「デジタルとアナログの融合」を目指して 質の高いコミュニケーションを設計

家事代行サービスのリーディングカンパニーである株式会社ベアーズは、利用者である顧客とのやりとり、顧客宅を訪問するスタッフとのやりとりをZendeskで可視化し、コミュニケーションの質を担保できる仕組みを構築。顧客との絆を強め、スタッフのモチベーションを高めて、新しい産業の成長をドライブしている。

株式会社ベアーズ

「当社は、何よりもまずお客様やスタッフに寄り添うことを重視しています。Zendeskの導入を機に、これまで人力で感動度120%に取り組んできた部分をデジタル化しつつ、より一層心の通った手厚いサポートが可能になっています」

三田 将司氏

事業推進本部 IT戦略室 室長
- 株式会社ベアーズ

導入製品

Zendeskソリューション導入の背景と課題

1999年、「がんばる女性を応援したい」という思いから誕生した株式会社ベアーズ。今まで存在しなかった家事代行サービスを日本に根付かせたパイオニア企業であり、業界上位のリーディングカンパニーとして新しい産業を創ってきた。女性の社会進出や共働き世帯の増加に伴い、「女性の家事からの解放」を応援する事業として右肩上がりの成長を続けてきたが、昨今は女性に限らず、男性の一人暮らし、高齢者を抱えるご家庭など、幅広い層からの家事代行ニーズが高まっている。

ベアーズが目指すのは、家事代行を誰もが気軽に、当たり前に頼める習慣、サービスにすること。そのために、「他人を自宅に入れる」ということへの不安に寄り添い、顧客の信頼を得ることを第一に考え、社是である「お客様感動度120%の飽くなき追求」を愚直に続けている。顧客宅ごとのニーズやルールがある中で、常に今以上に使いやすいサービスを提供していくための改善も進む。その一つが総合暮らしサポート企業を目指した「デジタルとアナログの融合」である。人対人のビジネスであり、テクノロジーの力を借りて改善すべき部分と、敢えて人力で汗をかく部分とを切り分け、その両輪でより一層お客様感動度を高めていこうという考えだ。

こうした取り組みの中心にいるのが、顧客の依頼を受け、家事代行を行うスタッフ(以下、ベアーズレディ)との調整を行うサポートチームである。個々のニーズに合ったオーダーメイドのサービスを目指すベアーズにとって、品質管理を担うチームと言っても過言ではない。現在はZendeskで一元管理されているが、以前は業務が非常に煩雑で無駄な工数が生じていたという。

「顧客からのメールや電話での依頼・問い合わせをチャネルごとに別々のツールで管理していたため、複数のツールを駆使しているうちに対応が重複してしまったり、逆に依頼すべきタスクが漏れてしまったり、対応が遅延していることに誰も気づかなかったり、複雑な工程を経ることでヒューマンエラーによる不備を引き起こしていました。さらにベアーズレディとのやりとりにはLINEも加わり、ツールが増えれば増えるほど現場からは悲鳴が上がるような状況でした。」(株式会社ベアーズ 家事代行事業本部 カスタマーサクセス部DCC課課長 小野寺 亮介氏)

一方で、顧客の特性を熟知しているのは、実際に顧客宅を訪問して調整を行っている営業担当者であり、「サポートチームが同じ目線でサポートを行えるかどうかが長年の課題」と株式会社ベアーズ 事業推進本部 IT戦略室 室長 三田 将司氏は指摘する。「中には営業担当者が休み返上で熱心にお客様対応を行っているケースもありました。しかしせっかく個人レベルで頑張っていても、彼らの頭の中にあることが会社として共有できていませんでした」と三田氏は語る。

(写真左から)<br />
株式会社ベアーズ 事業推進本部 IT戦略室 室長 三田 将司氏<br />
株式会社ベアーズ 家事代行事業本部 カスタマーサクセス部マネージャー 堀 仁美氏<br />
株式会社ベアーズ 家事代行事業本部 カスタマーサクセス部DCC課課長 小野寺 亮介氏

(写真左から)
株式会社ベアーズ 事業推進本部 IT戦略室 室長 三田 将司氏
株式会社ベアーズ 家事代行事業本部 カスタマーサクセス部マネージャー 堀 仁美氏
株式会社ベアーズ 家事代行事業本部 カスタマーサクセス部DCC課課長 小野寺 亮介氏

Zendeskが選ばれた理由

お客様感動度に影響を及ぼしかねない状況を改善するための選択がZendeskだった。「Zendeskを使うのが夢だった」と言う三田氏は、前職でZendeskを使用していたメンバーの評価も踏まえ、迷わず導入を決めたという。一番の決め手は、すべてのチャネルでのやりとりを可視化できること。デジタルとアナログの両面で、顧客に寄り添う手厚いサービスの実現に大きく寄与するだろうとの期待があった。

