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カスタマーサービスとは?

カスタマーサービスとは、購入ライフサイクルを通じて顧客をサポートする取り組みのことです。 カスタマーサービスの重要性を理解し、この職務への適性を評価しましょう。

更新日: 2024年9月10日

ヘッドセットをつけ、紫のジャケットを着た女性が、枝からリンゴを取ろうと手を伸ばしている。

カスタマーサービスの定義

カスタマーサービスとは、顧客が初めて企業に問い合わせた瞬間から、その後数か月、そして数年にわたり、顧客をサポートする取り組みを指します。 良質なカスタマーサービスを提供するためには、問題解決に向けたサポートや製品使用方法の案内、または導入決定に役立つ情報提供といった、自社の製品やサービスに関連したサポートを届けるのみならず、顧客にとって信頼できるパートナーであることが必要です。

顧客の数だけ、カスタマーサービスの形が存在します。 買い手の中には、すぐに購入して先に進む人もいれば、顧客から寄せられた苦情や質問についてカスタマーサービスに問い合わせる人もいます。 いずれにせよ、カスタマーサービスの目的は、すべてのやり取りにおいて出来る限りのサポートを尽くし、顧客と長期的な関係を築くことにあります。

カスタマーサービスにはさまざまな形態が存在し、一貫した品質を維持できるかどうかは、買い手がリピーターになるか、もしくは二度と製品・サービスを購入しないかを分ける要因となります。 このガイドでは、優れたカスタマーエクスペリエンス(CX)を提供する上で、カスタマーサポートの品質がいかに重要であるか、また、サポートチームに求められる主なスキルなどについて詳しくご説明します。

カスタマーサービスが重要である理由

カスタマーサービスが重要である理由は、優れたサポート体制の構築により、顧客維持の強化、新規ビジネスの獲得、現在の顧客基盤における売上増加、そしてカスタマーエクスペリエンスの向上が期待できるという点にあります。

平均的なカスタマーサービスと優れたカスタマーサービスの差は極めて小さなものかもしれません。しかし、この違いこそが、企業が認識し、達成すべき差別化です。 顧客は、十分なサポートを受けていないと感じればすぐに他社への乗り換えを検討します。一方で、大切にされていることが実感できれば、その企業のサービスを長期にわたって利用する可能性が高くなります。

優れたカスタマーサービスのメリット

カスタマーサービスは、顧客と良好な関係を築くための土台のような存在です。 先述したメリット以外にも、優れたカスタマーサービスを提供することには、以下のような利点があります。

  • 肯定的な口コミ: 親身になって対応してもらえたと感じた顧客は、家族や友人に勧める可能性が高くなります。
  • コスト削減: 新規顧客の獲得には、既存顧客の維持よりもコストがかかります。 優れたカスタマーサービスを提供できれば、これまで新規顧客獲得にばかり費やしていたリソースを、顧客ロイヤルティを向上させる取り組みにも充てられるようになります。
  • 市場における優位性: 消費者は顧客を大切にする企業との取引を望みます。 高品質なカスタマーサービスを提供する企業としての評判が高まることで、自然に新規の取引を獲得できるようになります。

このように、優れたカスタマーサービスは、消費者を満足させ、事業の発展に大きく貢献します。

良質なカスタマーサービスを提供するには

優れたカスタマーサービスを提供するためのさまざまなアプローチの一覧です。

何もない状態からサポートチームを立ち上げるリーダーにとっても、チームの立ち上げが完了し、すでに運営を開始しているリーダーにとっても役立つ、優れたカスタマーサービスを提供するための秘訣を、Zendesk CXトレンドレポート 2024から抜粋してご紹介します。

1. 従業員のトレーニングを重視する

充分にトレーニングを積んだサポートチームは、顧客対応を効果的に処理したり、平均解決時間などのカスタマーサービスの重要業績評価指標(KPI)を改善したりできるほか、ブランドイメージを高める能力も持ち合わせます。 したがって、サポート担当者が能力を常に発揮できるよう、定期的なトレーニングプログラムの実施を徹底することが重要になります。

サポートチームにおけるトレーニングの重要性については広く認識されていますが、実施している企業はごく一部に過ぎません。 ZendeskのCXトレンドレポートによると、サポート担当者の65%が、トレーニングを増やすことで、仕事の質を高められると回答しています。

2. AIを活用する

カスタマーサービスにおけるAIと自動化の活用は、急速に定着しつつあります。 その結果、企業の間では、こうしたテクノロジーを個々の顧客対応で活用するアプローチを重視する傾向が強まっています。 面倒で反復的な作業を自動化したり、AI搭載型チャットボットを導入してサポート担当者のワークフローを効率化したりなど、AIの活用は、スマートカスタマーエクスペリエンスを実現する上で欠かせない要素となっています。

