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クラウドネイティブへの挑戦。三菱電機ソフトウエアのCCoEメンバー2人が3ヶ月で本格稼働させた、社内ポータルサイト構築の舞台裏に迫る

三菱電機ソフトウエア株式会社は近年、クラウドソリューションやデータ分析などのITサービスに注力する中、Cloud Center of Excellence(CCoE)を立ち上げ、クラウドの全社展開を進めている。CCoEは、クラウド技術に関わる最新情報や、教育等に関する情報を集積する社内ポータルサイト「クラウド技術共有基盤」のプラットフォームとしてZendeskを採用。ごく限られたメンバーによる短期間での立ち上げ奮闘記をお届けする。

三菱電機ソフトウエア株式会社
「設定はノーコードで行うことができるので、全体的に簡単です。さすがZendeskだなと思います。操作を覚えれば誰でも作れるということは、広く全世界に伝えた方がいいのではないかと思うぐらい便利です。しかもあのランニングコストで、当社側がこれだけの少ない人数で、あの満足いく状態で使える製品を持っているのは、おそらくZendeskだけではないかと思います。後日調べてもみましたが、やっぱりどう見てもZendeskが一番いいです」

村瀬 伸幸氏

技術統括部 開発部 クラウド技術推進室長 - 三菱電機ソフトウエア株式会社


三菱電機ソフトウエア株式会社
技術統括部 開発部 クラウド技術推進室長 村瀬 伸幸氏

2人月

トライアル環境立ち上げに
要した工数

650名

正式導入から10ヶ月後の
ユーザー数

9.2倍

正式導入から10ヶ月後の
ユーザー数増加率

Zendeskソリューション導入の背景と課題

「ソフトウエアの力で、ドラマチックな未来を作る。」をブランドメッセージに掲げる三菱電機ソフトウエア株式会社は、ファクトリーオートメーション (FA)、空調、車載、防衛・宇宙といった社会インフラの産業用システムにソフトウエアを提供している。三菱電機グループ全体の組込みソフトウエアの制御系を中心に、幅広く貢献している。

「三菱電機は『イノベーティブカンパニー』を標榜し、常に最新の技術トレンドを取り入れて、変化する市場に柔軟かつ臨機応変に対応しようとしています。三菱電機ソフトウエアは、三菱電機のパートナー企業として技術革新を通じて社会貢献し、未来の可能性を広げようとしています」

と、クラウド技術推進室長の村瀬 伸幸氏は語る。

「クラウド技術推進室は、三菱電機ソフトウエアのコーポレート部門として、2024年4月に全社横断型の組織として設立されました。CCoEとして、クラウド技術の社内トレーニングや教育を実施しています。また、アマゾン ウェブ サービス (AWS) やMicrosoft Azure等の技術検証や技術展開をしています。その他、技術サポートやコンサルティングといった社内支援も行っております」

CCoEは各クラウドプラットフォームの上位資格を数多く保有している。さらに、2025 Japan All AWS Certifications Engineersの受賞歴があるメンバーを擁し、三菱電機ソフトウエアの各拠点から寄せられる支援依頼を、クラウドのエキスパートとしてサポートしている。


三菱電機ソフトウエア株式会社 技術統括部 開発部 クラウド技術推進室の皆様
(左から)
村瀬 伸幸氏、広恒 和之氏、山西 耕平氏、桑田 恵之氏

こうした社内支援を推進する上で、CCoEはクラウド技術情報の集積をし、社内に公開するための場を持つ必要性に迫られていた。後に『クラウド技術共有基盤』と呼ばれることになる、社内ポータルサイトの必要性である。

Zendeskが選ばれた理由

村瀬氏は述懐する。

「情報を一か所に集約する仕組みをどう構築しようかと考えていた折、AWSから『こんないいツールがありますよ』とZendeskをリコメンドいただいたんですよ。正直言いますと、それまでZendeskについては全く知らなかったんです。それでZendeskのウェブサイトを見たり、(2024年7月31日開催の)Zendesk Showcase Tokyoに行ったりして情報を細かく取るうちに、あ、これはいけるなと思いました」

具体的には、どのようなポイントを評価したのだろうか。

「クラウド技術推進室では社外のクラウドベンダー、たとえば、AWSやMicrosoftとのスムーズな連携が必要でした。Zendeskではチャット形式で会話することができ、その連携を支援してくれます。

それからSaaSであるということが決め手となりました。導入後の話に飛びますが、このクラウド技術共有基盤のサイトを作ったのは、たった2名なんですよね。このことを他部署に説明しに行くとびっくりされるわけですよ。『あのサイト、2人で作ったの?』みたいな。それで『これがSaaSなんだよ』と続ける訳です。要は作らずして作る、みたいな。こういう説明を当社内で行えて、証明できたのは非常に大きかったと思います」

クラウド技術を推進する立場として、同じくクラウド技術を基盤とするZendeskを活用して社内ポータルサイト立ち上げを短納期で成し得ることでクラウドやSaaSの即効性を実証してみせ、クラウド化推進の説得力を示したという訳だ。

