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日々蓄積されるナレッジが必要なアクションを見極める力に

ヘアケア製品や美容家電などの開発、販売を手がける株式会社I-neは、顧客情報をZendesk上に集約し、 サポート業務の効率化とカスタマーエクスペリエンスの改善を図るだけでなく、受注管理システムや施策効果アプリとの連携により、顧客の声をアクションにつなげる仕組みを実現している。

株式会社I-ne

Zendeskソリューション導入の背景と課題

ボタニカルライフスタイルブランド「BOTANIST(ボタニスト)」、美容家電ブランド「SALONIA(サロニア)」などで知られるビューティーテックカンパニー、株式会社I-ne(アイエヌイー)。「Chain of Happiness ~商品を通じて、世界中を幸せにする。~」をコーポレートミッションに掲げ、商品をきっかけに始まる幸せの連鎖が、顧客、取引先、地域社会、地球環境まで広がり、最大化することを目指している。

I-neの経営理念であるChain of Happinessのイメージ

I-neの経営理念であるChain of Happinessのイメージ

I-neの強みは、主に「トレンドキャッチ」「スピードと品質」「ブランディング」「戦略マーケティング」の4つ。トレンドをキャッチし、品質、価格の両面において妥協することなく、スピード感を持ってヒット商品を生み出す背景には、独自開発した最先端のAI予測システムの活用や、ポジティブ・ネガティブ共に顧客の声を社内で共有する仕組みの構築、データドリブンなマーケティングの実施などがある。その勝利の方程式に、各方面から注目が集まるほどの急成長を遂げ、2020年9月には東証マザーズへの新規上場も果たしている。

新進気鋭のビューティーテックカンパニーとして注目を集め、しなやかさと戦略を併せ持つ同社は、経営理念「Chain of Happiness」のもと、必要な改善や変革に足踏みはしない。カスタマーサポートにZendeskを導入したのも、より質の高い顧客体験の提供を目指して、運用方法の見直しに着手したのがきっかけだった。Zendesk Supportの導入前はメール共有システムを使用していたが、顧客とのメールでのやり取りと注文の処理履歴や対応履歴が分かれていたため、より円滑な動作への改善が急務であった。

株式会社I-neマーケティング本部 カスタマーサポート部 センター企画課 渡邊 美樹氏は、「お客様の購入履歴や問い合わせ内容によって使用するツールや管理方法が異なっており、その都度、お客様の状況を判断しながら対応していました。必要な情報を取りに行く時間が発生する分、お客様をお待たせしている感覚がありました」と語る。

Zendeskが選ばれた理由

I-neは、多数のブランドを展開し、出店しているECモール数も多い。また、複数店舗で商品を購入する顧客もいる。それぞれのサイト内で対応履歴が管理されていると、必要な情報を検索する手間は想像に難くない。次第に現場から、より丁寧な顧客対応をするために、改善をはかりたいという声があがった。そして、管理ツールの選定にあたって最も重視したのは、使いやすさであった。

「誰もが直感的に使えるシステム、ユーザーインターフェイスを最優先したいと考えていました」と渡邊氏。Zendesk Supportは第一印象でこの要件をクリアしており、さらに他のツールと比べて設定方法やカスタマイズの自由度が高い点も評価された。 同社では、EC受注管理システムの「アシスト店長」や、同社独自のマーケティング施策効果測定用アプリ「施策くん」との連携も視野に入れていたからである。また、課金制ではないZendeskならランニングコストを抑えられるという期待も、導入を後押ししたと言える。

Zendesk導入の効果

導入後は、「社内に分散していた情報をZendeskに集約したことで、チャネルに関係なく同じ場所で管理できるようになりました。さらに、タグを使ってお客様からのご意見をポジティブとネガティブに分類して履歴を残しています。これを毎月集計して、ポジティブ・ネガティブがどこに起因するのかを分析し、各部門にフィードバックしています。お客様の声を反映しやすい運用方法を確立できました」と渡邊氏。

