メインコンテンツに戻る

【2026年版】
カスタマーサポートツール比較16選
機能・料金・選び方

カスタマーサポートツールを活用すれば、複数チャネルからの問い合わせを一元管理し、対応漏れや属人化といった現場課題を仕組みで解消できます。この記事では、種類・基本機能・選び方を解説したうえで、タイプ別におすすめ16選を比較して紹介します。

Zendesk編集部

更新日: 2026年8月1日

カスタマーサポートツールの選び方ガイド

「メール・電話・チャットの問い合わせがバラバラに管理され、情報が散乱している」

「担当者によって回答の質にばらつきがある」

「ツールを増やすほど、かえって現場の負担が重くなっている」

顧客との接点が多様化する中で、サポート体制の整備が追いつかない企業では、こうした状況がよく見られます。個人のメールソフトや表計算ソフトでの管理が限界を迎えつつあるものの、次の一手を決めきれない現場も少なくありません。チャネルが増えるほど情報は分散し、対応の遅れや漏れが起きやすくなるのが実態です。

カスタマーサポートツールは、問い合わせの集約・管理から顧客情報の活用、回答支援まで、サポート業務全体を効率化するシステムです。ただし、機能や得意領域は製品によって異なるため、自社の課題と目的に照らした選定が必要となります。

本記事では、カスタマーサポートツールの種類・基本機能・選び方・おすすめ16選を解説します。

この記事は2026年8月の情報をもとにZendeskが作成しています。各製品の最新情報は公式サイトでご確認ください。

目次

カスタマーサポートツールとは

カスタマーサポートツールとは、メール・電話・チャットなど複数チャネルから寄せられる問い合わせを一元管理し、対応の効率化や進捗の可視化、対応品質の向上を実現するシステムです。カスタマーサポートシステムやカスタマーサービスソフトウェア、カスタマーサービスツール、顧客対応ツールとも呼ばれ、主にコールセンターやカスタマーサポート部門で導入されますが、社内ヘルプデスクやECサイトの購入者対応など、幅広い場面で活用されています。

かつて問い合わせ対応は電話とメールが主流でしたが、チャットやSNS、ビデオ通話など顧客が利用するチャネルが多様化した現在、複数の接点を横断して管理できるツールの必要性は一層高まっています。

なお、「カスタマーサポートツール」という呼称はひとつでも、製品ごとに得意とする領域は大きく異なります。問い合わせ管理・顧客情報管理・回答支援・コミュニケーション支援の4つに分類されるため、どの課題を優先して解決したいかを整理したうえで選ぶことが重要です。

隣接するカテゴリとして、メールやフォーム経由の問い合わせ対応に特化した問い合わせ管理システム、ヘルプデスク業務を主用途とするヘルプデスクツールがあります。本記事では、これらと重なる領域も含め、顧客対応を支える4タイプのツールを総合的に扱います。

カスタマーサポートツールが必要になる理由

問い合わせ窓口の多様化やカスタマーサポート部門における人員確保の難しさを背景に、サポート業務を取り巻く現場の負荷は増す一方です。限られたリソースで対応品質を維持することの難しさは、業種・規模を問わず増しています。

こうした現場の実情を背景に、カスタマーサポートツールの導入を検討する企業が増えています。ここでは、導入が求められる主な理由を3点に整理して解説します。

問い合わせチャネルの多様化と管理の複雑化

メールや電話に加え、チャット・SNS・ビデオ通話と、顧客が問い合わせに利用するチャネルは着実に増えています。

チャネルごとに別々のツールで管理していると、担当者間で情報が分散し、どのチャネルのどの問い合わせが未対応で残っているのかを把握するだけでも相応の工数がかかるでしょう。とりわけ対応漏れや返信の見落としは、顧客の信頼を直接損なうリスクとして、多くの現場で最優先の防止対象になっています。

たとえば、メールとSNSのメッセージを別々の画面で確認しながら対応を進める現場では、同じ顧客から届いた問い合わせを別の担当者が気づかずに重複処理してしまうケースも起こりえます。扱うチャネルの種類が増えるほど管理の複雑さは増すため、各接点からの情報を集約し、担当者が一画面で状況を確認できる運用体制を整えることが求められます。

人手不足・属人化による対応品質のばらつき

カスタマーサポート部門では、慢性的な人手不足が続いており、少ない人数で大量の問い合わせをこなさざるを得ない現場も少なくありません。余裕のない体制では、スタッフ一人ひとりの経験や知識に対応品質が依存しやすく、担当者が変わるたびに回答内容や丁寧さにばらつきが出ます。

特に差が出やすいのが、クレームを上位者へ引き継ぐべきか自分で対処すべきかの判断、繰り返し寄せられる定型質問への回答速度、そして対応全体のスピードです。同じ質問を何度も経験しているベテランはすぐに回答できる一方、新人は確認や判断に時間を要するため、顧客を待たせてしまいやすい状況が生まれます。

もともとサポートの現場は人の入れ替わりが多く、新人が常に一定割合を占める前提でチームを回す職場です。ベテランの頭の中にしかない回答や判断基準は、退職とともに失われます。さらに、難しい問い合わせがベテランに集中し、負荷の偏りで疲弊したベテランから離職していく悪循環も起きがちです。対応履歴やナレッジをツール上に蓄積してチームの共有資産として残すことが、新人の独り立ちを早め、この悪循環を断つ第一歩となります。

顧客体験(CX)重視のビジネストレンド

顧客が企業を評価する軸が、製品の品質や価格だけでなくサポートを含めた体験全体へと変わりつつあります。ZendeskのCXトレンドレポート2026年版によると、消費者の63%が「企業に対する自分の印象は、その企業が提供するカスタマーサービス体験に大きく左右される」と回答しています。サポートの良し悪しが、製品そのものの評価と同じ重みで企業の印象を左右する時代になっているといえます。

購入前の相談から利用中のトラブル対応、解約時の手続きまで、あらゆる接点でのサポート品質が顧客の継続利用の意向や口コミ評価に影響を与えます。製品・サービスの差別化が難しくなるなか、サポートの質で競合と差をつけようとする企業の取り組みも広がっています。このような環境下では、担当者個人の対応力に頼るだけでなく、組織としてサポート品質を安定させる仕組みが求められます。

カスタマーサポートツールの種類

カスタマーサポートツールは、得意とする業務領域によって、大きく4つのタイプに分類できます。

タイプ

主な役割

問い合わせ管理タイプ

複数チャネルの問い合わせを一元管理

顧客情報管理タイプ(CRM)

顧客データ・対応履歴の蓄積・管理

回答支援タイプ

FAQやAIで顧客の自己解決を促進

コミュニケーション支援タイプ

有人チャット・ビデオ通話でリアルタイム対応

それぞれ役割が異なるため、自社が抱える課題に照らしてどのタイプが必要かを整理したうえで、製品の選定に臨むことが大切です。

問い合わせ管理タイプ(チケット管理)

問い合わせ管理タイプは、メール・電話・チャット・SNSなど複数チャネルから届く問い合わせを「チケット」と呼ばれる単位で集約・管理することを得意とするカスタマーサポートツールの種類のひとつです。

チケットとは、1件の問い合わせごとに担当者や対応ステータス、対応履歴などをひとまとめに管理し、対応状況の可視化や進捗管理を可能にする仕組みです。「新規」「対応中」「解決済み」といったステータスを設定することで、複数の担当者が関わる場合でも対応の重複や見落としを防げます。

また、誰がいつどのような対応をしたかを後から確認できるため、担当者間の引き継ぎや対応品質の管理にも役立ちます。チャネルや問い合わせ件数が増えて管理が追いつかなくなってきた現場にとって、まず検討すべき選択肢です。

顧客情報管理(CRM)タイプ

顧客情報管理(CRM)タイプは、顧客の基本情報・問い合わせ履歴・購買履歴などを一か所に集約し、サポート担当者が顧客の状況を即座に把握しながら対応できる環境を整えることに特化したタイプです。問い合わせ対応中に顧客の氏名・契約内容・購買履歴をその場で確認できるので、顧客が基本情報を改めて伝える手間を省けます。

たとえば、購入した製品の種類や契約プランをあらかじめ把握したうえで対応できるため、顧客の状況に合わせた的確な案内が可能となり、顧客側の負担を大きく減らせるでしょう。顧客ごとの購入履歴や問い合わせ履歴、行動データを一元管理したい企業や、蓄積したデータを営業・マーケティングに活用したい現場での導入に向いています。

なお、営業部門などで既にCRMを利用している企業では、「既存CRMをサポート用途に拡張するか、サポート専用のツールを導入するか」という分岐に直面するケースが少なくありません。汎用CRMの流用は画面構成や管理項目がサポート業務に合わず、現場に定着しないことがあります。サポート起点で選ぶのであれば、既存CRMと連携できる専用ツールも有力な選択肢となります。

回答支援タイプ(FAQ・AIエージェント・チャットボット)

回答支援タイプは、FAQページやチャットボットAIエージェントなどを活用して、顧客が窓口に問い合わせることなく、自力で疑問を解決できる環境を整えることを主な目的としたタイプです。問い合わせが発生する前の段階で顧客の疑問を解消できるので、サポート担当者への問い合わせ件数そのものを抑えられます。

ここで、チャットボットとAIエージェントの違いを整理しておきましょう。チャットボットは、あらかじめ用意したシナリオやFAQへ顧客を誘導する仕組みです。一方のAIエージェントは、ナレッジをもとに会話の文脈を理解しながら回答し、自律的に解決まで導く仕組みであり、対応できる範囲が大きく異なります。

