なぜ従業員エクスペリエンスがカスタマーエクスペリエンスなのか

ZendeskのCIOでオペレーション担当副社長のColleen Berube氏が従業員およびカスタマーエクスペリエンスがいかに密接につながりがあるかを解明します。

By Suzanne Barnecut

発行日: 2020年11月13日
更新日: 2021年1月14日

ZendeskのCIOそしてオペレーション担当副社長であるColleen Berube氏と2回目の対談をした時、彼女はカリフォルニア州サンマテオにある自宅の裏庭からZoomで出迎えてくれました。のどかで美しい光景でしたが、その頃現実の世界ではカリフォルニア州の至る所で山火事が猛威を振るっており、空気は煙につつまれ、そして誰もが新型コロナウイルスから身を守るため自宅に身をひそめていました。数か月さかのぼってみると、今と状況はまったく異なっていました。Zendeskでの就業一周年記念直後、サンフランシスコのダウンタウンにある本社のガラス張りの会議室にみな集まっていたのです。

「カスタマーエクスペリエンスが製品や会話の要とされる会社の一員となり、とても嬉しく思います」とBerube氏は話していました。人々が対価を支払うのはやはりエクスペリエンスに対してです。それが素晴らしいエクスペリエンスなのか、または単にスムーズなエクスペリエンスだったとしても、要は業務をスムーズに遂行できてお客様が期待通りの結果を得られるというところにあります。

「カスタマーエクスペリエンスには特別な思い入れがあり、カスタマーエクスペリエンスがいかに変化を続け、そして新技術や市場がこれまで以上にお客様の期待値をあげているということに強い関心があります。」とBerube氏。

Zendesk入社前、Berube氏は、Adobeでビジネスサービス担当副社長を長く務めた後、Fisher Investmentsでエグゼクティブ・バイス・プレジデント兼最高技術責任者、PwC社でエグゼクティブ・イン・レジデンスを務めていました。そう、Berube氏が急成長を遂げる環境下で過ごしてきたということです。2020年3月に彼女は「この段階で感じるスピード感やエネルギー、楽観的なところが会社に所属していてよかったなと思える時です。」と述べています。

「カスタマーエクスペリエンスには特別な思い入れがあり、カスタマーエクスペリエンスがいかに変化を続け、そして新技術や市場がこれまで以上にお客様の期待値をあげているということに強い関心があります。」- Colleen Berube

デジタル変革に向けた必須課題への対応

もはや事務所の奥で「正しい道のりを示す」役割ではなく、今日の優れたCIOはお客様と向き合いデジタル改革を推進しています。外部のお客様の為に社内チームメンバーが達成しようとしていることをつなぎ合わせ、組織全体で機能するインフラを構築しているのです。

アナリストによれば、コロナ禍の前で物事の動きが早かったのであれば、今はそれ以上に動きが早くなっています。実際、Gartner社のウェブサイトでは「デジタルビジネスのペースが今より緩やかになることはない」と書かれています。Gartner社のCFO/CHROアドバイザリー担当副社長であるScott Engler氏は、新型コロナウイルス感染症によりデジタル革命の時の流れが何年も早くなったと述べています。

同様に、McKinseyは現在のような状態はこれまでにないと報告しています。「不思議な感じがしますが、今まさにこの危機の時にこそ、大胆にデジタル化を進める時間なのです。」

「不思議な感じがしますが、今まさにこの危機の時にこそ、大胆にデジタル化を進める時間なのです。」- McKinsey

Berube氏にとって、この数か月は多くの課題と検証の連続でした。世の中の多くの企業と同様、Zendeskは100%の作業をバーチャルに移行しましたが、同社の製品および技術はクラウドベースであるため、移行はかなりシームレスに進みました。

「私が話してきたすべてのCIOにお伝えしたいのですが、100パーセントクラウドおよびSaaSベースにするということが、なんらかのレベルで、私たちが仕事で慣れ親しんできたやり方が近い将来にやってくるものに対し備えておくために必要であるということの検証そして実現につながったのです。」とBerube氏。

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EXとCXを中心とした再構築

新型コロナウイルス感染症の症候が世に出る以前から、Berube氏はすでにZendeskの事業形式の改革にメスを入れていました。「ここでの理念は、我が社が現代社会での模範企業ということを示したかったのです。私達の目標は、Zendeskの最初で最高の顧客になることです。」

この目標の達成にはZendesk社内の自社製品の利用についての徹底的な見直しが必要となり、また同社のZendesk Sunshineプラットフォーム上で構築するというミッションがありました。これにより、また自社独自のプロフェッショナルサービス、カスタマーサクセス、ソリューションコンサルティング組織を活用することでエンドカスタマーエクスペリエンスに対する独自の洞察そして改善の機会を見出すことができるのです。

「ここでの理念は、我が社が現代社会での模範企業ということを示したかったのです。私達の目標は、Zendeskの最初で最高の顧客になることです。」

Berube氏いわく、ゴールはZendeskで業務を円滑にすることと、「従業員が社内でサポートが必要な時いつでもZendeskの経験を活かせるようにする」ことが目標です。自社製品を自ら使うことで従業員全員の自社製品に対する理解が深まり、お客様のエクスペリエンスをよく理解でき、お客様にとって正しいことを実践できる真の伝道者になれるのです。