「良かった点の一つ目は、セキュリティチェックへの支援が手厚かった、二人三脚で進めていけた点です。いただいた資料や情報が非常にわかりやすくて、会社に説明しやすかったです。例えばリージョンロックをかけていただけるかどうかとか、二要素認証の方式とか、ベンダーさん側の協力が不可欠な項目もあるのですが、明瞭明確に答えていただいたので、その安心感が決め手になりました。

二つ目は、AWSのマーケットプレイスでクリックするだけで契約手続きが始まるという簡単さ。ややこしい書類のやりとりを考えると、あれは大きいですね。不明点がある時にAWSに相談できるということも大事でした。また支払いも、AWS経由の一括精算で済むのも重要でしたね」

導入・実装のプロセス

クラウド技術共有基盤はこうして、Zendeskをプラットフォームとする社内ポータルのトライアルサイトとして立ち上がった。

村瀬氏は続ける。
「ファーストバージョンは、2人月ぐらいで作ったものでした。当初は30人ぐらいのユーザー数でトライアルを開始しました。

そこからユーザーからのフィードバックに3ヶ月ほどかけて対応したのち、本番環境としてリリースしました。その頃にはユーザー数は70名まで増えていました」

「設定はノーコードで行うことができるので、全体的に簡単です。さすがZendeskだなと思います。操作を覚えれば誰でも作れるということは、広く全世界に伝えた方がいいのではないかと思うぐらい便利です。しかもあのランニングコストで、当社側がこれだけの少ない人数で、あの満足いく状態で使える製品を持っているのは、おそらくZendeskだけではないかと思います。後日調べてもみましたが、やっぱりどう見てもZendeskが一番いいです」


クラウド技術共有基盤

Zendesk導入の効果と今後の展望

Zendeskを利用し始めて1年、本番環境に移行して10ヶ月が経過した。情報集約をしたいという当初の目的は果たせているのだろうか。この質問に対し、村瀬氏は

「冒頭にご紹介した、クラウド技術推進室の業務全てに使っていると言っても過言ではありません。クラウド技術共有基盤と呼ぶこのサイトで、一元管理しています。クラウド技術共有基盤では、我々がオリジナルで作成した教育コンテンツのダウンロード、ハンズオンセミナーの申請、伴走支援の依頼を受け付けています。
ちょっとした質問の受け皿としてコミュニティサイトも立ち上がっていますし、しっかり対応すべき質問はチケットで管理しています。
このように多岐に渡って使っているので、現状はZendeskがないと我々の仕事が回らないぐらいところまで来ています」

と話す。

KPIとして当初設定したユーザー数は400名だったが、2025年12月時点で650名を達成し、クリアした。ユーザー数が100を超えたころ、三菱電機の発表会での登壇によりさらに知られるようになり、ユーザーが200名、300名と増えてきて、今では650名を超えたといういきさつだ。この650名の多くはクラウド技術等のIT技術に対応している部門のメンバーや、これから対応していこうとしている部門のメンバーが中心だ。

今後は立ち上げ1周年の節目にアンケートを実施し、そこから新たなKPIを抽出したいと考えているという。村瀬氏はさらに、

「分析機能、ダッシュボードはほぼ毎日チェックしています。我々はいろいろと記事をクラウド技術共有基盤に上げるのですけれど、記事を出した後にダッシュボードで分析結果を見ると、ユーザーがどの記事を気に入っているか、どこで離脱したかがわかります。また、記事のタイトルを少し変えるとページビュー数に変化が起きるなど、気づきが多いです。これが肝なのではないかと思えるほど、非常にいいツールだと考えています」

と語る。

社員数からすると、まだまだユーザー数の伸びしろはあるように見える。村瀬氏は今後IT化を進めようとしている部門には、いつ起きるかわからないゲームチェンジに備えて、トレーニングや資格取得を通じた体系的な理解を先行して得てもらえるよう、支援していく予定だ。

「社内向けに講演を依頼されることも多くなりました。そのための出張もかなり増えています。オンラインで少人数向けのセミナーを実施することもあります。いろいろな拠点に呼ばれて、新人研修の講師をつとめることもあります。

やはり一部には『クラウドってストレージじゃないの?』みたいな方々もいますので、クラウドができることをあれこれご説明しています。そもそもクラウドとは何か、という基礎から始まる内容をフレームワークとして段階的に体系立てています。そして、各事務所の訪問も含めてもっと説明機会を作り、クラウドの浸透に力を入れていきたいと考えています」

長年の専門性・信頼性に裏打ちされたオンプレミスシステムで使われるソフトウエアが事業を牽引してきた歴史がある一方、将来に渡る市場優位性を見越したクラウドリフト&シフトの推進には、新しいマインドセットやスキルセットの浸透が、全社レベルで必要となる。

そして今年度、クラウドエキスパートチームを編成。このチームをベースに各クラウドプラットフォームの認定資格を持つ人材を増やす考えだ。このチームメンバーが、人材育成グループ、技術検証グループ、伴走グループに分かれて会社に貢献する。Zendeskが支えるクラウド技術共有基盤が、次の高みを目指して走り始めている。


三菱電機ソフトウエア株式会社
技術統括部 開発部 クラウド技術推進室長 村瀬 伸幸氏
株式会社Zendesk
執行役員 エンタープライズ営業本部長 三浦 信哉