製品の使い方や料金に関するよくある質問をFAQとして公開すれば、担当者が個別に対応しなくても顧客が自己解決できる下地が整います。ただし、FAQは公開して終わりではありません。検索してもヒットしなかった質問の分析や記事の更新を続けることで、初めて自己解決が定着します。こうした運用とあわせてAIエージェントやチャットボットを組み合わせることで、営業時間外の問い合わせにも自動で対応できる体制を構築できます。

コミュニケーション支援タイプ(有人チャット・ビデオ通話)

コミュニケーション支援タイプは、有人チャットやビデオ通話を活用して顧客とリアルタイムでやり取りできる環境を提供するタイプです。メールのように返信を待つ必要がなく、複数の顧客に同時対応できる点がチャットの強みです。さらにビデオ通話を活用すれば、電話では伝えにくい操作手順の案内や、対面に近い丁寧なサポートも実現できます。

たとえば、ECサイトで購入を迷っている顧客に対してチャットで即時対応することで、疑問をその場で解消し、購買決定を後押しできる場面もあるでしょう。チャットは担当者1人が複数の顧客と並行してやり取りできるため、電話と比べて1人あたりの処理効率を高めやすい手段です。ただし、実務で無理なく並行できるのは2〜3件程度が目安であり、チャット窓口を開設すると問い合わせのハードルが下がって総量自体が増えるのが通例です。「チャットを入れれば人手が要らなくなる」と見込むのではなく、対応体制とセットで設計することが求められます。顧客にリアルタイムで対応したいEC・SaaS・サービス業などの現場で、このタイプのツール導入が見られます。

カスタマーサポートツールの基本機能

カスタマーサポートツールには、タイプや製品を問わず広く搭載されている基本的な機能があります。ツールを比較・選定する際には、各機能がどのような役割を果たすのかを事前に把握しておくことが重要です。ただし、同じ機能名であっても対応チャネルの範囲や自動化の精度は製品によって異なります。

ここでは、カスタマーサポートツールに共通する代表的な4つの機能を解説します。

マルチチャネル対応・問い合わせの一元管理

マルチチャネル対応・問い合わせの一元管理とは、メール・電話・チャット・SNSなど異なるチャネルから届く問い合わせを、ひとつの管理画面にまとめて集約する機能です。X(旧Twitter)やInstagram、LINEといったSNS・メッセージアプリ経由の問い合わせを取り込める製品も増えています。

受信した問い合わせは、チャネルを問わず自動的に取り込まれ、担当者の割り当てやチームでの進捗確認をひとつの画面で行えます。チャネルごとにツールを行き来する必要がないため、担当者は確認や処理にかかる時間を減らせます。なお、複数のチャネルを持つこと自体は「マルチチャネル」、チャネルを横断して対応履歴がつながる状態は「オムニチャネル」と呼ばれ、後者まで実現できるかは製品によって差があります。

たとえば、チャットで問い合わせてきた顧客が後日メールで続けて連絡した場合でも、担当者は同一画面で過去のやり取りを参照できます。チャネルをまたいだ対応履歴が一か所に集まることで、顧客が同じことを伝えなくとも、スムーズに対応できるオムニチャネルサポートの体制が整うでしょう。

チケット管理・対応ステータスの可視化

チケット管理・対応ステータスの可視化とは、顧客からの問い合わせ1件ごとに「チケット」と呼ばれる記録単位を生成し、担当者・対応履歴・ステータスを紐付けて一括管理する機能です。

各チケットには「未対応」「対応中」「解決済み」といったステータスが設定され、チーム全体がリアルタイムで進捗を把握できます。特に複数人で対応業務を分担している現場では、誰がどの問い合わせをどこまで処理しているかが一目でわかるため、重複対応や返信漏れを未然に防げます。

担当者が欠勤・退職した場合でも、チケットの対応履歴を参照することで、別のスタッフがスムーズに引き継ぐことができるでしょう。対応状況の透明性を高めることが、チームの連携精度を上げる土台となります。

レポート・分析機能

レポート・分析機能とは、問い合わせの対応件数・応答率・初回応答時間・解決率・担当者別の処理数といった業務データを自動で集計し、グラフや数値で可視化する機能です。

日々の対応業務はデータとして蓄積されるため、管理者はリアルタイムでチーム全体のパフォーマンスを把握できます。未対応のまま滞留している問い合わせの件数や、特定の時間帯への問い合わせの集中といった傾向をつかめば、人員配置の見直しに役立てられます。

これらの指標は、打ち手と正しく対応させて初めて改善に役立ちます。応答の遅れや取りこぼしが特定の時間帯に集中しているなら、原因は個人の力量よりも人員配置にあることが多く、シフトの再配置が打ち手になります。一方、1件あたりの処理時間や対応後の記録作業に個人差が出ているなら、対応記録の自動化やテンプレートの整備、個別のコーチングが有効です。感覚や経験則に頼るのではなく、データを根拠にサポート体制を継続的に見直せる環境が整います。

外部ツール連携

外部ツール連携とは、カスタマーサポートツールをCRM・チャットツール・ECプラットフォームなど社内外のシステムと接続し、単体では扱えない情報や機能を補える仕組みです。

問い合わせ対応には顧客の購買履歴や契約情報が必要になる場面も多く、それらを別システムで管理している場合、連携によってデータを参照できます。実務での判断軸は「対応画面に顧客情報や注文情報が表示されるか」です。担当者が複数のツールを行き来しなくとも、必要な情報をすぐに確認できる環境は、対応品質の維持に不可欠です。

SlackやChatworkと連携すれば、新着問い合わせの通知をチャット上で受け取れ、見落としを防げます。電話を主要チャネルとする場合は、CTI(電話連携システム)との接続可否も選定を左右する論点になります。なお、連携できるツールの種類や数はカスタマーサポートツールによって異なるため、選定時に自社が使用しているシステムとの対応状況を確認しておくことが重要です。

カスタマーサポートツールの最新AI機能

カスタマーサポートツールのAI機能は、この数年で「チャットボットによる自動応答」から大きく範囲を広げています。顧客対応そのものを自律的に完結するAIエージェントに加え、担当者の作業を支援するAI、品質管理や分析を担うAI、ナレッジ整備を支えるAI、電話対応をカバーするボイスAIまで、サポート業務の各工程にAIが入り込みつつあります。CXトレンドレポートによると、CXリーダーの66%が「ボットやAIエージェント、AI CopilotなどのAIは、今や自社のワークフォースおよびチームの一部である」と回答しており、AIの活用はもはや特別な取り組みではありません。どの業務をどこまでAIに任せられるかは、問い合わせ件数の多い現場を中心に、製品選定の中心軸になりつつあります。ここでは、比較検討の前提となる5つのAI機能を整理します。

AIエージェント(問い合わせ対応の自律化)

AIエージェントは、チャットやメールなどのチャネルで一次対応を自律的に完結するAIです。あらかじめ用意したシナリオへ誘導するチャットボットと異なり、FAQやヘルプ記事などのナレッジをもとに会話の文脈を理解して回答します。製品によっては、注文内容の変更や設定の更新といった手続きの実行までAIが担い、解決できない例外や複雑な案件は担当者へ引き継ぎます。

評価の軸となるのは、応答した件数ではなく「どれだけの問い合わせを解決まで導けたか」という自動解決率と、その解決の品質です。営業時間外や問い合わせの集中時にも受付と定型対応が止まらないため、限られた人員で対応範囲を広げたい現場で導入が進んでいます。なお、営業時間外にAIで解決できなかった案件は、翌営業日に担当者へ引き継がれます。

担当者を支援するAI(返信草案・要約・回答候補)

人が対応する問い合わせを、AIが横で支援する形態もあります。過去のやり取りやナレッジをもとにした返信草案の生成、長い対応履歴の要約、文面のトーン調整、回答に使える関連ナレッジの提示などにより、1件あたりの処理時間を短縮します。効果が出やすいのは、定型的な問い合わせや経験の浅い担当者の対応です。複雑な案件では草案の事実確認に相応の時間がかかるため、効率化の度合いは問い合わせの内容によって差が出ます。

問い合わせへの回答そのものは担当者が確認・判断したうえで送る仕組みのため、品質を保ちながら効率を高められます。ただし繁忙期には確認が形骸化しやすく、草案をそのまま送らないレビュー運用をセットで整えることが前提となります。

AIによる品質管理・VoC分析

応対品質の評価は、従来はサンプリングした一部の対応を人が確認する方法が主流でした。AIを活用すれば、すべての対応を対象に品質評価を自動で行えます。あわせて、問い合わせの意図分類やセンチメント分析(感情の分析)により、問い合わせの傾向や顧客の不満の兆候をVoC(顧客の声)として可視化できます。

対応件数や応答時間の集計にとどまっていた従来のレポート機能に対し、「対応の中身」まで踏み込んで可視化する次の世代の分析機能といえます。ただし、スコアが自動で溜まるだけでは品質は変わりません。管理者やSV(スーパーバイザー:現場の管理・指導役)が評価結果を教育やフィードバック面談に反映する運用が伴って、初めて機能する領域です。

ナレッジの自動生成・整備支援

過去の対応履歴からFAQやヘルプ記事のドラフトを自動生成し、記事の更新や多言語化を支援するAI機能です。ナレッジ整備は効果が見えにくく後回しになりやすい業務ですが、AIの支援によって着手のハードルを大きく下げられます。一方で、生成されたドラフトをレビューして公開する担当者を決めておかないと、ドラフトが溜まったまま公開されない事態も起きるため、運用の役割分担もあわせて設計しましょう。

