カスタマーサポートは「できれば・・・」という努力目標ではなく、顧客に対して必須で用意すべきサービスです。
サポートの一つとして、ライブチャットもしくはソーシャルメッセージングを活用してみてはいかがでしょうか?顧客が欲しいものを見つけてからカートに入れ、購入に至るまでの各ステップには、顧客が離脱してしまうポイントが多く存在していますが、チャットやソーシャルメッセージングを活用することで、その離脱率を下げることが可能になります。
また、顧客または見込み客が望むタイミングで、好むチャネルでブランドとコミュニケーションをとることができ、より良いカスタマーエクスペリエンスの実現が可能となります。
チャットを導入する企業が増えている
ライブチャットは、自社のWebサイトまたはアプリ内で展開できるものを指し、FacebookのメッセンジャーやTwitterのダイレクトメッセージなどのリアルタイムのメッセージングはサードパーティの提供するサービスを指し示します。
どちらもリアルタイムで会話ができますが、大きな違いは顧客がどこからそのチャットを使うか、つまり、チャットにアクセスする方法です。商品やチャネルそのものよりも、顧客がある時点でどの方法を選ぶか、によって異なるのです。
例えば、多くの人がSNSを見ながら長い時間を過ごしてしまう傾向がありますが、Facebookのページで気に入ったものを見たら、企業サイトにわざわざ遷移して問い合わせするよりは、Facebookページ内で完結させたいと思うことでしょう。つまり、企業サイトでしか問い合わせができない状態では、販売する機会を失うリスクがあるのです。
小売業における購買体験を通してメッセージングとチャットがうまく組み込まれていれば、顧客に対してすぐに、そして簡単にサポートを提供できるようになります。通販サイトの繁忙期であっても、顧客が問い合わせにたどり着く前に準備を整え、積極的にサポートするという、カスタマーサービスの基本理念に照らし合わせて、対応していくことが可能です。
チャットとその他のメッセージングの違い
eコマースのサイトに行ってみると、ジーンズから電子機器に至るまで、さまざまな商品に関する疑問に答えるチャットボットを見つけられるでしょう。例えばジーンズを探すときに、チャットボットはストレッチの効き具合や股上の深さなど顧客の好みを聞き出し、おすすめの商品を提案するためにオンライン上のサイズ情報をまとめます。検索したキーワードに基づいて、顧客からの質問に対する回答を返信します。
Happy Socks(図参照)には、顧客が求める情報を正確に提供するチャット機能が備わっています。ここでは、夏用靴下のリンクを貼っています。チャット機能は、既存製品のコンテンツ力を拡大し、丁寧に考え抜かれた非常に有効性のあるポップアップという形で、カスタマーエクスペリエンス全体で展開することが可能です。
次のステップはメッセージングです。サイト内のチャット機能と共通する部分は多くありますが、SNSを使うと、エージェントは顧客とより個人的なレベルで交流することが可能となります。SNSにメッセージ機能があれば、エージェントはSNSからチャット機能を使うことができ、そこから質問に答えられるのです。新しい世代の顧客がすでに慣れ親しんでいる新しいツールを利用して、”常時接続”のサポートチャネルとして提供することで、チャネルの拡大をはかります。
このような流れは企業と顧客、双方にとってメリットをもたらします。顧客がFacebookのメッセンジャーで問い合わせを送る行為は、友人に連絡するようなものです。エージェントの視点から見ると、WebサイトのチャットからでもFacebookのメッセージからでも、送られてくる全ての質問は、Zendeskを通して管理することができます。
ペット商品に特化したサブスクリプション型のeコマースサービスを提供するBarkboxは、Facebookのメッセンジャーによるやり取りが倍増したにもかかわらず、平均応答時間を大幅に減らしています。またチャットボットを使うことで、複雑で優先順位の高い会話を自動的にエージェントに割り振ることもできています。
データを見て、気づき、行動する
自動化がある程度進んだとしても、顧客が求めているものを理解し、それを最適な方法で提供するためには、やはり人の関わりが必要です。顧客があなたのWebサイトの価格ページに過去2回アクセスしていたとします。2回目のアクセスの後、その顧客の購入率はより高まっているはずです。この価値ある情報をもとに、割引コードを提供するための積極的なチャットを送ることもできます。
もしそうした行動がなければ、顧客は支払い段階で購入をやめたり、二度とショッピングカートに戻らなかったりするかもしれません。小売ビジネスでは、積極的に配送や請求のサポートをしたり、クーポンコードを提供することで顧客を確実に購入へと導くことができるのです。
複数のリアルタイムチャネルを運用可能なオムニチャネルツールを使えば、顧客とより有意義な関係性を構築することができるでしょう。顧客のためにいつでもどこでも、サポートの準備をして待っている、という世界が実現するのです。