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カスタマーサービスにAIボットを導入する5つのメリット

発行日: 2020年4月17日
日更新: 2020年6月2日

AIを活用したボットの普及が進んでいると言うと、まるでSFホラーの世界のように感じられるかもしれません。しかし、ボットが企業と消費者のどちらにとっても確かなメリットのあるテクノロジーである以上、ボットの普及を恐れる必要はまったくありません。カスタマーサービスの分野では、ボットは既に大きな存在感を放っており、ボット市場の規模は、2018年の時点で12億7,400万ドルに達しています。また、2024年までには75億ドルに達すると予測されています。

消費者の間でも、ボットとやり取りすることへの抵抗感は急速に薄れつつあります。2018年のデータでは、ボットを使って企業とやり取りした経験のある消費者の割合は60%に及び、カスタマーサービスでボットが対応することに「問題ない」と回答した消費者の割合は48%に達しています。とは言え、ボットの導入が本当にビジネスに役立つのか、こうしたデータだけではまだ判断し切れないかもしれません。そこでこの記事では、カスタマーサービスでのボット活用について、押さえておきたい主なメリットをご紹介します。

AI搭載のカスタマーサービスボットとは

カスタマーサービスボットは、顧客の質問にリアルタイムで回答する対話型のテクノロジーです。顧客からよく寄せられる質問への回答をあらかじめボットに設定しておくと、ボットはその回答を会話形式で表示します。AI(人工知能)を搭載したカスタマーサービスボットは、過去にカスタマーサービスで行われたすべてのやり取りからデータを収集し、効果的な回答の仕方を学習することで、質問への対応を徐々に改善していきます。

AI搭載のカスタマーサービスボットがもたらす5つのメリット

人間の担当者による対応をチャットボットに置き換えるということに対して、最初は抵抗を覚える企業もあるかと思いますが、ボットはカスタマーサービスから人間の担当者を排除するものではありません。ボットは、サポート担当者と顧客がどちらもメリットを得られるように、特定の状況で利用することが想定されており、その想定どおりに活用すれば、以下のような大きなメリットを得ることができます。

1. 顧客が必要な情報をすばやく入手できる

現在、消費者の3分の2以上は、サポート担当者に問い合わせるより自分で問題を解決したいと考えています。このようにセルフサービス型のサポートが人気を集めている中で、カスタマーサービスにボットを導入すれば、顧客はいっそうスムーズに自力で解決策を入手できるようになります。

人間のサポート担当者であれば、問い合わせが殺到しているピーク時でも、1件ずつ順番に対応を進めていかなければなりません。しかしボットなら、どれだけ多くの質問に対しても同時に回答できるので、顧客を待たせる心配がありません。

Zendeskの調査によると、商品の購入先を決めるうえで、カスタマーサービスでのレスポンスの速さを考慮すると回答した消費者の割合は、89%に達しています。さらにチャットボットなら、人間の担当者が食事や睡眠の必要性から逃れられないのに対し、どの時間帯でもスピーディなカスタマーサービスを提供することが可能です。消費者への調査でも、ボットの主なメリットとして「カスタマーサービスを24時間利用できる」(64%)、「知りたい情報をすぐに入手できる」(55%)といった点が上位2つに挙げられています。

2. よくある質問への対応時間を削減できる

ボットを導入すれば、カスタマーサービスでのあらゆる問題が一気に解決するわけではありませんが、実際のところ、大半の問い合わせは人間の担当者が介入しなくても解決します。そのため、ベテランの担当者が何時間も使って「何時から何時まで営業していますか?」「注文した商品はいつ届きますか?」といった単純な質問に対応しているのであれば、時間の使い方が適切とは言えません。

ボットを使えば、こうしたよくある問い合わせの最大80%を処理できるようになります。

これは、サポート担当者のモチベーションアップにもつながります。だれだって、回答のテンプレートを一日中コピー&ペーストするだけではうんざりしてしまいます。実際、サポート担当者を対象とした調査では、複雑な問い合わせへの対応に専念できれば、スキルアップにつながると回答した人の割合が79%、また会社に対する貢献度を高めることができると答えた人の割合が72%に達しています。

