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カスタマーサービスチームの能力を引き出すマネジメントのコツ

更新日 2024年2月22日

いくら有能なメンバーが揃っていても、カスタマーサービスチームをまとめ上げるのは簡単な仕事ではありません。そこで今回のブログでは、マネージャーの皆様に向けて、サポート担当者が存分にスキルを発揮して、良質なカスタマーサービスを提供できるよう、チームを上手にマネジメントするためのアドバイス、ヒント、指針をご紹介します。少しでも参考になれば幸いです。

以下、次のポイントに触れながら説明していきます。

  • 適正な評価や報酬を与えてモチベーションを高める
  • 忙しくて人手が足りない時こそ冷静に
  • イベントでチームの視野を広げる
  • ローテーション制で新鮮味を保つ
  • 持続的な成長に向けた体制を整える
  • チームに権限を与える
  • 透明性を確保する

なぜチームマネジメントは重要なのか

高品質なサポート、そして優れたカスタマーサービス部門を支えているのが、チームのメンバーです。どんなチームにも、うまくいく時期とそうでない時期があるものです。順調な時は、各メンバーが黙々と仕事をこなしているだけで、顧客のニーズを満たせるかもしれませんが、そうでない時は、必死の努力で顧客のニーズに応える必要が出てきます。

ただ、顧客にしてみれば、そんな事情は知ったことではありません。一つ言えることは、どちらの場合でも、メンバーがいかに力を合わせられるかで、提供するサービスの品質は変わってくるということです。逆に言えば、せっかくサポート体制を見直し、効率的で顧客ファーストなプロセスを構築できたとしても、チームメンバーがやる気を失っていたり、不満を感じていたり、うまく協力できなければ、そのプロセスは機能しなくなってしまいます。

従業員の満足度を高めることは、顧客満足度の向上にもつながります。サポート担当者は言わばブランドの顔であり、顧客と接する機会が最も多い立場のため、特に優秀な人材を揃えなければなりません。しかし、実際に採用担当者に話を聞くと、それは言うほど簡単なことではないようです。以降のセクションでは、カスタマーサービスチームを上手にマネジメントするためのヒントをご紹介します。

Zendes guide to organizing support for future success

適正な評価や報酬を与えてモチベーションを高める

サポート担当者が確実に成果を上げ、意欲的に業務に取り組めるようにするための方法はたくさんありますが、適正な報酬制度や評価制度を取り入れるのも1つの手です。一般的な制度をそのまま採用するのではなく、会社が重視したい規範や価値観が反映されるように、自社の企業文化に合わせてカスタマイズしましょう。ただし報酬は、メンバーのやる気や仕事への満足度を高める一方で、思わぬ落とし穴もあるので注意が必要です。ここでは、そんな注意点をご紹介します。

金銭的な報酬は避ける

金銭的報酬を与えたからと言って、必ずしも期待どおりの結果が得られるとは限りません。初めのうちは良い方法に思えるかもしれませんが、そのうちメンバー同士が火花を散らし合い、チームの雰囲気が悪くなるということも少なくありません。

それでも金銭的な報酬を支給する場合は、慎重に進めてください。一般的には、業績目標を明確に設定し、その達成状況に応じて賞与を支給するというのが最適なアプローチです。こうした賞与は、「変動報酬」や「業績連動報酬」と呼ばれることもあり、業績目標を達成した従業員を対象に支給されます。この仕組みは、単にチームの競争心を煽るだけでなく、また別の効果ももたらします。たとえば、最も多くのチケット(問い合わせ)を処理できた担当者に一定の金額を支給するというのも、賞与に当たります。変動報酬を取り入れれば、チーム内に競争を生まずに、個々がそれぞれのパフォーマンス向上に励むことが期待できるのです。

達成可能な目標を設定する

マネジメント計画には、日単位や週単位の目標が達成可能なレベルで設定されているはずです。どの程度なら妥当な目標と言えるのかを理解し、その目標をきちんと共有すれば、優れたパフォーマンスを達成するにはどの程度の努力が必要なのかもわかってきます。設定された目標を通して、各メンバーは自分に求められていることを理解できるようになり、さらにその達成度を自身で確かめられるようになるため、これは従業員満足度の向上にもつながります。

