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ヘルプデスク業務の課題を解決できる自動化のメリットとその方法

更新日: 2023年6月30日

社内外からの様々な問い合わせに対応し、顧客満足度の向上や社内業務の円滑な遂行を支援する重要な役割を果たすのがヘルプデスク業務です。しかし、近年はテクノロジーの進化、オンラインビジネスの拡大、顧客の期待値の上昇などにより多くの企業でヘルプデスクの業務量が増加しています。

その結果、業務の推進を阻害する課題も大きくなってきています。重要な役割を担うヘルプデスク業務を効果的に推進するには、そうした課題の解決を図らねばなりません。本記事では、ヘルプデスク業務の課題解決に効果的な自動化のメリットや方法について、事例を交えて解説します。

ヘルプデスクの業務量が増えている理由

テクノロジーの進化と普及

デジタル技術やITインフラの急速な発展に伴い、企業や個人が利用するテクノロジーの種類と複雑さが増加しています。そのため、ヘルプデスクが対応すべき問題やトラブルも増え、業務量が増大しています。

オンラインビジネスやデジタル上での顧客接点の拡大

オンラインビジネスの急速な拡大によって顧客接点も拡大し、サポートを求められるケースも増えています。また、技術的な問題や不具合に対するサポートニーズも高まったことに加え、チャットやSNSの普及により、これまで以上に消費者が企業に問い合わせをしやすくなっていることも、ヘルプデスク業務が増えていることの理由に挙げられるでしょう。

顧客の期待値の上昇

企業の顧客サービスに対する期待値が年々高まっていることに伴い、適切で質の高いサポートを迅速に提供するために、ヘルプデスクに必要な業務も増加しています。

グローバル化の進展

企業の国際化が進んだことで顧客や取引先が世界中に広がり、対応すべき地域や言語が増えたことが、ヘルプデスクの業務量の増加につながっています。

働き方の多様化によるテレワークやリモートワークの増加

働き方の多様化によってリモートワークやテレワークなどが増加し、ヘルプデスクへの社内問い合わせが増加しています。

ヘルプデスク業務のよくある課題


多くの企業のヘルプデスクは、以下のような課題に直面しています。

対応範囲が広く業務の負担が重い

ヘルプデスク業務は、業務量に対して担当者数が十分ではない体制で遂行されている場合があります。そのうえ、業務内容が広範囲にわたるため幅広い知識が求められ、なおかつ臨機応変な対応も必要です。さらに近年は問い合わせ件数が増加傾向にあり、ユーザー対応の継続性・一貫性の維持、回答漏れ防止や進捗状況の管理などの業務が複雑化し、担当者の業務負担が重くなっています。

少しでも効率を上げるには、すでにあるナレッジや情報の活用、問い合わせ内容に応じた適切なスキルを持つ担当者への割り当て、担当者だけで対応できないときのエスカレーションパスなどで業務を効率化することが必要です。

それができなければ担当者の負担の増大が加速し、対応時間の遅延、効率や品質の低下が生じて、ひいては顧客満足度や従業員満足度の低下につながります。また、業務の負担が重くなりすぎて担当者が過労状態に陥ることも考えられ、ヘルプデスク業務の運営に大きな支障を来す可能性が高まります。

業務が属人化しやすくナレッジを共有できていない

ヘルプデスクは、原則としてユーザーと1対1の対応を行います。そのため、業務で得たナレッジが個々の担当者に蓄積されて共有されにくく、ナレッジや情報が属人化しやすいという課題があります。共有がうまくできていないと、すでに解決策があるにもかかわらず、情報不足のために同じ問題に対して何度も解決策を模索することになり、業務効率が低下します。

ナレッジや情報を効率的に管理する仕組みが不十分

属人化を防止しようと思っても、担当者間でナレッジや情報を効率的に管理する仕組みが不十分な場合、情報を適切に収集・整理・更新・共有することが困難です。その結果、同じ問題に対して何度も解決策を模索することで生じる業務効率の低下を防止できません。

ナレッジや情報を蓄積・共有するためのナレッジベースが整備されていても、その機能・性能が不十分な場合には効率化は実現できません。例えば、ナレッジベースの検索性能が低ければ、担当者が必要な情報を効率良く見つけられないでしょう。