AIエージェントや返信支援の回答精度は、ナレッジの質と量に大きく依存します。ナレッジが整っていなければ、どれほど高性能なAIでも正確な回答は返せません。その意味で、ナレッジの自動生成・整備支援はAI活用全体の土台となる機能です。

ボイスAI(電話対応のAI化)

電話対応の領域では、ボイスボット(電話の自動応答AI)による一次対応・用件の聞き取りと、通話の自動文字起こし・要約が実用化されています。電話をかけてくる顧客にはWebやチャットで解決できなかった相談も多いため、効果の主軸は「ボイスボットがすべて解決する」ことよりも、用件の聞き取り・振り分けの自動化と、文字起こし・要約による対応後の記録作業の短縮に置くのが実態に合います。記録された通話内容は、応対品質の確認にも活用できます。

電話の比率が高い現場では、チャット系のAIよりもボイスAIの導入インパクトが大きい場合があります。電話が主要チャネルであれば、比較の際に確認を欠かせない領域です。

なお、ここまで挙げたAI機能の効果は、ナレッジの整備状況と運用設計(AIと人の役割の境界、担当者への引き継ぎ動線)に大きく左右されます。導入すればすべてが自動化されるわけではなく、自社のナレッジ整備と運用に照らした見極めが、AI機能を比較する際の前提となります。

カスタマーサポートツールを導入するメリットと効果

カスタマーサポートツールの導入によって得られるメリットは、カスタマーサポート業務の効率化にとどまらず、顧客満足度の向上やデータを活用した継続的な改善など、幅広い領域に及びます。ツールを最大限に活用するためには、自社が期待する効果と各メリットの関係を事前に整理しておくことが大切です。

ここでは、導入によって実現できる4つのメリットと、効果を測るための指標を順に解説します。

問い合わせ対応の効率化・対応漏れの防止

問い合わせ対応の効率化と対応漏れの防止は、カスタマーサポートツール導入によって得られる代表的なメリットです。複数チャネルから届く問い合わせを一か所で受け取り、担当者への自動割り当て機能によって、振り分けの手間をかけずにスムーズに対応を開始できます。

また、各問い合わせにステータスが付与されるので、対応済みか否かをチーム全体で共有でき、見落としや二重対応を仕組みとして防げます。件数が多い現場ほど、こうした管理の仕組みが対応品質の安定に有効です。

担当者は、対応状況の確認や振り分け判断に費やす時間を減らせ、個別対応が必要な複雑な問い合わせに集中できる環境が整うでしょう。結果として、チーム全体の生産性向上と応答速度の改善につながります。

顧客満足度の向上

カスタマーサポートツールを導入することで、顧客が感じるサポート体験の質を高め、満足度の向上につなげられます。

問い合わせが届いた時点で担当者に自動通知され、対応状況をチームで即座に把握できるので、初回応答までの時間を短縮できるでしょう。顧客がサポートに求める要素の中でも、対応スピードと問題解決の的確さは満足度に直結しやすい要素です。実際、CXトレンドレポートでは、消費者の82%が「商品・サービスを選ぶ際、迅速な対応と正確な問題解決をしてくれる企業やブランドを優先する」と回答しています。

たとえば、過去の問い合わせ履歴をツール上で即座に参照できれば、担当者が状況を改めて確認する手間が省け、顧客へスムーズに回答を返せます。こうした対応体験の積み重ねが、ブランドや企業への信頼感を高めることにつながるでしょう。サポート品質の向上は、解約率の低下やリピート率の改善といったビジネス成果にも波及します。

対応品質の均一化・属人化の解消

カスタマーサポートツールを導入することで、問い合わせ内容や顧客情報がツール上に蓄積され、チーム全体がいつでも参照できる状態になります。担当者間で情報を個別に共有する必要がなくなり、対応品質の均一化と属人化の解消に向けた土台が整います。

ただし、履歴が溜まるだけでは品質は揃いません。蓄積された対応履歴はそのままでは検索しにくい生の記録にすぎず、新人がすぐに活用できる形にはなっていないためです。頻出の問い合わせをナレッジ記事やテンプレートに整備し、回答内容をレビューする運用をセットで回すことで、初めて誰が対応しても同水準の回答を提供できるようになります。なお、この方法で解消できるのは主に「情報の属人化」であり、高度な判断やスキルに依存する部分は、ナレッジ化と教育を通じて段階的に引き上げていく領域です。ツールは属人化解消の前提条件であり、運用と組み合わせて機能するものと捉えておきましょう。

その前提を押さえたうえで運用が回り始めれば、特定の担当者が不在でも別のスタッフが状況を把握して対応を引き継げます。「あの担当者でないと分からない」という状態が解消されることで、担当者の不在や異動が生じても対応が滞るリスクを抑えられるでしょう。

データ活用によるサービス改善

カスタマーサポートツールに蓄積されるデータは、サポート部門内にとどまらず、組織全体のサービス改善に幅広く活用できます。

頻出する問い合わせ内容を分析すれば、FAQの拡充やサイト導線の見直しに役立ち、問い合わせが発生しにくい状態を目指せます。対応ログから対応時間が長いケースや属人化している対応を洗い出すことは、マニュアル整備や教育強化を進めるうえで不可欠です。

問い合わせ内容は顧客のリアルな不満や要望の集積でもあり、製品の機能改善やバグ対応の優先順位付けにつながります。さらにチャネル別の対応件数や解決率を比較すれば、どの窓口に負荷が集中しているかも把握できるでしょう。データを起点とした改善サイクルを回すことで、サポートの質と事業全体の品質を継続的に高めていけます。

導入効果を測るKPI

導入の稟議や効果検証では、「何がどれだけ改善したか」を数値で示すことが求められます。カスタマーサポート業務で広く使われる主要なKPIは次のとおりです。

  • 初回応答時間(FRT):問い合わせを受けてから最初の返信までの時間。対応スピードの体感に最も直結する指標
  • 応答率・放棄率:かかってきた電話のうち応答できた割合と、つながる前に顧客があきらめて電話を切った割合。電話チャネルの体制が適正かを示す指標(計測には電話・CTI連携が必要)
  • 平均処理時間(AHT)・後処理時間(ACW):1件の対応にかかる時間(通話・後処理を含む)と、そのうち対応後の記録作業にかかる時間。効率化施策の効果が表れる指標
  • 一次解決率:1回のやり取りで解決した割合。たらい回しの少なさ、回答品質の高さを示す指標
  • 顧客満足度(CSAT):対応後のアンケートによる評価。品質改善の成果を顧客視点で測る指標
  • 未対応の滞留件数:未対応のまま残っている問い合わせの数。対応漏れリスクの先行指標
  • 自動解決率・自己解決率:AIエージェントやFAQが人手を介さず解決に導いた割合。AI活用時の主要指標(「何をもって解決とみなすか」の設計が前提)

このうち初回応答時間・滞留件数・処理時間は、ツール導入直後から自動で集計できます。一方、一次解決率は「何をもって解決とみなすか」「再問い合わせをどう判定するか」の設計が必要で、運用が安定してから加えるのが現実的です。導入前の段階では、問い合わせ件数など手元で取れる数字と、一部の対応を抜き出した概算で現状を押さえておけば十分です。おおまかでも導入前の水準が分かれば、効果を導入前後で比較でき、費用対効果の説明にも役立ちます。

カスタマーサポートツールの利用シーン

カスタマーサポートツールが活躍する場面は、業種や業態によって幅広く異なります。コールセンターや大量対応の現場、ECサイト・通販、SaaS・IT企業など、それぞれが抱える課題や求められる対応スピード・チャネル構成はさまざまです。ここでは、代表的な4つの利用シーンを紹介します。

コールセンター・カスタマーサポート部門:マルチチャネル統合とエスカレーション管理

コールセンターやカスタマーサポート部門は、電話・メール・チャット・SNSなど複数チャネルへの対応が日常的に発生する現場です。カスタマーサポートツールを導入することで、チャネルをまたいで届く問い合わせを一画面に集約し、担当者の割り当てや対応ステータスをチーム全体でリアルタイムに管理できます。

また、一次対応だけでは完結しない問い合わせも存在します。専門知識が必要なケースや、顧客からのクレームが複雑化した場合など、上位担当者や別部門への引き継ぎ(エスカレーション)が求められる場面は少なくありません。エスカレーションには、通話中にその場でSVへつなぐリアルタイムの転送と、チケットを通じた後日の引き継ぎや他部門への調査依頼という2つの流れがあり、いずれも対応履歴や状況がツール上で可視化されていることが前提になります。

見落とされがちなのが、折り返し連絡の期限管理です。「誰がいつまでに折り返すか」は口頭やメモの運用では漏れやすく、チケットの期限設定やリマインド機能が効果を発揮します。エスカレーション後の対応も含めてチーム全体で状況を把握できることで、顧客を何度も待たせることなく問題解決まで導けるでしょう。

大量対応の現場:AIエージェントによる一次対応の自動化

問い合わせ件数が多く、サポート担当者のリソースが逼迫しやすい現場では、AIエージェントによる一次対応の自動化が実装段階に入っています。AIエージェントは、ナレッジをもとに会話の文脈を理解して回答し、必要に応じて手続きの処理まで実行して一次対応を完結します。解決できない例外や複雑な案件は担当者へ引き継がれるため、人は判断を要する対応に集中できます。

