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カスタマーサービスの業務は、電話での問い合わせ対応に限りません。サポート担当者は、メール、チャット、ソーシャルメディアといったチャネルについても、重要なサポート手段として使いこなせる必要があります。
優れたカスタマーサービスを提供するうえで、共通して求められるスキルは数多くありますが、チャネルごとに異なるアプローチをとると、それぞれのスキルの効果はさらに高まります。
たとえば電話対応では、共感力、相手の気持ちをくみ取る能力、コミュニケーション能力、親しみやすさといったスキルが重視されます。しかし、文字だけのやり取りとなると、顧客の感情を捉えるのはいっそう難しくなります。そのため、テキストベースの最新のチャネルに適応するには、さらなるカスタマーサービススキルを習得し、磨いていかなければなりません。これはチャネルを活性化させるためにも重要です。
これからサポート職の面接を控えている方や、履歴書でアピールできるカスタマーサービススキルを身に着けようとしている方に、ぜひ覚えておいていただきたいのは、カスタマーサービス部門のマネージャーが面接で見ているのは技術的なスキルだけではないということです。それよりも、皆さんがチームの一員として、真に役立つカスタマーサービススキルを発揮できそうかという点に注目しています。
そこで以下では、サポート担当者が習得すべき優れたカスタマーサービススキルをいくつかご紹介します。
カスタマーサービススキルの例
1. 心からの笑顔で対応する
笑顔で対応していれば、それは電話の向こうの顧客にも伝わります。わざとらしくならないようにタイミングには注意しつつ、常に温かみのある対応を心がけましょう。対面で話しているときと同じように、質問に回答したり、必要な情報を伝えたりしているときに、自然なタイミングで微笑めばよいのです。
2. 相手の言葉遣いをまねて語調を合わせる
顧客の言葉遣いや語調を取り入れることは、カスタマーサービスに必須のスキルです。これには親近感を持ってもらいやすくなるという効果があります。ただし顧客が怒っているときは、同じような調子で接してはなりません。その場合は、少し大きめの声で話すようにすると、ほどなく顧客の興奮を鎮めることができます。こちらがあくまで冷静に対応を続けていれば、相手の態度も変わってくるはずです。
3. まずは顧客の話を聞き、それから問題を確認する
顧客が怒りや不満をあらわにしている場合は、たとえ有益な情報を伝えようとしても、相手に耳を傾ける余裕はありません。まずは顧客の言い分を聞き、冷静になってもらったところで、問題の解決にとりかかってください。サポート業務に欠かせない共感力をうまく発揮して、適切なタイミングで相手に同調しましょう。
4. 問い合わせ内容を理解したことを示す
顧客は皆、自分の話が理解してもらえているのか不安に思うものです。そのため、問い合わせの目的を理解できたら、言葉にしてはっきり伝えることが大切です。そうすれば顧客の心は開かれ、相手が苛立っているときでさえ、ポジティブな方向にやり取りを進めることができます。顧客が何に困っているのかを適切に理解できれば、より人間味のあるサポートにつながり、その印象は企業全体にも引き継がれます。
5. サポート内容を要約して伝える
まずは顧客の問題によく耳を傾けましょう。それから、引き出した情報を自分の言葉で言い換えたうえで、これから提供するサポートの内容を要約して伝える必要があります。どのようなサポートを提供するのかを余さず適切に伝えられることは、サポート担当者にとって特に重要なスキルの1つです。
6. 保留時間の見込みを伝えておく
電話対応そのものは満点のできだったとしても、顧客を保留のまま長時間待たせてしまうと、顧客の流失につながりかねません。事前にどれくらい待たせるのかを伝えていなければ、その確率はさらに高まります。顧客にしてみれば、自分の抱えている問題が蔑ろにされているようなもので、カスタマーサービスの品質に悪影響を及ぼすばかりか、企業全体のイメージもマイナスに傾いてしまいます。
7. テンプレートを活用しつつ、人間味のある対応を心がける
