不満や怒りを抱える顧客への対応方法: 17のヒント、テンプレート、例

怒っている顧客を落ち着かせる対処法にお悩みの方も多いのではないでしょうか? この記事では、あらゆるチャネルで活用できる、イライラした顧客に対応し緊張感を緩和する方法をご紹介します。

著者: Dave Dyson, カスタマーサービスエバンジェリスト

更新日: 2023年12月21日

サポート担当者にとって、電話口から聞こえてくる顧客からの怒鳴り声ほど嫌なものはありません。 クレームや怒りをぶつけてくる人や罵倒してくる人へのサポート自体困難なことですが、加えてそういった人の力になりたいと思うことは、余計に難しいのではないでしょうか?

このような不快なやり取りは後を引き、次の顧客対応に集中することが難しくなります。

では、どうすればサポート過程で心折れることなく不機嫌な顧客に対応すれば良いのでしょうか?

怒っている顧客への対応方法: 17ステップ

カスタマーサービス担当者は、おそらく顧客との最初の接点であり、ブランドの顔としての役割を担っています。 不満を抱えた顧客が問題を訴えてきた場合、事態を収拾する対応方法をとることが重要です。そして、優れた体験を提供しながら、より強固な顧客関係を築きましょう。

1. 冷静に落ち着く

怒り心頭の顧客が不満をぶつけてきたら、それを個人的に受け取ってしまうのは至極当然のことです。 顧客に非があるとわかっている場合、反射的に身構えた対応に走りたくなるかもしれません。 しかし、顧客をサポートするのがカスタマーサポートです。 顧客の問題を解決するだけでなく、気持ちを和らげてあげることも必要です。

反射的に言葉を発する前に、少し時間をとって状況を整理し、冷静に対応しましょう:

  • 顧客が怒っている相手は自分ではないことを理解する: 顧客は製品やサービスに不満を抱いており、その苦情を聞いているのが担当者です。
  • 落ち着いて、冷静なトーンで話す: どんなに怒りを露わにする顧客でも敵対心が弱まり、状況が悪化する確率が低くなります。

特に顧客の態度が悪く、攻撃的で、失礼な場合は、いつでもマネージャーに相談しましょう。

2. 聞き上手になる

顧客は怒っています。そして話を聞いて欲しいのです。 最初にやり取りをする担当者は、顧客に発言の場を与え、顧客の話に積極的に耳を傾けましょう。 顧客が気持ちや体験を伝えることができる時間を作ります。 この機会に顧客の話を聞き、解決プロセスを通して顧客の力になりましょう。

一方、2番目か3番目の顧客接点となる担当者は、情報や状況についての話を顧客に繰り返させたりすると、顧客の機嫌が悪くなり状況は悪化するかもしれません。 会話型CRMがあれば、顧客との対話履歴が一元管理できるため、背景情報にアクセスしながら顧客の問題解決をサポートすることができます。

アクティブリスニングを実践:

  • 「左様ですか」や「 おっしゃる通りです」といった言葉を使い、顧客の話を聞いていることを言葉で伝えましょう
  • 顧客が使うキーワードに注目して、その言葉を会話に交えることで、相手の感情への理解を示すことができます。

3. 対応をパーソナライズする

顧客の名前を呼び、自己紹介することは、ストレスの多いやり取りを緩和できる威力を持っています。 顔も見えない名前も知らない声だった担当者との人間的なつながりが生まれ、対応しているのはリアルな人間であることを強調できます。

対応をパーソナライズする

インタラクションをパーソナライズする方法:

  • 会話型CRMが提供する顧客データと背景情報を使って、情報を先回りして取得しましょう。こうすることで、顧客は、過去に話したことを繰り返したり、蒸し返したりする必要がなくなります。
  • 購入履歴や好みに基づいて提案することで、顧客が特別な存在であることを示すと同時に、人間味のあるつながりを構築しましょう。

4. 顧客の気持ちに寄り添う

問題解決に急ぐのではなく、まずは顧客の気持ちに寄り添いましょう。 この機会を利用して、顧客の人間的な側面に働きかけることができます。

もしチームがミスを犯したのであれば、問題を引き起こした原因について透明性のある説明を心がけてください。 こういった背景情報を明らかにすることで、顧客は、怒りをぶつけているカスタマーサービス担当者も含め誰もが最善を尽くそうとしていると理解できます。

顧客の気持ちに寄り添う姿勢:

  • シンプルに、顧客が感じている不満への理解を示すことから始めましょう。
  • また、企業側に問題がある場合は、謝罪したり、「おっしゃる通りです」などの表現を使うことも大切です。

5. ポジティブな言葉を使う

ポジティブな言葉を使う

怒っている顧客とのやり取りで否定的な言葉を使と、状況は悪化する一方です。 代わりに、ポジティブな言葉を使って慎重に返答を構成することで、緊張を和らげ、顧客の満足度を高める解決へとつなげることができます。 対話に肯定的な言葉を織り込むことで、積極的にサポートに取り組む姿勢と共に、前向きな解決に向けて動いていることを示すことができます。

ポジティブな言葉とは:

  • 顧客に孤立感を持たせたり、顧客の懸念を否定するような表現は避けましょう。
  • 「実際は」や「残念ながら」の代わりに、「まさに」や「全くもって」のような言葉を選びましょう

6. 顧客が言ったことを繰り返す

顧客が言ったことを繰り返すことは、アクティブリスニングにつながります。注意深く顧客の話を聞いている姿勢や、問題の解決に積極的である意思を示すことができます。 また、相手の状況や、相手が何を求めているかを理解するためにも、この方法は有効的です。

顧客から聞いたことを再度説明した後、その内容が的確だったか確認してもらいましょう。 シンプルな合意があるだけで、緊張を和らげたり、やり取りの雰囲気が改善することがあります。

ここで、顧客が言ったことを再度説明し、状況を改善する方法を紹介します:

  • 顧客の言葉を使うことで、顧客の苦悩を最小化していないことを示すことができます。
  • 具体的な説明になるよう、顧客の抽象的な表現を言い換えるチャンスを見つけましょう。

顧客が言ったことを繰り返す

7. 信頼を構築する

怒っている顧客は、製品、サービス、またはブランド全般に対して否定的な経験をした可能性が高いといえます。 亀裂の入った関係は、修復が必要なうえ、失われた信頼を再び構築する必要もあります。

顧客への配慮と問題への理解を示し、解決のための力になりたいという真摯な姿勢を示す方法をご紹介します:

  • 責任を認める: 企業側に非がある場合は、それを認識しましょう。顧客は、その姿勢を認め、ガードが低くなります。
  • 正直さと透明性: 解決プロセスの各ステップを丁寧に説明しながら、最善の策を尽くしていることを顧客に知らせましょう。

8. 感謝の気持ちを表す

怒っている顧客に問題を知らせてくれたことに対して感謝を伝えるだけで、顧客からの信頼を回復できることもあります。 お礼を伝えることで、顧客は自身がビジネスにとってな大切な存在であり、ビジネスの改善に有意義な情報を伝えることができたと感じられます。

顧客に感謝の気持ちを伝えるべき場面の例:

  • フィードバックを残してくれた時
  • 解決プロセスに長時間かかった時

9. 適切なチャンネルに引き継ぐ

この場面でも、オムニチャネルサポートを有効活用しましょう。顧客との対話を別のチャネルに移すことで、より良いサポートが実現できることもあります。 ソーシャルメディアやテキストで状況が悪化するようなら、会話を電話に切り替えたほうがいいかもしれません。

同様に、ビデオ通話に切り替えれば、画面を共有しながら問題に対応することができます。 動画を使ったコミュニケーションを活用することで、相手のボディランゲージを分析しながら、共感を示し、より人間味のある会話が実現します。

チャネル移行に関するベストプラクティス:

  • 顧客が使い慣れない、あるいは馴染みのないチャネルに無理に移動しない
  • 顧客の都合に合わせ、より良いサポートが提供できたり、より迅速に解決できる場合のみ会話を移行する。

10. 論理的に考える

顧客が望んでいるのは、返金ですか?それとも、不満を聞いてほしいだけですか? 顧客が不機嫌な理由というのは、サポート担当者やチームとのやり取りを通して変化することもあることを覚えておきましょう。 顧客のリクエストに応える前に、その動機を理解することが重要です。

時には、問題解決のためにいつも以上のことをする必要もあるかもしれません。 顧客から提供されたすべての情報を吟味し、問題の根本となるものを見つけましょう。 結果、問題の本質はまったく関係のないことかもしれません。

怒った顧客を対応している最中も、客観的な視点で状況を分析する方法をご紹介します:

  • プロセスの各ステップを顧客とレビューし、問題の原因を特定する。
  • 顧客側に問題があると思われる場合は、詳細な回答や説明を顧客に求める

11. 個人的に受け取らない

カスタマーサポート担当者であろうと、憤慨した顧客から電話口に出るよう求められたマネージャーであろうと、多くの場合、顧客の怒り自体、カスタマーサポートスタッフとは何の関係もありません。 しかし、顧客の怒りのはけ口となっているのはスタッフです。

「親切にしなさい。あなたが出会う人は皆、厳しい戦いに挑んでいるのだから」John Watson牧師

怒り心頭の顧客は、彼らが置かれた状況、予想外の出来事、ストレスの許容範囲、適応能力などに振り回されている状況です。 彼らが怒っているのは事実かもしれませんが、サポートに携わるスタッフは悪くありません。

  • 顧客の怒りはサポートスタッフに対してのものではないということを忘れないでください。
  • 顧客の怒りの原因となっている可能性のあるものをすべて調査することが大切です。

これらを理解することで、顧客が押し付けようとしているかもしれない「非」を客観視することができます。 また、そうすることでニュアンスを持ってイライラを募らせる顧客を見ることができるため、共感しやすくなります。

12. 今後の流れを明確にする

不機嫌な顧客の問題をすぐに解決できないことも、多々あるでしょう。 そのような場合、チームがどのように問題を解決するのか今後の流れを的確に伝えることが肝心です。

ベストプラクティスのひとつは、どうやって問題を解決しようとしているのかロードマップを顧客に提示することです。 ロードマップの内容:

  • 今すぐできること
  • その次にすること
  • フォローアップや解決予定の時期

次のステップを明確にして、顧客にプランを共有しましょう。 カスタマーサポートからいつフォローアップが来るのか、またはいつ問題が解決するのかが明確ならば、進捗状況を得るために顧客は1時間おきに電話をする必要もなくなります。 今後の流れを明確に伝えれば、状況がさらに悪化してチームにプレッシャーがかかるのを防ぐこともできます。 約束通りに行動して、顧客の怒りを和らげましょう。

13. 一貫性を保つ

一貫性のないカスタマーサービスは、顧客の混乱を招き、怒りを増幅させます。 何が起きているのか、解決策は何なのか、チーム全員が同じ見解を共有していることが重要です。

一貫性を保つ

一貫性を保つことで、顧客に何度も説明を繰り返させることがなくなり、状況の悪化を防ぐことができます。 顧客に説明を反復させることは大きな問題であり、消費者は、これを避けられる企業を望む傾向にあります。 ZendeskのCXトレンドレポート2022年版によると、買い物客の92%は、説明を何度も繰り返させない企業に対してより多く支出することが明らかになりました。

一貫性を保ったサポートを実現するには:

  • 顧客データ、履歴、背景情報をチャネル間で共有しましょう。
  • 顧客と接する他の部署と連携して、全員が状況を把握し、共通認識を持てるようにします。(顧客が何を望んでいるのか、会話履歴や購入履歴、プラン、問題点、問題解決のためにこれまで何をしてきたのか、推奨される解決策)

14. あらゆる解決策を検討する

すべての解決策を探ることで、顧客のために全力を尽くしていることを顧客に示すことができます。 また、手っ取り早い解決策に走っているのではなく、最善の解決策を見つけようとしていることを顧客に示すことで、やり取りを終了し次の顧客に従事しやすくなります。

「安易な道を選ばず、相手のために力を尽くす姿勢があることを示せば、たとえ結果が同じだとしても、その効果はまったく違います」Zendesk、カスタマートラスト担当シニアマネージャー、Erin Hampe

たとえば、返金を求めてきた顧客がいました。しかし、返金はストアポリシーではありません。 だからといって、マネージャーに、返金可能か聞くのが選択肢にないわけではありません。 返金できる確率は低くても、顧客が満足するような解決策をマネージャーが提案してくれる可能性があります。

15. 適任者・適任部署に力を借りる

不機嫌な顧客との不快な状況や良い解決策が見つからない状況に直面したら、恐れずに助けを求めましょう。 チームメイトやマネージャーは状況を分析し、担当者と顧客にとって最善の次のステップを提案できます。 場合によってマネージャーは、さらに細かな状況調査を実施できることもあり、新しいオプションが開けるかもしれません。

チームやマネージャーに力を借りるべき場面:

  • 顧客が乱暴な言葉や不適切な言葉を使った場合、主観的な見解を加えるためマネージャーを介入させ、顧客とのインタラクションの方向性を決めたり、会話を終了させましょう。
  • より技術的な質問については、製品やエンジニアリングチームに問い合わせたり、他のカスタマーサービス担当者に同じような問題にどのように対処したか尋ねましょう。

