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カスタマーサポートにおけるKPIとは? 管理すべき6つの重要な指標

更新日: 2024年2月22日

撮影:Olivier Charland

我々は長年にわたり、カスタマーサポートのリーディングカンパニーとサポートについて議論を重ねてきました。そのなかで、重要業績評価指標(KPI)について、頻繁に受ける質問がいくつかありました。

  • どのKPIを追跡すべきか?
  • なぜこれらのKPIがカスタマーサポートで重要なのか?
  • KPIをどのように活用すれば、従業員のパフォーマンスを向上させ、顧客の満足度を上げることができるか?

問題は、どの特定のKPIを使うべきかを示す包括的な回答がないことです。
その理由は、企業のニーズとカスタマーサクセスの測定方法は、どちらもその企業特有のものであるからです。つまりある企業のKPIは、他の組織が使っているものとはおそらく異なります。

とはいえ、確立された業界ベンチマーク統計と自社の顧客満足度とを比較すれば、自社のカスタマーサポートチームがどの程度顧客を満足させているのかについて貴重な洞察を得ることができます。Zendeskのベンチマーキングレポートは、さまざまな業界の45,000以上の企業から収集したデータを提供しています。

まずは最も一般的で、最も重要な追跡するべき6つのカスタマーサポートにおけるKPIについて解説します。

カスタマーサポートにおけるKPIとは?

カスタマーサポートのKPIは、サポートチームがパフォーマンスを追跡し、最適化するための重要な指標です。チャネル全体のKPIを簡単に追跡、管理、把握できるカスタマーサポートツールを使用することで、サポートチームは業務を最適化し、担当者の生産性を向上させ、顧客とのやり取りをよりスムーズに行なえるようになります。

カスタマーサポートのパフォーマンスを測定するための6つのKPI

  1. 平均解決時間
  2. 稼働率
  3. 平均初回応答時間(FRT)
  4. 初回解決率(FCR)
  5. 1時間当たりのチケット処理数と1時間当たりのチケット解決数との比較
  6. 顧客満足度スコア(CSAT)

1. 平均解決時間

解決時間、つまり問い合わせがされてから(チケットが発行されてから)サポート担当者がそれを解決するまでにかかる時間を追跡することは非常に重要です。
ZendeskのCXトレンドレポート2021によると、顧客にとって迅速な解決は良いカスタマーサポート体験の最も重要な要素です

平均解決時間とは、ある特定の時間内ですべての問い合わせを解決するのにかかる平均時間のことです。たとえば、8時間シフトの平均解決時間を計算してみましょう。問題解決にかかる合計時間が8時間とすると、その合計時間をその時間内に解決できた問い合わせの数で割ります。

平均解決時間計算式
ZendeskはカスタマーサポートにおけるKPIを管理し、分析する機能が充実しています。Zendeskには、平均解決時間から未解決時間、保留時間、またはその両方を差し引くオプションもあります。
平均解決時間は、カスタマーサポートに関する問題の複雑さによって異なります。それでも、このKPIを改善するために企業が取ることのできる手法はいくつもあります。

  • 充実したナレッジベースを構築する

    ナレッジベースとは、FAQやマニュアルを形にした、検索可能なオンラインライブラリです。サポート担当者はよくある単純な問い合わせに対して、ナレッジベースのコンテンツへ顧客を案内することにより、顧客に自己解決を促すことができます。

  • AIを搭載したボットをWebサイトに追加する

    AIボットなら、顧客からの問い合わせに応じて、自動で解決につながる記事を提示できます。顧客は人間の担当者を待つことなく、質問への回答を見つけ、問題解決にかかる時間を短縮できます。

  • 自動チケットタグ付けソフトウェアを使用する

    通常ヘルプデスクソフトウェアは、サポートチケットの作成時にタグを割り当てます。このシステムを利用すると、チケットが入ってきたらすぐ自動的に適切なサポート担当者に転送されるため、解決時間が短くなります。

