Candace Marshall
プロダクトマーケティング担当バイスプレジデント(AI・オートメーション)
更新日: 2026年3月20日
カスタマーサポートの自動化ガイド
ZendeskのCXトレンドレポート2026年版によると、CXリーダーの75%が「AIは今や、すべてのサポートチャネルにおける顧客接点の主な原動力になっている」と回答しています。しかし、AIを活用した自律的なサポートを実現するには、カスタマーサポート自動化の基盤を適切に整える必要があります。
AIを活用したカスタマーサポート用チャットボットから翻訳の自動化まで、カスタマーサポートの自動化は急速に普及しており、顧客が期待する高品質でシームレスな顧客体験(CX)の実現を支えています。
本ガイドでは、カスタマーサポート自動化やAI搭載ソフトウェアの仕組み、ビジネスにもたらすメリット、そして導入方法について詳しく解説します。
目次
- カスタマーサポートの自動化とは
- カスタマーサポート自動化の仕組み
- カスタマーサポートを自動化する方法
- カスタマーサポート自動化の活用法10選
- カスタマーサポート自動化のメリット
- カスタマーサポート自動化の効果測定
- よくある質問
- まとめ
カスタマーサポートの自動化とは
カスタマーサポートの自動化とは、自動化テクノロジーと人工知能(AI)を活用してカスタマーサポートを強化する手法です。人間のサポート担当者の介入の有無にかかわらず、顧客の問題を解決するために活用できます。
従来のカスタマーサポート | 自動化されたカスタマーサポート | |
対応時間 | 営業時間内に限定 | 24時間365日対応可能 |
対応スピード | 担当者の空き状況に依存 | 即時対応(AIエージェント・チャットボット) |
スケーラビリティ | 人員増加が必要 | 問い合わせ量の増加に自動で対応 |
コスト | 人件費が問い合わせ量に比例して増加 | 初期導入コスト後は運用コストを抑制 |
対応の一貫性 | 担当者のスキルや経験により差が生じる | 一貫した品質で対応 |
複雑な問題への対応 | 共感力や柔軟な判断で対応可能 | 人間の担当者へのエスカレーションが必要な場合あり |
カスタマーサポートを自動化することで、24時間365日のサポート体制を構築し、人件費を削減できます。顧客とのやり取りを最初から最後まで自動化することも、サポート担当者を支援するツールとして活用することも可能です。
たとえば、自動化テクノロジーにより、顧客のフィードバックに基づいた関連記事の提案や、適切な担当者への自動振り分けが実現します。これにより担当者の生産性が向上し、人間ならではの対応が求められる問題に集中できるようになります。
カスタマーサポート自動化の仕組み
カスタマーサポートの自動化は、会話インテリジェンスソフトウェアやカスタマーインテリジェンスソリューションなどのテクノロジーを活用し、顧客対応を効率的に処理します。具体的には、以下のステップで問題解決に至ります。
- 顧客が問い合わせを開始し、問題の内容を説明します。
- 自動化システムがキーワードと自然言語処理(NLP)を用いて意図を認識します。
- 問い合わせ内容に基づき、システムが回答を生成、またはチケットのエスカレーションを開始します。
- システムが顧客に回答を提供し、必要なアクションを実行します。
NLPと生成AIの原理を活用し、システムは過去のやり取りから学習することで、より一貫性のある回答と優れた問題解決を実現します。
カスタマーサポート自動化の例 | |
顧客が電源の入らない電子製品について問い合わせをしてきた場合を想定します。顧客が解決策を求めて問い合わせると、カスタマーサポートの自動化システムが対応を行います。 | |
ステップ | 内容 |
ステップ1 | 顧客がWebサイトのサポートページにアクセスします。 |
ステップ2 | AIエージェント(自律型のAIチャットボット)が顧客に挨拶し、問題に関する情報を収集します。 |
ステップ3 | AIエージェントが、ナレッジベース内の該当する記事に顧客を案内します。 |
ステップ4 | 記事の手順に従い、顧客が特定の操作を実行します。それでも解決しない場合、AIエージェントは別の解決策を提示するか、チケットを人間の担当者にルーティングします。 |