また、日々進化する技術や製品によって新しいナレッジや情報が次から次に現れることで、情報に時限性(有効期間や終了期間)が生じてしまいます。そのため、ナレッジベースは定期的にメンテナンスや更新が必要です。しかし、多忙にまかせて十分なリソースを割り当てられず実行できないと、新旧の情報の混在や陳腐化で最新の情報を把握するのが困難になり、効果的なナレッジマネジメントができません。こうしたことによって対応が遅延すると、ユーザー満足度が低下する可能性があります。

管理者のナレッジマネジメントに関するスキルや意識が低い

ナレッジマネジメントに関するスキルや意識が低いマネージャーや担当者がいると、仕組みを用意しても整理や共有がうまくできず、ナレッジマネジメントの効果が低下します。また、日常の業務に追われて、その遂行に手いっぱいになってしまえば、ナレッジマネジメントの推進のための教育やAIといった新しい技術の活用などが十分にできず、いつまでも効率化を実現できません。

ヘルプデスクの課題の放置は業務効率の低下を招いて経営に悪影響

ヘルプデスク業務の課題を解決しないと、対応の遅れや、適切な回答・解決策を迅速に提供できないことによって、顧客や社内部門の満足度が低下します。その結果、顧客離れや社内業務の遅延を招き、売り上げや市場シェアの減少、ブランド価値の低下など経営に悪影響を与えます。

また、ヘルプデスク業務効率が悪いとヘルプデスク担当者のストレスが増大するだけでなく、関連部門にも悪影響を与えます。例えば、ヘルプデスクの対応のまずさで売り上げを落とせば、営業部門の担当者のストレスにつながるでしょう。ヘルプデスク業務の効率は社内全体に影響することから、その効率化の推進は企業全体としても重要な課題です。

社内外のヘルプデスク業務を自動化するメリット


ヘルプデスク部門の課題の根本は、業務量が多いために対応に追われていることです。その解決には、同じ内容の問い合わせの繰り返しや、マニュアルまたはFAQ記事で自己解決できる問い合わせへの対応の効率化が必要です。その手段として有効なのは、問い合わせ対応を自動化することです。

自動化により、ヘルプデスク自体の業務負担の軽減や対応の迅速化・均一化が図れます。また、ユーザーの自己解決力を高めることで、社内外に以下に示すようなさまざまなメリットが生まれます。

24時間年中無休の対応の実現

ナレッジベースやチャットボットを活用し自動化することで、時間や場所に関係なくユーザーの問い合わせに対応できます。これにより、ユーザーがいつでもサポートを受けられます。

ヘルプデスク担当者の負担軽減とスキルアップ

自動化ツールやAIチャットボットの活用で、繰り返し発生する単純な問い合わせを効率的に迅速に処理でき、人による担当範囲を減らすことで業務負担を軽減できます。また、担当者は負担が減った分の時間を、より高度なスキルを要する問題解決や戦略的な業務に注力できます。これにより、従業員のスキルが向上し、企業全体の競争力が高まります。

対応品質の向上と均一化

自動化ツールやAIチャットボットは蓄積したナレッジに基づいて対応するため、担当者が回答する場合に比べて、担当者ごとの知識レベルによる回答の質の差異が生まれません。また、ナレッジに基づく回答では、社内でオーソライズされた正確で分かりやすい表現によって記述された内容を利用できるため、質が高く一貫性のある対応を可能にします。

さらに、自動化ツールを利用した問い合わせ業務の過程で生じた大量のデータを収集・分析できることで、ヘルプデスク業務のパフォーマンスを把握することが可能です。これにより、改善点や問い合わせのトレンドを特定して、業務の品質や効率をより高めることができます。

自己解決力と顧客満足度の向上

自動化で顧客の自己解決力が向上すると、顧客は時間や場所にとらわれず、自分の疑問を速やかに解決できます。回答を得るまでの待ち時間やストレスを軽減できるので、ユーザー満足度の向上につながります。

プロフィットセンターとしての役割の推進

プロフィットセンターとは「収益から費用を向上した利益の最大化を追求する部門」ですが、ヘルプデスク部門は収益を目的とした業務は行っていません。しかし、自動化による業務効率化と業務品質の向上を実現できれば、発生する費用を抑えること企業全体として収益を増やすことの双方に貢献できます。

発生費用の抑制は、業務の自動化で人的リソースの削減や過労の防止が可能になり、人件費やオペレーションコストを削減できるようになることで実現します。また、問い合わせデータの分析からアップセルやクロスセルを促進し、顧客の潜在ニーズやシーズを関連部門へ案内することで、効率的な営業活動による売り上げ拡大や、効果的な製品開発などによる収益の拡大につなげられます。

