カスタマーケアが重要な理由
優秀なカスタマーケアチームは、なくてはならない存在です。なぜならば、カスタマーサービスの対応がビジネスを左右するかもしれないからです。2020年の全米顧客不満調査によると、ソーシャルメディアなどのデジタルプラットフォームで不満を伝えることを好む顧客の数は、2017年から2020年にかけて3倍に増加しました。
不満のある顧客はその苦情を他の人と共有する可能性が高いため、たった一度のネガティブなカスタマーサービス体験が、企業の評判を傷つける可能性があります。これは、サポートチームがいつもは素晴らしい対応をしていても起こりえます。
カスタマーケアをビジネスの優先事項とすることで、返金のリスクを軽減し、信頼を築き、解約を減らし、収益を向上させることができます。
カスタマーケアを実践することで、競合他社と差別化を図ることができます。ZendeskのCXトレンドレポート2022年版によると、消費者の54%が、利用するほとんどの企業はカスタマーサービスを後回しにしていると感じていることがわかりました。
54%の消費者は、ほとんどの企業でカスタマーサービスが後回しにされていると感じている。
これでは、カスタマーケアの逆を行っています。企業は、カスタマーサービスにしか力を入れていないようです。
ネガティブなレビューを残したがる消費者がいる一方で、ブランドの評判を上げてくれるポジティブなレビューを書く消費者も沢山います。そしてこの評判は、商品やサービスを選択中の見込み客の目に好印象を与えてくれます。BrightLocalが行った2022年のLocal消費者レビュー調査によると、買い物客の67%は、良い体験をしたらレビューを残すことを考えると回答しました。
どんなカスタマーサービスチームでも、壊れた製品の返品に対応することができます。しかし、顧客の不満に対して親身に対応しながら、辛抱強く解決策を見出せるチームが、顧客との信頼関係を構築できます。消費者は、キューに並んだ項目を片付けるような作業ではなく、人間として接してくれるブランドに信頼を寄せる傾向にあります。
顧客の信頼を勝ち取れば、ブランドはカスタマーエクスペリエンスをさらに強化できます。米国の消費者の88%は、どの程度個人情報を共有するかは企業への信頼度で決まると回答しています。
消費者はサポートとのやり取りを重要視しています。CXトレンドレポートによると、顧客の61%は、一度でもカスタマーサービスに不満を感じたら他社に乗り換えると回答しました。
カスタマーサポートは消費者を満足させる役割を果たす一方、カスタマーケアは消費者を定着させる要因となります。顧客からの問い合わせを、単にチケット対応として捉えるのではなく、有意義な関係を築くチャンスに変えることで、解約をまねくネガティブな経験として捉える可能性は低くなります。
カスタマーケアは誰が行うべきか?
サポート担当者がカスタマーケアを行います。カスタマーケアの担当者は、以下のような資質とスキルを備えている必要があります:
親切心
親しみやすさと共感力
アクティブリスニング
迅速な意思決定
問題解決力
これらの資質とともに、担当者は企業のコアバリューを体現できる人材であるべきです。
このようなスキルと企業価値との連携が取れている担当者には、カスタマーケアの適性があるとみていいでしょう。
5つのカスタマーケア事例
カスタマーケアとは、消費者のために期待以上のサポートを提供することです。では、実際に現場でカスタマーケアに従事しながら、 親身に顧客対応を行っているブランドの例をご紹介します。
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Zappos: ロイヤルカスタマーに特典で感謝の気持ちを表す
カスタマーケアは、顧客が問題を抱えているときだけに行うものではありません。感謝の気持ちを伝えたい顧客に対して、それを伝えることもカスタマーケアを通して行えます。例えば、靴専門店のZapposは、既存客に次回の購入に使える$50のクーポン券を送ることで感謝の意を示しました。
顧客への感謝は、顧客維持においても特に重要です。時に、特別割引や感謝の気持ちを伝えるパーソナライズされた手紙やメールなどの行為だけで、顧客維持が可能となります。
