FOLLOW-THE-SUN: グローバルにスピーディに、どう対応するか

FOLLOW-THE-SUN: グローバルにスピーディに、どう対応するか

※本ブログコンテンツの内容を含む「Follow the sun」及びグローバルなカスタマーサポートに関する解説はこちらのe-bookにまとめられています。是非こちらもご参照ください。


従来の「follow-the-sun」モデルは、まさに、文字通り地球の周りを「太陽を追う」様に24時間体制のカスタマーサービスを提供するために作られました。基本的な定義は、グローバルなワークフローの一種で、経度の違う都市に設けた拠点から、時差を利用して問題解決を行い、応答のスピードを上げると同時に復旧までの遅延を最小限にすることを目的としています。

初期の「follow-the-sun」モデルでは、大企業のみで実現可能なアプローチだったようです。上記の定義から、複数のオフィスを設置でき世界中の拠点で人材を雇うことができるような、リソースにあふれた大企業でこそ実施できるもの、と考えられていました。

でも実は、この「follow-the-sun」サポート、優れたカスタマーサポートを提供する、というシンプルなゴールを達成するために編み出された、ひとつの方法に過ぎないのです。それは、企業によって異なる意味合いを持っています。いつでも、どこからでも、24時間365日のサポート体制−−つまり「follow-the-sun」モデルの元来の目的は、様々な方法で達成することができ、また、皆さま固有のニーズに適しているかも、適していないかも知れません。

はっきり言えることは、皆さまのお客様に最高レベルのカスタマーサービスを提供するためには、サポートチームはいつ対応可能な体制をとるべきかを検討する必要があるということ。これが24時間365日を意味するかもしれませんが、どうかご心配なく。皆さまの会社の規模にかかわらず、いつでも、どこからでもグローバルかつスピーディにサービスを提供できる方法が、手近にあります。

まず重要な質問です。もしあなたの会社が小規模で、グローバルなサポートを提供しようとしていたなら、あなたのサポートゴールを達成するためにとるべきステップを考えてみて下さい。あなたのお客様がサポートを最も必要とするときはいつかを精査し、あなたのいる拠点からどのようにして提供できるのかをよく考えてみます。おそらく最初から複数のオフィスを開設する必要はありませんが、異なるタイムゾーンの主要エリアにリモートオフィス(または担当者)を置く、というのがまさに必要な策かもしれません。

例えば、私たちのお客様Preziは、サンフランシスコとブダペストの2カ所を拠点にチームを置いています。グローバルなサポートゴールを達成するのに、この2つのチームが一丸となって働くことで、強引にスタッフを構えることなく毎日18時間のサポートをカバーしています。

さらによいことには、増え続けるサポートへのニーズに応えグローバルにスピーディに活動するために、テクノロジーを駆使することが手っ取り早く有効な方法にもなります。

会社のサポート体制にどの方法が最適かを決める前に、ぜひチームやお客様のニーズをよく見極めましょう。検討すべき点としては:

1. チームは小規模?大規模?

Zendeskが小さなチームだった頃、お客様のニーズに応えるためにいくつか実践ルールや流儀を持っていました。例えば、初期のサポート担当者は、お客様の多い北米、欧州、アジアとしていました。やがて会社の成長に伴い1人の担当者がチームになり、サテライトオフィスを作り、と発展させました。[本編の続編にて、今日のZendeskにおける「follow-the-sun」アプローチについてお話します。]

2. サポートの問題がどの程度複雑ですか?

お問合せ内容の大半が、パスワードの変更や返却処理などのシンプルなやりとりで済む内容ですか?または、よりリソースを必要とするような複雑で技術的な問題でしょうか?

3. どこにお客様がいますか?

4. どの時間帯にお客様からの問合せチケットが来ますか?

高度なアナリティクスGoodDataを使った、Zendeskのレポート機能で、サポートシフトや一日の特定の時間帯ごとにチケットフローを精査することができます。下記スクリーンショットにあるサンプル画面を参考にご覧下さい。:

5. モバイルアプリをお使いですか?

より優れたチケット選別のテクニックを用いたりモバイルを利用したチケットへの応答も、今すぐに活用できる解決策としてお薦めします。

6. セルフサービス機能を活用していますか?

担当者がすぐに応答できない状況にいる、または十分なチームメンバーがいないという時でも、FAQナレッジベースやフォーラムはいつでも利用可能なリソースです。セルフサービスのコミュニティを最適化することで、お客様をいつでもサポートできる絶好のツールとなります。

ご覧の通り、もはや「follow-the-sun」は必ずしも大企業のためのコンセプトではありません。また、ハイクオリティのサービスを提供する唯一の方法であるともいえません。皆さまが選び、発展させ、磨きをかけるモデルこそが、皆さまとお客様にとってベストなものとなるでしょう。例えばゲーマーや、リテールビジネスの顧客なら365日24時間のサポートを求めているかもしれません。もしかすると彼らの場合、夜間や通常の営業時間外が最もサポートを必要とする時間帯という可能性もあります。それらを正確に把握するために、顧客のいる場所を理解しましょう。これが異なるタイムゾーンにサポートエージェントまたはチームを配置するということなら、そのオプションも検討します。リモートの担当者を雇わなくても、ご自身のホームオフィスで、通常のタイムゾーン内の勤務シフトをずらして配置することで、解決できることかも知れません。

お客様のサポートニーズに応え、グローバルに対応するのにはいくつもの方法があります。「Follow-the-sun」もその方法の1つに過ぎません。

この点は予めご了承ください。もし皆さまが、365日24時間体制の対応を断言することにした場合、そのサービスレベルへ合意し、とことんやり通す準備が必要です。対応しきれずに、時間帯によってサービスの質にムラができたり、結果的に質の悪いサービスになってしまうことでお客様を遠ざけ、ビジネスを失うことになるリスクを同時に負うことになることも、心に留めておきたい大切な点です。

いわゆる従来の「follow-the-sum」モデルは、皆さまの会社がもし必要としていなかったりニーズに応えられる状況になければ、適用すべきではありません。リソースや「follow-the-sun」のコンセプトが不要な、別のモデルで適切なサービスモデルがあるはずです。

今日、企業がWebサイトを設置すれば、お客様はどこからでもアクセスすることができます。だからこそ企業のサイズにかかわらずスピーディにグローバル対応し、お客様のいる場所を知るだけでなく、どのようなステップを踏むことでお客様のニーズに見合うサービスを提供することができるかを正しく理解することが必要不可欠だと言えるでしょう。


こちらのe-bookでは、Zendeskの「follow-the-sun」アプローチと、活用しているツール、これまでに検討をしてきた点などもあわせて紹介をしています。是非こちらもご活用ください!

高品質の24時間体制サポートを提供することは簡単なことではありません。効果の高い「follow-the-sun」モデルや他のシステムを構築されている方がいらっしゃいましたら、ぜひシェアして下さい