ただし、成果を出すには順序があります。ナレッジが未整備のままAIを導入すると誤った回答が多発し、顧客だけでなく社内のAIへの信頼まで失われかねません。「ナレッジの整備が先、AIの適用が後」が定石です。あわせて、聞き返しが一定回数続いたら有人対応へ切り替える、営業時間内はすぐ担当者につながる導線を残す、といった有人への逃げ道の設計も欠かせません。

もうひとつ押さえておきたい変化があります。AIが定型的な問い合わせを吸収すると、担当者に残る問い合わせは難しい案件やクレームの比率が高まり、1件あたりの対応負荷はむしろ上がります。従来の処理件数や対応時間の基準のままで担当者を評価すると、現場の疲弊を招きかねないため、評価指標の見直しもセットで行いましょう。対応件数が増加する一方で人員を増やしにくい状況は、多くの企業が直面する共通の課題です。AIと人の役割分担を適切に設計することで、対応品質と処理効率の両立を目指せる体制が整います。

ECサイト・通販:購入前後の問い合わせ対応を効率化

ECサイト・通販事業者は、商品の仕様や在庫に関する購入前の問い合わせから、配送状況の確認・返品・交換対応まで、取引の各フェーズで多様な問い合わせが発生しやすい業態です。複数のモールや自社サイトに出店している場合、販売チャネルごとに管理画面を行き来して問い合わせを確認する手作業が残りやすく、出店先が増えるほど対応工数が膨らむ構造もあります。

カスタマーサポートツールを活用すれば、メール・チャット・SNSなど複数チャネルから届く問い合わせを一画面で管理できます。購入直後の問い合わせに対して、注文情報や過去の対応履歴をすぐに参照できるようにすることが、迅速な解決につなげるうえで重要です。

また返品・交換のように定型的な対応フローが存在するケースでは、対応手順を標準化することで、担当者が変わっても一定水準で対応できます。顧客が購入後も安心して連絡できる体制を作ることが、リピート購入や長期的な顧客関係の構築に直結するといえます。

SaaS・IT企業:テクニカルサポートとカスタマーサクセスの両立

SaaS・IT企業は、バグ報告・機能の使い方・エラー対応といった技術的な問い合わせへの迅速な対応と、顧客がサービスを継続して活用できるよう支援するカスタマーサクセス的な関与が同時に求められる業態です。カスタマーサポートツールを導入することで、問い合わせの対応履歴や顧客ごとのやり取りの経緯をチーム間で共有し、部門をまたいだ連携がスムーズになるでしょう。

サポートチームとカスタマーサクセスチームが別々の情報をもとに動くと、対応の重複や抜け漏れが生じやすくなります。ツール上で顧客情報を一元管理することで、両チームが共通の状況認識を持ちながら、それぞれの役割で連携できます。技術的な問題の解決と継続利用の支援を切り離さずに進められる体制が、顧客との信頼関係を育む基盤となるでしょう。

カスタマーサポートツールの選び方

カスタマーサポートツールは製品数が多く、搭載機能や得意領域が製品ごとに大きく異なります。自社の課題や運用体制に合わないツールを選んでしまうと、導入後に現場で活用されないまま終わるリスクがあります。ここでは、ツール選定で押さえるべき9つのポイントを順に解説します。

導入目的と必要な機能を明確にする

ツール選定を始める前に、導入によって何を解決したいのかを具体的に言語化することが、適切な選定の第一歩です。対応漏れを防ぎたいのか、問い合わせ件数そのものを削減したいのか、対応品質のばらつきを解消したいのかによって、適したツールのタイプは異なります。目的が曖昧なまま選定すると、機能が充実していても現場で使われないツールになりやすく、導入効果が出ない可能性があります。

目的が定まったら、チケット管理・マルチチャネル対応・レポート機能・AI自動化といった機能を「必須」と「あれば望ましい」に分けてリスト化します。このとき、カタログの機能名だけでなく運用面まで踏み込んで確認しておきたい項目が2つあります。ひとつは、返信テンプレートや自動化ルールを現場の管理者が自分で作成・修正できるかです。変更のたびにベンダーへの依頼が必要なツールは、運用開始後に形骸化しやすくなります。もうひとつは、SLA(応答期限などのサービスレベル合意)の管理機能です。顧客ごとに応答期限の取り決めがあるBtoBサポートでは、対応期限の自動監視・超過アラート・優先度別の期限設定が選定条件になります。

リスト化した要件は、トライアルや製品デモで実際の動作を確認したうえで判断しましょう。まず現状の業務フローと課題を部門ごとに洗い出し、優先順位をつけたうえでツール選定に進むことで、導入後のミスマッチを減らせます。

利用人数・席数と契約の柔軟性を確認する

利用人数・席数は、必要な機能水準とコストを左右する重要な選定軸です。30席以下の小規模な現場では、導入・運用の負担が少なく、専任のIT担当者がいなくても扱いやすいシンプルなツールが向いています。一方、100席を超える大規模な現場では、詳細な権限管理や高度なレポート機能、大人数での利用に耐える拡張性の確保が欠かせません。

このとき、席数と人数は同じではない点に注意が必要です。シフト制の現場では1つの席を複数の担当者が交代で使うため、稼働する人数は席数を上回ります。課金が担当者ID単位か、同時ログイン数単位かによって、必要なライセンス数もコストも大きく変わります。

また、繁忙期と閑散期の差が大きい業態では、IDを月単位で増減できるか、最低契約ID数や最低契約期間の縛りがないかが、月額単価以上に総コストへ影響します。選定時には現在の席数だけを基準にせず、1〜2年後の組織拡大や業務量の増加、季節変動まで見据えて契約条件を確認しておくべきです。

対応チャネルが自社の顧客層と合っているか

自社の顧客が実際に問い合わせに使うチャネルにツールが対応しているかは、導入前の確認が欠かせないポイントです。

電話・メール・チャット・LINE・SNSなど、顧客が問い合わせに使うチャネルは業種や顧客層によって一様ではないのが実情です。たとえば、BtoCのECサイトではLINEやチャットの比率が高く、BtoBの業務システムでは電話やメールが主流になるケースが多いでしょう。自社の顧客が使うチャネルにツールが対応しているかを確認したうえで、候補を絞り込むことが大切です。

電話の比率が高い場合は、チャネル対応の有無に加えてCTI・PBX(電話交換機)との連携方式まで確認が必要です。既存の電話番号を維持できるか、着信と同時に顧客情報が画面に表示されるか、通話録音の保存期間や取り出し方法はどうなっているか——電話まわりは移行の難所になりやすく、選定段階での確認が導入後のトラブルを防ぎます。

また、現在運用中のチャネルだけにとどまらず、今後新たに拡大したいチャネルの対応可否もあわせて事前にチェックしておきましょう。事業拡大や顧客層の変化に伴い、必要なチャネルが増えるケースは少なくありません。対応チャネルの追加に柔軟に対応できるツールかどうかも、選定時の判断材料のひとつです。

既存ツール(CRM・Slack等)との連携可否

カスタマーサポートツールの「連携可能」という表記は、ツールによって実現難易度が大きく異なります。追加開発なしにすぐ接続できる場合と、エンジニアが設計・構築に工数をかけて初めて実現できる場合があり、どちらに該当するかを選定前に見極めることが不可欠です。

SlackやChatworkとの通知連携は追加開発なしで済む場合が多いものの、自社独自の基幹システムやCRMとの連携には、相応の開発工数がかかるケースも少なくありません。連携の実現に時間とコストがかかる場合は、導入スケジュール全体に影響が及ぶことがあるため、候補ツールの連携方式・工数の目安・対応可能な連携先の範囲を、選定前にベンダーへ確認しておきましょう。

操作性・現場スタッフが使いやすいか

担当者が毎日長時間使い続ける画面である以上、操作性はツール選定において機能と同等に評価すべき軸です。

画面が複雑で操作に手間がかかると、対応スピードの低下や操作ミスが発生しやすくなります。返信・テンプレート挿入・ステータス変更といった操作は1日に何十回も発生するため、1件あたり数十秒の操作時間の差でも、チーム全体では月間で大きな工数差になります。操作性を確認する際は、以下のポイントを実際に触れながら確かめるとよいでしょう。

  • 顧客情報と対応履歴をその場ですぐに引き出せる画面構成になっているか
  • 頻繁に使う操作のクリック数・画面遷移数が旧運用より少ないか
  • 過去の問い合わせを顧客名・キーワード・期間で横断検索し、実用的な速度で結果が返るか
  • 業務に不慣れなスタッフでも短期間で独り立ちできるか

トライアルでは、過去1〜2週間分の実際の問い合わせを流し込み、通常業務を再現してみると判断の精度が上がります。管理者だけでなく実際に画面を使う現場の担当者にも触れてもらうことが、導入後のミスマッチ防止につながります。製品によっては無料トライアル期間を設けているものもあるため、積極的に活用することをおすすめします。

既存ツールからの移行のしやすさ

ツールを切り替える際に見落としやすいのが、「既存ツールに蓄積されたデータを新ツールへ引き継げるか」です。過去の対応履歴や顧客情報がどの範囲・形式で移行できるか、移行作業にベンダーのサポートが付くかどうかを、選定の段階で把握しておく必要があります。

実務では、過去データの全件移行にこだわらない判断も現実的です。直近数か月分の履歴とナレッジだけを新ツールへ移し、旧環境を参照専用として一定期間残す方法は、移行コストを抑えながら過去のやり取りも参照できる定石として広く採られています。

