オムニチャネルの顧客対応を実現し、アクセシブルなブランド体験の創出へ

高級チョコレートの先駆けとして日本に進出したゴディバ ジャパン株式会社は、急速なオムニチャネル化に伴い、煩雑化するコールセンター業務をZendeskで改善。あらゆる顧客接点における問い合わせの内容や対応履歴を一元管理し、顧客理解の深化を「ハピネス」(満足感・幸福感)につなげるべく、さらなるZendeskの活用を進めている。

ゴディバ ジャパン株式会社

「Zendeskは、コールセンターと店舗で受ける問い合わせについて、その内容や対応履歴を一か所で管理したいという課題を解決してくれました。現場の『簡単で使いやすい』という声は、Zendeskを導入したことへの誉め言葉として受け止めています」

横川 理氏

管理本部/カスタマーサービス アソシエイトマネジャー
- ゴディバ ジャパン株式会社

Zendeskソリューション導入の背景と課題

ベルギー発祥の高級チョコレートブランドとして90年以上にわたり世界中の人々に愛され続ける「ゴディバ」。日本では1972年に第1号店ができたのを皮切りに、現在は約300店舗まで拡大。グローバルなブランドでありながら日本のマーケットに合ったバラエティに富んだ商品を展開しており、「We create Memorable Occasions of Happiness 私たちは記憶に残る幸せな時を届けます」というビジョンのもと、プレミアムブランドとしての伝統を守りつつも、より身近な存在として顧客に「ハピネス」を届けるための取り組みを進めている。

接客についても、「かつての高級ブランドとしての接客から、身近でアクセシブル(行きやすい)なブランドとしての接客へとシフトしつつあります」と語るのは、ゴディバ ジャパン株式会社 管理本部/カスタマーサービス アソシエイトマネジャーの横川 理氏。これまでは百貨店やショッピングセンターなどのリテールビジネスをメインとしてきたが、コンビニやスーパー、ライセンスビジネス、ECなど、新しいチャネルへのビジネス展開が急ピッチで進んでいる。

こうした販売形態の多様化や取り扱い品目の急速な増加の影響を受けるのが、問い合わせ窓口となるコールセンターだ。ECシステムに付属する無償のコールセンターシステムを利用していた同社は、問い合わせ対応のプロセスが煩雑になっていくのに対し、そもそもエスカレーションの仕組みがないことが悩みの種だったという。ゴディバ ジャパン株式会社 管理本部 品質保証/レギュラトリーアフェアーズ/カスタマーサービス シニアマネジャーの早川 知恵氏は、「たとえば品質保証部門へのエスカレーションは、電話だったり、メールだったり、はたまた口頭で直接報告を受けることもありました。問題は、顧客対応のルールもフローも役割分担も明確になっておらず、いろんな人がいろんなところにエスカレーションして、その記録もバラバラに管理されている状態だったことです」と振り返る。

また、新たなツールの検討に踏み切った背景を横川氏はこう説明する。
「当社の場合、お客様がコールセンターに問い合わせるだけでなく、各店舗に直接要望やクレームを伝えるケースもあります。以前から、それらの内容やエスカレーションを含む対応履歴を一か所で管理する必要性を強く感じていました。一元管理できないと知見として積みあがっていかないですし、対応するメンバー間でせっかくのナレッジが生かされません。」

Zendeskが選ばれた理由

単に身近な場所にあるだけでなく、商品や接客、問い合わせ対応において、いかに顧客に寄り添いハピネスを届けられるか。オムニチャネルでいかに一貫性の高い優れたカスタマーエクスペリエンスを提供できるか。この大きなテーマに対して同社が最優先したのは「一元管理」だった。折しもECシステムが切り替えのタイミングを迎えたのを機に、品質保証部門が商品に関するクレームや不具合情報の一元化を検討しており、その最初の受け皿となるコールセンターも対象に含めて、顧客とのすべてのやりとりを一か所に集約できる仕組みを探し始めたのだという。