従業員とお客様という二つのエクスペリエンスは密接なつながりがあります。最新のForresterレポートで明らかになったことは、最もサポートに従事した従業員を抱える企業は以前より顧客満足度が81%高く、また競合他社と比較して離職率は半分で競争上の優位性が決定的であるということです。

「CIOとして、技術的な知識や事業の運営方法だけでなく、その企業の事業内容、そして組織内の各部門がいかに機能しているかを深く理解しておかなければなりません。」とBerube氏は説明しました。「現代におけるITの役割はもはやすべての技術を実装することではなく、選択肢の指導や管理、アーキテクチャとソリューションの定義、そしてすべてにつながるサービスの開発です。」

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「現代におけるITの役割はもはやすべての技術を実装することではなく、選択肢の指導や管理、アーキテクチャとソリューションの定義、そしてすべてにつながるサービスの開発です。」

企業の中では、営業部門が営業のエクスペリエンスを向上することに注力したり、Eコマースがデジタルエクスペリエンスに着目したり、カスタマーアドボカシーがサポートエクスペリエンスの舵取りをすることは珍しいことではありませんが、エンド・ツー・エンドのカスタマー・エクスペリエンスを構築、測定、反復する時がやってきました。「組織の各部門が何を目指しているかを理解するほど、全体的なエクスペリエンスがより向上します。」

エクスペリエンスとエンド・ツー・エンドの考え方の重要性を強調するため、Berube氏はカスタマーエクスペリエンスシステムと従業員エクスペリエンスシステムという二つの重要な領域においてチームを再編成しました。「弊社ではZendeskをいずれのエクスペリエンスでも利用しており、私はチームメンバーには皆アウトサイド・インのアプローチでそれぞれのエクスペリエンスに焦点を当ててほしいのです。」

消費者がオムニチャンネルエクスペリエンスを企業に期待しているように、Zendeskの従業員の将来は「どこでも関与する」エクスペリエンスです。ビジョンとしては、従業員がトピックにかかわらず(例:人事、財務、IT)好きなチャネル(電話、チャット、メール、Slackなど)から質問したり問題を報告したりでき、容易に回答を得たりチケットを自動的に発行したりできるということです。「Zendeskの技術を導入してそのビジョンを強力にしたい」とBerube氏は言います。

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俊敏性と拡張性を考慮した構築

入社後、Berube氏はCIOという役職に加え、オペレーション担当上級副社長に昇格しました。現在彼女はグローバルIT、オペレーション、ビジネスアプリケーションおよびエンタープライズアーキテクチャ、エンタープライズデータおよび解析、そしてグローバルプログラム管理を監督しており、これには200名以上の従業員の監督が含まれます。

彼女がよく知っているように、成長するには柔軟性が必要です。2020年の主要イニシアチブに購入エクスペリエンスのアップグレードと簡素化、お客様のライフサイクルに沿った主要タッチポイントの最適化が含まれているのはこのためです。これにはワークフロー管理技術の実行も含まれ、再構築したZendeskのインスタンス、新規イントラネット、そしてより多くの自動化を通じて従業員のエクスペリエンスを新たに認識するのです。要するに、バックエンドの従業員に権限を与えお客様により効率的にサービスを提供できるようにするということです。

「昨年私達がしてきた活動でお客様の痛点の裏にある原因がつかめました」とBerube氏。彼女の組織が加えた変更により、2020年上半期の結果として、セルフサービスのお客様の拡張で2500万ドル、およそ2800時間の営業時間の回収が可能となり、お客様クレジットの25%が削減されました。

要するに、バックエンドの従業員に権限を与えお客様により効率的にサービスを提供できるようにするということです。

高度成長企業内のIT組織は、グローバル展開(Zendeskは17か所のグローバルオフィスを構えています)に備えておく必要があります。そうすることによって事業の急成長と共に拡大し、継続的そして増加する従業員のオンボーディングに対応し、バーチャル・ファーストの職場のサポートが実現できます。機転の利いたクラウドベースのアーキテクチャの構築とは、常にフットプリントを見直し、より効率的に作業できる機会を探し、そして収益を増大させるイニシアチブを支持することです。

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「スピードと俊敏性はZendeskで最も価値のあるふたつの属性であり、IT部門はこのいずれも実証し満たしています」とBerube氏。

今日のリーダーに示されている技術は使い切れないほどあります、とBerube氏は言います。マーケティングスペースだけを見ても、世の中には8000種類以上ものソフトウェアの選択肢があります。25年ほど前は、ITリーダーといえば皆コンピューターサイエンスの学位を取得しているものでしたが、今日ではソフトウェアの方がはるかに洗練されていて、そのソフトウェアを使いこなせる才能を持った人はたくさんいます。「私の見解は、命令し管理することから、ガイダンスを出し管理するやり方へ方向転換することです」とBerube氏。これはつまり「従業員と事業のニーズを理解し、適用する技術が確実に我々のニーズを満たし、事業が成長できるようにすることです。」

カスタマーエクスペリエンスを高めるには

Zendeskカスタマーエクスペリエンス動向レポートをご覧ください。