また、移行の山場はデータよりも運用の切り替えにあります。返信テンプレートや自動化ルールの移植、サポート用メールアドレスの切り替え、新旧システムの並行稼働期間中の対応品質の維持など、業務への影響範囲・稼働開始までのリードタイム・移行サポートの手厚さも含めて、選定前にベンダーへ確認しておきましょう。あわせて、将来の乗り換えに備えて、蓄積したデータを標準形式でエクスポートできるかも確認しておくと安心です。

AI・自動化機能の精度と実用性

AI・自動化機能の精度と対応範囲は製品によって大きく異なり、導入前の見極めが欠かせません。現行のAIエージェントは、定型的な問い合わせへの案内にとどまらず、システム連携による手続きの実行や、ナレッジをもとにした非定型の問い合わせへの対応まで担えるようになっています。どこまで任せられるかは、製品の世代と自社のナレッジ整備状況の両方で決まります。

AIの回答精度は、FAQ・ヘルプ記事といったナレッジの整備状況に大きく依存します。この前提を踏まえたうえで、クレーム対応や複数回問い合わせている顧客、別部署への調査が必要なケースなどは人が対応すべき領域であり、どの問い合わせをAIに任せてどこから人が関与するかの境界線を、自社の問い合わせ内容に合わせて設計する必要があります。

AIから有人対応へ引き継ぐ際に会話履歴がそのまま渡るかどうかも、見落とされがちな確認点です。引き継がれない場合、顧客は同じ説明を二度求められることになり、自動化がかえって不満の原因になります。トライアルでは、実際の問い合わせを使ってAIの精度と対応範囲、引き継ぎの動線を確認し、自社の運用に耐えられるかを見極めておくことが大切です。

セキュリティ・サポート体制の確認

カスタマーサポートツールは顧客の個人情報や問い合わせ履歴を取り扱う性質上、セキュリティとサポート体制の確認は欠かせません。まずISO27001やプライバシーマークといったセキュリティ認証の取得状況を確認し、あわせてデータ暗号化・認証方式が自社のポリシーと合致しているかを見ていきます。

認証の取得状況とあわせて確認したいのが、現場の運用に直結する管理機能です。オペレーター・SV・管理者といった役割ごとの権限設計、担当外の顧客情報を見せない閲覧範囲の制限、個人情報のマスキング、操作の監査ログなどが該当します。外部委託先や他部署にも画面を開放する運用では、この権限設計が実質的なセキュリティの要になります。在宅勤務や複数拠点での利用を想定する場合は、場所を問わず利用できるか、IPアドレス制限や端末認証などのアクセス制御を設定できるかも確認しておきましょう。

サポート体制については、システムの稼働率保証(SLA)と、ベンダーサポート窓口の応答目標を分けて確認します。障害発生時の検知から第一報までの対応スピードと過去の実績、導入時の初期設定支援や導入後の問い合わせ窓口・日本語サポートの有無も、トラブル発生時に迅速に対処できる体制を確保するうえで確認しておきたい項目です。導入時の伴走支援が薄いと、設定が進まず稼働に至らないまま検討が頓挫するケースもあります。

費用対効果・料金体系の確認

カスタマーサポートツールの料金を比較する際は、月額・初期費用だけでなく、見積もりに現れにくいコストまで含めた総額で判断することが大切です。

料金の相場は、無料プランを持つ製品から、1ユーザーあたり月額数千円の中小規模向けプラン、月額1万円を超える大規模・高機能プランまで幅があります。課金単位もユーザー数課金が主流である一方、問い合わせ件数やアクセス数に応じた課金体系の製品もあり、同じ月額表示でも自社の利用規模・運用実態によって支払総額は大きく変わります。窓口を絞って少人数で運用するのか、繁忙期に増員するのかといった運用の形と、課金体系が噛み合うかを確認しましょう。

導入後に発生しやすいのは、要件に合わせた設定・カスタマイズ費、他システムとの連携構築費、担当者向けの操作研修費です。これらを見込まずに予算を組むと、稼働後の追加出費で計画が崩れるケースがあります。表示金額だけで比較せず、稼働開始から安定運用に至るまでのトータルコストを把握したうえで、導入の判断を行いましょう。

【2026年版】カスタマーサポートツールおすすめ16選を比較

ここでは、カスタマーサポートツール16選を特徴・無料トライアルの有無・料金の観点で一覧にまとめました。製品ごとの違いを横断的に把握し、自社に合うツールの候補を絞り込む際の参考にしてください。一覧表の後に、問い合わせ管理・顧客情報管理(CRM)・回答支援・コミュニケーション支援の4タイプ順で各製品を紹介します。

製品名

特徴

無料トライアル

料金

Zendesk

世界10万社以上が導入するAI搭載カスタマーサービスプラットフォーム

あり

月額:$19〜/エージェント
※年払い・カスタマーサービスプランの場合
初期費用:なし

楽楽自動応対(旧:メールディーラー)

メール共有・対応管理に特化した国産システム

あり

要問い合わせ

Re:lation

ステータス管理を軸にした問い合わせ管理システム

あり

月額:15,000円〜
初期費用:要問い合わせ

Freshdesk

グローバルで利用されているクラウド型問い合わせ管理

あり

月額:$19〜/ユーザー
※年払いの場合
初期費用:要問い合わせ

yaritori

月額1,980円〜の軽量メール共有・問い合わせ管理

あり

月額:1,980円〜/ユーザー
初期費用:0円

Salesforce Service Cloud

CRM連携型のカスタマーサービスプラットフォーム

あり

月額:3,000円〜
初期費用:要問い合わせ

FastHelp

30年の実績を持つコンタクトセンター向けCRM

要問い合わせ

月額・初期費用:要問い合わせ

Zoho Desk

顧客データ活用でアップセルにつなげるサポートツール

あり

月額:1,680円〜/ユーザー
※年払いの場合
初期費用:0円

HubSpot

マーケ・営業・サポートを統合したCRM一体型ツール

あり

月額:0円〜
初期費用:要問い合わせ

PKSHA FAQ

言語理解AIエンジン搭載のFAQシステム

要問い合わせ

月額・初期費用:要問い合わせ

Helpfeel

特許技術の意図予測検索を搭載したFAQシステム

要問い合わせ

月額・初期費用:要問い合わせ

Tayori

FAQ・フォーム・チャットを一ツールで完結

あり

月額:3,800円/3名まで〜
初期費用:無料〜

QANT

問い合わせ前に疑問を解消するAI回答支援プラットフォーム

要問い合わせ

月額・初期費用:要問い合わせ

ChatPlus

チャットボットと有人チャットのハイブリッド運用ツール

あり

月額:1,500円〜
※年契約の場合
初期費用:0円

MOBI AGENT

AIが対応品質を補助するコンタクトセンター向け有人チャット

要問い合わせ

月額・初期費用:要問い合わせ

KARTE

行動データをもとに1to1コミュニケーションを実現

要問い合わせ

月額・初期費用:要問い合わせ

【問い合わせ管理タイプ】まずは問い合わせ管理タイプの5製品です。複数チャネルからの問い合わせを一元管理し、対応状況をチーム全体で可視化できる点が特徴で、対応漏れや二重対応を仕組みで防ぎながら、担当者の割り当てや進捗管理を効率化したい企業に適しています。

1. Zendesk

Zendeskは、メール・電話・チャット・SNSなど複数チャネルからの問い合わせを一画面で管理・解決できる総合カスタマーサービスプラットフォームです。担当者は一元化されたワークスペースから対応状況や顧客の背景情報を確認しながら対応を進められ、チャネルをまたいだ引き継ぎも円滑に行えます。

AI機能も充実しており、AIエージェントが問い合わせに自律的に対応し、活用が進むにつれて自動解決率が80%以上に達するケースも報告されています。さらにCSATや初回応答時間などの指標を、ダッシュボードでリアルタイムに把握でき、サポート品質の改善に活かせます。14日間の無料トライアルまたは製品デモで、実際の使い心地をお確かめください。

機能と特徴

料金

無料トライアル

・マルチチャネル一元管理
・AIエージェント自動対応
・CSAT・FRTのリアルタイム分析
・1,800以上のアプリ連携
・ヘルプセンター・FAQ構築

月額:$19/エージェント(Support Teamプラン)
$55/エージェント(Suite Teamプラン)
$115/エージェント(Suite Professionalプラン)
※それぞれ年払いの場合
初期費用:なし

あり

Zendeskを14日間無料で試す

2. 楽楽自動応対(旧:メールディーラー)

楽楽自動応対は、株式会社ラクスが提供するメール共有管理システムです。チーム全員のメール対応状況をリアルタイムで可視化し、担当者の自動振り分けや対応ステータス管理によって返信漏れや二重返信を防止できます。AIが過去のやり取り履歴から、返信文を自動生成する機能を追加費用なしで利用でき、クレームメールの自動検知にも対応しています。

LINE公式アカウント連携やECモール対応など外部システムとの連携も充実しています。幅広い業種で導入されており、導入後も専任スタッフによる電話・メールサポートを永年無料で受けられる点は、運用と定着を重視する企業に適しているでしょう。

