顧客にも企業にも評判の旅行・観光業界向けチャットボットの事例

観光業界が勢いを取り戻しつつある中、顧客の期待は増大しています。AI搭載のチャットボットを使用すれば、サポート担当者のストレスを軽減し、あらゆる段階の顧客を支援できます。

発行日: 2021年12月17日
更新日: 2021年12月17日

現在、旅行・観光業界はサポートに関してどれほどの成果を挙げているのでしょうか。NASDAQの記事で、先日実施されたカスタマーサービスに関する実験が紹介されています。同実験では、旅行およびホテル関連の世界的大企業3,000社を対象に、カスタマーサービスの品質の検証および測定が行われました。端的に言うと、大いに改善の余地があるという結果になったようです。

カスタマーエクスペリエンスの手間を軽減し、ストレスを取り除いて顧客に驚きと喜びを与えるために、企業各社はAI搭載の旅行・観光業界向けチャットボットを使用して、カスタマージャーニーのあらゆる段階で顧客に対応しています。

今日の旅行者は、問題が生じたときにすぐに解決してほしい、1人ひとりに合った対応をしてほしい、利便性を最大限に高めてほしいなど、多くのことを期待しています。新型コロナウイルス感染症によるパンデミックが続く中でも、旅行・観光業界は復調の兆しを見せており、人々はこれまで以上に高い期待を胸に、空の旅やホテルへの宿泊を再開しようとしています。

こうした諸々の背景によって、今、旅行・観光業界ではカスタマーサービス用チャットボットが以前にも増して普及しています。そこで今回は、旅行・観光業界で使用されている優れたチャットボットを厳選してご紹介します。

旅行およびホテル関連企業の優れたチャットボット7選

  1. WestJet

    WestJet-Chatbot

    WestJetは、Netomiの提供する「Juliet」を導入しました。Julietは多言語対応のAIバーチャルアシスタントで、チャット、WhatsApp、Facebook Messenger、Googleアシスタントを通して使用できます。

    AIチャットボットの中で史上最高の精度を誇り、カスタマーサービスチケットの74%を、人間の介入なしで自律的に解決しています。WestJetでは、パンデミックの発生により、カスタマーサービスへの問い合わせ件数が45倍に急増しましたが、膨大な数の問い合わせに対応できるJulietのおかげで、何万件もの電話での問い合わせを、サポート担当者が関与することなく解決できました。

    Julietの導入以降、同社の顧客満足度(CSAT)は24%上昇しました。Julietがなかったら、旅行に関する制限措置やガイドラインが急速に変化してキャンセルが殺到した大変な時期に、同社がサポート業務を難なく拡張することはできなかったでしょう。

  2. Cosmopolitan of Las Vegas

    Cosmo-Vegas-Chatbot

    The Cosmopolitan of Las Vegasは、実にユニークなチャットボットを備えています。常駐デジタルコンシェルジュの「Rose」は、ラスベガスにふさわしい謎めいた魅惑的な雰囲気を醸し出し、顧客にこんな約束をします。

    「お望みでしたら、当ホテルが最高にスリリングな体験をお引き合わせします」

    Roseはテキストメッセージを通じて、ホテルのサービスに関する質問に答えるだけでなく、レストランをお勧めしたり、飲食店、スパトリートメント、イベントチケット、セルフガイドツアーの予約案内を行ったりします。Roseは、1,000パターンを超える会話のやり取りと独自のジャーニーを学習しており、そのキャラクターによってホテル滞在中のゲストを惹き付け、数々の提案を行うことで、収益向上を促進します。

    The Cosmopolitan of Las Vegasの社長はこう話します。「(Roseの)遊び心のあるキャラクターに魅了されて直接予約したお客様は、Roseとやり取りしなかったお客様よりも支出額が37%多くなっています」

  3. Megabus



    Megabusでは、パンデミックを受けて、旅行の日程変更やキャンセルを検討している顧客からの問い合わせが急増し、そうした状況に対応するためにメール用チャットボット「Chuck」の運用を開始しました。

    パンデミックの当初、サポートチームは、問い合わせやゴーストコンタクト(同じ顧客が1つの問題を複数のチャネルから問い合わせてくること)の殺到に悲鳴を上げていました。

    そこで同社は、Netomiが提供するAI搭載ボットのChuckを数週間のうちに導入し、予約の変更、キャンセルと返金、手荷物の紛失といった、特に緊急性の高い問い合わせに即座に対応できるようにしました。

    Chuckに搭載されたAIは、時間と共に精度が向上しており、問い合わせへの対応率は今や80%に達しようとしています。おかげで、Megabusの担当者は、複雑な問題に専念できるようになりました。

  4. Edwardian Hotel

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    Edwardian Hotels Londonの「Edward」はSMS用のAIチャットボットで、顧客にホテルのアメニティを紹介したり、指示やヒントを与えたりするほか、クレームの受け付けも行います。同ホテルでは、Edwardを導入したことで、部屋の予約、チェックイン、支払いまで、ゲストエクスペリエンス全体がセルフサービスでまかなわれています。