3. 顧客に提供する情報をパーソナライズできる

現在、カスタマーサービスボットは主に、回答にバリエーションのない、よくある単純な質問を処理する目的で利用されています。しかし、ボットを他のシステムと連携させれば、Webサイトの訪問者に提示する情報をパーソナライズすることも可能になります。

たとえば、顧客関係管理(CRM)データベースと連携させれば、自社サイトの訪問者が既存顧客や見込み客かどうかを判断できるようになります。eコマース企業のサイトなら、既存顧客に「いつもご利用いただきありがとうございます。先日ご注文いただいた商品の状況を確認されますか?」といった適切なメッセージを表示できます。

一方で、初めて訪問した人に向けては「当サイトに初めてお越しいただきありがとうございます。人気商品のご紹介や当社の概要の説明をご希望ですか?」といった別のメッセージを表示できます。

さらにボットは、人間の担当者に対応を引き継ぐ前に必要な情報を収集しておくことも可能です。顧客が問題を自分で解決しようとしたか、またその場合、どのヘルプセンターの記事やWebページを閲覧したかを教えてくれるため、サポート担当者は、既に顧客がチェック済みの情報を再度提供することがなくなります。これは、サポート担当者だけでなく、顧客の時間の節約にもつながります。

4. 複数のチャネルで活用できる

現在、カスタマーサービスはオムニチャネルで提供するのが一般的です。Forresterのレポートによると、消費者の95%は、カスタマーサービスへの1回の問い合わせで3つ以上のチャネルを使用しており、メールや電話などの一般的なチャネルに加え、WhatsApp やFacebook Messengerのようなメッセージアプリの利用も広がっています。このように、顧客が企業への問い合わせに使用したいと考えているチャネルは数多く、今後も新しいタイプのチャネルの需要は増えていく見込みです。

そこで、ボットをオムニチャネルに対応できるようにしておけば、メール、Webサイト、Slack、各種メッセージアプリなどのさまざまなチャネルから寄せられる一般的な質問に、ボットを使って回答できるようになります。チャットボットを配備するチャネルを増やせば、サポート担当者の負担も軽減されます。

また、チャットボットを他のツールと連携させれば、セルフサービス型のサポートをあらゆるチャネルで提供できるため、顧客は自分の好きなチャネルで必要な情報をすばやく入手できるようになります。

5. ボットの精度が徐々に向上する

AI搭載のチャットボットの利点は、学習能力があることです。カスタマーサービスボットは、顧客に提示した回答に対する反応をすべて追跡し、顧客とのやり取りに関するデータを収集しているため、そのデータを絶えず分析することで、有益なインサイトを入手できます。

ボットは、人間の言葉の背後にある心理をつかむ能力を年々向上させており、新しい言い回しを習得したり、表現の仕方に応じたニュアンスの違いを理解したりしています。しかも、完璧な記憶力を駆使して、顧客の反応が良かった回答とそうでなかった回答を、すべてのやり取りで記録しています。

こうして集めた情報を活用することで、ボットは状況に応じて最適な回答を判断できるようになり、ヘルプセンター記事へのリンクを表示して回答できる質問と、担当者に転送した方がよい質問の見極めが上手くなっていきます。

AI搭載のボットは、元から十分な学習能力があるうえ、年を追うごとに学習用のデータが増えていくので、どんどん賢くなっていきます。この仕組みは、企業と顧客の双方に大きな価値をもたらします。

人間の担当者とチャットボットの連携は、関係者全員のメリットにつながる

チャットボットを導入したからと言って、サポート担当者が不要になるわけではありません。人間の方が早く解決できる問題では、顧客も人間の担当者とやり取りできることを望んでいます。しかし、サポート担当者を必要としない単純な質問については、ボットがスピーディに解決することで、サポート担当者の時間と労力を節約できるだけでなく、顧客に人間よりも速く必要な情報を提供できます。

カスタマーサービスにAI搭載ボットを導入することをご検討中の皆様には、Zendeskの「Answer Bot」をお試しいただくことをお勧めします。Answer Botは、他のZendesk製品ともシームレスに連携できる、オムニチャネル対応のスマートなソリューションです。