16. チームと知識を共有する

怒っている顧客とその理由を理解することは、チームにとってプラスになります:

  • 再発した問題の根本原因を特定する
  • 同様の問題が発生する前に積極的に対処し、再発を防ぐ
  • 憤慨した顧客への対処法や不快な状況での対応法について、トレーニングやコーチング演習を行う

情報を分析する最善案が、チーム間での知識共有です。 誰もが貴重な情報をすぐに入手できるように、怒っている顧客に関する、あるいは怒っている顧客からのフィードバックを従業員が共有できる簡単な方法を導入しましょう。 顧客の問題を対応するために、簡単にチームが連携できるようになれば、ビジネス全体がより良い解決を導き出せます。

17. 電話を切る(最後の手段)

はい、これも選択肢のひとつです。 ただし、この選択肢を選ぶ前に、必ずマネージャーに相談しましょう。

マネジャーを介入させることで、思考をこらした解決策を吟味して、あらゆる選択肢を検討することができます。 また、その状況で可能な限りを尽くしたことをマネージャーに周知させる意味でも大切です。

何度も連絡したり、カスタマーハラスメントのような場合は、時間とリソースを費やして信頼関係を構築する必要はないこともあります。 長期化する顧客問題は、得られる価値以上に莫大な時間とコストが掛かります。

電話を切ることが適切な場面は以下のようなケースです:

  • 顧客がサポート担当者を個人的に侮辱する場合。
  • 顧客が身体的な危害を加えると脅迫するケース。
  • 顧客が怒鳴り続けたり、不適切な発言をやめない場合。

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不機嫌な顧客はなぜ機嫌が悪いのか

そもそも不機嫌な顧客を怒らせている原因は何でしょうか? 顧客の怒りや不満の原因を知ることで、素早い問題対応が可能になるだけでなく、顧客の不満も解消することができます。

1. 製品に関する問題

製品への期待と現実とのギャップを感じると、大抵、顧客はそれを正直に伝えてくれます。

もしかすると、顧客は製品を使いこなすことができなかったことに恥をかき、ブランドの窓口である担当者に八つ当たりしているのかもしれません。 無力感を感じるのが好きな人はいません。また、何でもこなせる人が他人に助けを求めるには決意が必要だったり、ストレスを感じる場合もあります。

怒りの理由

  • 製品の設定や使用方法が予想以上に難しい。
  • 製品が期待したものと違う。
  • 製品があれば(使用することで)生活がもっと向上すると思った。
  • 製品が動かなくなった、または一部使用不可能になった。
  • 問題解決に従事してはいるが、まだ解決されてない。

ブランドまたは製品そのものに嘘をつかれた、裏切られたと感じているかもしれません。 顧客の製品に対する期待が理にかなっているにもかかわらず、結果がついてこないのであれば、謝罪し、解決に向けて行動を起こしましょう。 また、間違った情報を信じたり、ある情報を思い込んだり、見逃したり、誤解したりして、製品に対する期待が不適格であるならば、製品に関する情報を正し、同じような状況が再発しないよう対策を取る必要があります。

2. サポートの苦悩

「期待するカスタマーサービスの水準は昨年と比較して高くなっている」と回答した顧客は全体の60%以上です。期待以下のサポートで顧客が不満になるのも無理はありません。 過去に貴社を利用した際のカスタマーサービス体験が顧客の期待にそぐわなかったり、他社でひどい目に遭ったりした場合、顧客は、企業が顧客のニーズを優先していないと感じている場合もあります。

怒りの理由

  • 返答に予想以上の時間がかかっている。
  • 企業の回答は期待に合うものではないと思っている。
  • 新しい担当者と話す際に、同じ情報を繰り返さなくてはならない。
  • まだ解決していない既存の問題がある。
  • 過去に1回以上、貴社チームや他社でのサポート体験に不満を持っている。
  • サポートレベルに過剰な期待を持っている。

さらに大変な状況は、業界を問わず、顧客が他社と過去にとても優れたサービス体験をしている場合です。この驚異的な体験により、どの企業に対しても同じレベルのサポートを望んでいることがあります。