適正な頻度で報酬を与える

頻繁に報酬を与えすぎると、効果が薄れてしまいます。あまりに日常的に報酬を与えられるようになると、誰もわざわざそのために頑張ろうという気にはならないからです。メンバーにスポットライトを当てるのは、本当に優れた成果を見せた時だけにしましょう。メンバーを評価する頻度について具体的なガイドラインを作成すれば、各メンバーが目覚ましい成果を達成した時に、きちんとそれに気づいて評価できるようになります。他にも、メンバーがややこしい問い合わせをどうにか処理できた、非常に難しい局面を乗り切れたといったタイミングで、報酬を与えるのもお勧めです。

ちなみにZendeskでは、報酬の1つとして、お馴染みのゆらゆら揺れるおもちゃの人形「起き上がりこぼし」を取り入れています。これはぐらついても決して倒れることがない、不屈の精神を表すもので、Zendeskでは、困難な状況を乗り越えた、あるいはその最中にいるメンバーに、起き上がりこぼしを渡しています。これにより、人形を渡されたメンバーは、具体的な言葉はなくても、周りが自分を気にかけて評価してくれていることを実感できるという効果があります。

称賛し合う文化を根付かせる

目標の達成など、チームの誰かが素晴らしい成果を上げた時に、メンバー同士で称え合えるような仕組みを作りましょう。Zendeskでは、スタッフ全員がYammerの称賛機能を活用して、他のメンバーの優れた取り組みを賞賛しています。互いの功績をきちんと認め合えるような環境は、メンバー全員にとってプラスに働きます。

ゲーミフィケーションのシステムづくりは慎重に

ゲーミフィケーションを導入して、リーダーボードやバッジといった便利なアイテムを使うことで、各メンバーの評価状況を素早く全体に共有することができます。ただし、使い方次第では望ましい行動や結果につながらないため、注意が必要です。たとえば、ナレッジベースの記事(問い合わせへの回答)の数を増やしたい場合、作成した記事の数をベースに報酬を与えると、とりあえずノルマの数をこなそうと、記事の品質を疎かにしてしまうメンバーも出てくるかもしれません。記事はあくまでクオリティで評価すべきなのですから、作成した記事の数ではなく、各記事の閲覧数によって評価することをお勧めします。また、ゲーミフィケーションのシステムについて、メンバーに説明する時の言葉選びにも注意が必要です。他者より優れていることではなく、自分の中でベストを尽くすことに意義があるという点を強調しましょう。

メンバー1人ひとりに合ったアプローチをとる

サポート担当者の中には、派手にスポットライトを浴びるのことを好む人もいれば、そっと褒め言葉をかけてもらえれば良いという人もいます。そのため、報酬や評価を与える時も、画一的なアプローチではうまくいきません。時間をかけて1人ひとりに最適なアプローチを見極めれば、メンバー側も「きちんと認めてもらえている」と心から思えるようになります。

Zendesk guide- stay cool when under pressure

忙しくて人手が足りない時こそ冷静に


時期によっては、サポート担当者の人数が十分に揃わないこともあるでしょう。インフルエンザなどの流行期、大型連休、複雑な製品をリリースしたばかりの時期などは、事前に綿密な計画を立てていても、想定よりも少ない人数で対応しなければならないことがあります。厳しい状況に思わず肩を落としてしまいそうですが、これは避けられないことでもあるため、こうした状況に対処するための戦略を練っておくことが大切です。

こうした状況でまず必要なのが、きちんとアナウンスをすることです。チームに対して、人手が足りていないこと、今いるメンバーで協力して乗り切らなければいけないことを伝えます。モチベーションの低下を防ぐには、単に勤務時間を増やすようお願いするのではなく、対応が滞っている理由をしっかり説明するのが重要です。このタイミングで、長時間労働のモチベーションになり得るか、現状の報酬制度や評価制度を改めて見直してみるのも良いでしょう。また、マネージャーはすべてのミーティングをキャンセルし、メンバーにもそうするようにお願いします。たいして重要でない作業はすべて後回しにして、最優先のタスクに集中できるようにするのです。さらに、定時以降も忙しい状況が続きそうな場合は、残業のスケジュールを立てて、何時間くらい残ってもらいたいかを明確に伝えます。この時、残業時間内に達成したい目標を伝えることも大切です。

また忙しい時こそ、1日の業務内容をチェックしましょう。もしすぐに回答する必要のないチケットがあれば、人手が十分に揃う日まで後回しにしておきます。また、別の部門でも回答できるような簡単なチケットがあれば、他部門の責任者に協力を仰いでみるのも良いでしょう。実際に、マーケティング、営業、製品管理といった部門は、普段からチケットを引き継ぐことが珍しくありません。顧客を大切にしている企業であれば、部門にかかわらず、ほとんどの従業員がチケット対応に関する基本的なトレーニングを受けているはずです。