さらに、顧客満足度の一層の向上を目指すことで顧客ロイヤルティを高め、顧客の囲い込みや、既存顧客による自社に有益な口コミの発信を促進できます。こうしたことにより、ヘルプデスクは安定した売り上げ確保や新規顧客の獲得による売り上げ拡大に貢献できます。

ヘルプデスク業務を自動化する方法

ヘルプデスク業務を自動化する方法について紹介します。

  • 問い合わせ管理システムによる自動化

    ヘルプデスク業務ではユーザーに直接対応する以外にも下記のような多くのプロセスが存在しますが、これらは問い合わせ管理システムによって自動化できます。

    Zendeskの問い合わせ対応画面

    自動化できる業務の例

    (1) 担当者へのアサイン

    Webフォームに問い合わせカテゴリーを入れることにより、問い合わせがあったときに自動的に適切な担当者に割り当てられます。

    (2) 回答テンプレートの呼び出し

    よくある質問や問題に対する回答テンプレートを用意することで、問い合わせ内容に応じて自動的に呼び出すことができます。

    (3) エスカレーション

    対応までの時間といった特定の条件を事前に設定し、期間内に解決されなかった問い合わせなどを、自動的に適切な担当者にエスカレーションすることができます。

    (4) 問い合わせ(チケット)の状況追跡

    問い合わせ管理(チケット管理システム)によって自動的にチケットの状況を追跡し、未解決のチケットや期限が迫っているチケットを担当者に通知することができます。

    (5) 問い合わせ(チケット)のカテゴリ分け

    Webフォームでユーザーが内容を選択したり、AIが問い合わせ内容を自動的に解析したりすることによって、適切なカテゴリに自動で分類できます。

    Zendeskの問い合わせ管理システムを利用すれば、トリガを設定することで、設定した条件に従って自動的にアクションを実行できます。具体的には、特定のキーワードが含まれたメールを受信した場合、自動的に特定のタグを付与したり、専任の担当者をアサインしたりできます。

    自動化を設定すれば一定時間後に、担当者が返信して質問者へリマインドメールを送る、問い合わせチケットをクローズするといった、時間に応じて特定あのアクションを発動することもで可能です。これらの機能によって手動での処理や対応漏れなどの発生を防ぐことができ、サポート業務をスムーズに進められます。

    また、AIを活用した最新機能を利用すれば、AIが問い合わせから顧客の目的や感情を分析してくれたり、文面の作成を支援してくたりと、より一層サポート業務の効率化が進められます。

  • 2. ナレッジベースによる自動化

    ヘルプデスク業務におけるユーザーと直接対応が必要な業務の自動化は、問い合わせに対応するために必要なナレッジをナレッジベースに蓄積することで可能になります。

    ヘルプデスク担当者が利用するほか、多くの場合、ユーザーが自己解決できるように、ヘルプセンターやFAQといった形で社内外へ公開されます。そうすることでユーザーが自ら調べて解決できるため、ある意味でヘルプデスク業務の自動化を図ることができ、問い合わせ件数を削減できます。

    ナレッジをFAQとしてまとめると、顧客や従業員がいつでもアクセスでき使いやすい

    ナレッジベースの構築方法

    ナレッジベースの構築は以下の手順で行います。

    (1) 情報の収集

    企業内で共有すべき情報や知識を収集します。これには、FAQ、トラブルシューティングガイド、製品マニュアル、過去の問い合わせ履歴などが含まれます。そこから、どういった記事が顧客の役に立つか、何を作成すべきかを洗い出します。

    (2) 構造の設計

    収集した情報を効果的に整理し、利用者が簡単にアクセスできるようなナレッジベースの構造を設計します。カテゴリ分けやタグ付け、階層構造の設定などを考慮します。

    (3) コンテンツの作成

    収集した情報をもとに、ナレッジベース向けのコンテンツを作成します。分かりやすい言葉や視覚的な要素(画像や動画)を活用し、利用者にとって役立つ情報を提供します。実際のナレッジベースを作成する際にはナレッジベースソフトウェアを利用すると、短期間で作成ができます。ナレッジベースを作成・運用・管理するための機能や他のツールとの連携、価格などを考慮し、まずはトライアル版を試用して、担当者が使いやすく、社内のニーズに応えられるかを確認することが重要です。