しかし、「エスカレーションの視点を持ち合わせた製品が少なく、さらに使い勝手を重視するとなると決め手に欠ける印象でした」と早川氏。この点をクリアしていたことに加え、汎用性の高さが最終的にZendeskを選択した理由だ。オムニチャネルの実現に向けて新しい試みを重ねる中で、ビジネスの変化に追随できる自由度の高さを評価したのである。横川氏は、「一から構築して完全にゴディバ仕様にしてもらえば、確かに使い勝手は良いかもしれませんが、ビジネスの状況が変わるたびに追加コストが発生することになります。Zendeskは、その都度必要なものをチョイスして組み込んでいける手軽さと柔軟性、先々の状況に応じて変えていける自由度を持ち合わせています」と説明する。

さらにもう一つ、コスト面で大きなメリットを感じたというのが、Zendeskへのアクセス権を付与できる「ライトエージェント機能」だ。同社の店舗は全国に300店以上、本社の社員だけで約250人以上になるが、利用できるメンバーを限定してしまうと、かえってZendeskのメリットを損なうことにもなりかねない。「ライトエージェント機能を使えば、この問題が一気に解決すると感じました」と早川氏は語る。

Zendesk導入の効果

急速にオムニチャネル化が進んでいるところに新型コロナウイルス感染拡大の影響が加わりオンラインでの問い合わせが急増、同社への問い合わせは前年の倍近くに膨らんでいる。しかし、件数に比例してサポート部門の実働時間も倍増しているかというと、ほぼ変わっていない状況だ。「Zendeskを導入していなければ、業務が逼迫していた可能性があります」と横川氏が語るように、サポート体制に変化がないことを踏まえると、Zendeskによる省力化の効果は明らかである。

エスカレーションする際に、システムに記録した内容をメール本文にコピーしたり、Excelの報告書に転記してからメールに添付したりといったアナログな作業が一切不要になっただけでなく、Zendeskと商品マスタを連携することで、これまで手入力していた商品名をプルダウンで選択できるようになったことも大きく影響している。

商品マスタをアップデートすると、Zendesk側にも反映される

商品マスタをアップデートすると、Zendesk側にも反映される

「展開する商品は年間約500点にもなり、点数が多いので、新商品が出るたびにZendesk上で商品を登録するのは現実的ではありません。商品マスタがアップデートされたタイミングでZendesk側でも新商品を選択できるようにすることは、重要な要件の一つでした」と早川氏。そこには、将来的にお客様の声を分析し、商品開発やサービス改善につなげたいという思いもあった。商品名が一文字違うだけで集計できないため、これまでは商品名を目視で確認していたが、この手間も不要になっている。一方、店舗で受けた問い合わせについては、Zendesk上に作成した問い合わせフォーム経由で各店舗から報告が上げられ、Zendeskに集約できるようにした。

もちろん、当初の目論見どおり一元管理のメリットも実感している。同社は旧システムで使用していたデータ30数万件をすべてZendesk上に移行しており、「たとえば、お客様の名前で検索すれば、特定のお客様とのすべてのやりとりを参照できます。他部門にエスカレーションする前に調べるという選択肢が増えました。積み上げてきたナレッジを活かせるのは大変ありがたいですね」と横川氏は説明する。

今後の展望

同社が次のステップとして見据えるのは、顧客満足度調査の活用と、周辺システムとの連携による顧客情報の一元化である。現在は複数システムで管理されている顧客情報をZendesk上に集約し、さらなる顧客理解に役立てる計画だ。その先には、Zendeskの電話サポート機能およびチャットの導入も視野に入れている。

「コールセンターのオペレーターが日々の業務をもっと手軽に効率的にこなしていくには、この2つは将来的に必要になるだろうと考えています。弊社のお客様にとっては、FAQを充実させるより、むしろ効果が高いかもしれません。さらにAI搭載のチャットボットを使えばFAQが不要になる日も夢ではないでしょう。あらゆる接点でお客様とのコミュニケーションを強化しつつ、Zendeskを使って一元管理していくことが理想です」と横川氏。顧客に「ハピネス」をお届けし、より愛されるブランドになるために、Zendeskで顧客を知り、最高のカスタマーエクスペリエンスの実現に挑んでいく。