不機嫌な顧客は、企業は顧客に関心がなく、自身は無力で、被害者であるという感情を抱いているかもしれません。そのため、サポート対応は、いかに顧客のことを大切に思っているのか示す絶好のチャンスでもあります。 顧客の問題解決に尽力することで、企業への信頼が回復するだけでなく、カスタマーサービスに対する信頼も回復します。 今後のサポート体験の新たなゴールドスタンダードを構築するのは貴社かもしれません。

3. 状況を困難にしていること

製品やサービスが顧客に影響を与えたり、問題を引き起こしたりしている場合、顧客組織の内部で何らかの対処を迫られているかもしれません。

そのため、怒り、罪悪感、不安、恐怖、自尊心の喪失、さらには顧客のクライアントを守るための防護姿勢などを引き起こす可能もあります。 製品はニーズに見合っていないと感じれば、すぐにその気持ちを伝えることもありますが、後々になって知らせてくることもあります。

怒りの理由

  • やるべきタスク(個人的、またはビジネス面)が達成できない。
  • 製品は、顧客がやるべき多くのタスクのひとつに過ぎない。
  • 顧客のクライアントに不満が発生し、クラインアント離れが起っている。
  • 個人的なパフォーマンスが低下し、チャンスを失ったり、仕事に支障をきたしている。

顧客の感情と正面から向き合い、彼らの仕事やクライアントが貴社にとっても大切な存在であることを示しましょう。 顧客の味方であることを再度強調し、顧客が解決策を受け入れやすい気持ちになるよう努めることが重要です。

4. 将来への不安が生み出す苦悩

より長いスパン影響を受けたり、仲間内での地位を脅かされたりすると、不安や恐怖の思いで頭がいっぱいになってしまいます。 こういった先行きへの不安は、ストレスや怒りを招く原因となります。

例えば、顧客自身は他社製品を好んでいたのに、企業として貴社製品を選択したのであれば、顧客にはすでに貴社製品に対して抵抗感がある場合もあります。

怒りの理由

  • 製品を勧めたのが顧客自身なので、製品の良し悪しが顧客の責任になる。
  • 職場の同僚や家族に貴社製品を紹介したのが顧客自身なので、もし製品が期待通りの成果をもたらさなければ、顧客自身の評価が下がる。
  • 企業として貴社製品に多大な時間、費用、リソースを投資したため、もし貴社製品がそれ以上の価値を創出できないのであれば、代わりとなる製品を再度リサーチ、選択、購入、設定、そしてトレーニングしなければならない。
  • 他社製品を好んでいたのに、貴社製品が結果採用された。
  • 景気低迷や社内の問題、上司からのストレスなどのプレッシャーを感じている。

感情的になると賭け的な決断をすることもあるので、顧客の気持ちに寄り添い安心感を持たせることで、顧客を落ち着かせながら直面している問題の解決案を提示しましょう。

5. 個人的なこと

顧客の私生活に何か起こり、それがストレスになっているのもかもしれません。 要するに、ストレスの限界にいた顧客に、さらに製品やサービス上の問題がのしかかった状態です。

健康や家庭の問題、仕事とは無関係のトラブル、過度のストレスなど、これらの状況は何もかもが順調にいっている時ですら乗り越えることが難しく、予想外の困難が重なればそれはなおさらです。

怒りの理由

  • 健康問題
  • 個人または家族内の問題
  • 経済的なプレッシャー
  • 個人的な挫折
  • 個人的な過度の責任感
  • 社会情勢

この場合、相手が自分から語らない限り、何が怒りの引き金となっているのか知るのは難しいのが現実です。 ストレス、不安、悲しみといった感情は誰もが経験するため、包容力のある対応を見せることで状況と全体的な体験を良い方向へ持っていくことができます。

不機嫌な顧客への対応(テンプレート付き)

二つの拳

ここでは、怒っている顧客にどのように対応すればいいのか、3つのコミュニケーションチャネルを例にご紹介します。

メール対応のコツ

メールは、顧客のクレームに対応するうえで優れたチャネルです。 メールなら、途中で切れたり怒鳴り声(大文字で入力しない限り)が聞こえることもないため、怒りのボルテージが上がることも滅多にありません。

また、サポート担当者も思いのままに言葉を発することがないため、時間をかけて言葉を慎重に選ぶことができます。

そうは言っても、メールの返信に時間をかけるのは問題です。何時間、あるいは何日も返信がないと、顧客の苛立ちは募る一方になります。

1. 初回返信のメールテンプレート

リクエストの回答に時間が必要な場合は、メッセージ受領の旨を知らせる返信メールを顧客に送ることをお勧めします。 迷惑をかけたことを謝罪し、具体的にいつごろ返信できるのかを明記しましょう。