定型文が事前に入力されたテンプレートを活用すると、サポート業務を効率的に進めることができます(Zendeskでは、このテンプレートを「マクロ」と呼んでいます)。注意したいのは、テンプレートはあくまでもガイドラインだということです。顧客対応での一般的な受け答えの流れ(ステップバイステップの回答手順など)をつかむための参考にはなりますが、定型にこだわりすぎて、あまりにも四角四面に対応するのは考え物です。このテンプレートはチーム全体で利用できますが、各サポート担当者が模範回答とは多少違う表現をそれぞれに取り入れれば、より温かみのある対応が実現し、カスタマーサービスの効果がさらに高まります。
8. テンプレートにオリジナリティを加え、自分の色を出す
自社の文化や理念を踏まえつつ、カスタマーサービスにオリジナルの表現やアプローチを取り入れることもお勧めです。独自の署名を作成したり、やり取りのムードや問題の解決状況に応じて、メールの締めのあいさつに変化を加えたりしてみましょう。
9. 決められた期限内に回答する
顧客からのメールは、決められた期限内に返信しなければなりません。特に初回の返信では注意が必要です。ここでのポイントは、緊急度や相手を待たせている時間に応じて、問い合わせに優先度を付けて順番に対応していくことです。顧客によっては、営業段階で好待遇を受けていて、カスタマーサービスでも同様に扱われることを期待しているかもしれません。強力なカスタマーサービスプラットフォームがあれば、そうした期待にも簡単に応えることができます。
10. 顧客が使った言葉や言い回しを文章に取り入れる
電話対応と同じくメール対応でも、顧客が抱えている問題をきちんと理解していることを示すには、相手の言葉や言い回しをまねるのが効果的です。このテクニックを使うと、顧客との間に一体感が生まれ、信頼関係も深まり、必要な情報が十分に提供できるようになります。
11. チャット対応でも丁重な姿勢を崩さない
チャットを介したやり取りでは、簡潔な表現とテンポの速さから言葉足らずになりがちで、細かなトーンまで伝わりにくい傾向にあります。そのため、慎重に言葉を選ぶスキルが重要となります。柔らかい語調を意識しながら、知識豊富な印象を作り出しましょう。また、顧客が不満をぶつけてきても、決して感情的になってはいけません。
12. マルチタスクの能力を強化する
複数の問題を同時に処理することは、チャット対応に必須のスキルです。マルチタスクに優れた担当者は、問い合わせが殺到しているときでも、全体の状況を俯瞰して把握することができます。あまりに多くの問い合わせを一度に処理しようとすると、返事を待たされる顧客が増えるだけです。答えを探すのに時間がかかる場合は、問い合わせをいったん保留にすることも考えましょう。ただし、電話サポートの場合と同様に、待ち時間の見込みを最初に伝えることが肝心です。
13. 問い合わせ内容が不明瞭な場合は、顧客の傾向をつかむ
時には、顧客が自分の状況を文章でうまく伝えられない場合もあるでしょう。そのため、問い合わせ内容を一読しただけで、すべてわかったつもりになるのは危険です。さまざまな顧客がいる中で、相手の言いたいことをくみ取れるようになるには、たくさんの訓練が必要ですが、満足のいくサポートを提供するには欠かせないことです。たとえば、営業職は主張がはっきりしている、エンジニアは自力で問題を解決しようと細かい技術的な情報を確認してくるなど、顧客のタイプごとに共通する傾向が見えてきたら、それがチャンスです。そうした傾向をつかめれば、相手に合った適切なサポート方法が考えられます。つまり、顧客の傾向を読み取ることも問題解決に役立つ能力の1つなのです。
14. ソーシャルメディアでの投稿にもれなく反応する
ソーシャルメディアでのサポートで気を付けたいのは、顧客からの投稿に毎回きちんと反応を返すことです。特に相手が助けを求めている場合は、放置してはなりません。すぐに質問に答えられないときでも、まずは取り急ぎ返信をして、いつどのような方法で回答できるのか伝えておきましょう。顧客にすばやく回答できるようになるには、適切かつ丁寧に問題を解決する能力を磨いておく必要があります。
15. 明らかな「煽り」は無視する