    AIと自然言語処理の技術を備えたEdwardは、ゲストのニーズをきわめて的確に理解し、プランの詳細、チェックアウトの時間、プランのアップグレード、アメニティの追加、ルームサービスの注文など、1,200を超えるトピックに対応することが可能です。

    バックエンドシステムと統合すると、寄せられた問い合わせを携帯電話番号と同期して、個々のゲストを識別します。それから数秒以内にゲストのプロフィールにアクセスし、高度にパーソナライズされたエクスペリエンスを提供します。

    もし自力で解決できなければ、対応可能な担当者に問い合わせを転送します。そこで問い合わせが効率的に処理されないような場合は、次に総支配人にエスカレートします。

    Edwardian Hotels LondonのITディレクター、Michael Mrini氏はこう話します。「Edwardが受ける問い合わせの中で特に多いものの一つが、『予約したプランに朝食は含まれていますか?』という質問です。Edwardは予約内容を確認し、朝食が含まれていない場合はその料金を伝え、クーポンを提供して、お客様がご希望であれば朝食をプランに追加します。Edwardは、人間のスタッフが予約内容を確認するよりもずっと速く、こうした一連の作業を行えます」

    Edwardのおかげで、ルームサービスの売上は10~50%増加しました。Edwardは、99か国に及ぶ59の言語、30,000人を超えるゲストをサポートし、2019年の時点では、問い合わせ全体の69%を処理し、約95営業日の節約につなげました。

  5. Southwest Airlines

    Southwestは旅行者向けアプリではなく、採用プロセスに使用するためのボットを導入しました。このボットは募集職種に関する質問に答え、応募条件、希望給与、スキルについて応募者にたずねます。

    従来、同社では求人を出してから採用者を決定するまでに、長いときには45日間もかかっていました。募集人員は2,000人を超え、人事部門には支援が必要でした。

    そこで、チャットボットを導入したところ、採用期間を半分に短縮できました。導入以来、ボットは120万人以上の応募者とやり取りしてきましたが、これは人間の採用担当者が対応した場合、18,000~92,000時間に相当します。



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    Southwestの人材獲得スペシャリスト、Sarah Steinmann氏はこう話します。「以前は、当社の求人サイトを訪問してきた数千人の候補者に対し、疑問点への答えがきわめて簡単にわかりやすく見つけられるような環境を整えられていませんでした」ボットの導入以降、サイト訪問者の28%がボットに提案された職種をクリックし、そのうちの57%が実際に応募に至っています。

  6. Emirates Vacations

    Emirates Airlinesのツアーオペレーター部門は、ディスプレイ広告内でユニークなチャットボットエクスペリエンスを構築しています。

    閲覧者が旅行について質問すると、広告ユニット内で直接回答が得られ、自分に合ったお勧めの旅行プランが表示されます。

    質問に関連する背景情報、広告が掲載されたサイトの内容、会社の旅行プランの在庫状況に応じて、閲覧者ごとにやり取りがカスタマイズされます。

    Emirates Airlinesでは、こうした新しい広告ユニットを試行したところ、標準のディスプレイ広告に比べてエンゲージメント率が87%増加しました。これは、チャットボットを革新的な方法で使用し、ユーザーの状況に沿ってパーソナライズされた魅力的なエクスペリエンスを提供した好例と言えます。



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  7. WYNN Las Vegas

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    Wynn Las VegasおよびEncore Resortでは、4,000部屋以上の客室にAlexa搭載のEchoデバイスを設置し、ゲストが話しかけるだけで200種類を超える質問に回答できるようにしました。

    Wynn Las Vegasのマーケティング担当バイスプレジデントを務めるAlex Robinson Hinkle氏は、次のように述べています。「もちろん、お客様がお困りの場合は、フロントスタッフやコンシェルジュがいつでも個別に対応させていただきます。一方で、Alexaもご希望に応じてご利用いただけます。これは、お客様に快適さと利便性をお届けするためのサービスの一つです」

    Wynn Las Vegasが使用するAlexa搭載ボットは、ゲストエクスペリエンスを簡素化できるのが強みです。Alexaに話しかけるだけで、天気の確認、フロントへの電話、ルームサービスの注文、さらには部屋の温度調節も行えます。

    さらに、このボットは自然言語理解にも優れています。導入してからわずか2か月間で、敷地内のバーやレストランに関する問い合わせの想定パターンを5,000とおり学習しました。この非接触型エクスペリエンスの成果は目覚ましく、顧客満足度は83.7%を超えました。

旅行者はチャットボットに好意的

旅行・観光業界が回復傾向にある中、航空会社、宿泊施設、クルーズ会社、その他の旅行関連企業は、カスタマーエクスペリエンスを重視し、あらゆるタッチポイントから摩擦を取り除いて、カスタマージャーニー全体で顧客1人ひとりと親密にやり取りする必要があります。

旅行者は、今回の記事でご紹介したようなチャットボットを好意的に見ているという調査結果もあります。事実、37%の消費者が、旅行の計画を立てる際にチャットボットと好んでやり取りしていると言います。これは、ゲストエクスペリエンスの向上、コストの削減、収益の拡大を目指しているすべての旅行関連企業にとって嬉しいニュースです。

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