カスタマーサポートを自動化する方法
カスタマーサポートの自動化を成功させ、顧客満足度(CSAT)を向上させるために、以下の6つのステップを検討してください。
- 自社のニーズを把握する:自動化がビジネス全体に最も大きなインパクトをもたらす領域を検討します。ただし、顧客のニーズや期待、嗜好も見落とさないようにしましょう。
- 自動化の機会を特定する:顧客がより多くのガイダンスを必要とする場面や、会話フローが最も効果的に機能するポイントを把握します。サポートチームが多くの時間を費やしている大量かつシンプルなタスクを特定し、インテリジェントオートメーションの導入を優先的に進めましょう。
- 人間の担当者が対応すべきタスクを明確にする:共感力や製品の専門知識、人間ならではの配慮が求められるタスクを特定します。
- ツールを選定する:バックエンド統合やAPIに対応した高機能なソフトウェアを選びましょう。タスクや提案を自動化しながらインサイトも提供するAI搭載アシスタント、Copilotのようなツールを活用することで、顧客の期待や変化に迅速に対応できる体制を構築できます。
- プロセスをテストする:分析とインサイトを活用して、自動化や会話フローを最適化します。サービスを本格展開する前に自動QAを導入し、ワークフローの検証とプロセスの改善を行いましょう。
- モニタリングと改善を継続する:顧客インサイトを活用して継続的な改善を推進し、ユースケースやチャネル配分などの成長領域を特定します。
自動化の導入時および今後の改善時には、カスタマーサポートチームと情報を共有することが重要です。また、ナレッジベースの監査、定型文の更新、AIエージェントの応答テストなど、自動化されたサポートの正確性と正常な動作を定期的に確認しましょう。
カスタマーサポート自動化の活用法10選
業種や企業規模に応じて、カスタマーサポートの自動化はシンプルにも高度にも構成できます。自社への導入を検討する際は、以下の活用法を参考にしてください。
- AIエージェント:次世代のAI搭載ボットであるZendesk AIエージェントは、数十億件の実際の顧客対応データで学習した、最も自律的なCXボットです。高度な顧客の問題も完全に自動で解決できます。
- チケット管理の自動化:AI搭載のチケット自動化により、最適な担当者にチケットを振り分け、解決時間を短縮し、CXを向上させます。
- 自動音声応答(IVR):着信への応答、適切な窓口への案内、支払い処理、録音済みの応答によるよくある質問への回答を自動で行うツールです。
- インテリジェントルーティング:担当者のスキル、対応可能状況、ステータス、会話の優先度に基づいてチケットを振り分けます。オムニチャネルルーティングにも対応しています。
- 自動応答:メール自動化ソフトウェアなどのツールにより、メールやソーシャルメディアなどの各チャネルで一貫した回答を迅速に送信します。
- 自動通知:設定したルールに基づくインテリジェントな通知で、プロアクティブなカスタマーサポートを実現します。
- AIナレッジベース:顧客のセルフサービスを支え、必要な情報をオンデマンドで提供する一元管理型のデータハブです。
- ワークフローの自動化:ワークフロー自動化ソフトウェアと事前定義されたルールにより、アクションを自動実行してタスクを効率的に進めます。
- 予測分析:現在の成功事例、今後の人員ニーズ、購買者の期待などに関するデータに基づくインサイトを提供します。
- 自動翻訳:リソースへの負荷を増やすことなく、世界中の顧客をサポートし、より幅広い層にリーチできる翻訳サービスです。
AIエージェントによる顧客案内からIVRを活用したコンタクトセンターの改善まで、Zendeskのようなカスタマーサポート自動化システムは、あらゆる面で顧客体験の向上を支援します。
カスタマーサポート自動化のメリット
カスタマーサポートの自動化は、あらゆる規模の企業にメリットをもたらします。CXトレンドレポートによると、消費者の72%が「たった一度の悪いサービス経験で競合他社に乗り換える」と回答しており、サポート品質の一貫性がこれまで以上に重要になっています。優れたカスタマーサポートの提供やコスト削減など、自動化の代表的なメリットは以下のとおりです。