機能と特徴

料金

無料トライアル

・担当者自動割り当て
・対応ステータス管理
・AI返信文自動生成(追加費用なし)
・AIクレーム検知
・LINE・ECモール連携

要問い合わせ

あり

出典: 楽楽自動応対

3. Re:lation

Re:lationは、「未対応」「対応中」「対応完了」のステータス管理を軸に、チームでの問い合わせ対応を効率化するシステムです。メール・電話・LINE・チャット・Webフォームなど複数チャネルの問い合わせを一画面に集約し、担当者の自動選別や対応状況の把握を一括で行えます。

AIが対応データをもとに返信文案の作成を支援するため、回答にかかる時間の短縮が見込めます。チャットボットとの連携により、顧客の自己解決を促す仕組みも整えられます。また新人のメールや重要な対応を、上司が承認してから送信できる承認フローの設定も可能です。セキュリティ面ではISO27001およびISO27017を取得しており、厳格な情報管理が求められる企業にも対応しています。

機能と特徴

料金

無料トライアル

・ステータス管理・担当者自動選別
・AI返信文案生成
・チャットボット連携
・承認フロー機能
・ISO27001・ISO27017取得

月額:15,000円〜
初期費用:要問い合わせ

あり

出典: Re:lation

4. Freshdesk

Freshdeskは、国内外で幅広く活用されているクラウド型の問い合わせ管理システムです。メール・電話・チャット・LINE・SNSなど複数チャネルからの問い合わせはチケットとして管理され、担当者のスキルや業務量をもとに、適切な担当者へ自動で振り分けられます。

またチケット内でメンバー同士がチャットできるチームハドル機能も備えており、社内連携が一画面で完結する設計です。ナレッジベースの構築機能で顧客の自己解決を促進できます。AI機能群「Freddy AI」は、問い合わせに自律対応するAI Agent、返信支援・要約を担うCopilot、分析を担うInsightsで構成され、プランに応じて活用が可能です。ノーコードで複雑な自動化ルールを設定でき、40か国語以上の多言語にも対応しています。

機能と特徴

料金

無料トライアル

・複数チャネルチケット管理
・担当者自動振り分け
・チームハドル機能
・AI機能群「Freddy AI」
・40か国語以上の多言語対応

月額
Growth:$19/ユーザー
Pro:$55/ユーザー
Enterprise:$89/ユーザー
※年払いの場合
初期費用:要問い合わせ

あり

出典: Freshdesk

5. yaritori

yaritoriは、月額1,980円〜・初期費用無料・最低契約期間なしで利用できるメール共有・問い合わせ管理システムです。問い合わせごとにステータスと担当者を割り当て、対応状況を見える化し、二重対応や対応漏れを防ぐ仕組みを整えられます。

AIによるクレームメールの検出や返信文の生成・翻訳・丁寧語変換も搭載しており、定型的な対応業務の効率化に役立てられるでしょう。各メールにチャットが紐づいているため、担当者間の相談や情報共有をシステム内で行えます。問い合わせ対応・顧客管理・一斉配信をワンストップで提供しており、製造・EC・ITなど幅広い業種の企業で活用されています。

機能と特徴

料金

無料トライアル

・ステータス・担当者管理
・AI返信文生成・翻訳
・クレームメール検出
・メール内チャット機能
・問い合わせ・顧客管理一元化

月額:1,980円〜/ユーザー
初期費用:0円

あり

出典: yaritori

【顧客情報管理(CRM)タイプ】続いて顧客情報管理(CRM)タイプの4製品です。顧客の属性・購買履歴・対応履歴を一元的に蓄積・管理し、担当者が対応時に顧客の背景情報をすぐに参照できる点が強みで、営業・マーケティング部門との情報共有や、パーソナライズされた対応を実現したい企業に適しています。

6. Salesforce Service Cloud

Salesforce Service Cloudは、顧客の購買履歴・対応記録を一画面で参照しながら対応を進められるカスタマーサービスプラットフォームです。

担当者を支援するAI機能も充実しており、受信ケースと顧客履歴をもとにアクションプランを自動提示するService Rep AssistantやAIが返信文を生成するAIサービス返信機能を活用できます。ナレッジベースからAIが関連記事をレコメンドする機能も備えており、対応時間の短縮に有効です。

さらにSlack連携で、組織全体のエキスパートが連携してケース対応を進められます。セルフサービス向けのヘルプセンター構築にも対応しており、顧客の自己解決を促進できます。加えて、自律型AIエージェント「Agentforce」による問い合わせ対応の自動化も、アドオンや上位エディションで提供されています。

機能と特徴

料金

無料トライアル

・購買履歴・対応記録の一画面参照
・Service Rep Assistant
・AI返信文自動生成
・AI記事レコメンド
・Slack連携

月額
Starter Suite:3,000円/ユーザー
Pro Suite:12,000円/ユーザー
Enterprise:21,000円/ユーザー
Unlimited:42,000円/ユーザー
Agentforce 1サービス:66,000円/ユーザー
初期費用:要問い合わせ

あり

出典: Salesforce Service Cloud

7. FastHelp

FastHelpは、電話・メール・FAX・Webなど複数チャネルからの顧客情報とコンタクト履歴を一元管理するコンタクトセンター向けCRMシステムです。使いやすさを重視して設計された直感的なインターフェースを備えており、業務内容に合わせた画面のセルフカスタマイズが可能です。

KPIなどの見える化を実現するレポート機能も充実しており、問い合わせ履歴をCSVやExcel形式でダウンロードして分析に活用できます。約30年のノウハウをもとに開発され、生成AI機能群「FastGenie」を搭載しており、生成AIによる応対効率化を検討しているコンタクトセンターにも対応しています。

機能と特徴

料金

無料トライアル

・複数チャネルを一元管理
・直感的UI
・セルフカスタマイズ機能
・KPI見える化レポート機能
・高い拡張性

月額・初期費用:要問い合わせ

要問い合わせ

出典: FastHelp

8. Zoho Desk

Zoho Deskは、問い合わせ情報と顧客データを関連付けて管理するカスタマーサポートツールです。顧客ごとの対応履歴・購入商品情報・満足度評価を、一画面で確認しながら対応を進められます。メール・電話・チャット・SNSなど複数チャネルからの問い合わせを一元管理し、問い合わせ内容に応じた担当者の自動割り当てやワークフローによる繰り返し作業の自動処理も可能です。

蓄積した顧客データは特定条件でリスト化・分析でき、個々の顧客のニーズを顕在化させながらサポート活動に継続して活かすことができます。問い合わせ対応を通じて収集した顧客情報をもとに、アップセル・クロスセルの提案につなげたい企業に向いているでしょう。

機能と特徴

料金

無料トライアル

・マルチチャネル一元管理
・問い合わせ業務の自動化
・ナレッジベースの作成・公開
・ドラッグ&ドロップでカスタマイズ
・満足度アンケートの自動集計

月額
スタンダード:1,680円/ユーザー
プロフェッショナル:2,760円/ユーザー
エンタープライズ:4,800円/ユーザー
※年払いの場合
初期費用:要問い合わせ

あり

出典: Zoho Desk

9. HubSpot

HubSpotは、マーケティング・営業・サポートを一つに統合したAI搭載のカスタマープラットフォームです。チケット管理・ナレッジベース・SLA管理など、必要な機能を一括して利用できます。CRM機能を標準搭載しており、他部門の顧客データをサポート担当者がリアルタイムで確認できるのが特徴です。

AI「Breeze」が、チケットの自動割り当てや推奨返信文の生成などで業務効率化を後押しします。Professional以上のプランでは、顧客からの問い合わせに自律的に対応するBreeze顧客対応エージェントも利用できます。また、2,000種類以上の外部連携に対応しており、既存ツールとの接続も柔軟です。NPS®・CSATによる顧客フィードバックの収集・分析もプラットフォーム内で完結し、サービス改善に活かせます。

機能と特徴

料金

無料トライアル

・CRM一体型プラットフォーム
・AI「Breeze」搭載
・NPS®・CSAT収集・分析
・2,000種類超の外部連携
・オムニチャネル対応

月額
無料ツール:0円
Starter:840円/シート
Professional:10,800円/シート
Enterprise:18,000円/シート
※年払いの場合
初期費用:Professional以上は導入支援費が別途必要

あり

出典: HubSpot

【回答支援タイプ】次に回答支援タイプの4製品です。FAQやチャットボット・AIエージェントを活用して顧客の自己解決を促し、問い合わせ件数そのものを削減することを目的としたツールです。シナリオ誘導型のチャットボットから一次対応を解決まで完結するAIエージェントまで製品によって世代の幅があり、営業時間外にどこまで「解決」できるかが比較のポイントになります。

10. PKSHA FAQ

PKSHA FAQは、FAQ作成から公開・分析・改善をワンストップで提供する回答支援型のシステムです。大規模な概念知識と言語辞書を持つ独自の言語理解AIエンジンが、表記ゆれや類義語にも対応した検索を実現します。検索サジェストや関連FAQ表示など、自力で回答にたどり着くためのナビゲーション機能も備わっています。

FAQデータを対話型AIと連携させることで、データを二重管理することなく運用できるでしょう。社内文書や蓄積データをもとにFAQを自動生成し、重複確認や分類も自動で行えます。FAQサイトのデザインを柔軟にカスタマイズでき、Webサイトのブランドに合わせた一貫した顧客体験を提供できます。