サポート体験で顧客が最も重要視することは、問題が迅速に解決されることです。上記のツールを使用すると、サポートチーム全体の平均解決時間を追跡して改善することができます。その結果として、顧客ロイヤルティが向上し、顧客との良好な関係を維持できます。

2. 稼働率

パーセンテージで計算される稼働率は、サポート担当者が顧客のサポートやチケットの解決に積極的に費やしている時間を示します。

稼働率に含まれること:稼働率に含まれないこと:
顧客のチャットへの回答チームミーティング
電話応対トレーニングセッション
未解決のチケットへの対応昼食休憩

個々のサポート担当者の稼働率計算方法:

  1. チケットに関する活動に費やした時間、つまり顧客からの電話への応答やチケットの解決などに費やした対応時間を合計します。
  2. 次に、その担当者がログインしている時間、つまり出勤して顧客をサポートする準備ができている時間を合計します。
  3. 対応時間をログイン時間で割り、100を掛けてパーセンテージを算出します。

稼働率計算式
では、なぜこのカスタマーサポートにおけるKPIを測定することが重要なのでしょうか。
QBIC Solutionsの経営コンサルタントであるHenriette Potgieter氏はこのように述べています

「稼働率こそがその質問に対する答えです。サポート担当者がログインして稼働中の時間の何%が実際に顧客対応に費やされているのでしょうか。彼らは他にもっとできることがないのでしょうか」

簡単に言えば、稼働率はサポート担当者が忙しすぎるのか、それともそれほど忙しくないのかをマネージャーが判断するのに役立ちます
たとえば稼働率100%のサポート担当者は、チケットの処理に追われ、一息つく時間がありません。これはサポート担当者の燃え尽き症候群につながるだけではなく、顧客のサポート体験にも悪影響を及ぼしかねません。
一般的な稼働率の目安としては75%から85%を推奨していますが、チームにとっての理想的な稼働率は、従業員の処理能力や予算によって異なります。
サポート担当者の稼働率が常に85%から90%以上であれば、担当者を増やすか、またはカスタマーサポート自体を他のカスタマーサポート代行企業に外部委託することも検討するべきでしょう。

3. 初回応答時間(FRT)

初回応答時間(FRT)とは、顧客がサポートチケットを送信してから、サポート担当者が応答するまでにかかる時間のことです。このカスタマーサポートのKPIは、サポート担当者が1度に複数のチケットを処理したり、変動するチケットの数を管理したりする能力を示します。
この指標を手作業で計算するには、チケットに対する最初の応答時間から、チケットが顧客によって送信された時間を引きます。たとえば、ある顧客が午前8時にチケットを送信し、サポート担当者が最初に返信した時間が午前10時だった場合、FRTは2時間です。
初回応答時間計算式
Zendeskのユーザーであれば、ダッシュボードの「効率」タブから初回応答時間のKPIを簡単に追跡することができます。
カスタマーサポートKPI
企業は多くの場合、サービスレベルアグリーメント(SLA)を使用して、このKPIに対する期待値を定義します。たとえば、あるSLAでは、カスタマーサポートへの問い合わせに対して1時間以内に回答することを約束するかもしれません。サポート担当者に対して全社的な基準を設定することで、彼らのパフォーマンスの追跡と測定が容易になります。

平均初回応答時間

Zendeskベンチマークレポートによると、すべての業種において、すべてのサポートチケットの平均初回応答時間は4時間です。しかし顧客の期待はチャネル、年齢、問題の種類によって異なります。

初回応答時間を短縮するためには、オンラインチャット、SMS、その他のメッセージングチャネルなど、より即時応答が可能なチャネルで顧客をサポートすることを検討してください。さらに、チケットの受信数が最も多い時間帯を特定することも有益です。そうすることで、ピーク時に適切な人員を配置できるようになり、サポート担当者は自社のSLAを満たすことができます。

4. 初回解決率(FCR)

