京都大学、全授業のオンライン化に伴う問い合わせ急増に スモールスタートで迅速に対応

京都大学の情報環境支援センターでは、2020年3月、新型コロナウイルス感染拡大に伴う全授業のオンライン化が決定したことを受け、急増が見込まれたオンライン授業関連の問い合わせ対応にZendeskを導入。約1週間でスモールスタートできたのには、オペレーター目線で設計され、学習コストを最小化する直感的なUIが大きく寄与した。

国立大学法人京都大学

「Zendeskはオペレーターの気持ちに寄り添って設計されており、カスタマーサポートに必要な最大公約数と呼べる機能がきちんと押さえられています。だからこそ1週間という劇的なスピードで導入できたのだと思います。学習コストも最小限に抑えることができました。」

森村 吉貴氏

情報環境機構 情報環境支援センター センター長・准教授
- 国立大学法人京都大学

Zendeskソリューション導入の背景と課題

創立以来築いてきた自由の学風を継承し、発展させつつ、現代の世界と人類が直面する多元的な課題の解決に挑戦し続けている国立大学法人京都大学。情報ネットワークや認証基盤、各種サーバ、教育用端末・システムなどの情報環境は、近年の大学の活動において欠かせないものになっており、大量の個人情報や最先端の研究を扱う以上、情報セキュリティをはじめとする課題への継続的な対処も求められる。

これらの情報環境に関する企画から整備・運用管理、さらには高度な情報技術や情報活用能力を備えた人材の育成まで多様な業務を担うのが、同学に2005年4月1日付で設置された全学支援機構の一つ、「情報環境機構」である。研究の最前線で使用されるスーパーコンピューターから、数万人規模に及ぶ教職員や学生が日常的に利用するICTサービスまでを幅広くカバーする。この情報環境構において、ICTに関するヘルプデスク業務を担当するのが、「情報環境支援センター」だ。

2020年3月、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、急遽オンライン授業の導入が決定したことを受け、ヘルプデスクの需要が激増。1日あたり40~50件程度あった問い合わせが一気に倍以上に膨らんだという。国立大学法人京都大学 情報環境機構 情報環境支援センター センター長・准教授 森村 吉貴氏はこう振り返る。

「もともと一部でオンライン授業を導入してはいたのですが、講義数にして数十件程度です。前期・後期で1万を超える講義のほぼすべてが一旦はオンラインになるなんて、大学としてはまさに空前絶後の出来事でした。実際に出来るのかどうかは誰にもわかりませんし、少なくとも緊急事態になる前から全講義をオンライン化できると考えていた人はいなかったはずです。オンライン授業の導入に伴い、問い合わせが激増するであろうことは想像できましたから、戦々恐々としていました。」

Zendeskが選ばれた理由

あまりにも想定外の出来事である。オンライン授業の開始にあたり、教員および学生を取り残さないためのサポートの重要性を認識しつつも、スタッフの増員はほぼ望めない。はじめは森村氏を含む数名がメールベースで問い合わせを管理していたが、すぐに限界が見えた。そこで、今あるリソースでサポート能力を強化するために、オンライン授業関連の問い合わせ管理にZendeskの活用を決めた。

もちろんこの決断は、約1年前からZendeskの導入を試行してきた経緯があってのことである。これまで問い合わせ対応に使用してきたシステムは使い勝手が悪く、効率化が大きな課題となっており、代替製品を求めて国内のカスタマーサポートツールの導入状況について情報収集を行う中でZendeskに出会った。「他の組織がどういう使い方をしているのかをヒアリングするうちに、多くの企業がZendeskを推奨する理由が見えてきました。民間企業での導入事例が多いZendeskを導入することで、我々が提供するサポートやサービスの価値という意味においても改善が図れるのではないかと期待しました」と森村氏。

新型コロナウイルスの感染拡大は、いよいよ本格導入に臨むべく環境構築を進めていた矢先の出来事であり、まずは混乱が予想されるオンライン授業への対応を優先した結果、スモールスタートになったというわけだ。

国立大学法人京都大学 情報環境機構 情報環境支援センター センター長・准教授 森村 吉貴氏<br />

国立大学法人京都大学 情報環境機構 情報環境支援センター センター長・准教授 森村 吉貴氏

Zendesk導入の効果

用途をオンライン授業、特にオンラインミーティングツールの利活用の問い合わせ対応に限定したZendeskのセットアップ作業は1週間程度で完了。時間的猶予がまったくなかったこともあり、全て自力で構築したが、まったく問題なく安定的に運用をスタートすることができた。

これにはカスタマーサポートの業務支援に特化したZendesk製品の実力が大きく貢献したとして、「スモールスタートするときの構築スピードが劇的に速いのは、クラウドソフトウェアならではのメリットでしょう。モダンなUIで想像どおりの動きをしてくれるので直感的に操作でき、オペレーターの学習コストも最小化できました。既存システムでは、オペレーターが操作に慣れるまでに2~3週間はかかっていたので大きな違いです。Zendeskは、一つひとつの機能が洗練されていて、問い合わせ対応者の気持ちに寄り添って設計されている印象です。おかげで1週間という短期間でクオリティの高いカスタマーサポート環境を実現でき、全授業のオンライン化という想定外のイベントにスムーズに対応できました」と森村氏は評価する。緊急事態に直面して、改めてZendeskの強みが際立った恰好だ。

Zendesk上で問い合わせ対応の履歴を把握できる

Zendesk上で問い合わせ対応の履歴を把握できる

問い合わせメールを取り込んで案件管理が行えることや、一つの案件をチームで共有した上で担当者を動的に割り振れること、ユーザーとのやりとりがスレッドとして蓄積され、対応者が途中で変わっても経過がわかりやすく把握できること、案件のステータス管理が容易であることなど、細かい点でも満足度は高い。

問い合わせの対応状況や進捗も簡単に把握できる

問い合わせの対応状況や進捗も簡単に把握できる

今後の展望

「我々は営利企業ではなく大学内の一組織ですので、ユーザーの全てのトラブルに対して手取り足取りでケアすることをミッションとしているわけではありませんが、大学全体の価値を高めるためには、大学におけるあらゆる活動を支える情報サービスが円滑に提供されることが非常に重要です。そういう意味でユーザーとのコミュニケーションは情報環境支援センターが担うべき役割として期待されている部分です。」(森村氏)

その重要な役割を果たす上でZendeskが欠かせない存在になりつつある。京都大学情報環境機構では、今後1年以内には、すべての問い合わせ対応をZendeskに移行したい考えだ。併せてチャットサポートの導入を検討しているほか、AIチャットボットツールの活用、外部アプリケーションとの連携なども視野に入れている。「API連携はZendeskの魅力の一つだと伺っているので、まずは情報環境支援センターで利用しているSlackとの連携から積極的に進めていきたいと考えています」と森村氏。

また、今後実現したいことの中に、オペレーター同士あるいはバックエンドのエンジニアとのナレッジ共有が挙げられており、Zendeskを使ったヘルプセンターの構築や、チームでの内容共有に役立つライトエージェント機能の活用などが見込まれる。Zendeskなら、カスタマーサポートに必要なこれらの機能が包括的に提供され、あらゆるニーズに柔軟かつ迅速な対応が可能だ。

Zendeskへのさらなる期待を、「カスタマーサポートの業務支援に特化した強みを大事にしながら、我々の仕事の効率はもちろんのこと、ヘルプデスクの質を高めるような機能をさらに充実させてほしいですね」と語る森村氏は、問い合わせのワンストップセンターとしてのあるべき姿をZendeskに重ねつつ、次のステージへ着々と準備を進めている。