多くの場合、顧客を感動させた企業の対応は、インターネットであっという間に拡散されます。そこまで満足度の高い顧客の体験は珍しいことが理由です。飛行機で結婚式のドレスを送り届けて窮地を救った 航空会社の話や、サポート対応中に顧客が脳卒中を起こしたことに気づいて命を救った サポート担当者の話を目にした人もいるはずです。
「カスタマーエクスペリエンスというと、まるでロケットの打ち上げのような壮大なことで、期待を大きく上回る対応で顧客の心を打たなければならない、と考えがちですが、顧客が本当に望んでいるのは、一貫性のある対応なのです」と、Zendeskでカスタマーサクセスチームマネージャーを務めるSamantha Chandler は言います。
顧客は、企業が社内で協力して一貫性のある対応をしてくれることを望んでいます。Zendeskカスタマーエクスペリエンス傾向分析レポート2020年版 によると、顧客の70%以上は企業が社内で連携をとることを期待しており、68%は問い合わせた時に別の部門に転送されると苛立ちを感じるといいます。
企業としてスムーズで一貫性のあるカスタマーエクスペリエンスを提供するためには、慎重に計画したうえで、注意深くモニタリングして、継続的に調整をかけていく必要があります。満足度の高い顧客体験を安定して生み出せるように、カスタマーエクスペリエンスマネジメント(CXM)を利用することについて、Zendeskの専門家の意見を聞きました。
カスタマーエクスペリエンスマネジメント(CXM)の定義と重要性 カスタマーエクスペリエンスマネジメント は、CXMと記載されることもあります。企業と顧客のすべての接点を追跡・モニターし、調整するための手法を指します。
CXMの目的は、一貫性のあるカスタマーサービスを提供して、ブランドに対するロイヤルティを高め、顧客の関心を深めることにあります。
顧客とのやりとりはすべてCXMの範疇になるため、大掛かりな取り組みのように感じられるかもしれません。しかし、企業としてCXMを見過ごすわけにはいきません。
「企業と顧客のあらゆる接点が顧客体験を作り上げます。こうした体験を管理することは、すべての部門が協力して顧客を喜ばせることのできるシームレスな体験を提供できるようにするために必要な取り組みです」Zendeskシニアカスタマーサービスエバンジェリスト Dave Dyson
このようなシームレスなサービスを確実に提供できれば、顧客基盤が強化され、最終的には顧客基盤の拡大につながります。
「新規顧客の開拓に大きな重点が置かれていますが、既存の顧客を維持することも忘れるわけにはいきません。特にSaaS(サービスとしてのソフトウェア)企業の場合は、小規模な導入で顧客を獲得したうえで取引の拡大を図る「ランド・アンド・エクスパンド戦略」を採用することが多いため、顧客維持がなおさら重要になります」 Zendeskカスタマーサクセス担当ディレクター Brian Reuter
Brianは、満足度の高い顧客体験を生み出せれば、口コミの評判というメリットが得られるため、新規売上の獲得につながる場合もあることを指摘しています。
CXMは、顧客からよく受ける苦情を特定して、苦情を未然に防ぐ企業の取り組みで特に大きな効果を発揮します。先を見越して問題に対応できればできるほど、サポート費用を抑えることができます。
それでは、なぜすべての企業がCXMから得られる利益を享受していないのでしょうか?ひとつに、企業規模や形態を問わず、顧客とのすべての接点を把握するのに苦労している企業が多いことが挙げられます。創業間もないスタートアップ企業は混乱していることが多く、大企業は部門のサイロ化という悩みを抱えています。
ここでは、CXMの課題に対処するにあたって参考になる専門家のアドバイスをご紹介します。