ゆっくりランチをとるのが好きというメンバーが多くても、忙しい日はそういうわけにもいきません。マネージャーの自腹になってしまうかもしれませんが、可能なら会社の経費で、昼食やちょっとしたお菓子を用意するのはいかがでしょうか。チームの懸命な働きぶりへの感謝の気持ちを伝えることができます。とにかく一番重要なのは、冷静さと集中力を保つことです。忙しい1日にも必ず終わりがやって来ます。マネジメントの腕次第で、その日の成果はいかようにもなるのです。

イベントでチームの視野を広げる


クリエイティビティを発揮できるような場面があると、メンバーは進んで協力し合い、日々の業務にも熱心に取り組めるようになります。たとえば出張やオフィス外の活動を含め、自分が普段関わっていない会社の重要な取り組みに関われるような機会があると、チームの良い刺激となり、モチベーションのアップにつながります。

そこでお勧めしたいのがイベントへの参加です。出張を伴うことも多く、学習や人脈づくりには最適の場です。同じ業界の人々と情報交換できるほか、人前でプレゼンテーションをしたり、グループをまとめたり、スキルを磨いたりと、成長のチャンスも多くあります。メンバーにとって、こうしたイベントは、単にオフィスを飛び出して日常業務から離れられるというだけでなく、新しく何かを学んだり、カスタマーサービスコミュニティの一員であることを実感できる機会でもあります。各メンバーに「自分はカスタマーサービスの一担当者として重要な役割を担っている」と感じてもらうことは、ビジネスの繁栄にもつながります。

Zendeskでは、「Zendesk User Groups」というイベントプログラムを実施しています。世界各地で行われるこのZendeskユーザーの集いでは、特に熱心なユーザーに声をかけて、全体をまとめるホスト役を務めてもらっています。このイベントは、ユーザーがナレッジを共有して、Zendeskを最大限に活用できるようにすることを目的としています。

イベントでは、毎回1人のユーザーに導入や活用の体験談を紹介してもらってから、グループディスカッションを行います。ユーザーにとっては、製品に関するヒントやコツを共有したり、新機能に関する情報を収集したり、別のユーザーやZendeskのスタッフと交流する絶好のチャンスです。

ユーザーイベントは、ユーザーにとって以下のようなメリットがあります。

  • リーダーシップを発揮する機会がある
  • 機能に関する情報をいち早く簡単に入手できる
  • カスタマーサービスの専門知識を蓄積できる
  • ベンダーや他のユーザーと交流を深められる
  • 今後のイベントのアジェンダづくりに活かせる

ユーザーイベントは、Zendeskの従業員にとって、日々やり取りしているお客様と顔を合わせることができる楽しみな機会であり、お客様にとっては、ベンダー側と話ができる貴重な場でもあります。

皆さんの企業でも、カスタマーサービスチームの士気を高めるために、ぜひこうしたイベントを企画してみてはいかがでしょうか。チームにとってすばらしい機会となるのはもちろん、メンバーは充実感を得られ、顧客の満足度も高まるという点で、企業全体にもプラスに働きます。

Zendesk guide to managing great customer support teams

ローテーション制で新鮮味を保つ

優れたカスタマーサービスを提供するうえでまず欠かせないのが、一流のカスタマーサービスチームを作り上げることです。つまり、優秀な人材を確保して囲い込むということですが、これは言うほど簡単なことではありません。最善策の1つとしては、できるだけやりがいがあって充実した職場環境を作るという方法が考えられます。それを実現するには、担当者間で業務をローテーションできるような仕組みを作る必要があります。

また、業務に優先度付けをするのも重要です。そうすれば、多忙な日でも状況が落ち着くまで一時的に、重要度の高い業務から優先して担当者を配置できるようになります。定期的にローテーションすべき業務としては、たとえば次のようなものがあります。

  • トリアージ(割り当て):  顧客から届いたチケットをグループに割り当てます。通常、これは管理者の役割ですが、ローテーション制でメンバーに任せてみましょう。これにより、顧客対応の最前線に立つメンバー全員が、チケットの適切な割り当て方を含め、チケットによるサポート管理がどういうものか理解できるようになります。
  • 電話サポート管理:  電話サポートにおける顧客の待ち状況を管理します。混み合ってきた時は、他のチャネルの担当者にサポート支援を募り、電話が全くかかってこない時は、チケット処理を支援します。
  • チケットタンク:  複数の質問や複雑な質問が含まれるなど、通常よりも処理に時間がかかりそうなチケットを詳しく調査します。
  • チャット対応:  チャットで顧客とリアルタイムにやり取りします。
  • 電話対応:  電話で顧客とリアルタイムにやり取りします。