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Spotify: 顧客主導型
積極的な行動を見せるのがSpotifyのカスタマーケアチームです。同社のサポート担当者は、顧客が望んでいるプラットフォームの機能を尋ねることで、問題点やクレームが発生することを未然に塞いでいます。
顧客は、アイデアを投稿できるコミュニティフォーラムへのリンクを活用することができます。そして、他のコミュニティメンバーがアイデアに投票できるため、Spotifyはその集計をもとに導入すべき機能を決定できます。
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Glossier: ミスをチャンスに変える
スキンケアブランドのGlossierは、カスタマーケアを通して、顧客のミスを当人にとっても周りにとってもポジティブな体験に変えています。
ブランド側に落ち度がなかったため、Courtneyにクレジットをあげる方法も取れたはずです。しかし、カスタマーケアを行ったことで、この状況を顧客維持(Courtney)と顧客獲得(彼女の友人)のチャンスに一転させました。
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Tesla: 創設者からの返事を送信
CEOが顧客の問題に対応すると、この企業は問題解決に真剣に取り組んでいるという印象を消費者は持つでしょう。Elon Muskは、車載ソフトウェアの問題が発生してTesla所有者の不安が募った際、積極的に問題に言及するメッセージを送りました。
企業の創設者やCEOは多忙な日々を送っています。しかし、ある問題が特定数の顧客に支障をきたしているのであれば、リーダーシップは解決に向けて取り組んでいることを示す必要があります。
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Virgin Atlantic: 顧客の時間を重要視する
人々は長い待ち時間が嫌いですが、旅行中であれば尚更です。Virgin Atlanticでは、電話が途中で切れてストレスを感じている旅行者に電話をかけ直すことでカスタマーケアを行っています。
Virgin Atlanticは、顧客に敬意を払いながら共感を見せることが優れたカスタマーケアであると理解しています。旅行者の待ち時間を抑えることで、同社は旅行者が旅行自体やその計画に、より時間をかけられるようにしました。
カスタマーケアのベストプラクティス
カスタマーケア担当者は、卓越したレベルのサポートを提供するためにリソースとガイダンスが必要です。導入すると役立つ、秀逸なツールとベストプラクティスの一例をご紹介します。
担当者が顧客との対話履歴にアクセスできることで、カスタマーケアの質と効率が変わります。以前に発生した問題のフォローアップ対応か?それとも見込み客からの製品に関する質問か?
担当者は、すべてのカスタマーサポートチャンネルと情報に迅速かつ簡単にアクセスできる必要があります。適切な背景情報を簡単に入手し、あらゆるチャネルでやり取りが可能であれば、担当者は迅速でパーソナライズされたケアを提供することができます。
ある顧客がチャットで問題の発生を報告し、メールでフォローアップし、その後問題を解決するために電話でコンタクトしたとします。カスタマーサービス担当者は、顧客がメールやチャットで送信した内容を顧客に繰り返させることなく、カスタマーケアを行うことができます。結果、良好なカスタマーエクスペリエンスになり、最終的には収益の向上につながります。ZendeskのCXトレンドレポートによると、消費者の92%が、同じことを何度も繰り返す必要のない企業やブランドなら支出を増やすと回答しました。
会話型CRMは、担当者が必要な背景情報を簡単に取得できる一元化されたワークスペースを備えているべきです。Zendeskのようなソリューションなら、担当者はタブやブラウザを切り替えることなく、顧客の情報やインタラクション履歴に即座にアクセスすることができます。また、あらゆるチャネル(電話、メール、ソーシャルメディアを含む)で行われたやり取りを1つのダッシュボードで管理することが可能です。
