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CXでトップ企業になるには。賢い決断で未来のコストを回避する方法

「サポートにどうやってAIを導入すればよいか分からない」 「顧客データを有意義なデータとして活用できない」 「チームにどんな研修が必要かわからない」 こうした悩みを抱えているのならば、貴社は恐らくCXエマージャーかもしれません。

著者: Heather Hudson, 寄稿者

更新日: 2023年1月5日

貴社のCX組織はどの程度成熟していますか?

Zendeskは、カスタマーサービス分野の世界の意思決定者およそ5,000人を対象に、人材、プロセス、データ、テクノロジーに対する姿勢、行動、成果を測定する調査を行いました。 その結果に基づき組織のCX成熟度を評価するためのスケールを作成し、CX成熟度調査レポート2022年版としてまとめました。

7つの評価分野すべてで効果的なコミットメントを行う組織は7ポイントを獲得して「CXチャンピオン」と定義され、最もCX成熟度が高いランクに位置づけられます。 それ以外の組織は、6ポイントで「ライザー」、4~5ポイントで「エマージャー」、3ポイント以下で「スターター」にそれぞれ位置づけられます。

もちろん、重要なのはランキングではありません。このスケールは、貴社が取り組むべき適切な課題や対策を見極めるための目安です。 この記事では、調査対象となった企業のうち最も多くの企業が当てはまるCX成熟度、 「エマージャー」レベルに焦点を当てます。 順調な成長段階にあるエマージャー企業のサービス組織は、誤った初期投資による将来的な修正コストを避けるため、早い段階で適切なツールやプロセスを導入する必要があります。

歩みは順調

エマージャー企業はCX分野ですでにかなりの前進を遂げています。 分析機能の整備やサポートインスタンスの統合を完了し、場合によってはカスタムアプリを運用してサポートサービスや全般的カスタマーエクスペリエンスを強化しています。

それでもなお、エマージャー企業は以下のような課題に直面しています。

  • パーソナライズされた対話型のサービスを提供するために必要な機能や情報をサポートチームが備えておらず、対応に追われやすい
  • 顧客とのコミュニケーションには人的対応だけでなくボットも取り入れているが、AIや自動化を使ってさらにサービスを発展させるためのベストバランスの見極めができていない
  • 顧客データを有意義なデータとして活用できていない(調査で「十分に活用できている」と回答したエマージャー企業の割合はわずか27%)
  • パフォーマンス指標をカスタマージャーニーの継続的な改善に役立てることができていない(調査で「指標をリアルタイムで監視している」と回答したエマージャー企業の割合はわずか36%)
  • 従業員のスキル向上に必要なトレーニングプログラムを十分に提供できていない
  • カスタマーサービスの機会を販売に結び付けることができていない
  • 営業データとサポートデータが十分に統合されておらず、目標を共有しづらい

もしこのような状況に心当たりがあれば、以下の記事はきっと役立つはずです。 CX成熟度が高い企業であっても苦戦するいま、カスタマーエクスペリエンスで差別化を図り、業績アップと市場シェア獲得を目指すエマージャー企業には十分なチャンスがあります。 断片化した社内システムの統合やカスタマージャーニーの一元化を検討しているリーダーは、今こそ決断のときです。

顧客を笑顔にする組織力の強化

今後の課題は、チームを次のステージに導き、さらにその上を目指すためのコストと組織力の調整です。 サービスの質を高め、サポートスタッフに投資し、事業運営を最適化するための具体的なアクションを、以下にまとめます。

顧客のサポート:

  • 自動化による効率アップ: 顧客へのセルフサービスチャネルやボットによるサポートの提供によりサポートチームの負担が軽減され、カスタマーエクスペリエンス全体の質が向上します。 チケット転送システムや自動メール通知機能を設定すれば、冗長なタスクや管理コストも削減できます。
  • データを活用してワークフローを最適化: ヘルプセンターのコンテンツが、顧客からよく受ける質問に合致しているかどうか定期的に監査を行い、必要に応じてワークフローを調整しましょう。
  • 背景情報の活用: 顧客との過去のやりとりを参照しながら対話を進めれば、よりパーソナライズされた体験と親近感を与えることができます。

エージェントのサポート:

  • 能動的なサービスの提供: AIを搭載した推奨機能を導入すれば、顧客に対して関連性の高いナレッジベースの記事やおすすめ商品をタイムリーに表示できます。
  • 顧客のフィードバックを改善につなげるループをつくる: 統合型のエージェントワークスペースなら、サポート担当者は顧客情報や回答内容の確認のために複数システムを行き来する必要がなくなり、すべてのチャネルで適切かつパーソナルな対話型サービスを提供できます。
  • 価値ある投資を行う: 既存の技術スタックに接続できるサポートプラットフォームに投資しましょう。リソースの分散を抑えつつ、サポートチームのカスタマイズ機能を拡張できます。

オペレーションの効率化:

  • CXのエキスパートチームを編成する: まず定量調査と定性分析を行い、CX組織としての強みと弱みを明らかにしましょう。 その結果を基に、リーダーによって構成されるエキスパートチームを結成し、社内プロセスの改善や技術的なギャップを埋めるための機能を特定します。
  • サポート担当者のスキル強化: 段階的なトレーニングプランに沿って発展の機会を提供しましょう。 トレーニングは製品知識、基本的な技術情報から始め、その後は知識やスキルの定期的な強化に取り組みます。サポートチームが複数のチャネルで質の高いサービスを提供できるようになることが重要です。
  • パフォーマンスを指標化する: パフォーマンス指標(初回応答時間、平均処理時間、顧客満足度など)とビジネスインパクト指標(ネットプロモータースコア®、顧客努力目標など)の目標値を決め、追跡します。

どんなサービス組織であれ、常に改善の余地はあります。 エマージャー企業には、カスタマーエクスペリエンスと従業員エクスペリエンスを両方改善するための多くの選択肢があります。また長期的計画に基づいてどんなやり方が有効かをテストしその結果に応じて調整できるというメリットもあります。

組織のCX成熟度が高まるにつれ顧客の期待もいっそう高まり、ますます失敗が許されなくなります。 顧客生涯価値の向上、運用コストの削減、冗長なタスクを排除した有意義な自動化、ベストプラクティスの採用など、エマージャー企業のリーダーが課題を克服することの効果は計り知れません。

さらに新たな高みを目指すには、CXライザー企業の取り組みをご覧ください。