カスタマーサービスは、決してカスタマーサービス部門だけに関わるものではありません。サポート担当者が担う役割の中には、他のチームを支援したり、他部門の業務内容について把握したりと、会社全体の利益につながるものもあります。以下、そうした業務を3つご紹介します。

  • トレーニング:  顧客が自社の製品やサービスを最大限に活用できるようにお手伝いします。カスタマーサービスチームのメンバーは、常日ごろからサポート業務に携わっているため、顧客をトレーニングするには最適の人材と言えます。
  • ナレッジマネージャー:  ブログやコミュニティフォーラムの投稿、ヒント、ナレッジベースの記事、ベストプラクティスをまとめます。多忙な日には、真っ先に業務を中断して支援に回れる立場でもあります。
  • 特定分野のエキスパート:  製品に関するミーティングに参加して、顧客から得たフィードバックを提供します。日ごろから製品を使用しているユーザーの声は、製品改良の大きなヒントになります。サポート担当者は毎日のように顧客と接しているため、ミーティングを通して顧客の生の声を社内に届けることができます。

持続的な成長に向けた体制を整える

一部の企業、特に大規模なカスタマーサービス部門を擁する企業の場合は、複数のユニットを編成するのがお勧めです。
各マネージャーは割り当てられたユニットを管理して、それぞれのユニットのリーダーと毎週ミーティングを行うようにします。そうすれば、マネージャーはサポート担当者1人ひとりと個別に話さなくても、あらゆる活動や問題について最新の状況を把握することができます。また、日々の業務管理も各リーダーに任せれば、マネージャーの負担はさらに軽減され、戦略を立てたり、改善策を実施したりと、より重要なタスクに注力できるようになります。ただし、担当者とも適宜コミュニケーションをとるようにして、1日中デスクにかじりつくことがないように注意しましょう。

将来のマネージャー候補を育成できるというのも、ユニットを編成する大きなメリットです。ユニットの各リーダーに、マネジメント能力を発揮する機会を与えることができるからです。各リーダーの能力を判断するうえでは、次のような点に注目します。

  1. どんなマネジメントスタイルをとっているか? それは会社全体の方針と一致しているか
  2. 周りが疑問や問題を抱えているときに、自然と相談できるような人物か? (答えがイエスなら、その人物はリーダーとしての素質を持っていて、製品やサービスについても深く理解していると言えるかもしれません。)

新しいポジションでもうまく成長していけそうな人材を、常にチーム内で探しておくと良いでしょう。今後、新たにリーダー的ポジションが設けられた時に備えて、有力な候補者を絞り込んでおきます。

そのうち、担当者レベルにもある程度の権限を与えたいという気持ちが出てくるかもしれません。つまり、現在の体制の範囲内で、顧客にどのように対応するか、顧客の要求をどこまで受け入れるかについて、サポート担当者が自由に決められるようにするということです。適切に権限を与えられれば、担当者のモチベーションは高まり、各マネージャーはより複雑なタスクに集中できるようになります。大切なのは、担当者に対して、「自分が経営者になったつもりで、経営者の視点から顧客にとって最適な行動を判断する」ように強調しておくことです。

チームの判断を温かく見守る

何をするにもミスは避けられないものです。大切なのは、単にチームに権限を与えるだけでなく、メンバーが意思決定を下す時に、リアルタイムでコミュニケーションをとれるようにすることです。そうすることで、マネージャーはチームの判断を見守り、必要であれば正すことができます。判断が適切でなかった場合は、迅速にコーチングを行うべきですが、罰則的に権限を取り上げてはなりません。むしろ良い学びの機会になったというムードを作ることで、メンバーは同じミスを繰り返さないように気をつけつつ、今後も委縮せずに判断を下すことができます。