AIに投資している企業は、業務全般における大幅な効率化を実現しています。 ZendeskのCXトレンド2024によると、CXリーダーの70%は、顧客一人ひとりに合わせたカスタマージャーニーの設計を(チャットボットをはじめとする)自動化システムが担いつつあると考えています。 このデータは、カスタマーサービスチームにおけるAIへの投資の重要性を示しています。

3. あらゆるCXをパーソナライズする

現代の消費者はパーソナライズされた(顧客一人ひとりに最適化された)体験を望んでいます。 そうした体験は、ターゲットを絞ったプロモーションや購入履歴に基づく商品の推奨、ニーズに合わせたサポートなどを実施していくことで実現できます。

このアプローチは企業にとってもプラスに働きます。 ZendeskのCXトレンドレポートによると、サポート担当者の62%が、データを活用して顧客対応をパーソナライズすることで、サポート業務のパフォーマンスを向上させることができると考えています。

4. 既存のカスタマーサービスチャネルを評価する

顧客は、よりオムニチャネルに特化したサポートを求めています。そのため、チャットやメール、電話などの複数のチャネルをまたいで、途切れることなく一貫したサポートを提供するための戦略が必要になります。 顧客が頻繁に利用しているチャネルでサポートが提供されていることを確認するために、既存のサービスチャネルを評価しましょう。

5. 事業への影響に焦点を当てる

卓越したカスタマーサービスは、単に親切な顧客対応を意味するだけでなく、事業のあらゆる側面に影響をもたらします。 そのため、貴社の全体目標に合わせたカスタマーサービス戦略を形成して、傾向を特定し、改善の機会を探りましょう。

これに関連して、ZendeskのCXトレンドレポートによると、75%の企業がデータ収集における透明性の欠如は将来的な顧客離れにつながると考えていることがわかっています。 企業はこうした状況において、顧客データの収集方法に関して積極的に顧客に案内し、信頼性とCXの質を高めることが重要です。

6. 統合できるシステムを利用する

チーム間の情報のサイロ化を解消することは、極めて重要です。 一貫性のある効率的なワークフローを形成するために、カスタマーサービスツールには他のシステム(顧客関係管理(CRM)ソフトウェアなど)とシームレスに統合できるものを選びましょう。 これにより、サポート担当者は必要に応じて顧客情報を取得し、効果的なサービスを迅速に届けられるようになります。

カスタマーサービスチャネルの種類

それぞれのカスタマーサービスチャネルを表すアイコンの一覧です。

オムニチャネル形式のカスタマーサービスを実践することで、買い手が使用しているチャネルで対応したり、チャネル全体で一貫したコミュニケーションを提供したりすることが可能になります。 最も一般的なカスタマーサービスチャネルには、以下のようなものがあります。

  • 電話
  • モバイルメッセージング
  • SNS
  • メール
  • チャットボット
  • セルフサービス

どのチャネルを利用するにせよ、包括的なサポートと顧客との円滑なコミュニケーションを確保することが重要です。

カスタマーサービスにおける12の重要なスキル

カスタマーサービススキルとは、カスタマーサービス担当者が質の高いカスタマーサービスを提供するために必要とされる資質や能力を指し、 テクニカルスキルとソフトスキルが混在しています。

重要なカスタマーサービススキルの一覧です。

1. 共感

共感は、良好な顧客関係を築く上で重要です。 たとえば、顧客が動揺している状況で保身的な対応をしてしまうと、かえって火に油を注ぐことになりかねません。 代わりに、顧客の状況を理解していることを示し、精一杯のサポートを提供する旨を伝えましょう。 共感はつながりを生みます。

例: 最近の値上げに対して怒りを表す顧客がいるとしましょう。 こうした場合は、「私にできることは何もありません」と突き放すのではなく、「値上げに納得がいかないお気持ちは痛いほどわかります」と伝え、共感を示します。 続いて、値上げの経緯を伝えた上で、値上げによって商品に付加価値がもたらされることも多いことを説明します。

2. 真剣に顧客の意見に耳を傾ける

アクティブリスニング(顧客の声に積極的に耳を傾けるアプローチ)は、顧客が何を感じ、何を望み、何を必要としているのかを正確に理解する上で役立ちます。 アクティブリスニングを実践するには、顧客の話の内容に細心の注意を払い、ビデオ通話や対面で対応している場合は、顧客の語調や身振り手振りに意識を向けましょう。 そして、相手が話し終わるまで待ってから、返答を考えます。

例: 購入した製品が期待外れだったと顧客から苦情を受けました。 顧客の意見に注意深く耳を傾け、顧客が別の商品を購入するつもりであったことが判明すれば、交換手続きのサポートを行います。

