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深い顧客理解に基づいて
次なるアクションを最適化
ロイヤルカスタマー創出への貢献を目指す

株式会社ユーザベースは、主力サービスの一つである「SPEEDA」のコンサルティングサービスにZendesk Supportを導入。顧客とのやりとりが可視化されたことで、顧客一人ひとりを深く理解し、継続利用につなげるためのプロアクティブなサポートに乗り出している。

株式会社ユーザベース

Zendeskソリューション導入の背景と課題

「経済情報で、世界を変える」をミッションに掲げ、人とテクノロジーの力で世界中のビジネスパーソンの意思決定を支えるスタートアップ企業、株式会社ユーザベース。2008年の創業後、最初のサービスとして誕生した企業・業界情報プラットフォーム「SPEEDA」(スピーダ)をはじめ、ソーシャル経済メディア「NewsPicks(ニューズピックス)」、日本最大級のスタートアップデータベース「entrepedia(アントレペディア)」、営業確度の高い企業を予測可能にするB2Bマーケティングプラットフォーム「FORCAS(フォーカス)」などのサービスを展開する。

中でも主力事業として今も成長しているSPEEDAは、国内外で契約IDが増加。顧客の中心は銀行や証券会社などの金融機関だったが、ここに事業会社が迫る勢いで伸びている。しかも、後者の顧客は、経営企画、新規事業、マーケティング、財務、営業企画など、担当セクションもさまざま。顧客基盤の拡大に伴い問い合わせ件数は増加傾向にあり、その内容も多様化しつつある。一対一のハイタッチなサポートを基本とするSPEEDAにとって、対応の抜け洩れは大きな機会損失につながりかねない。同社がメールベースでの運用に限界を感じたのも無理はないだろう。

SPEEDA

株式会社ユーザベース SPEEDA カスタマーサクセスチーム マネージャーの宇佐美 信乃氏は、「メールのやりとりを辿るだけでは、問い合わせの増加率や、その内容、顧客満足度など、全体像が把握できません。問い合わせ件数が増えるにつれ、管理はますます難しくなる一方です。また、メールでは対応が属人化してしまい、サポート品質の均一化も課題でした」と振り返る。

Zendeskが選ばれた理由

多様な問い合わせの一つひとつに、より的確に、かつ効率よく対応し、満足度の高いサポートを目指すためにも、顧客とのやりとりを可視化したい。成果を正確に評価し、次の打ち手を考えたい。こうした思いを実現するべく、同社はSPEEDAのコンサルティングサービスにZendesk Supportの導入を決めた。ひと足早く先行導入していたNewsPicksのチームから前評判は耳にしており、導入への不安はなかったという。

「Zendeskにもっとも期待したのは、集計機能とFAQページの作成機能です」と宇佐美氏。特に事業会社の場合は、金融機関の顧客に比べてSPEEDAのようなサービスの活用に不慣れなケースも少なくない。使い方に関する問い合わせが多く、やりとりが複数回にわたったり、対応期間が長期化する傾向もある。できるだけ顧客が質問せずに手元で解決できる環境を作るためにも、問い合わせ状況を分析・可視化し、FAQを常にアップデートしていく取り組みが欠かせないと判断した。

「これまでのように、なんとなくこの領域の問い合わせが多いといった感覚的な判断ではなく、正確な情報に基づいて、何が不足していて何が必要なのかを見極めながら適切な改善を重ねていきたいと考えました。これにより、単に“来た問い合わせに返す”という従来の思考からの脱却を図るとともに、お客様によるFAQの活用頻度を高め、最終的には“使い方“の問い合わせを減らし、本質的な“ご相談”の増加につなげたいとの思いがあります」(宇佐美氏)

株式会社ユーザベース
株式会社ユーザベース  カスタマーサクセスチーム マネージャー  宇佐美 信乃氏(右から2番目)

Zendesk導入の効果

同社は、Webフォーム経由で受けた問い合わせをZendeskでチケット化し、連携するチャットツールSlackに通知する仕組みを実現。顧客の属性によって問い合わせ内容が大きく異なるため、Zendesk Supportのトリガ機能を使って、対応すべきチームのSlackにチケットを自動で振り分けている。これなら、サポート担当者がその都度問い合わせ内容を判別したり、適切なチームにエスカレーションしたりする必要がなく、対応に無駄がない。念願のFAQサイトも構築。問い合わせへの返信でFAQの閲覧を促すことも可能になった。

「FAQは顧客の疑問を解消したり、こちらからの情報を発信するもう1つのプラットフォームとなりつつあります。なにより問い合わせ対応の大幅な効率化につながるので、アクセス状況を分析しながらFAQで解決できる部分を強化しているところです」(宇佐美氏)

このほかにも、Zendesk Supportの導入を機にさまざまな変化が起こっている。たとえば、「初期応答は30分以内に返す」というルールに対する意識の向上だ。30分を過ぎた場合は、Slackにアラートが飛ぶ。営業担当者もSlack上で顧客の声を共有し、営業支援に役立てている。

FAQ画面
FAQ画面
Slack画面
Zendeskのチケット情報をSlackで共有

さらに大きな動きとして注目すべきは、組織体制の変革にまで踏み込んだことだろう。直近では、新規顧客のオンボーディングや、利用頻度が低下しつつある顧客へのアプローチ、ベストプラクティスを創るためのコンサルティングなど、プロアクティブな対応に注力するチームに再編。リソースの約半分をこの領域に投入している。顧客の継続利用を促し、事業成長につなげる役割を明確に担い始めたのだ。

「事業会社のお客様が増えているので、個々のニーズにフィットする使い方やその会社におけるSPEEDAの位置付けを提案し定着化を促すためにも、オンボーディングでの密度の濃いケアがより重要になりつつあります。顧客の期待値によって問い合わせ内容に違いがあることがわかったり、研修後の問い合わせ傾向を踏まえて次の打ち手を考えたり、問い合わせに対応するコンサルティングチームとオンボーディングチームとの連携にもZendeskが重宝しています。解約懸念のあるお客様に目を向けられるようになったのも、さまざまな角度での分析と可視化が可能になった成果です」と宇佐美氏は説明する。

レポーティング画面
Zendesk Support レポーティング画面

また、案件対応における個人の貢献度に基づいた適切なアサイン、開発やコンテンツチームへの具体的なフィードバックが可能になるなど、可視化による改善効果、事業全体への影響力は大きい。Zendeskに組み込まれたカスタマー満足度アンケートの結果から、顧客の感動の度合いを独自に評価し、さらなる質の向上を促す取り組みも始まっている。

今後の展望

顧客とのやりとりが可視化されるようになった今、次なる課題は、社内に分散するあらゆる顧客情報をつなぎ合わせ、一元管理すること。これにより、顧客の属性や行動履歴に応じたスコアリングを行い、顧客コミュニケーションを最適化していきたいという。

宇佐美氏は、「我々カスタマーサクセスチームは、社内で最も多く既存顧客との接点を持ち、顧客を最も複合的にとらえることができるセクションです。つまり、社内で最も潜在ニーズをキャッチできる部門であるはず」と語り、「だからこそ、どういう背景で導入に至り、今どんな使い方をしていて、結果としてこの問い合わせにつながっているといった一連の流れを可視化し、深い顧客理解を開発やマーケティング等の他チームにも還元していきたい」と意気込む。

SPEEDAを進化させる。これもまたカスタマーサクセスチームの重要なミッションである。この達成に向けて、これからもZendeskを活用しながらあるべき姿を追求していく考えだ。