カスタマーケアにとって共感性のある親身な対応と同じくらい重要なのが、カスタマーエクスペリエンスで起こる問題点を取り除くことです。このような問題点を特定するには、顧客との対話データを読み取る必要があります。
様々な顧客接点における対話記録を検証するのも一つの方法ですが、より大きな傾向がある場合もあります。顧客中心のデータ分析ソフトウェアプラットフォームを活用すると、これらの情報をダッシュボードに集約できるため、問題点の特定が可能となり、ブランドの評判に深刻な影響を与える前に行動を起こすことができます。
顧客向けセルフサービス型オプションを導入することにしたとしましょう。導入から1か月後、分析ダッシュボードを見ると、サポートチケットが10%増加し、顧客満足度が低下していると示されています。そこで、顧客にアンケートを送った結果、新しいセルフサービスポータルの操作が困難であることを知りました。そして、すぐにUXチームに依頼し、ポータルを再設計することにしました。このケースでは、分析ツールを活用したおかげで、潜んでいる問題点を特定することができました。
さらに、データを活用することで、顧客一人ひとりに合わせたサービスの提供が可能になります。特定の顧客の好みや傾向をデータから理解することで、企業に理解されていると顧客が感じられるような質の高いパーソナライズされた関係を築くことができます。
消費者データを収集することは良いアイデアである一方、透明性のあるプロセスを維持する必要があります。顧客には、情報の収集方法とその理由を周知させましょう。さらに重要なのは、それによって顧客にどのようなメリットがあるのかを共有することです。企業のプライバシーポリシーを告知し、広告主および第三者にデータを販売しないことを約束することも忘れてはいけません。
どのようなデータを取得したいのか、そしてカスタマーエクスペリアンスを向上するためにデータをどのように活用するのかについて、明確で簡潔な説明を提示することで、消費者の不安を取り除くことができます。
当社のCXトレンドレポートによると、76%の顧客は、企業にコンタクトする際、すぐに担当者に対応して欲しいと思っています。迅速な返信と迅速な解決を優先することは重要ですが、信頼性のある顧客関係はスピードと効率だけで構築できるものではありません。必要なのは、きめ細やかな対応です。
よりサポートが必要な顧客には時間を延長して対応が可能であるという認識をスタッフと共有しましょう。マネージャーは、適切な場合には顧客に特典や割引を提供できるよう担当者の裁量に任せることもできます。
その内容はチームによって異なります。例を挙げると、各担当者に、毎月5人の顧客に割引を提供することを許可したり、手厚いサポートが必要な顧客に通常より15分長く対応時間を許可したりすることも可能です。そのタイミングは、担当者の判断に任せましょう。
カスタマーケアは、共感力にかかっています。親身になって顧客対応を行える担当者は、顧客の立場に立って行動することができます。消費者が自分の話を聞いてもらえたと感じられれば、自分のニーズをより正確に説明しやすくなり、担当者は顧客をサポートしやすくなります。
カスタマーサービスにおいて共感を示すということは、適切な言葉を使って対応するのが第一ステップです。そこから、顧客との信頼関係を構築していきます。
「おっしゃる通りです」 このフレーズを使うことで、顧客の懸念に共感することができます。
「貴重なフィードバックをありがとうございます」 顧客からのネガディブなフィードバックを受けるのは簡単ではないですが、丁寧な対応をすることで、顧客は解決策により寛大になります。
「全くもっておっしゃる通りです」 たとえ顧客がブランドや製品に対して的外れな批判をしたとしても、担当者は決して言い訳をしてはいけません。顧客が正しいか間違っているかにかかわらず、顧客の気持ちに共感を示すことで、顧客は自分の話を聞いてもらえたと感じることができます。
顧客に寄り添った共感力のある対応を実践するには、トレーニングの時間を要しますが、継続的な優れたカスタマーケアにつながる、決して無駄にならない投資といえるでしょう。
カスタマーケアの測定方法
カスタマーケアとは何か、そして重要性と提供方法について解説しました。しかし、その成果を測るにはどうしたらいいのでしょうか?