    (4) ナレッジベースの公開

    構築したナレッジベースを公開し、顧客や社員が利用できるようにします。公開範囲やアクセス権限の設定に注意が必要です。

    効果的なナレッジベース管理のポイント

    ナレッジベースは一度公開して、それで終わりというわけではありません。より従業員や顧客に使ってもらうためには分析を通じて、継続的に改善を行っていく必要があります。

    次に、ナレッジベースを効果的に管理・運用するために必要なポイントを紹介します。ポイントを押さえた管理・運用を行うことでより自動化を促進でき、ヘルプデスク業務の効率化やユーザー対応の改善が可能になります。

    (1) 定期的な更新

    情報が古くならないように、定期的にコンテンツを更新し、必要に応じて追加します。

    (2) ユーザーフィードバックの活用

    利用者からのフィードバックや評価を収集し、顧客がより分かりやすく、使いやすいように改善していきます。

    (3) 検索性の向上

    ナレッジベース内の情報が簡単に見つけられるよう、検索機能の最適化、キーワードの設定などを見直します。また、関連コンテンツのリンクやタグ付けをすることで、ユーザーの自己解決率を効果的に高められます。

    (4) 利用者の利便性を考慮

    ナレッジベースのデザインや構造が利用者にとって使いやすいものになるよう、ユーザビリティを考慮してユーザー目線で改善を重ねていきます。

    (5) ナレッジベースの利用状況の分析

    利用するナレッジベースツールやGoogle Analyticsのアクセス解析機能を使って、ナレッジベースの利用状況や人気コンテンツを把握します。これを参考に、さらなる改善や新たなコンテンツの追加を行います。

    (6)社内外への周知

    ナレッジベースの存在を周知するため、社外へは顧客へのメールやWebサイトの分かりやすい部分に、社内に対しては社員へのメールや社内ポータルにリンクを記載、または設置します。

    ナレッジベースの詳しい運用方法については、無料資料「ナレッジベース入門ガイド」をご覧ください。

  • チャットボットによる自動化

    簡単な問い合わせや同じ内容の問い合わせの繰り返しが多い場合は、ヘルプセンターやFAQだけでも顧客の自己解決を通じて、対応を自動化できます。しかしさらに自動化を進めるならば、チャットボットの導入が効果的です。特に、AI機能搭載のチャットボットは近年技術の進歩が目覚ましく、ヘルプデスク業務の自動化の範囲を大きく拡大できる可能性があります。

    ZendeskのAI搭載型ボットの利用例

    チャットボットを導入するメリット

    (1) 24時間年中無休のサポート

    チャットボットは、時間や場所に関係なく、いつでも顧客や社内からの問い合わせに対応できます。

    (2) 効率化とコスト削減

    チャットボットは、簡単な質問や問題に自動で対応できるため、ヘルプデスクの業務負担を軽減し、コスト削減につながります。

    (3) カスタマーエクスペリエンスの向上

    チャットボットは、ユーザーが自分で問題を解決できるようにサポートすることで、迅速な対応が可能であるため、カスタマーエクスペリエンスと満足度の向上につながります。

    (4) コンバージョン率の向上

    チャットボットは、Webサイトやアプリ上でユーザーとの対話を通じて、製品やサービスへの興味や疑問を解決し、購入につなげることができます。これにより、コンバージョン率を向上させ、売り上げやリード獲得に貢献します。

    (5) データ収集と分析

    チャットボットとユーザーとの会話から得られるデータを収集し分析することで、サービスや製品の改善や、マーケティング戦略の策定に役立てられます。

    チャットボットの具体的な導入手順

    (1) 導入計画の立案

    ヘルプデスク業務の現状を分析し、自動化のための目標、導入時期、予算などの計画を立てます。

    (2) チャットボットの選定

    自社の現状や目標に適したチャットボットを選定。適切なツールを選ぶには必要な機能、サポート・保守などの要素を考慮します。

    (3) チャットボットやAIのカスタマイズ

    FAQ、対応履歴、顧客情報などを用いて、選定したツールを自社のヘルプデスク業務に適合させ、適切に応答できるようにカスタマイズを実施します。

    (4) テスト・導入

    カスタマイズが完了したらテストを行います。テストでは考えられるシナリオを想定して、チャットボットやAIが適切に応答するかどうかを確認します。テストが完了したら、チャットボットやAIを本番環境に導入します。この際には、顧客への説明やトレーニングなども行う必要があります。

