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テクノロジーでサポート業務を最適化 - 少数精鋭で価値ある顧客接点を創出

IoT領域のリーディングカンパニーである株式会社ソラコムは、創業当初からZendeskを活用。世界規模でビジネスを展開する同社が多岐にわたる問い合わせに対応できているのは、Zendeskを貴重な顧客接点と捉え、ビジネスの成長に合わせてサポートチームのパフォーマンスをテクノロジーでスケールしてきたからに他ならない。

株式会社ソラコム
「Zendeskは機能が豊富である上、いつでも安定して利用できる点が信頼感につながっています。スケールが効く柔軟性の高さにも助けられています。我々が実現したいサポートを将来にわたって届けられるプラットフォームです。」

三國 直樹氏

カスタマーリライアビリティエンジニア
- 株式会社ソラコム

Zendeskソリューション導入の背景と課題

「世界中のヒトとモノをつなげ共鳴する社会へ」をビジョンに掲げ、モバイルとクラウドのテクノロジーイノベーションで世の中に非連続な革新を起こしている株式会社ソラコム。同社が提供するのは、IoTの「つなぐ」を簡単にする通信プラットフォーム「SORACOM」だ。グローバルにつながるセルラー(3G/LTE)や省電力通信のLPWAなどのIoT向け通信にとどまらず、クラウド連携、ネットワークセキュリティ、デバイス管理、ダッシュボード共有など、IoT活用に必要な機能を継続的に拡充。最近では、センサー内蔵デバイスやセルラー通信内蔵のボタンデバイスなども提供している。

創業以来急成長を遂げ、2015年にサービスをローンチしてからわずか4年半でIoT向け通信サービスの契約回線数は200万を突破。現在は140か国以上の国と地域でサービスを提供し、大企業からスタートアップまで規模を問わず、あらゆる業界で15,000を超える顧客がSORACOMを利用してIoTのアイデアを実現している。アイデアをいち早くカタチにするために、高い専門性が求められるIoT活用のあり方をソラコムが大きく変えつつあるのだ。

そんな同社の成長に創業当初から寄り添ってきたのがZendeskである。株式会社ソラコム カスタマーリライアビリティエンジニアの三國 直樹氏は、「SORACOMがスケールしていくシステムのためのプラットフォームであるのと同じように、我々のビジネスもまた、小さく始めて大きく育てていこうと考えていました。ですから、本業に注力する意味でも、プロフェッショナルなサービスを必要とする領域においては外部のパートナーの力を借りるというのが基本的なスタンスです。カスタマーサポートツールを探していたのも、そういう理由です」と説明する。

Zendeskが選ばれた理由

さらに三國氏は、こう続ける。
「今でこそ社員数が100名近くまで成長しましたが、サービスのローンチ当初は10名ほど。そのほとんどが開発エンジニアで、専任のサポートメンバーはいませんでした。お客様が増えるに従って問い合わせも増えていき、サポートチームの早期立ち上げが不可欠となったのです。」

すぐに使い始められるのはもちろん、小さく始めて大きく育てられる柔軟性はまさにZendeskの強み。単純な問い合わせから複雑な問い合わせまで、あらゆる規模、あらゆるワークフローに自由自在に対応し、APIを使った高度なカスタマイズも行える。事業のグローバル展開を見据えても、こうしたZendeskの特性と可能性の広がりが自社のスタイルに合うとして導入を決定した。

同社は、サポート担当者の職名をサポートエンジニアではなく、カスタマーリライアビリティエンジニア(以下、CRE)としている点も興味深い。単に問い合わせに対応するだけでなく、顧客と信頼関係を築き、安心して使ってもらうためにできることはすべてする、というのがCREの仕事の定義だ。「CREはソラコムのサービスを開発するエンジニアと同じチームで働いていることもあって、課題に直面したとき、運用でカバーするのではなくテクノロジーで解決しようとする志向が強いのです」という株式会社ソラコム カスタマーリライアビリティエンジニア 佐藤 薫氏のコメントからも、Zendeskとの相性の良さが伺える。

(写真左から)<br /> 株式会社ソラコム  カスタマーリライアビリティエンジニア  佐藤 薫氏<br /> 株式会社ソラコム  カスタマーリライアビリティエンジニア  三國 直樹氏