機能と特徴

料金

無料トライアル

・言語理解エンジン搭載
・類義語・表記ゆれに対応
・検索サジェスト機能搭載
・対話型AIとデータ連携
・FAQの自動生成

月額・初期費用:要問い合わせ

要問い合わせ

出典: PKSHA FAQ

11. Helpfeel

Helpfeelは、特許技術「意図予測検索」を搭載した自己解決支援型のFAQシステムです。スペルミスや表記ゆれ、抽象的な言い回しからでもユーザーの意図を読み取り、文字を入力している途中から回答候補を表示します。生成AIに回答文そのものを生成させず、既存のFAQへ誘導する設計のため、誤った情報を提示するリスクを抑えられる点が特徴です。

FAQのドラフト作成にもAIを活用でき、回答コンテンツの整備にかかる担当者の工数を抑えられます。問い合わせフォームやPDFマニュアル検索にも対応しており、顧客が回答にたどり着く経路を複数確保できるでしょう。VoC分析機能で収集した検索データをもとに、顧客が解決できていない疑問を把握し、回答品質の改善につなげられます。

機能と特徴

料金

無料トライアル

・意図予測検索(特許技術)
・FAQドラフト作成AI
・PDF検索
・VoC分析
・問い合わせフォーム対応

月額・初期費用:要問い合わせ

要問い合わせ

出典: Helpfeel

12. Tayori

TayoriはFAQと問い合わせフォームを連携させ、顧客を自己解決へ誘導する回答支援ツールです。フォームにFAQを表示することで、サポート担当者への問い合わせ件数を減らせます。またFAQのデータを活用してAIチャットボットを作成でき、営業時間外でも顧客の自己解決を継続的に支援できます。

フォーム・FAQ・アンケート・チャットの4機能を一ツール内で完結できるため、複数サービスを使い分ける必要がありません。Slack・Chatwork・Teamsとの外部連携にも対応しており、問い合わせ通知をチームのチャットツールで受け取れます。さらに受信箱では複数チャネルからの問い合わせを一元管理でき、チームでのサポート業務をスムーズに進められるでしょう。

機能と特徴

料金

無料トライアル

・FAQ・フォーム連携
・AIチャットボット対応
・4機能ワンツール完結
・外部チャットツール連携
・受信箱で一元管理

月額
スタータープラン:3,800円/3名まで
プロフェッショナルプラン:11,980円/10名まで
エンタープライズプラン:25,400円/30名まで
初期費用
スタータープラン・プロフェッショナルプラン:無料
エンタープライズプラン:50,000円

あり

出典: Tayori

13. QANT

QANTは、生成AIが顧客の困りごとを問い合わせ前に検知して最適な回答へ自動的に誘導するAI回答支援プラットフォームです。ユーザーのWeb行動を生成AIが解析し、困りごとの内容に応じた最適なサポート経路を提示します。顧客の自己解決率が高まることでサポート担当者への問い合わせを削減し、サポート部門の業務効率化につなげられます。

蓄積された問い合わせデータはQANT VoCが生成AIで分析し、改善すべき回答コンテンツを特定できるでしょう。またQANT コネクトでは顧客のWeb行動をもとに最適な担当者へ自動でつなぎ、有人対応へスムーズに移行できます。回答支援から有人対応・データ分析まで、カスタマーサポートの各工程をAIでつなぐプラットフォームです。

機能と特徴

料金

無料トライアル

・生成AI回答支援
・Web行動データ活用
・VoC自動分析
・有人対応への自動接続
・問い合わせデータ分析

月額・初期費用:要問い合わせ

要問い合わせ

出典: QANT

【コミュニケーション支援タイプ】最後にコミュニケーション支援タイプの3製品です。有人チャットやビデオ通話を活用して顧客とリアルタイムでやり取りできる環境を整えるツールで、メールのような返信待ちが発生せず、複数の顧客に同時対応できる点が特徴です。

14. ChatPlus

ChatPlusは、チャットボットと有人チャットを組み合わせてWebサイト上での顧客コミュニケーションを支援するツールです。シナリオ型チャットボットによる無人対応と、サポート担当者が直接対応するハイブリッド運用をひとつのツールで実現可能です。チャットボットで解決できなかった場合は担当者へ引き継ぎ、重要な問い合わせには人が直接対応する運用体制を整えられます。

担当者ルーティングやカテゴリ設定で、複数の担当者の対応フローを役割ごとに整理しやすい設計です。多言語対応により、国内外の顧客とスムーズなコミュニケーションを実現できます。さらに各種API連携で既存ツールと接続し、対話履歴を含む顧客とのやり取りを一元的に管理できるでしょう。

機能と特徴

料金

無料トライアル

・無人チャットボット対応
・有人チャット連携
・ハイブリッド運用
・担当者ルーティング
・多言語・API連携

月額:1,500円〜
※年契約の場合
初期費用:0円

あり

出典: ChatPlus

15. MOBI AGENT

MOBI AGENTは、有人チャットにAIを組み合わせてリアルタイムの顧客コミュニケーションを支援するコンタクトセンター向けツールです。チャット対応中に回答文の校正や回答候補の提案をAIが行い、担当者の対応品質を補助します。「MOBI BOT」との連携で自動対応と有人対応を切り替えられ、24時間体制での顧客対応を実現できます。

また、問い合わせ内容や条件に応じて、最適な担当グループへ自動振り分けする設計です。外国語の自動翻訳にも対応しており、多言語での顧客コミュニケーションもスムーズに進められるでしょう。また生成AIによる対話内容の自動要約や、ダッシュボードでの対応状況のリアルタイム把握も役立ちます。

機能と特徴

料金

無料トライアル

・AI回答補助
・チャットボット連携
・自動振り分け
・多言語翻訳
・対話自動要約

月額・初期費用:要問い合わせ

要問い合わせ

出典: MOBI AGENT

16. KARTE

KARTEは、顧客の行動データをリアルタイムで解析し、問い合わせが発生する前の先回りコミュニケーションを支援するツールです。セッションリプレイ機能により、顧客が閲覧中の画面や直前の行動をリアルタイムで確認できるため、サポート担当者は「顧客がどこでつまずいているか」を把握したうえで対応に臨めます。

購入や手続きで迷っている顧客に対し、行動データをもとにポップアップや案内を先回りで提示することで、問い合わせに至る前に疑問を解消できる点が特徴です。メール・LINE・プッシュ通知など複数チャネルで顧客の状況に合わせた1to1コミュニケーションを実施でき、サポート起点の顧客体験の向上につながるでしょう。

機能と特徴

料金

無料トライアル

・リアルタイム行動解析
・セッションリプレイ
・1to1コミュニケーション
・マルチチャネル対応
・ポップアップ・Web接客

月額・初期費用:要問い合わせ

要問い合わせ

出典: KARTE

カスタマーサポートツールの導入ステップ

カスタマーサポートツールの導入を成功させるには、目的設定から運用定着まで段階を踏んで取り組むことが重要です。ツールを入れるだけでは現場に定着せず、準備不足のまま稼働すると混乱や活用不足が起きやすくなります。どの部署が何の目的で使うのかを整理し、対応フローや運用ルールを整備したうえで本稼働に臨むことが、導入後の効果を左右します。

ここでは、スムーズな定着を実現するための5つのステップを解説します。

1. 目的設定と現状分析

ツール導入を成功させるための出発点は、現状の業務課題を数値で把握することです。月あたりの問い合わせ件数・対応チャネルの種類・担当者数のほか、可能な範囲でおおよその応答時間を洗い出し、どこにボトルネックがあるかをチーム全体で可視化します。実際には、問い合わせ件数や内容をそもそも計測していない企業も多く、「まず現状を測る」こと自体が導入前の重要な一歩となります。ここで把握した数値は、導入後の効果を比較するための基準値(ベースライン)にもなります。

「一次対応を自動化したい」「チャネルをまたいだ対応履歴を一か所で管理したい」「初回応答時間を短縮したい」など、解決したい課題を部門ごとに言語化することが不可欠です。課題が明確になることで、必要なツールのタイプや機能要件が定まり、候補を実務的な観点から絞り込めます。

現状分析が浅いまま製品選定に入ると、導入後に現場との乖離が生じやすくなります。この段階には十分な時間をかけて臨みましょう。

2. ツール選定と要件定義

現状分析で課題が明確になったら、ツール選定と要件定義のステップに進みます。

必須機能・対応チャネル・連携先システム・席数・予算といった選定条件は、項目として文書化しておくことが大切です。条件を明文化することで、複数の担当者が同じ基準で製品を比較でき、評価にばらつきが出にくくなるでしょう。要件が曖昧なまま選定に入ると、担当者ごとに重視する観点がずれて議論が長引きやすくなります。

候補ツールが絞れたら、無料トライアルや製品デモで実際の操作感・機能の実用性・サポート対応の品質を確かめることをおすすめします。カタログ上のスペックだけでは見えない部分を、トライアルで確かめておくことが選定精度を高める近道です。

3. 運用ルール・対応フローの整備

ツールを選定したら、本稼働前に運用ルールと対応フローを整備します。チケットの振り分けルール・担当者の役割分担・エスカレーション基準といった項目を、チーム全体であらかじめ決めておくことが大切です。なお、振り分けルールは実際の問い合わせの流量と内訳を見ないと決め切れないため、初期は粗い区分で始め、稼働後2〜4週間での見直しを前提に組んでおくと現実的です。

特にエスカレーションの基準は、明確に定めておく必要があります。基準がないと、経験の浅い担当者は判断に迷って問い合わせを抱えたまま保留時間が延び、ベテランは自分で処理してしまうため、SV(スーパーバイザー:現場の管理・指導役)が問題を検知できません。「一定金額以上の返金要求」「法的措置への言及」「同一案件で3回目以上の問い合わせ」のように、金額・回数・キーワードで機械的に判定できる基準にしておくのが定石です。