「多くの企業はお客様とのやりとりを最小化する動きをしていますが、家事代行産業においては各ご家庭に寄り添うことが最優先です。ただ闇雲に自動化を推進すればよいわけではありません。幅広い層のお客様がいらっしゃる以上、チャネルが多岐に渡るのは仕方のないこと。チャネルを多様化させるとともに、コミュニケーションの質を担保できる仕組みが必要と判断しました」と三田氏。

そこでまずは、ベアーズレディとのやりとりにZendeskを導入。LINE連携アプリを活用し、日程調整などの連絡に使用していたLINE WORKSをそのままZendesk Supportに統合した。これにより、Zendeskの画面でLINEからの受信が行えるだけでなく、LINEへの新規メッセージの送信も可能になった。一方、顧客とのやりとりについては、最初の導入から約一年後に移行が完了。営業担当者にもアカウントを付与し、活用を深めつつある段階だ。

ベアーズレディとのリアルタイムなLINEのやり取りもZendesk上で行える

ベアーズレディとのリアルタイムなLINEのやり取りもZendesk上で行える

Zendesk導入の効果

導入前は、顧客からメールで受けた依頼内容を社内のツールに転記し、さらに別のツールを使ってベアーズレディに連絡するなど、まるで伝言ゲームだった。その間に情報量が減ったりニュアンスが変わったりしてしまうため、チャネルに関係なくすべてのやりとりを一元管理できるようになった効果は大きい。小野寺氏は、「社内に質の高い連携が増え、結果として対応スピードが向上し、お客様に対する回答やアクションもより的確になっています。確実にサービス品質が向上している感じがあり、新しいツールへの抵抗感があった現場にも、Zendesk活用の未来は明るいという認識が浸透しつつあります」と手応えを語る。

顧客とのやりとりに使用していた400以上ものテンプレートも、Zendeskのマクロに置き換えカテゴリー分けすることで検索性が向上。過去の対応履歴と併せて共有できるノウハウが格段に増えたため、イレギュラーな問い合わせにも慌てる必要がない。Zendeskの活用が進むにつれ、サポートの現場にも変化が見られている。「使い勝手が悪いゆえに”カイゼン脳”がすっかり停止していましたが、使い続けることでノウハウが蓄積されていくので、仕事の仕方や意識が変わってきたように思います」と三田氏。こうした変化は、処理時間70%削減という数値にも顕著に現れている。

あらかじめ登録されたマクロのテンプレートを使って処理時間を短縮

あらかじめ登録されたマクロのテンプレートを使って処理時間を短縮

また、Zendeskの導入を機にフィリピンにあるコールセンターの活用が進み、人件費の大幅削減にも期待がかかる。会員サイトとZendeskの連携により実現した仕組みを、株式会社ベアーズ 家事代行事業本部 カスタマーサクセス部マネージャー 堀 仁美氏はこう説明する。
「お客様が会員サイトから申し込みをすると同時に、フィリピンのコールセンターで確認可能なチケットが発行され、内容によってはフィリピンのスタッフがボタン一つでお客様に返信することも可能です。トリガ機能を使って設定しただけでこうした運用が実現して大変助かっています。フリーフォームで書かれた依頼メールの内容を確認して日本から手動でフィリピン管理チームにエスカレーションしていたときと比べると、工数にして約20%の削減です。」

会員サイトとZendeskを連携、サイトで日程変更があればチケットが発行される

会員サイトとZendeskを連携、サイトで日程変更があればチケットが発行される

今後の展望

今後は、会員サイトとZendeskとの連携をさらに強化し、顧客にとってより使いやすい環境が実現する計画もある。また、新たにZendesk Talkを導入し、顧客との電話でのやりとりもZendesk Supportで一元管理できるようになる予定だ。

「ベアーズレディにとってもお客様にとっても、時間をかけずに速やかに処理してほしい場面と、しっかりと心に寄り添ってほしい場面とがあります。利便性を高めるための自動化をさらに進化させていく一方で、効率化により浮いた時間で対面的なやりとりを充実させようというのが今後のコミュニケーションの設計です。ベアーズレディもお客様もベアーズにとって大切な人たちです。心が通ったあたたかいやりとりを実現していく姿勢に変わりはありません」と堀氏。

Zendeskの活用を通して「デジタルとアナログの融合」を前進させるベアーズ。Zendeskなら、可視化された情報から相手を深く理解し、適切なタイミング、適切なチャネル、適切なコミュニケーションでプロアクティブに働きかけることも可能だ。それが、顧客との絆を強め、ベアーズレディのモチベーションを高め、笑顔の輪を広げることになる。オーダーメイドのサービスを可能にするZendeskと共に、ベアーズはNo.1のカスタマーサクセスを目指していく。