧客が、自己解決を試みたうえでカスタマーサービスに問い合わせています。

当社では、お客様にシンプルなセルフサービスエクスペリエンスを提供するための一環として、どの製品に関する情報を探すときにもシームレスにアクセスできるよう、ヘルプセンターをすべて1つにまとめることにしました。

ヘルプセンターの統合に向け、カスタマーエクスペリエンスについてじっくりと検討し、お客様が解決策を探すときにどのような道筋をたどるのかを究明しました。Melissaのチームは、複数の製品を提供している他社のヘルプセンターがどのような方法で成果を挙げているのかを調査しました。また、社内の各部門からメンバーを集めて、ヘルプセンター統合に必要なことを検討し、計画を立て、実行に移しました。

エクスペリエンスの強化に向けた連携

ヘルプセンターを1つに統合すれば、一貫性のある優れたカスタマーエクスペリエンスを提供できますが、製品別のヘルプ記事にもこれまでどおり簡単に参照できるようにしたいと考えました。ヘルプセンターは、検索性だけでなく、当社ブランド全体として見ても、個々の製品として見ても、お客様の期待を裏切らないルック&フィールを備えなければならないからです。

当社は既に一貫したブランドボイスを確立しており、それに沿ってブランドのヘルプセンターやその他の資料を作成しています。同じようにセルフサービス用資料の見た目にもブランドボイスを適用したいと考えました。顧客にとって見やすく、情報を探しやすくなるよう、そして各製品がそれぞれ独自のルック&フィールを保持しつつも、まぎれもなく「Zendesk」だと感じられるよう、デザイナーがヘルプセンター用のテーマを作成しました。

製品をまたがって一貫したエクスペリエンスを提供することも1つの目標ではありましたが、それよりも、巨大化する新しいヘルプセンターを顧客ファーストに設計することが重要でした。

情報を公開していても、見つけられなければ役に立ちません。ですから、必要な情報を簡単かつシームレスにユーザーの元に届けたいと考えました。製品について疑問が生じたときにユーザーはどのように情報を探すのか、そのときのエクスペリエンスの価値をどうすれば高められるか、綿密に検討しました。

その結果、以下の高度な機能を搭載することにしました。

強力な検索機能

複数のヘルプセンターを1つにまとめるメリットは、あらゆる製品のコンテンツを一括検索できることです。複数の製品を使用しているユーザーも、Zendeskの全製品について同じ場所から情報を探せるようになりました。また、ヘルプセンターの検索機能では、検索キーワードに最も関連性の高い情報をすばやく提示できるアルゴリズムを採用しています。さらに、検索結果を製品別に見分けられる工夫も施しました。検索結果の一覧に視覚的なガイドを付け、どの製品に関するコンテンツなのかをわかりやすく示したのです。

直観的なナビゲーション

ヘルプセンターにアクセスしたユーザーが、できるだけ簡単に必要な情報を探せるように設計しなくてはなりません。ユーザーが検索した情報に関連するコンテンツがヘルプ記事内で提示され、また、検索ボックスが常にページの先頭に表示されるように設計しました。

また、直観的に使えるようにするには構成が大切です。柔軟な階層構造でコンテンツをまとめ、きめ細かなブラウジングを可能にしました。関連するコンテンツを複数のレベルでリンクしたことで、複数製品にまたがるコンテンツを直観的に閲覧できるようになりました。

Web Widgetに組み込まれたAnswer Bot

1対1のチャネルにおける顧客サポートにセルフサービスが浸透しつつあり、当社の新しいヘルプセンターでもその流れに乗ってお客様のニーズに応えたいと考えました。お客様は会話中心のチャネルでも自動サポートを受けることができ、知りたい情報について状況に合わせた回答を得られるようになっています。また、必要な場合にはサポート担当者が引き継いで問題に対処します。

Zendeskのセルフサービス対応の今後

ヘルプセンターの統合は、お客様が必要な情報をシームレスに見つけられるセルフサービスエクスペリエンスを提供するための、ほんの一歩にすぎません。カスタマーエクスペリエンスを改善する方法もまだまだ模索しています。お客様1人ひとりに合わせた方法であらゆる面をサポートするためにどうテクノロジーを活用していくか、アイデアは山積みです。

いずれは、ヘルプデスクで検索すると、お客様にとって必要な役立つ情報ばかりが提示されるように、エクスペリエンスを強化したいと思っています。Zendeskのカスタマーサポートチームは、お客様がどのようなエクスペリエンスを好むのか、今後も検討・調査を続けてまいります。そしてその知識を踏まえて、カスタマーエクスペリエンスを改善し続けると同時に、お客様が自社の顧客に対しても同じように優れたエクスペリエンスを提供できるよう、ツールを通じてサポートしていきたいと思っています。

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