返信テンプレートは、最初から網羅的に作り込む必要はありません。頻出の20本程度から始めて、運用しながら追加・統廃合していく方が、テンプレートが乱立して探せなくなる事態を防げます。AIを活用する場合は、ナレッジの整備と、AIから有人対応への引き継ぎ動線の設計もこの段階で行います。ルールと対応フローを稼働前に固めておけば、立ち上がり時の混乱を防ぎ、担当者が迷わず動ける運用基盤が整います。

4. 導入・テスト・チーム教育

稼働開始前に、テスト環境での動作確認とチーム教育を行います。テスト稼働では、チケットの振り分け・ステータス変更・通知設定など、実際の業務フローに沿った動作に問題がないかをひととおり確認します。

またチーム教育では、各機能の場所や使い方をマニュアルとして整備し、全員が同じ知識ベースでツールを使える環境を整えることが大切です。機能の使い方をチーム内で共有しないまま本稼働に入ると、担当者ごとのシステムへの理解にばらつきが生じ、対応品質のムラや業務の滞りが起きやすくなります。全員の習熟度をそろえたうえで本稼働に臨むことが、ツールを現場に定着させる第一歩です。

5. 運用開始と継続的な改善・効果測定

カスタマーサポートツールの導入は、本稼働を迎えてからが本番です。運用しながら効果を測定し、課題があれば都度見直していく継続的なプロセスとして取り組むことが大切です。

効果測定のKPIは、2段階で考えると運用に乗せやすくなります。導入直後は、初回応答時間・未対応の滞留件数・処理時間(AHT/ACW)といったツールが自動で集計できる指標に加え、電話連携がある場合は応答率・放棄率から始めます。一次解決率や自己解決率は、再問い合わせの判定方法などの設計を整えてから加えるのが現実的です。無理なクローズによる見かけ上の解決率向上を防ぐため、一度解決済みにした問い合わせが再び開かれる「チケット再開率」もあわせて見ておくと、数値の信頼性を保てます。AIを活用している場合は、自動解決率と誤答の発生状況も定点観測に加えましょう。

なお、導入後30〜60日ほどは新しい操作への習熟期間にあたり、数値が一時的に悪化するのが通常です。効果の判定は3か月後を目安に行い、導入前に把握した概算値と比較します。導入前の数値が取れていない場合は、習熟期間が明けた稼働数か月目の数値をベースラインとして、以降の改善幅を測る方法が現実的です。数値の変化から課題の所在を特定したら、運用ルール・FAQの内容・チーム教育にフィードバックを反映します。こうした改善サイクルを継続して回すことが、ツールの活用水準と対応品質を段階的に引き上げ、導入効果を長期にわたって引き出すことにつながります。

カスタマーサポートツールならZendesk

マルチチャネル対応・AI自動化・顧客の自己解決支援・データ活用による改善を、ひとつのプラットフォームで実現したい企業には、Zendeskが有力な選択肢です。世界10万社以上の導入実績を持ち、問い合わせ管理からAI活用・効果測定まで一貫して対応できます。ここでは、Zendeskの強みと導入事例を紹介します。

Zendeskの強み

マルチチャネルの問い合わせを一画面で漏れなく管理

Zendeskは、メール・電話・チャット・SNSなど複数チャネルから届く問い合わせを、すべて一画面で管理・解決できます。チャネルごとに別々のツールを使い分ける必要がなく、対応状況の確認から返信・チケット管理までオムニチャネルで一元的に完結できる点がZendeskの強みです。

チャネルをまたいで問い合わせが届いた場合も、会話の履歴と顧客の背景情報がそのまま引き継がれます。顧客が同じ情報を繰り返し伝える必要がなくなり、クレーム防止や対応時間の短縮が見込めます。

また、各チケットには担当者・ステータス・対応履歴が紐付いて管理され、対応が遅れているものをすぐに特定できます。チームとして、漏れのない対応体制を維持できるでしょう。

AIが一次対応を自動化し対応者の負担を軽減

ZendeskのAIエージェントは、顧客からの一次対応をチャネルを問わず自動化します。ヘルプセンターの記事などナレッジベースが整っていれば、接続するだけで高度な設定作業なしに運用を開始でき、導入初期から問い合わせ対応の一定割合をAIが受け持つことが可能です。

AIエージェントは、ID・パスワードのリセットや設定確認といった定型的な問い合わせを24時間処理できるため、人手が手薄な時間帯も顧客を待たせることなく解決へ導きます。さらに活用が進むにつれて自動解決率が80%以上に達するケースも報告されており、対応コストの大幅な削減につながるでしょう。

AIが定型対応を担うことで、サポート担当者はクレーム対応や複雑な問い合わせに注力できる環境が整います。問い合わせ件数が増加する局面でも、人員を増やさずにサポート品質を維持した運用を継続できるのがZendeskの利点です。

FAQとナレッジベースで顧客の自己解決を促進

ZendeskのヘルプセンターとFAQ機能を活用すると、顧客が時間や場所を問わず自力で問題を調べて解決できる環境を整えられます。ヘルプセンターの記事はAIが生成・編集・翻訳を支援するため、担当者の手間をかけずにコンテンツを最新の状態に維持できるのが特徴です。複数言語へのローカライズにも対応しており、グローバルな顧客対応にも活用できます。

蓄積されたナレッジベースはAIによる担当者支援にも活かされ、返信草案や関連記事・回答候補を担当者の対応画面(エージェントワークスペース)上で即座に参照できるため、対応スピードと品質の向上につながります。顧客の自己解決が定着するにつれ、問い合わせ件数の削減も見込まれ、担当者はより複雑な対応に集中できる環境が整うでしょう。

CSAT・FRTをダッシュボードで可視化し継続的な改善に貢献

Zendeskは、顧客満足度(CSAT)・初回応答時間(FRT)・チケット件数といった指標をダッシュボードでリアルタイムに追跡し、サポートの現状を可視化できます。数値はチャネル別・担当者別に絞り込んで確認でき、どこに問題があるかが数字として浮かび上がる設計です。そこから対応フローの改善や人員配置の調整といった、具体的なアクションに移れます。

たとえばCSATが低下している場合は、スコアの低いチケットを分析して原因を絞り込み、担当者へのコーチングや対応フローの修正に活かせます。また、FRTが長くなっている時間帯や担当者を特定すれば、業務量の偏りや対応手順の見直しにつなげることも可能です。こうしたサイクルを継続することで、サポート品質を段階的に引き上げ、顧客体験の向上に貢献します。

Zendeskの導入事例

ランサーズ株式会社は、フリーランスと企業をつなぐクラウドソーシングサービスを運営し、フリーランス・クライアント双方からの問い合わせに対応するカスタマーコミュニケーションチームを置いています。

取引をスムーズに進めるため、顧客の疑問発生から解決までの時間を測定し、改善につなげられるクラウドサービスとして、Zendeskを導入しました。

導入後、問い合わせの初回返信時間は平均14時間から平均2.5時間へと大幅に短縮されました。500種類のテンプレートを登録した運用により、お客様対応1件あたりの生産性も150%向上しています。問い合わせごとの所要時間が数値で把握できるようになったことは、改善サイクルを回すうえで大きな転換点です。顧客属性ごとの問い合わせ傾向も把握できるようになり、カスタマーコミュニケーション部門にとどまらず、各部門と連携して課題に対応できる体制が整っています。

Zendesk導入事例:ランサーズ株式会社

よくある質問

カスタマーサポートツールに関するよくある質問に回答します。料金・機能・活用シーンなど選定時の疑問を事前に解決しておきましょう。

まとめ

カスタマーサポートツールは、問い合わせ管理・顧客情報管理(CRM)・回答支援・コミュニケーション支援と、製品ごとに得意領域が異なります。自社の課題に合ったタイプを選ぶために、比較検討の際は以下の項目を参考にしてください。

  • 自社の導入目的・解決したい課題との適合性
  • 対応チャネルの範囲と顧客層との一致
  • 操作性と現場スタッフの習熟しやすさ
  • 既存ツールとの連携可否
  • AIエージェント・担当者支援などのAI機能が自社の想定業務に合うか
  • 料金体系(月額・初期費用・運用コストの総額)

なお、1つの製品で全要件を満たせない場合は、複数ツールを連携させて組み合わせる構成も現実的な選択肢です。候補ツールに無料トライアルがある場合は、実際の運用シーンを想定して操作性・AI機能の使い勝手を確かめたうえで比較検討することをおすすめします。Zendeskも14日間の無料トライアルを提供していますので、まずは実際に触れて自社の運用に合うかをご確認ください。

Zendeskを14日間無料で試す

Zendesk編集部

Zendesk編集部は、CX(顧客体験)・カスタマーサポート・ヘルプデスク・コンタクトセンター・バックオフィス業務など、社内外のサポート領域の記事を扱っています。2007年の創業以来、世界中の企業で利用されてきたZendeskの事業知見と、毎年発行するCXトレンドレポートなどの自社調査などの情報発信をしています。問い合わせ対応、FAQ整備、AI活用といったテーマで、現場の運用担当者からシステム管理者、意思決定者まで業務に役立つ情報をお届けするため、比較・紹介記事では各社の公式情報、解説記事では業界調査や自社データなどを参照しています。

tierThree:share_the_story

Zendeskを無料で体験

支払い情報の登録は不要。Webから数分でトライアルを開始できます。