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CXチームの役割を変えつつあるAI - 今後の展望

600人のCX(カスタマーエクスペリエンス)リーダーとサポート担当者が予測する、AIを導入した業界の今後数年間の未来とは?

著者: Paulette Chafe, Zendeskソートリーダーシップ責任者

更新日: 2024年4月27日

大多数の人はAIの変革力を認めています。CX(カスタマーエクスペリエンス)においては、最も大きく直接的な影響を体感することになるでしょう。 しかし、実際の未来はどのようなものなのか、そしてそれがいつ現実になるのかはあまり定かではありません。

新技術の開発と普及には常に隔たりがあり、AIも例外ではありません。 その隔たりがどの程度になるかは多くの要因に左右されますが、最も重要なのはチームの準備状況かもしれません。 Zendeskの調査によると、CXリーダーの84%が「AIの影響に備えるためにもっと努力しなければならない」と感じており、82%がアプローチ全体を再考しています。

ここでキーとなるのはハイブリッドモデルへの移行です。 これは、人間味を失うことなく自動化による効率化を活用することを意味します。 重要なのは、チームが変化を起こすための準備を早急に整えることです。 Zendeskは600人のCXリーダーとサポート担当者を調査し、彼らの役割や業界の変化、そしてその変化の経過について理解を深めました。

1年後、3年後、そして5年後のCXチームはどのようになっているでしょうか。以下をご覧ください。

1年後: サポート担当者はトラブルシューター、AIは交通整理係

1年後は、サポート担当者のスキルアップに注力すると同時に、主にチケットのルーティングと削減にAIを活用することになるでしょう。 この期間はトレーニングが欠かせません。 実際、回答者の69%が「AIに関するトレーニングが増加した、または今後1年間に増加する」と回答しており、同数の回答者が「AIによるセンチメント分析に特化したトレーニングが増加している」と言及しています。

サポート担当者は、変わりゆくワークフローのどの部分にAIが適合し、生成AIのようなツールによってどのように効率化できるかを理解する必要があります。 また、AIを利用し管理するにあたり重要なレイヤーを追加し、AIのアウトプットを顧客に提供する前に必ず注意深く監視するようになるでしょう。 70%がこのようなことが「すでに起こっている、あるいは今後12か月以内に起こる」と答えています。

技術的な側面に加えて、回答者はソフトスキルにより重点を置くことになると予測しています。 共感、コミュニケーション、理解といった人間的な要素は、採用担当者やチームにとってさらに重要になるでしょう。

3年後: サポート担当者はエキスパート、AIは専任アシスタント

3年後には、サポート担当者とボットがより緊密に連携し、それぞれが独自の役割と責任を担っていることでしょう。 サポート担当者は製品とデータの専門知識をさらに深め、同時にAIによってより多くの日常的なカスタマーエンゲージメントを推進するようになるでしょう。

また、顧客感情やサポート担当者の生産性といった主要なパフォーマンス指標に関するリアルタイムのデータを提供するうえで、AIは重要な役割を果たすと期待されています。 これでチームは業務を最適化し、卓越したカスタマーサービスを提供できるようになります。

回答者の61%が「今後3年以内にサポート担当者は製品とデータのエキスパートになる」と答えています。

サポート担当者のスキルセットの幅が広がり、データの解釈や分析といったハードスキルも含まれるようになるにつれ、採用戦略も進化していくでしょう。 CXリーダーとサポート担当者の62%が「3年後には企業はAIと技術に適性のある候補者を優先することになるだろう」と答えています。

5年後: サポート担当者は指揮者、AIは演奏者

5年以内に、サポート担当者は単なるエキスパートではなくなるでしょう。 その代わりに、AI主導のカスタマーサービスの美しいシンフォニーを指揮するでしょう。 この時期AIは単なるツールではなく、顧客とのインタラクションの大部分を主導し、顧客のニーズに先回りして対応し、問題が発生すれば自動的にプロセスを合理化するようになるでしょう。

コミュニケーションの大部分をAIが占めるようになっても、サポート担当者とのあらゆる会話を誠実で、親しみやすく、一人ひとりに合わせたものであると感じられるようにすることで、人間との接触はこれからも重要視され続けるでしょう。 必要であればAIからの提案を押し切り、顧客にとって最善の結果を生み出すための権限と知識をサポート担当者が持ち合わせることになります。

また、チームとしてはさまざまな革新的なツールをシームレスに活用し、カスタマーエクスペリエンスを向上させることが期待されています。 例えば、複合現実によるスマートなカスタマーソリューションや、リーチを拡大するためのデジタルツインを利用する、あるいはまったく新しいツールを使うことになるかもしれません。

回答者の70%は、「今後5年間でサポート担当者は複合現実を活用して顧客の複雑な問題の解決にあたるようになる」と答えています。

心を込めたカスタマーサービス

AIの影響力が増大し、サポート担当者の役割が変化するにつれて、カスタマーサービスにも大きな変化が起こるとZendeskは予測しています。 未来は定かではありませんが、1つだけはっきりしていることがあります。それは、本物の人間として誠実に顧客とつながることが、優れたCXチームの主な責任であり続けるべきだということです。 そのためには、サポート担当者が不可欠であることに変わりはありません。

CXリーダーとサポート担当者が予測するカスタマーサービスの未来について詳細をご覧ください。