    (5) 継続的な改善

    導入後は効果を測定して改善点や顧客の不満・要望を把握し、カスタマイズや設定を変更して、より良い業務を自動化に反映し、提供できるように改善していきます。

    Zendeskで短期間でAI搭載型ボットを導入

    チャットボットの導入を検討している方には、ZendeskのAI搭載型ボットがおすすめです。顧客からの質問をメール、Webチャットなど複数のチャネルから受け取り、最適な回答をナレッジベースから探します。そして、解決につながる記事の候補を、問い合わせがメールからの場合はメールで案内し、Webチャットの場合はそのままチャットボックスで回答します。

    フォームからの場合は、質問送信後にユーザーの画面に解決につながる記事をポップアップで表示することも可能です。FAQで回答を解決できない質問に対しては、ヘルプデスク担当者がスムーズに引き継ぎます。また、Zendeskなら上記のAIを駆使したボットに加えて、シナリオ型のボットもドラッグアンドドロップで構築することができ、短期間でボットを導入できます。

    Zendeskのカスタマーサービスに最適なAIソリューションとは?

    ヘルプデスク業務の効率化に成功した企業の事例

    Zendeskは世界10万社以上が利用するカスタマーサービスプラットフォームです。豊富な機能を装備し、顧客や社内からの問い合わせを受け付けるヘルプデスク業務の効率化を実現します。Zendeskを導入し、自動化によって人の手を介した対応を限りなくゼロに近づけている企業の事例を紹介します。

    Sansan株式会社「自動化の推進でサポートが要らない究極のカスタマーエクスペリエンスを追求」

    Sansan株式会社は、名刺を一括管理し、名刺を価値ある企業資産へと変える法人向けのクラウド名刺管理サービスを提供する業界シェアNo.1を誇る企業です。

    同社の問い合わせ対応におけるポリシーは、最適なリソースを割り当てること。極端に言えば、“サポートが要らなくなる世界”をかなえたいというものです。自動化を推進したのは、メールベースでの問い合わせ管理ではどうしても煩雑になりがちで抜けや漏れを防ぎ切れず、カスタマーエクスペリエンスを高められないからです。

    自動化の追求のためにZendeskを2012年に導入。マクロ、トリガ、自動化など豊富な機能を駆使して、サポート業務の徹底的な効率化や自動化を推進しています。例えば、エージェントがなるべく文章を作成せずに顧客からの問い合わせに回答できるように、日本語、英語であらゆるマクロ(顧客に文章を作成する際に呼び出せる回答テンプレート)を用意して運用しています。

    また、契約に関する問い合わせは営業に、運用相談に関するものはカスタマーサクセス部にエスカレーションするルールになっているのですが、エージェントがエスカレーション先に応じたマクロを選択するとトリガが起動し、社内のコミュニケーションツールとして使用している企業向けSNS「Workplace by Facebook」に自動的にポストされるため、マクロを選択した時点でサポートチームの手を完全に離れます。こうしてエスカレーションプロセスの自動化による効率化も実現しています。

    そのほかにも、Zendesk Guideを活用したFAQページの構築も効率化に大きく寄与しています。顧客からの問い合わせはWebフォームまたはチャットの2つのチャネル経由で受け取り、顧客による自己解決を促すためにチャットに対しては自動回答を利用。そのためにFAQページへのリンク付きの回答を機械学習させ、回答精度の向上に努めています。

    こうした取り組みで、サポートの要らない究極のカスタマーエクスペリエンスを追求。その成果は、チケットの起票から問題が解決されるまでの「平均解決時間」のほか、MAU(マンスリーアクティブユーザー)に対する「手動回答率」の追跡によって、着実に表れていることが確認されています。

    【Zendesk導入事例】
    Sansan株式会社

    ヘルプデスクの課題解決は自動化がカギ

    ヘルプデスクは業務の性格からナレッジが属人化しやすく、また多くの問い合わせに対応する必要があるため、自動化しなければ業務効率を高めることが困難です。つまり、ヘルプデスクの業務効率の向上には自動化の推進が効果的です。ヘルプデスク業務の自動化は対応品質の均一化にもつながり、その結果、顧客満足度の向上にも役立ちます。

    質の高いヘルプデスクを構築するためには、豊富なナレッジの蓄積と、それに基づくFAQやチャットボットの導入がカギになります。Zendeskには、ヘルプデスク業務の自動化に必要な優れた機能が豊富にあります。

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