Chandler曰く、以下の質問に答えることで、カスタマーケア戦略の成果を測ることができます:
Chandlerは、顧客にフィードバックを求めるKPIの使用を勧めます。KPIを活用することで、サポートでのインタラクションに関する具体的な詳細が浮き彫りになり、カスタマーケアの検証に役立ちます。
顧客満足度(CSAT)スコア
ご存知の通り、顧客満足度(CSAT)スコアは、ブランドの製品、サービス、サポート体験に対する顧客の満足度を測るものです。
サポートでのやり取りのCSATを測定するには、顧客へのアンケートでサービスに対する総合的な満足度を尋ねます。顧客は、1(非常に不満足)から5(非常に満足)を選択して回答することができます。
また、自由形式の質問を入れることも大切です。「どうすればカスタマーサポート体験を改善できるとお考えですか?」または「回答を選んだ理由は何ですか?」などが挙げられます。カスタマーサポートでのやり取り終了後すぐに、SMS、メール、チャットなどを使ってCSATアンケートを送信できます。
複数のサポート担当者が「急かされたと感じる」との理由で低いスコアを取得した場合、チームには適切なケアを示すリソースがないのかもしれません。根本的な原因の特定には、通話のモニターも有効的です。カスタマーサービスのトレーニングや製品知識の不足が原因となっているかもしれません。
カスタマーエフォートスコア(CES)
カスタマーエフォートスコア(CES)が重要な理由は、利便性とカスタマーケアの密接な関係性にあります。このメトリックは、カスタマーサポートの電話番号の見つけやすさや、適切な担当者に割り当てられたかなど、顧客がどれだけ容易に必要な情報を取得できるのかを示します。
CESを測定するには、サポート対応後に顧客にアンケートを送ります。「どれくらい簡単に問題を解決できましたか?1(非常に難しい)から5(非常に簡単)までの数字をご選択ください。」などの質問をアンケートに入れることができます。「問題解決の過程で、一番困難だったのはどんなことですか?」などの自由形式のフォローアップの質問を含めることも重要です。
CESは、すべての回答の平均値を算出することで計算できます。
CESのスコアが高い場合、顧客は簡単に必要なものにアクセスできていることを意味します。CESのスコアが低い場合は、自由形式の回答をレビューすることで、サポート体験における問題点を見つけることができます。そして、FAQページの改善や新しいサポートチャネルの追加などの解決策を講じましょう。
ネットプロモータースコア℠ (NPS®)
カスタマーケアの最終目標は、ブランドロイヤルティを育てることです。ネットプロモータースコア℠(NPS®) は、自社を他の人に勧める可能性を問うことで、顧客ロイヤルティを測定します。NPS調査は、1回のサポート対応後に実施することも、幾度も連絡してきた顧客に対して行うことも可能です。
NPS®アンケートの質問はシンプルです: 「弊社のカスタマーサービスに基づいて、ご家族やご友人に弊社を勧める可能性はどのくらいですか?1(最も可能性が低い)から10(最も可能性が高い)の数字でお答えください」 ロイヤルカスタマー(または「プロモーター」)は、9か10と答えるでしょう。対応に不満がある顧客(批判者)は、0から6の間の回答となります。無関心な顧客(中立者)は7または8の評価を残しますが、このグループはNPS®の計算には含まれません。
NPS®アンケート内の自由形式の質問は、「ご選択になったスコアの主な理由は何ですか」などのシンプルなもので構いません。
カスタマーケアの測定は、サポートチケット終了までの時間を測定するほど単純なものではありません。しかし、NPS®、CSAT、CESのような指標は、担当者がカスタマーサービスからカスタマーケア対応に切り替える頻度やその効果を測るのに役立ちます。
カスタマーケアとは、顧客一人ひとりへの対応姿勢
顧客の問い合わせに対して、解決策を提示するだけではカスタマーケアではありません。カスタマーケアとは、それに加えて、顧客に合ったインタラクションとアプローチ方法を採用し、一人ひとりに合った対応を実現することです。
全ての顧客が特別な存在であると感じられるようなパーソナライズされたサービスを提供するために、担当者は、すべてのやり取りの背景情報にアクセスできるプラットフォームが必要です。Zendeskのような包括的なサポートツールを活用し、顧客情報を取得し、従業員が簡単に活用できる環境を整備しましょう。卓越したカスタマーケアの実現は、遠い夢の話ではないのです。
**Net Promoter、NPS、NPS関連のエモーティコンは、Bain & Company, Inc.、Satmetrix Systems, Inc.およびFred Reichheldの米国における登録商標、Net Promoter ScoreとNet Promoter SystemはBain & Company, Inc.、Satmetrix Systems, Inc.およびFred Reichheldのサービスマークです。