ハイブリッドなアプローチで 高水準のカスタマーサクセス実現へ

シェアリングエコノミーの一類であり、スキルマーケットを提供する株式会社ココナラは、Zendeskを活用し、ハイブリッド型のカスタマーサクセスを目指している。一件でも多くユーザーが問い合わせをする前の段階で解決するための施策と、一人でも多くのユーザーを手厚くサポートするための施策。Zendeskの豊富な機能を駆使することでこの2つが効果的に実施され、事業の成長を支えている。

株式会社ココナラ

「当社は、カスタマーサクセスを重要な経営課題として定義しています。Zendeskの活用を通じてユーザーさまの声が可視化される中で、カスタマーサクセスの考え方が組織内に浸透していったように思います。」

奥 祥弓氏

プロダクト統括部 カスタマーサクセスグループ グループマネージャー
- 株式会社ココナラ

導入製品

Zendeskソリューション導入の背景と課題

「一人ひとりが『自分のストーリー』を生きていく世の中をつくる」をビジョンに掲げ、個人の知識・スキル・経験を可視化し、必要とするすべての人に結びつけ、個人をエンパワーメントするプラットフォームを提供する株式会社ココナラ。2012年の創業と同時にリリースした知識・スキル・経験などを気軽に売り買いできる日本最大級のスキルマーケット「ココナラ」は、今や会員数190万人を突破し、サービス出品数40万件以上、累積の成立取引件数480万件を超えるサービスへと急成長。デザイン、Webサイト制作、動画・音楽制作、ライティングなど制作系に加え、ビジネス・マーケティングなどのサポート・代行から、ファッション、キャリア相談などの相談系まで、多彩なサービスが売り買いされている。

2016年には、誰でも気軽に無料で弁護士に相談できる「ココナラ法律相談」、2019年には購入者と直接会って対面でサービス提供できる「ココナラミーツ」を開始。所有する時代から共有する時代へ、成長産業として注目を集めるシェアリングエコノミーの急速な浸透を追い風に、勢いが止まらない。その裏で利用者の信頼感や安心感を醸成し、安定的な成長のドライバーとして重要な役割を担うのが、ユーザーへの個別サポート部門である。実際、シェアリングエコノミーのサービスを利用する場合の一番の懸念事項が「トラブル時の対応」という調査結果もある。株式会社ココナラ プロダクト統括部 カスタマーサクセスグループ グループマネージャーの奥 祥弓氏も、「シェアリングエコノミーの普及拡大にあたり大きな課題の一つと考えている」と指摘する。

同社に寄せられる問い合わせは、主に「使い方」と「ユーザー間トラブル」に分けられるが、解決のアプローチは真逆と言っていい。1件でも多く問い合わせ発生前の前工程で解決した方がよい前者に対し、後者の場合は1件でも多く手厚く対応する必要がある。「相手から連絡が途絶えた」「納品されたサービスのクオリティに満足できない」「感情的なやりとりになってしまい会話が平行線」といった個別の状況や感情に寄り添うことが求められ、いかにきめ細やかな対応を実現できるかがプラットフォームへのイメージやサービスの評価を大きく左右してしまう。「同じ問題であっても一律には対応できず、AIでも解決は難しいのではないか」(奥氏)。

株式会社ココナラ プロダクト統括部 カスタマーサクセスグループ グループマネージャー 奥 祥弓氏

株式会社ココナラ プロダクト統括部 カスタマーサクセスグループ グループマネージャー 奥 祥弓氏

Zendeskが選ばれた理由

ココナラが目指すのは、こうした相反する対応を両立するハイブリッド型のNo.1カスタマーサクセスだ。同社では2015年からZendesk Supportを活用しているが、ツールの選定の際、あらゆるカスタマーサポートソフトウェアについて調べたという奥氏は、Zendeskをこう評価する。

「メール、チャット、電話からの問い合わせを一元管理できて、ヘルプページの作成にも対応できるツールは、Zendesk以外にほとんど見つかりませんでした。また、事業成長に伴って柔軟に拡張できるところがZendeskの大きな強みだと感じました。これから組織や事業がどのように変化しようと、アドオンで必要なものを必要な分だけ足していけるだろうと確信しました。」

導入当初は「ココナラ」でのみ活用していたが、その後同サービスの法人アカウント立ち上げや「ココナラ法律相談」「ココナラミーツ」のリリースなどが続き、事業成長と共に管理機能の強化が求められつつあった。マルチブランド対応が可能なZendeskはなおさら好都合だったと言える。