(写真左から)
株式会社ソラコム  カスタマーリライアビリティエンジニア  佐藤 薫氏
株式会社ソラコム  カスタマーリライアビリティエンジニア  三國 直樹氏

Zendesk導入の効果

世界規模でビジネスを展開するソラコムだが、サポートをリードするメンバーは少人数だ。しかも、そのメンバーは顧客対応以外のタスクにも対応する時間を取るようにしているという。理由を尋ねると、三國氏は「直近のお客様からの問い合わせ対応だけではなく、未来のお客様からのお問い合わせを意識して、ドキュメント整備や検証などにも力を入れる必要があるからですす」ときっぱり。「そういった時間を自分たちで作るために、サポート業務の改善サイクルを回し、お客様ができるだけセルフサービスで解決できるようになることを目指しています。スケールが効くZendeskには助けられています」と説明する。

現在利用しているのは、Zendesk SupportZendesk GuideZendesk Exploreの3つ。日本語と英語の両方でサポートを行うソラコムにとって、コンテンツの多言語対応が容易な点も効率化に一役買っている。さらに、Zendeskのアドオン機能である生産性向上パックを利用し、さまざまな条件分岐による動的フォームを生成している。

選択した項目に応じて入力項目が動的に変化するWebフォーム例

選択した項目に応じて入力項目が動的に変化するWebフォーム例

多岐にわたる問い合わせに柔軟に対応できるようになったほか、コラボレーションアドオンで提供されるサイドカンバセーション機能を使って、請求管理に対応している外部業者とのメールでのやりとりをZendesk上に統合し、単一の管理画面上で組織の枠を超えたスムーズな連携を可能にしている。この機能のメリットは、Zendeskを使用していない社内外の関係者とのコミュニケーションまで一元管理できる点である。

外部協力会社とのコミュニケーションも1つの問い合わせ内に一元管理。<br />1つの問い合わせに対する全てのやりとりを可視化。

外部協力会社とのコミュニケーションも1つの問い合わせ内に一元管理。
1つの問い合わせに対する全てのやりとりを可視化。

また、カスタマーサポートに重点を置くソラコムは、Zendeskを貴重な顧客接点として捉え、Zendesk APIを活用して専任メンバー以外とも連携している。社内コミュニケーションツールに採用しているSlackでチケット情報を共有したり、JIRAインテグレーションにより開発チームへの迅速なフィードバックを可能にしたり、といったよくある連携にとどまらない。自社開発の顧客管理システムから引き出した情報をチケット画面に表示したり、Zendesk上からオープンソースの文章校正ツールを起動し、チケットフィールドに文字を入力するたびにリアルタイムに校正結果を返す仕組みを実現したり、独自のアプリ開発にも取り組んでいる。

Zendesk API を使って文章校正アプリや顧客管理システムと連携

Zendesk API を使って文章校正アプリや顧客管理システムと連携

「プラットフォーマーとしてAPIを用意している当社から見ても、Zendesk APIは圧倒的に使いやすく、やりたいことに取り掛かりやすいですね。Webアプリ上でカスタマイズ環境を作るのは決して簡単なことではないのに、Zendeskはデベロッパーエクスペリエンスに優れていて気配りさえ感じます」と佐藤氏は評価する。もちろん、テクノロジーに詳しいユーザーに限らない。Zendeskはユーザー属性に関係なく直感的に使えるため、オンボーディングも短時間で済むという。

今後の展望

「おかげさまでお客様は当社のサポートに大変ご満足いただいています。だからといって現状維持を目標にするのではなく、お客様が何を望んでいるのかを分析し、これまで以上に価値あるサポートを提供するためにはどうしたらよいかを考え続けていきたいですね」と三國氏。ソラコムが改善のための「振り返り」を欠かさないのは、Zendesk Exploreで見えてきたサポートの傾向をさらに深堀りし、サービス品質や製品の魅力に反映していくことこそCREの務めと考えるからだ。

「FAQを作成するのも、ドキュメントを改善するのも、チケットフォームを作るのも、APIを使ってアプリを開発するのも、すべてお客様に安心してプラットフォームを使っていただくための仕事と認識しています」と佐藤氏は強調する。自ら境界を設けないソラコムのカルチャーもまた、ビジネス成長の一翼を担っているのだろう。

「You Create, We Connect.」を合言葉に日本発グローバル・プラットフォームを目指すソラコムは、Zendeskの活用においても、「つなぐ」をキーワードに価値ある顧客接点の創出に挑み続けている。