- 担当者の生産性と効率の向上:チケットの自動タグ付け、インテリジェントルーティングによる適切な担当者への振り分け、ワークフロー管理、問い合わせへの迅速な対応が可能になります。
- 顧客満足度の向上:顧客の一般的な課題に対処し、一貫性と正確性の高い対応を提供することで、あらゆる顧客接点での満足度が向上します。
- コスト削減:AIエージェントが人の介入なしにあらゆる種類の問い合わせに対応できるため、サポート担当者は本当に支援が必要な顧客に注力でき、コストの削減につながります。
- 24時間365日のサポート:CXトレンドレポートでは、消費者の71%が「AIにより、カスタマーサービスが24時間365日利用可能であることを期待するようになった」と回答しています。AIエージェントやセルフサービスを活用することで、人間の担当者が対応できない時間帯でも、こうした期待に応える24時間体制のサポートを提供できます。
- より深い顧客インサイト:各チャネルのサポートデータと営業データを統合することで顧客の行動を深く理解し、自動化されたカスタマーサポートレポートですべての顧客対応を可視化できます。
- 待ち時間の短縮:消費者の58%が「サービス全体の『スピード』を、1年前より重要視するようになった」と回答しています。よくある質問への即時回答、最適な担当者や部署へのチケット振り分け、ナレッジベース記事の自動表示などにより、問い合わせが集中する時間帯の待ち時間を大幅に削減できます。
Zendesk AIを活用すれば、パーソナライズされたサポートの自動化、24時間365日の問い合わせ対応、複雑なやり取りの解決を効率的に実現できます。
カスタマーサポート自動化の効果測定
カスタマーサポートの自動化が効果を発揮しているかを確認する方法は、難しくありません。まずは自身でテストしてみましょう。顧客の立場でカスタマージャーニーを一通り体験し、摩擦やギャップがないか確認します。
自動化の効果を総合的に確認するには、以下のポイントを押さえてください。
- フィードバックとアンケート結果を確認する:AIによるフィードバック分析を活用し、パターンの把握、改善点の特定、成功した対応事例の分析を行います。
- カスタマーサポート指標を追跡する:応答時間、解決率、CSATスコアなどの主要指標にベンチマークを設定し、自動化のパフォーマンスを測定します。
- 品質保証(QA)を実施する:コールリスニングやその他の手動・自動QAプロセスを通じて、対応品質を常に確認します。
- 離脱ポイントを特定する:特定の経路で顧客の離脱が発生している場合、未解決のまま離脱する原因を分析し、その結果に基づいてワークフローを改善します。
これらの領域を定期的に評価することで、カスタマーサポートの自動化を最適化し、常に顧客の期待に応え、より良い体験を提供できるようになります。
よくある質問
Candace Marshall
プロダクトマーケティング担当バイスプレジデント(AI・オートメーション)
Candace Marshallは、複雑な課題の解決とスピード感のある環境でのイノベーション推進に情熱を注ぐ、経験豊富なプロダクトマーケティングリーダーです。キャリアはオペレーションとリサーチからスタートしましたが、顧客理解とインサイトをインパクトのある戦略へと転換することへの関心から、プロダクトマーケティングの道へ進みました。現在はZendeskでAIエージェントやCopilotを含むZendesk AIのプロダクトマーケティングを統括し、AI搭載ソリューションおよびコアサービス全体の成長を牽引しています。彼女のチームは、市場検証やメッセージング戦略から、Go-to-Market施策の実行、顧客への定着促進まで、エンドツーエンドのプロダクトマーケティング戦略を担っています。Zendesk入社以前は、LinkedInで約10年間にわたり活躍。急成長を遂げたMarketing Solutions部門のプロダクトマーケティングチームを立ち上げ、数十億ドル規模のビジネスにおける主要広告プロダクトを統括しました。
参考資料
Zendeskによるサポートの自動化とCX改善について、以下の参考資料もご覧ください。