Zendesk導入の効果

同社は、導入当初からのZendesk Support、Zendesk Guideに加え、現在は「ココナラ法律相談」と「ココナラミーツ」を中心にZendesk Talkも活用している。「コロナ禍で在宅勤務を余儀なくされ、電話対応に必要な電話端末は?記録は?となったときも、アカウントを追加してヘッドセットさえ買えば利用を開始できます。どこからでも対応できるメリットは間違いなく大きいですね」と語る奥氏。

Zendesk Talkの使用画面例:<br />ネットワーク経由での電話対応が可能なため、在宅勤務にも柔軟に対応。<br />コール内容が自動的に録音されるため、必要に応じて確認できる。

Zendesk Talkの使用画面例:
ネットワーク経由での電話対応が可能なため、在宅勤務にも柔軟に対応。
コール内容が自動的に録音されるため、必要に応じて確認できる。

高水準のサポートを維持するためには、サポートチームのパフォーマンス評価においてもハイブリッドな視点が欠かせない。「品質には自信があります」と胸を張る同社のカスタマーサクセス部門において、「使い方に関する問い合わせの削減率」は「XXあたりの問い合わせ率」、「どれだけ手厚いサポートができたか」は「顧客満足度調査(CSAT)の結果」を指標としている。加えて、これらをどれだけ効率よく行えたかという観点も重要だ。

「ヘルプとマニュアルとマクロ。私は、これらを勝手に『カスタマーサクセス三種の神器』と呼んでいます」と奥氏が強調するとおり、問い合わせ数の削減に大きく貢献している機能がヘルプページであり、PDCAサイクルを継続的に回しながら徹底的に作り込んでいる。改善の必要性を感じたときはZendeskのチケット内に「ヘルプ改善希望」というタグを付けておき、このタグを用いて月次で見直しをかけるという流れだ。

過去チケットからサポート履歴を確認して、きめ細かいサポートを実現。<br />サイドカンバセーション機能を使うことで、他部署の人たちとのやりとりも効率的に一元管理している。

過去チケットからサポート履歴を確認して、きめ細かいサポートを実現。
サイドカンバセーション機能を使うことで、他部署の人たちとのやりとりも効率的に一元管理している。

一方、手厚いサポートを支えているのがZendeskのマクロ機能である。マクロのパターン数は400を超え、かなり細かく作り込んでいる。たとえば問い合わせの内容に応じて3区分に分類し、基本となる返信内容の方向性をそれぞれ変えるといったように、ミクロな個別事情や状況を加味したOne to Oneのきめ細やかなサポートの強力な後押しを実現。通常なら煩雑になるはずの対応をマクロの力で高いレベルで標準化・効率化できている。サポート業務を効率化しつつ質を高めるという意味においては、サイドカンバセーション機能の役割もはずせない。他部署の人たちとのやりとりを含めてZendesk上で一元管理できるため、一人ひとりの背景情報を把握した上での対応が可能になる。

さらに、こうした取り組みが形骸化することを防ぐ仕組みづくりにおいては、ヘルプやマニュアルやマクロ、分析の専任担当者を配置しているほか、Zendeskの活用そのものが鍵を握っている。つまり、PDCAサイクルを回し続けるための”仕掛け”がZendeskには豊富に備わっているのだ。分析機能もその一つである。Zendesk ExploreとBIツールとの連携でVOC分析を行ったり、メンバー一人ひとりの対応件数や顧客満足度の目標値を設定してその達成度を評価したり、組織全体と個人のパフォーマンスを両面から追うことでサポートの質を高水準で維持する工夫も進む。

Exploreを使いチームのパフォーマンス状況を分析。個人の目標値の設定などにも役立てている。

Exploreを使いチームのパフォーマンス状況を分析。個人の目標値の設定などにも役立てている。

今後の展望

「Zendeskは使うほどにその良さがわかる実感があり、さまざまな可能性を感じています。細かくカスタマイズできるので、やりたいと思ったことで実現できないことはほとんどありません。せっかくですからとことん使い倒すつもりで臨んでいます」と語る奥氏は、セルフサービスの効率を高めるAnswer Botや、営業チームの課題解決に貢献するCRMソリューションZendesk Sales Suiteにも関心を寄せる。

その奥氏が、「たとえ労力や時間がかかっても、長期的な事業成長においてとても大事な領域」とするカスタマーサクセス。買い手も売り手のどちらもココナラにとって大切なユーザーであり、シェアリングエコノミーの健全な発展や安心安全の確保を実現していくうえで、決して後回しにしてはならないというのが同社の考え方である。組織全体にこうした問題意識が醸成されたのも、Zendeskの活用を通してユーザーの声が可視化されたことも大きな要因であり、これまでもこれからも、Zendeskと共に高水準のカスタマーサクセスを目指していく。