企業は長きにわたり、カスタマーエクスペリエンスを重視してきました。中には、「カスタマーオブセッション(顧客を最優先する考え方)」を謳う企業もあります。このバズワードはさておき、要するに、企業各社はあらゆるビジネス活動の中心に顧客を据えています。営業からマーケティング、カスタマーサービスに至るまで、カスタマージャーニーの各段階で顧客に満足してもらうことを目指しています。
一方、顧客のニーズに重きを置きすぎるあまり、サポート担当者のニーズは何かと見過ごされがちです。実際のところ、この2つは想像以上に密接に関連しています。従業員の満足度が上がるほど、業務の生産性は向上し、適切な業務ツールを使用すれば、カスタマーエクスペリエンスの改善にもつながります。
ここでは、従業員体験(エンプロイーエクスペリエンス、Employee Experience、EX)への投資がサポートチームにとってプラスに働く理由をご紹介します。
従業員体験とは
カスタマーエクスペリエンスと考え方は同じで、英語のEmployee Experience(EX)を日本語に訳したものです。従業員体験とは、業務で使用するツールやワークフローから、従業員の健康と幸福を優先する施策まで、従業員と企業とのありとあらゆる接点を指します。従業員エクスペリエンスとも言われます。
簡単にまとめると、こうした要素は次の点に影響します。
従業員体験が重要である理由
皆さんが最近利用したカスタマーサービスを振り返ってみてください。担当者は心優しく親しみやすかったでしょうか? ただひたすらにその日一日のタスクをこなしているだけといった印象を受けませんでしたか? また、簡潔でストレスのないやり取りはできましたか? あるいは、必要な情報を得るまでにいくつもの手順を踏まなければならなかったでしょうか? 従業員体験の質の良し悪しが顧客にたちまち影響を及ぼすであろうことは、容易に察しがつきます。
従業員体験の質が低いと、業務パフォーマンスの低下や、下手をすると離職率の上昇につながりかねません。離職率が上昇すると、サポートチームのナレッジベースは蓄積されず、結果的に顧客に優れたサービスを提供できなくなります。したがって、顧客を支援するには、まず自社の従業員への支援に取り組む必要があることは明らかです。
新たな課題が立ちはだかる中でも、従業員体験を優先するには
昨年以降、サポート業務の在り方は様変わりしました。従業員体験を改善したいと考えている企業は、その変化によって生じた影響と課題をまず理解する必要があります。
この1年で、顧客からの問い合わせ件数が過去最高を記録しただけでなく、サポートチームは長時間勤務、新しいテクノロジー、リモートワークでの孤独感といったさまざまな変化に適応してきました。「Zendeskカスタマーエクスペリエンストレンドレポート2021」では、サポート担当者の70%が強い疲労を感じていると回答していますが、無理もありません。