これに関連した2つのよくある事例をご紹介しましょう。

1つ目は、チケットが別の部門にエスカレーションされた後、1週間何の音沙汰もなかったため、顧客が腹を立てているというケースです。この時、サポート担当者に権限が与えられていないと、まずは現在のチケット所有者を追跡するための許可を得なければならず、マネージャーは細かい手続きに手間を取られてしまいます。一方で、権限が与えられている担当者であれば、製品マネージャー、エンジニア、営業担当者など、現在のチケット所有者が誰であっても直接コンタクトをとることができます。つまり権限があれば、顧客の声をいち早く関係者と共有できると共に、顧客に対して最善のアクションをとれるということです。

2つ目は、製品やサービスが期待に沿わなかったため、顧客が返金を要求してきたケースです。こうした場合に備えて、担当者に返金の権限を与えておくと良いでしょう。マネージャーが返金額の上限を設定することもできますが、最終的な決定は担当者に委ねるようにします。その他の意思決定と同じように、もし担当者の判断が適切でなければ、マネージャーがすぐに介入して、次回からどのように対処すべきかをコーチングしましょう。またマネージャーは、各担当者が判断した返金額を基に、もう少し融通を利かせた方が良い担当者や、逆にサービスが過剰な担当者を特定することもできます。

透明性を確保する

経営陣から現場の担当者に至るまで、チーム内の透明性を保つことは、カスタマーサービス部門として成功するには最も重要なことです。前述のとおり、メンバーの満足度を高めることは、顧客満足度の向上にもつながりますが、それは報酬や評価によってのみ実現されるわけではありません。明快でオープンなコミュニケーションをとれる環境は、目標を設定し実践することを後押ししてくれます。透明性の確保は、企業の規模が大きいほど重要となりますが、その分難易度が上がるのも事実です。ここからは、チーム全体のコミュニケーションを改善するためのアイデアをご紹介します。

リーダーチームが集まる場を設ける

定例ミーティングを設定し、カスタマーサービス部門の各リーダーに出席してもらいます。ミーティングは、全員が合意済みのアジェンダに沿って進めていきます。

事前にアジェンダを擦り合わせる

ミーティングの前には、まず参加者から提案されたトピックをリスト化し、それぞれの所要時間の見込みを添えて参加者に送付します。反応が返ってきたら、フィードバックや優先度に応じてアジェンダを調整し、全員がミーティングの時間を有効に使えるよう、事前に最終版を送付します。これは手間のかかる作業かもしれませんが、将来的にチームが順調に取り組みを進めていくうえで、アジェンダを文書化しておくことは非常に大切です。

情報共有を徹底する

意思決定を下した後、それが全員に伝わり、フィードバックが上がってくるまで、ただ待っているだけでは不十分です。リーダーチームが全体に影響するような決定を行う場合、正式な決定を下す前に、各方面からフィードバックを募る時間をとりましょう。毎週1対1のミーティングを行い、情報が伝わっていることを確認してください。リーダーチームのミーティングには、マネージャーも同席して、共有すべき情報、受け取るべきフィードバック、予想される所要時間について明確にします。意思決定が遅れることのないよう、あらゆるレベルの従業員にすばやく情報を共有するようにしましょう。
通常、リーダーには、現場の担当者と連携し、業務内容をフォローし、状況を把握することが求められます。このように可視性を高めることで、リーダーは十分な判断材料を基に変革に向けた提案ができるようになります。

Zendsek management guide - illustration of relay race

意思決定の根拠を明確にする

最終的な意思決定の前にフィードバックを得ても、判断が左右されるわけではありませんが、何かしらのヒントにはなります。チームからフィードバックを収集した場合も、そうでない場合も、決定が下された理由を皆に伝えることは重要です。そうすることで、関係者全員が共通の認識を持てるようになります。

匿名のフィードバックを歓迎する

匿名でフィードバックを収集できる仕組みを整えることも、非常に大切です。Zendeskでは、Googleフォームを使って、収集されたフィードバックをニュースレターで配信しています。サポート担当者は意見や質問を自由に送信することができ、返信も2週間以内に受け取ることができます。こうした方法で十分なフィードバックが得られなかった場合は、アンケート調査を実施するのもお勧めです。とにかく重要なのは、担当者がリスクを感じることなく、声を上げられるようにすることです。

多方面からフィードバックを募る

マネージャーは、会社全体に対する匿名のフィードバックは当然のこと、自身についてのフィードバックにも真摯に向き合うべきです。現状の良い点や悪い点についてさまざまな方面からフィードバックを募り、もしもっと適切なアプローチが思いつけば実践してみましょう。担当者たちが貴重な時間を割いて意見を出してくれるのですから、何かしらの変化や改善のしるしを示したいものです。

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