以下のような返信メールを使って、サポートの問い合わせがあり次第返信しましょう。

[Customer Name]様、

日頃から弊社の製品をご愛好いただき誠にありがとうございます。[customer complaint]に関するサポートリクエストを受領したことをお知らせいたします。 速やかな解決に向けて尽力いたしますので、今しばらくお待ちいただけますようお願い申し上げます。 [date and time]までには回答できる見込みです。

また、まだご覧になっていない場合は、こちらの[resource related to the issue]をご参照ください。

何卒よろしくお願い申し上げます。

[Agent Name]

解決までに時間の掛かる問い合わせもありますが、顧客は大抵、企業が問題の解決に取り組んでいる姿勢を示すことで、より寛大になります。 長期間を要する場合は、定期的に連絡を取ることで、顧客への気遣いや解決への姿勢を示しましょう。

メッセージを通して、相手への謝罪や理解、誠意を示すことが重要です。 状況別にまとめたカスタマーサービスのメールテンプレートを、是非ご参考にしてください。

2. 発送遅延のメールテンプレート

もはや発送は早くて当たり前という感覚のため、注文品が期日までに配達されないことが顧客の苛立ちの原因となることがあります。 クリスマスのプレゼントなど、時間的な制限のあるものだと、それはなおさらです。

到着予定日の前に、前もって顧客に遅延を伝えるのがベストですが、すべてのアイテムに関して把握しているとは限りません。 商品の配達遅延についてのクレームが入った場合は、荷物を追跡し、すぐに状況を説明するメールを送りましょう。

[Customer Name]様、

ご注文の商品がまだお手元に到着していないとのこと、大変申し訳ありません。 ご不快な思いをさせてしまい、深くお詫び申し上げます。

[package carrier]でお荷物を追跡したところ、現在「[status]」であることを確認いたしました。

以下のURLから配達状況をご確認ください: [tracking link]

ご注文の商品が[time frame]以内に届かない場合は、お手数ですが、直接、私(担当者の名前)までご連絡ください。 お荷物の状況をあらためて調査させていただきます。

今回はご迷惑をおかけしましたこと、重ねてお詫び申し上げます。その他ご不明な点やご質問がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

何卒よろしくお願い申し上げます。
[Agent Name]

3. 誤った商品を発送した場合のメールテンプレート

誤った商品が送られてくる程、顧客にとって腹立たしいことはなく、ブランドに対する顧客のイメージも同時に損なわれます。 本来のアイテムの到着が遅れるだけでなく、顧客に間違った商品を返送させる手間が増えるからです。 メールでは、その両方の要素に言及するようにしましょう。

[Customer Name]様、

この度は、商品の取り違いが発生いたしましたこと、大変申し訳ありませんでした。 ご注文の商品をお届けできず、お詫び申し上げます。

お客様のご注文商品の発送手続きをいたしましたので、[date]経由で[carrier]日にお手元に到着する予定です。 追跡番号は[#]になりますので、ご確認ください。 こちらのURLから発送状況をご確認いただけます:[link]

[delivery date]になりましたら、ご注文の商品が届いたか確認のため、再度メールを差し上げます。 ご質問やご不明な点がある場合は、お気軽にお問い合わせください。

大変お手数をおかけしますが、お手元にある誤った商品につきましては、ご返品いただけますようお願い申し上げます。 お客様には、お時間とお手数をお掛けいたしますことを、お詫び申し上げます。

返品方法につきましては、こちらをご参照ください:

  • 着払いの返品用ラベルを同梱しております。
  • こちらのラベルを返品の箱に貼り付けてください。
  • お手数ですが、お近くの[carrier](最寄りのロケーションをご検索いただけます)までお荷物をお持ちいただけますようお願いいたします。

箱の中に着払いラベルがない場合は、お手数ですが、こちらをクリックしてラベルを印刷していただけますようお願いいたします。

[Customer Name]様、今回の弊社の不手際について重ねてお詫び申し上げます。 大変ご迷惑をお掛けいたしました。

何卒よろしくお願い申し上げます。
[Agent Name]

4. 技術的なトラブルについてのメールテンプレート

テクノロジー関連企業やサービスプロバイダーは、サービスに不備が生じたり、バックエンドに問題が発生した場合、謝罪する必要があります。 問題の経緯を説明すると同時に、何らかの埋め合わせをすることが重要です。