3. 透明性

サポートを求める顧客にとって、長い待機時間は大きな苦痛になります。 カスタマーサービスチームが忙しい状況では、顧客に待機時間の目安を必ず伝えましょう。 また、コールバック(折り返し電話)システムの導入についても検討する価値があります。これは、サポート担当者が対応可能になった時点で顧客に電話をかけたり、メッセージを送ったりするもので、顧客を保留状態で待機させる必要がなくなります。

例: AIチャットボットを導入し、窓口の待ち人数や予想される待機時間を伝えます。

4. コミュニケーション能力

一般の消費者に対応するサポート担当者は、効果的に対応する術を身につける必要があります。 特にコミュニケーション能力は重要であり、顧客と良好な関係を築く上で欠かせません。

コミュニケーションに長けたサポート担当者の多くは、その他のスキルを組み合わせ、 顧客の話に親身になって耳を傾け、不満を理解し、共感を示すことができます。 さらに、顧客が何を必要としているかを見極めた上で、顧客が理解し、納得できるように説明する技術も必要になります。

例: 憤りを表わにする顧客からの電話に対処する際は、その問題を解決する方法を明確かつ冷静に説明します。 役立つヒント: ユーモアが役立つケースもあります。

5. マルチタスク能力

オンラインチャットサポートの担当者には、一度に複数の会話に対処し、各顧客の話を聞きながら解決策を見出すことが求められます。 優れたマルチタスク能力の持ち主は、一度に複数の顧客と接することに抵抗がなく、質問攻めに遭っても全体像を見失うことはありません。

例: 2人の顧客とチャットをしています。そのうちの1人からは質問を、もう1人からは苦情を受けています。 圧倒されることも、動揺することもなく、両方の会話に対処し、顧客の不安を和らげながら、質問に素早く答えます。

6. プレッシャーのかかる状況でも冷静に対処する

顧客には、文章で説明することが難しい場面や、 イライラしているために冷静に説明できないという場合があります。 カスタマーサービス担当者には、たとえ顧客から否定的な態度を取られた場合であっても、すべてのやり取りにおいて、冷静に、親しみをもって対応できる器量が求められます。

例: メッセージングチャネルで、顧客から敬意を欠くコメントを受け取った場合でも、 この状況でも個人的な感情を抱くことなく、前向きな対応を実施します。

7. 責任感

たとえ顧客のニーズにすぐに対応できなくても、顧客の要望を認識していることを示し、精一杯サポートする旨を伝えることで、顧客の存在を認め、顧客の声に耳を傾けていることを実感してもらえます。 たとえば、顧客からのメールに返信して後ほど詳しく回答する旨を伝えたり、不満を抱えている顧客にSNS上で返信し、DMで詳しい背景を共有してもらったりすることが可能です。

例: ホテルに到着したものの、ダブルブッキングされていることに気づいた顧客がX(旧Twitter)で苦情を投稿しています。 旅行会社のサポート担当者は、非公開メッセージで詳細な情報を求め、問題解決を試みます。

8. 協調性

顧客の質問に答えるには、しばしば他のチームや部署の協力を仰ぐ必要があります。 たとえば、マーケティングチームがSNSのアカウントを管理している場合は、顧客からのサポートリクエストに対応するために、カスタマーサービスチームと連携を図りましょう。 サポート業務においては、同僚と協力して顧客の問題を解決することがあるため、協調性が必要になります。

例: カスタマーサービス部門がInstagramのDM経由で法的な問題に関する問い合わせを受けました。 この問い合わせに対応するサポート担当者は法務チームの見解を聞き、そのアドバイスをもとに適切な回答文を作成します。

9. エモーショナルインテリジェンス

エモーショナルインテリジェンスとは、自分自身や他人の感情を察知し、対処する能力のことです。 つまり、自分や相手が怒ったり、悲しんだり、怖がったり、慌てたりしそうなときに、それを察知した上で、調整や対応を行います。 強力なエモーショナルインテリジェンスは、カスタマーサービス担当者にとって重要です。これは、仕事中に平静を保ち、相手の感情的な反応を認識する上で役立つためです。

例: 複数の複雑な問い合わせが同じタイミングで寄せられました。 心臓の鼓動が速くなり、プレッシャーを感じ始めます。 そこで、何度か深呼吸をして気持ちを落ち着かせてから、目の前の仕事に取り組みます。

10. 創造性

あらゆることに対応できるように入念に準備を行っても、思いがけない問い合わせや質問が寄せられることもあります。 また、的確な答えや解決策が存在しないこともあります。 このような状況では、創造的思考が鍵となります。 サポート担当者は、その場で考察し、顧客が本当に必要としているものを見極めた上で、そのニーズを満たす独自のソリューションを考え出さなければなりません。