ECモールを複数抱える同社にとって、全モールにおける顧客の意見をZendesk内に集約できたことのメリットは大きい。モールごとに集計をかけ、潜在リスクをいち早く発見し、プロアクティブにリスクを回避することもできる。また、顧客からのあらゆる意見・要望は速やかに社内に共有し、必要に応じて迅速に改善を行う。内容によっては、Zendeskで作成したレポートをベースに該当部署でさらに原因を深掘りし、商品開発に活かしているという。

導入前から構想にあった受注管理システム「アシスト店長」との連携も実現した。各モールで購入された顧客のデータや購入履歴などをZendesk Supportの管理画面で確認しながら顧客対応を行うことができる。直近の注文に関する問い合わせなのか、それ以前の注文に関する問い合わせなのかが一目瞭然。受注処理が必要な場合は、Zendesk上からワンクリックでシームレスに処理が行える。必要な情報を探しに行く手間が大幅に削減され、問題解決時間は明らかに短縮されている。

受注管理システム「アシスト店長」との連携の様子

受注管理システム「アシスト店長」との連携の様子

さらに、マーケティング施策効果測定用アプリ「施策くん」との連携により、キャンペーンを企画・実行するコンタクトセンター課がZendeskを活用できるのも大きなメリットだ。キャンペーン対象者リストをZendeskに取り込んでチケット化し、アウトバウンドの担当者がチケットの情報を見ながら必要なアクションを実施する。

「Zendeskの画面で顧客情報や履歴情報が確認できるので、何をすべきかが明確ですし、その方にとって最適なアプローチをスピーディーに判断することも可能です。たとえば、タイムセールのご案内やお誕生日おめでとうクーポンの配布といった販促施策を通して商品の新規購入や追加購入につながった履歴を残しており、サポート担当者がクリック一つで施策の実績を追えるようになりました。Zendeskを導入して一年が経ち、Zendesk内にナレッジが蓄積されてきたので、顧客の嗜好や行動特性についての理解が深まると同時に、顧客満足度を高めるための施策に取り組みやすくなっています」と渡邊氏が語るように、ナレッジが蓄積されるほどより効果的な対応が可能になるというわけだ。

マーケティング施策効果測定用アプリ「施策くん」との連携の様子

マーケティング施策効果測定用アプリ「施策くん」との連携の様子

これ以外に、定期購入顧客へのフォローにも役立っている。問い合わせ時に顧客から悩みを聞いた上で、アップセルやクロスセルにつなげていくというものだ。残念ながら解約に至った場合も、解約の理由を蓄積することで分析を可能にし、顧客へのより良い提案の実現に向けてしかるべき部門に改善を促すという良い循環が生まれている。

今後の展望

渡邊氏は、「ゆくゆくはお客様からのお問い合わせにリアルタイムで回答できるようになることが理想的です。この先さらにナレッジが蓄積されていけば、より効率のよい対応が可能になり、結果として問題解決までの時間が短縮されるはずです」と語る。 FAQサイトも現在は社内活用に限定しているが、将来的には、顧客向けの活用も見込んでいる。例えば、顧客の問い合わせ対応にかかる時間を短縮することを目的に、購入時のECサイトに、ポップアップで”何かお困りのことはございませんか?”と表示し、顧客が質問を入力すると、FAQナレッジから回答を引用し、解決に導くような自動応答サービスなどを想定している。

Zendesk Guideを社内で活用し、ブランドごとにFAQを設置

Zendesk Guideを社内で活用し、ブランドごとにFAQを設置

顧客対応に必要な製品情報を全てFAQで確認できるようにしている

顧客対応に必要な製品情報を全てFAQで確認できるようにしている

重要な顧客接点となるチャネルについては、「チャット対応や、LINE連携のほか、電話でのお問い合わせを直接チケット化できる仕組みなどを検討し、より迅速 かつ正確にお客様の声を拾い上げることによって、高品質でスピーディーな商品開発につなげていきたい」と渡邊氏。I-neは、顧客の声からイノベーティブなアイデアを創出し、データドリブンなマーケティングを実践しながら、幸せな体験を紡いでいく。