[Customer Name]様、

今回の問題で、ご不便をお掛けし、大変申し訳ありませんでした。 お詫びとして、今月分のサブスクリプション料金は返金させていただきます。

今回の問題は、[explanation]が要因で発生したものと思われます。 問題の原因はすでに特定し、一刻も早い回復に向けて尽力しております。 [expected time]までに、すべて解決できる見込みです。 アクセスが回復次第、その旨再度ご連絡いたします。

改めて、ご迷惑をおかけしたことをお詫び申し上げます。 他にもお困りの点やお気づきの点がございましたら、私(サポート担当者の名前)までご遠慮なくお知らせください。

何卒よろしくお願い申し上げます。
[Agent Name]

5. 返信が遅れてしまった場合のメールテンプレート

大量のメールに対応していると、時折メールを見落としてしまうことがあります。 残念なことに、メールへの返信が一定期間にないことで顧客は無視されたと感じ、余計に怒りを募らせてしまいます。 顧客から返信がないことへの苦情が入った場合は、一刻も早く元の問題に対応すると同時に、メールを見落としてしまったことを謝罪しましょう。

[Customer Name]様、

お返事が遅れまして、誠に申し訳ございません。 本来ならば、早急にお答えすべきだったにも関わらず、不快な思いをさせてしまい、お詫び申し上げます。

お問い合わせいただいた件につきましては、[resolved original issue]いたしました。 その他にも、お困りの点やご質問がありましたら、私(担当者の名前)までご連絡ください。

今回、ご不便をお掛けしたことへのお詫びとして、[discount or deal]を提供させていただきます。 こちらのURLをご確認ください:[coupon code link]

[Customer Name]様、返信が遅れましたこと、重ねて心からお詫び申し上げます。 今後は、迅速なカスタマーサービスをご提供できるよう、応答時間の短縮に全力を尽くして参ります。

何卒よろしくお願い申し上げます。
[Agent Name]

電話対応のコツ

不機嫌な顧客を対応する上で、最もストレスのかかるチャネルが電話です。 状況を落ち着かせるためには、適切な言葉使いに注意するだけでなく、落ち着きあるトーンでの対応が重要になります。 これは決して簡単なことではありません。そのためスクリプトを用意しておくことをお勧めします。

コールセンター用スクリプトやテンプレートを読み上げるのは、時にリスクを伴います。形式通りの答えは、不誠実に聞こえることがあるからです。 リアルタイムで会話する場合には、相手と話す前に、前もってスクリプトに目を通す時間もないことがあります。 そこでお勧めしたいのが、感情高まる顧客の気持ちを落ち着かせるのに有効なセリフをいくつか頭に入れておくことです。次の緊迫した電話で、活用することができます。

企業に非があろうとなかろうと、怒っている顧客に対応するときに最も重要なポイントは、冷静さを保ち、顧客に寄り添い共感を示すことです。 まずは心からの謝罪を伝え、すぐに解決に取り組む姿勢を示しましょう。

怒っている顧客への電話対応

  1. ご不便をお掛けし大変申し訳ございません。 すぐに対応させていただきます。
  2. 大変申し訳ございません。 すぐに対応いたしますので、お客様の状況についてお聞かせいただけますか?
  3. こちらの不手際で、大変申し訳ありませんでした。 ご注文について、直ちに修正できるよう対応させていただきます。
  4. お客様がご怒りになるのはごもっともでございます。 心よりお詫び申し上げます。 直ちに対応いたしますので、いくつかご質問させていただいてもよろしいでしょうか?
  5. ご迷惑をおかけし、大変申し訳ありませんでした。 問題についてご指摘いただきありがとうございます。 すぐに対応させていただきます。
  6. [Customer Name]様、今はお気持ちがたかぶっていらっしゃるようですので、 もしよろしければ、お話の続きはメールかオンラインチャットでお聞かせいただけないでしょうか?
  7. 私の対応でご気分を害してしまったようで、申し訳ありません。 もしよろしければ、上の者におつなぎいたします。
  8. 誠に申し訳ございません。[Customer Name]様のお力になれるよう最善を尽くさせていただきます。 そのためにも、少しお気持ちを落ち着かせて、こちらの質問にお答えいただけないでしょうか?