前述の「顧客からの投稿には毎回きちんと反応を返す」というルールには例外もあります。中には、明らかに公共の場で論争を煽ることを目的とした投稿もあるからです。そうした投稿は無視してかまいません。企業全体を攻撃してくるケースも多く、一般の人なら思わず反論してしまうような内容もありますが、ソーシャルメディアでのふるまい方を心得ていないサポート担当者は、企業に敬遠されます。一担当者の不適切なふるまいが、企業全体にネガティブなイメージを与えてしまう可能性があるからです。
16. 必要に応じて別部門に対応を引き継ぐ
ソーシャルメディアを介した問い合わせには、カスタマーサービスチームとマーケティングチームのどちらが対応するべきなのか、判断に迷ってしまうものも少なくありません。こうした場合に不可欠なのが、自部門でチケットを作成して処理するのか、それとも然るべきチームに転送するのかを、問題の内容に応じて判断できる能力です。
各チャネルで必要なスキル
優れたサポート担当者は、複数のチャネルをスムーズに行き来して、チャネルによって的確にスキルを使い分けながら問題を解決しています。皆さんも、共感力を存分に発揮し、顧客に製品知識を適切に伝えられるようになれば、最強のサポート担当者へと成長できるはずです。
以下では、ZendeskのeBook『Customer Service Skills You Need(カスタマーサービスに必須のスキル)』の内容を抜粋して、各チャネルで必要なスキルを伸ばすためのヒントや対策をご紹介します。
電話:聞こえ方を意識する

はっきり口に出さなければ自分の気持ちは伝わらないという意見がある一方で、声から感情は読み取れるものと考える人も少なくありません。実際、経験豊富なサポート担当者なら、不満や怒りの感情は電話越しでも十分に伝わってくるということをよくわかっています。とは言え、コミュニケーションは双方向で進んでいくものです。電話サポートでテンプレートを活用するときは、こちらも声のトーンに注意して、棒読みにならないように気を付けましょう。
電話対応を成功させるには、次のテクニックを実践するのがお勧めです。
▪ 心からの笑顔で対応する
▪ 相手の言葉遣いをまねて語調を合わせる
▪ まずは顧客の話を聞き、それから問題を確認する
▪ 問い合わせ内容を理解したことを示す
▪ サポート内容を要約して伝える
▪ 保留時間の見込みを伝えておく
メール:いかに人間味を感じさせるか

特に文章力が問われるのがメール対応です。体系的かつ明確な文章にまとめることが求められます。簡潔でわかりやすいメールにしあげるには、問題点を詳しくリストアップし、誤りがないように校正の時間を十分にとることがポイントです。
以下が、あらゆる状況で役立つメール対応のスキルです。
▪ テンプレートを活用しつつ、人間味のある対応を心がける
▪ テンプレートにオリジナリティを加える
▪ 決められた期限内に回答する
▪ 顧客と同じ言い回しを使う
チャット:とにかくマルチタスクに慣れる

チャットを通して良質なサポートを提供するには、電話とメールのサポートスキルを併せ持つ必要があります。リアルタイムに会話するという点では、電話でのサポートに通じる面がある一方、高度な文章力も求められるからです。
チャットで満足のいく顧客対応を実現するには、以下の点を心がけましょう。
▪ 柔らかい語調を意識し、知識豊富な印象を作り出す
▪ マルチタスクの能力を強化する
▪ 顧客の傾向をつかむ
ソーシャルメディア:スピードがカギ

ソーシャルメディアでの問い合わせに対応するには、ご紹介してきたすべてのスキルを兼ね備えている必要があります。チャットが利用できないとき、レスポンスの速さを求めて顧客が利用するのがソーシャルメディアです。ソーシャルメディアを通した顧客対応には一般的に高度なスキルが求められ、上級の担当者や専門の担当者が割り当てられることも少なくありません。
ソーシャルメディア対応では、次のようなスキルが求められます。
▪ 顧客からの投稿にもれなく反応する
▪ 「煽り」には乗らない
▪ ソーシャルメディア専用のチケットを発行する
この記事はeBook『Customer Service Skills You Need(カスタマーサービスに必須のスキル)』からの抜粋です。このeBookでは、ここで挙げたものも含め、カスタマーサービスに関するさまざまなヒントを紹介していますので、ぜひダウンロードしてご活用ください。
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