Ben & Jerry’sは過去数十年にわたって、社会的公正の実現に向けた取り組みへの支持をオンライン上で表明しており、実際に資金援助も行っています。2020年初頭には、SNSプラットフォーム(Twitter、Instagram、Facebook)で商品の有料広告を一律停止し 、その予算を、社会的公正の実現に向けたキャンペーンとアクティビズムの宣伝費として利用しました。
これは、一般的なSNS広告戦略のセオリーに則っていないように思えますが、商品広告の費用を削減したことによる減益はありませんでした。そして2020年、Ben & Jerry’sは、アイスクリームブランドとして全米トップの売上を達成 しました。これはなかなかの偉業です。同社がここまでの偉業を成し遂げられたのは、社会で起きている数々の問題に関して、顧客に自社の立場を表明してきたことが大きく関係しています。Ben & Jerry’sの共同創業者であるBen Cohen氏 は、Harvard Business Reviewの記事で、「諸々の価値観を共有できれば、顧客と非常に強いつながりを築くことは可能だ」と語っています。
例外もありますが、一般的に、顧客は自分と同じ価値観を持っているブランドに対し、より愛着を抱くようになります。倫理的立場が明確で、それに関する意見を発信したいという企業にとって、SNSは格好のツールです。
4. オーディエンスの心をつかむ SNSでどんな顧客層にリーチしたいのかを具体的に決めておくことも重要です。それによって、利用するプラットフォーム、有料広告の活用方法、作成するコンテンツの種類などが決まってきます。
Sprout Social のようなソーシャルリスニングツール を使うと、自社のブランドだけでなく、競合ブランドや業界全体に関するSNSでの投稿を分析して、必要な情報を入手できます。SNSで高い成果を挙げるには、顧客のエンゲージメントが欠かせません。ブランドのSNSプラットフォームをフォローしている顧客は、購入率が67%高くなる こともわかっています。
Sprout Social のデータによれば、愛着を感じているブランドがあると、消費者の半数以上(57%)は、そのブランドでの支出額を増やし、76%は、競合ブランドからは買わずにそのブランドを愛用するようになります。
「愛着を感じているブランドがあると、消費者の半数以上(57%)は、そのブランドでの支出額を増やし、76%は、競合ブランドからは買わずにそのブランドを愛用するようになる」Sprout Socialのデータ
どのプラットフォームのどんなオーディエンスとつながりを深めたいのかを明確にすれば、そのオーディエンスの関心を引くようなコンテンツを作成できるようになります。
Twitterで発表したときには、大勢のファンが競ってアプリをダウンロードしようとしたために、新規ユーザーの急増でCalmがクラッシュするという事態が起こりました 。そして、スタイルズ氏とのコラボレーションの結果、Calmのアプリストアでの順位はかつてないほど上昇 しました。これは、SNSでオーディエンスに働きかける方法を心得ていると、大きな成功につながるということがよくわかる事例の1つです。
さらに、スタイルズ氏とCalmのコラボレーションに関するSNSでのアナウンスに、何万人ものファンが「いいね!」を押したり 、リツイートしたり、メンションを付けて投稿したりしたことで、オンライン上で大量の口コミが拡散され、無料の広告として機能しました。
ソーシャルリスニングと、ターゲットを絞り込んだコンテンツ作りという2つのアプローチを組み合わせれば、ブランドのSNSでの存在感を高めることができます。そして、そこで自社が提供しているサービスや製品の魅力に気づいてもらえれば、リピーターを生み出すことができます。
5. 顧客をビジネスの舞台裏に引き込む 舞台を仕切るカーテンの向こう側をのぞいてみたいという気持ちは、万人に共通のものでしょう。SNSは、顧客をビジネスの舞台裏にいざない、企業の知られざる魅力を紹介できるユニークなプラットフォームです
デザートチェーンのCrumbl Cookies は、シンプルな戦略を活用することで、顧客にビジネスを身近に感じてもらうことに成功しました。提供するフレーバーの種類を絞り込み、週替わりで種類を変更することで顧客の関心を引こうという戦略です。ユニークなフレーバーと写真映えするパッケージは、バイラルコンテンツを生み出してリピーターを増やす格好の材料となりました。
結果的に、Crumble Cookiesは、TikTokで大きなバイラルを巻き起こしました。週替わりのクッキーを味わう様子を撮影するためだけに、1時間以上のドライブをものともせずに店舗に向かう顧客もいました。
SNSは、顧客をビジネスの舞台裏にいざない、企業の知られざる魅力を紹介できるユニークなプラットフォームです。
同社のクッキーの魅力を語り合う熱心な顧客ベースをSNS上で確立することで、Crumble Cookiesはファンコミュニティを生み出しました。そして、これは無料の宣伝媒体にもなっています。それを目にした顧客の購買意欲を駆り立てられるだけでなく、そこから口コミが拡散され、バズコンテンツが生まれれば、より多くの消費者にリーチすることができます。
このようなアプローチが自社のブランドには適用できないからといって、がっかりする必要はありません。実際、SNSでは、受注からパッケージング、スタッフ紹介、倉庫ツアーまで、さまざまな内容の企業動画が大きな話題を集めています。
Kylie Jenner氏のオフィスツアー動画 もその1つで、YouTubeで1,800万以上の再生回数を記録しています。Jenner氏のようなコスメ業界をリードする大金持ちの人物でなくても、このようなコンテンツで成功を収めることはそれほど難しくありません。
たとえば、TikTokのハッシュタグ「#smallbusiness」 は、計260億回以上の再生回数を記録しており、小規模企業にとっては、自社の魅力をアピールして顧客を呼び込むための格好の手段となります。動画を通して顧客にビジネスを身近に感じてもらえたら、大成功です。
顧客を惹きつけて、リピーターを生み出すには SNSを使えば、顧客が普段から利用しているプラットフォームで、高品質で迅速なカスタマーサービスを提供できるようになります。皆さんの企業でもSNSを有効活用し、ブランドボイスを確立して顧客との関係を深めましょう。
顧客のロイヤルティは、顧客とのつながりなくして生まれません。顧客の愛着心をできる限り強めたいのなら、自社が大切にしている価値観とその理由を顧客に示すことが大切です。