例: 顧客から想定外の質問を受け、的確な回答が思いつきません。 そんな時は、慌てずに、会社のガイドラインに従って解決策を考えます。 これにより、効果的な回答を迅速に提供でき、結果として顧客満足につながります。

11. 顧客中心主義

カスタマーエクスペリエンスを形成するのは、正しいか間違えているかではなく、出来事に対する顧客の印象です。 顧客中心主義は、サポート担当者がカスタマーエクスペリエンスを優先し、たとえ顧客に同意できない場合でも、顧客一人ひとりのニーズに合わせて柔軟にサービスを提供するために役立ちます。 また、この考え方は能動的なサービスの提供につながります。 顧客のニーズを予測することで、出来事に対するネガティブな認識をポジティブな認識に変えることができます。

例: 注文を間違えられて怒った顧客が連絡してきた場合は、顧客が交換を求めることを予測し、在庫を確認して即座に発送できるよう準備します。

12. デジタルリテラシー

現代の消費者は、あらゆるチャネル(サポートチームへの電話、チャットボットのようなオンラインカスタマーサービスなど)で、自然な会話によるサポートが提供されることを期待しています。 消費者はまた、詳しい状況を把握した担当者からサポートを受けたいと考えています。 良質なCXを実現するためには、カスタマーサポートで使用されるテクノロジーやソフトウェアについてサポート担当者が精通している必要があります。

例: 社内のナレッジベースを調べて、顧客の問い合わせに対応する必要があります。 デジタルリテラシーを高めれば、システムにログインして必要な情報を見つけるまでのプロセスが手に取るようにわかり、迅速な解決につなげることができます。

優れたカスタマーサービスの事例4選

さまざまな方法で優れたカスタマーサービスを提供することが可能です。 以下に、Zendeskを利用してCXの目標を達成した企業の例をいくつかご紹介します。

1. 初回の返信が早い

顧客はその場ですぐにサービスを受けることを望んでいます。 したがって、すぐに問題を解決できない場合でも、できるだけ早く顧客と連絡を取り、解決時期の目安を知らせるようにしましょう。

例: UdacityはZendeskを使用して、チケットのデータにもとづく自動システムを作成しました。 このシステムは、サポートチームのメンバーが、応答時間をはじめ、CX全般をモニタリング、最適化、合理化するのに役立ちました。

2. 顧客が望むチャネルでサポートを提供

顧客は、普段から友人や家族とやり取りするチャネルで、企業と連絡を取ることを望んでいます。 そのため、顧客が希望するサポートチャネルで対応することは、優れたカスタマーサービス体験を生み出す最善のアプローチのひとつであると言えます。

例: Accor PlusはZendeskを使用して、メールやウェブ、ヘルプセンターに加えて、FacebookやWhatsAppなどのSNSプラットフォームを介したオムニチャネル形式の会話型サポートを提供しています。

3. 顧客自身による解決を支援

顧客は常にサポート担当者との対話を望んでいるわけではありません。シンプルな内容の問い合わせの場合はなおさらです。 そのため、顧客自身で答えを見つけられるように、セルフサービス向けのリソースを充実させておきたいところです。

例: Spartan Raceはチャットボットやその他のセルフサービス機能の自動化を通じて、顧客自身で問題を解決したり、答えを見つけたりできる環境を整えています。 その結果、セルフサービスの利用率が46%、ヘルプセンターの閲覧数が40%増加し、また顧客満足度(CSAT)スコアは90%に達しました。

顧客が自己解決できるようになったことで、サポート担当者は複雑な問題に多くの時間を割けるようになり、顧客満足度とエンゲージメントの向上につながりました。

4. 先手を打って問題解決に取り組む

かつては受動的なサポート、 つまり、顧客から問い合わせが来てから、あるいは問題への対応を求められてから対応するアプローチが主流でした。 しかし現在では、顧客が問題に気づく前にその問題を予期して解決するといった、能動的なサポートが求められています。

例: In Good Tasteはデータを活用して、寄せられる可能性のあるさまざまなチケットを総合的に予測しています。 そのため、次に何に注力すべきかを判断し、問題が発生する前に解決できます。

よくある質問(FAQ)

最適なCXソフトウェアを活用してカスタマーサービスにおける目標を達成する

優れたカスタマーサービスは顧客の獲得につながります。 質の高いカスタマーサービスを提供する企業は、自然に新規の取引を獲得できますが、カスタマーサービスを軽視している企業は、ライバルにビジネスを奪われてしまいます。 だからといって、自力でCXに取り組む必要はありません。

Zendeskは、共通のエージェントワークスペースメッセージングレポートおよび分析など、常に優れたCXを提供するための機能を備えています。

ぜひ一度、Zendesk製品を無料でお試しください

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