気が短い顧客とのやり取りが困難になった場合は、会話を終了する前に、一旦マネージャーに介入してもらいましょう。 マネージャーは、顧客の気持ちを落ち着かせるアイデアがあるかもしれません。もしくは、電話を切る場合でもその決断を後押ししてくれます。

顧客が暴言を吐いた時点で、マネージャーをすぐに介入させましょう。

オンラインチャット対応のコツ

怒っている顧客にチャットで対応することは、ストレスのかかる作業です。 イライラしている顧客は忍耐力がないため、応答に時間をかけられません。 プロアクティブチャットスクリプトを準備しておくと、対話の緊張を和らげ、解決策へ導くことができます。

怒っている顧客用オンラインチャットのテンプレート

  1. [Customer Name]様、問題が発生したとのこと、大変申し訳ありません。 只今確認いたしますので、少々お待ちください。
  2. ご迷惑をお掛けし、心よりお詫び申し上げます。 問題の経緯をご説明いただけますでしょうか?直ちに修正できるよう、手配いたします。
  3. お気持ちは大変よく分かります。本当に申し訳ありません。 一刻も早く修正できるよう、すぐに担当者にリクエストを送らせていただきます。
  4. [Customer Name]様、ご迷惑をおかけし深くお詫び申し上げます。 こちらの不手際で、間違った[information]をお知らせしてしまいました。 こちらが正しい情報になります。
  5. [Customer Name]様、こちらの不手際で、間違った請求書を送信してしまいました。 大変ご迷惑をおかけしました。 直ちに、正しい請求書とともに、お詫びとして特別割引コードを送信させていただきます。
  6. 大変申し訳ございません。 ご協力したい気持ちは山々ですが、[reasons]のため、残念ながらご要望にはお応えできません。 何かご協力できることがございましたらお申し付けください。
  7. 大変申し訳ございませんが、こちらにつきましては、ご対応いたしかねます。 誠に恐縮ですが、弊社カスタマーサポートでは、こちらのご要望に沿うことは難しいかと考えております。
  8. 大変申し訳ございませんが、こちらではお客様のご要望にお応えするのが難しい状況です。本件につきましては[department]の担当となります。 担当部門のものに引き継がさせていただいてもよろしいでしょうか?
  9. ご不便をおかけして大変申し訳ありません。こちらの部門では、お問合せの件につきまして十分な情報が得られないため、 担当の部署に引き継がさせていただいてもよろしいでしょうか?
  10. このたびはご不便をおかけして申し訳ありません。 本件につきましては、専門の担当者におつなぎいたしますので、少々お待ちいただけますでしょうか?

場合によっては、やり取りを電話に転送した方がいいケースもあります。 しかし、適切な表現を用いれば、チャットで共感力と人間味のある応答力を見せることも可能です。

不機嫌な顧客をサポートすることの大切さ

怒った顧客の力になりながら綱引きをする人々

怒っている顧客とのやり取りは気持ちのいいものではありませんが、それを避けたり無視したりしていては、顧客は競合他社へと流れてしまいます。 不機嫌な顧客への対応が重要な理由は以下になります。

  • 利益: ZendeskのCXトレンドレポートによると、顧客の61%は、たった一度でも嫌な経験をしたら競合他社に乗り換えると回答しています。 顧客のニーズに応える努力を怠り、不機嫌な顧客への対応をおろそかにすることで、顧客離れが生じて最終的には収益に影響を及ぼします。
  • コスト: 顧客を維持することは、新規顧客の獲得よりもコストがかかりません。 優れた顧客体験を構築し、現在の顧客ベースとの関係を育成していけば、顧客ロイヤルティを獲得しビジネスを躍進させることができます。
  • フィードバック: 怒っている顧客は、製品やサービスについて貴重なフィードバックを提供してくれます。 怒りを抱えていると、残酷なほど正直になる傾向があり、そのフィードバックは改善点の特定に役立てることができます。
  • ブランドイメージ: クレームを無視すると、悪いレビューにつながる可能性があります。顧客の93%は購入する前にレビューを読んでいることからも無視できないポイントでしょう。 不機嫌な顧客への真摯な対応を怠れば、ネガティブな評判が生まれ、それを回復するにはどれだけの年月がかかるかわかりません。

どんな対策を立てようとも、顧客の中には何かに腹を立てる人がいます。こればかりは避けようがありません。 しかし、不機嫌な顧客の対応方法がクリアになった今、そのやり取りを脅威ではなくチャンスとして捉えることができます。

ビジネスの中心に顧客を置き、顧客の気持ちに寄り添う姿勢を習慣付けましょう。そうすれば、購入者の笑顔が増え、顧客ロイヤルティを向上させ、ビジネスの繁栄へとつながります。