サポート担当者は、顧客との最初のやり取りの間にサービスチケットを解決することで、初回解決(FCR)を達成します。初回の対応で問題が解決すれば、顧客を他のサポート担当者に転送することもなく、後日フォローアップする必要もありません。
Zendeskでは、FCRチケットは「ワンタッチチケット」とも呼ばれています。
FCRを計算するには、まずワンタッチチケットの総数を合計します。その数を受け取ったチケットの総数で割れば完了です。
Zendeskのユーザーは、ダッシュボードにFCRを表示する方法をこちらから確認できます
初回解決率計算式
ワンタッチ解決とも呼ばれるFCRは、CX(カスタマーエクスペリエンス、顧客体験)に直接影響するため、追跡するべき重要なカスタマーサポートのKPIです。

顧客は同じ説明を繰り返すことを嫌がる

2020年のZendeskCXトレンドレポートによると、顧客は自分の情報を何度も言わされたことがひどいサービス体験の中でも3番目に苛立ったことだったと回答しています。
初回解決では、問題の解決に必要なサポート担当者は1人しかいないため、このような事態が起こる可能性を排除できます。

当然のことながら、常に100%の初回解決率を目指すべきです。しかし、これは常に可能というわけではありません。このカスタマーサポートのKPIをできる限り改善する方法:

  • サポート担当者への適切なトレーニング
  • ナレッジマネジメントリソースの提供
  • チケットを最初から最も適切なサポート担当者転送するソフトウェアの導入

5. 1時間当たりのチケット処理数と1時間当たりのチケット解決数との比較

1時間当たりに処理されたチケット数とは、1人のサポート担当者が1時間の間に開いて対応したチケットの数です。1時間当たりに解決されたチケット数とは、同時間内に解決されて終了になったチケットの数です。
この2つの指標を並べて比較すると、1人のサポート担当者がどれだけ効果的に問い合わせに対応し、効率的に仕事をこなせるかがわかります。
理想的には、サポート担当者は1時間当たりに処理するチケットと同じ数のチケットを解決する必要があります。ただし、人手不足の場合はそうも行きません。
これらのカスタマーサポート指標を計算するには、1人のサポート担当者が1時間に処理して解決したチケットの数を足します。Zendeskを使用している場合、これらの指標は自動的に追跡されます。
カスタマーサポートKPI
サポート担当者を適切にトレーニングすることで、この2つの指標を改善しましょう。サポート担当者が貴社の製品についてより深く知っていれば、顧客の質問に答えて問題を解決することがより容易になります。

6. 顧客満足度スコア

顧客が満足していなければ、上記の指標はどれも意味を成しません。だからこそ、顧客満足度(CSAT)を測定することが非常に重要です。またある調査によると、顧客が満足すれば、顧客の維持率が向上し、顧客離れを防ぐことができます。
CSATは質的な指標なので、SurveyやSimplesatのようなサードパーティのアプリを使って作成できる顧客満足度質問票を通じて測定するのが良いでしょう。
Zendesk Supportのユーザーは、アカウントでCSATを有効にするだけでCSATを測定できます。チケットが閉じられた後24時間以内にCSAT質問票が顧客に送られます。顧客はサポート体験が「良かった」か「悪かった」かを評価するよう聞かれ、カスタマーサポートチームに自由記入式フィードバックを提供するオプションも利用できます。
カスタマーサポートKPI
顧客に対しては、Zendeskのフォームにあるオプションのコメント欄の利用を促し、カスタマーサポートのどの面がうまく機能していて、どの面を改善する必要があるのかを正確に把握しましょう。
使用するツールにかかわらず、CSAT質問票はCXの概要を素早く把握するのに効果的です。

カスタマーサポートのKPIを活用して、従業員のエンゲージメントと顧客の満足度を高める

カスタマーサポートエクスペリエンスは、1人の消費者が貴社のブランドを再度購入するか、または二度と買わないかを決める重要な瞬間となることが多くあります。このような経験をポジティブなものにするためには、サポート担当者のパフォーマンスを測定し、改善するための戦略が必要です。

上記の6つのカスタマーサポートにおけるKPIは、貴社のカスタマーサポートチームの効率性、有効性、満足度をデータにもとづいて分析します。これらの指標を改善し続ければ、顧客維持率と顧客ロイヤルティは急上昇するでしょう。

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