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顧客セグメンテーションとは? メリット・方法・手順

サポートに顧客セグメンテーションを利用しないと、大きな損失につながります。この記事では、サポートチームに向けてセグメンテーションの活用方法をご紹介します。

発行日: 2021年3月19日
更新日: 2021年3月19日

人間は集団を作る生きものです。会社の休憩室でも、学校のクラブ活動でも、SNSでも、私たちは知らず知らずのうちにグループを作っています。

グループとは、地理的条件、キャリア、趣味など、何か共通点のある人々の集まりのことです。グループのメンバー全員の心をつかみたいなら、その共通点に働きかけるのが一番です。

顧客を理解しようとするときも同じことが言えます。顧客とのつながりを深めるには、共通の特性に基づいて顧客をグループ分けするとよいでしょう。

これは特に、サポートチームが押さえておくべきポイントです。顧客は、今抱えている問題をサポート担当者が理解し解決してくれることを期待しています。各グループについてよく理解していれば、グループごとに最適なソリューションを見つけられるようになります。

このように、共通の特性に基づいて顧客を分類することを「顧客セグメンテーション」と呼びます。顧客セグメンテーションを利用すれば、サポートのパーソナライゼーションに必要な情報を収集しやすくなります。

顧客セグメンテーションとは

共通点に基づいて顧客をグループ分けすることです。

Zendeskのエンタープライズグローバルアドボカシー担当シニアディレクター、Benjamin Colletは、「何らかの基準で顧客ベースをグループ分けして、それぞれに適したカスタマーエクスペリエンスを提供すること」だと述べています。

顧客セグメンテーションの方法は、目的によってさまざまに異なります。たとえば、顧客の行動(購買傾向など)や人口学的な特徴(年齢、居住地など)を基準に顧客をグループ分けすることができます。どのような基準を用いる場合でも、セグメンテーションを利用すれば、顧客のニーズをすばやく満たせるようになります。

サポートに顧客セグメンテーションを利用するメリット

顧客セグメンテーションを利用すると、パーソナライズされたカスタマーエクスペリエンスを提供することができます。その結果、自分のことをよく理解してくれていると顧客に感じてもらえるようになり、顧客の満足度とエンゲージメントが高まります。

Colletは次のように話します。「顧客のニーズに合わせて対応を変えることは、顧客と有意義な関係を築いて、ビジネスの成長とロイヤルティの向上につなげるための重要な方法の1つです」

関連度の高いサポートを提供できる

顧客のセグメントが異なれば、必要なソリューションも変わってきます。

「たとえば、小規模企業の顧客に大企業向けのソリューションを提供したら、顧客はどう思うでしょうか。開発者の数が限られているのに自前の統合ソリューションの構築を提案されたり、高価なプロフェッショナルサービスを勧められたりしたら、きっと困惑するに違いありません」(Collet)

反対に、大企業の顧客に小規模企業向けのサポートしか提供できないのも大きな問題です。

顧客セグメンテーションを利用すれば、こうした問題も解消されます。事業規模によって顧客をグループ分けしておくと、担当者が適切なサポートソリューションを提供できるようになります。たとえば小規模企業には、セルフサービス中心の簡潔なソリューションを、大企業には、場合に応じて、人間の手によるスピーディでしっかりとしたサポートが利用できるようなソリューションを提供します。

迅速なサポートを提供できる

セグメンテーションを利用すれば、カスタマーエクスペリエンスを合理化し、スピーディに対応できるようになります。

顧客をセグメント化すれば、サポートに必要な情報を担当者があらかじめ把握しておけるようになります。たとえば、新規の問い合わせが届いたときに、同じセグメントの他の顧客から同じような問い合わせがなかったかを確認し、それを参考にソリューションを提供するといったことが可能になります。問題を把握するためにそれぞれの顧客情報を詳細に調べる必要がないため、担当者の時間が節約されます。

また、サポートに必要な情報を把握していれば、初めから適切な担当者を割り当てることができます。

「顧客にとって、『申し訳ありません、そのご質問については別のチームがお答えします』と言われるほど苛立つことはありません」(Collet)

Zendeskでは、顧客セグメントの特性に基づいてサポート担当者を分配して、お客様が複数の担当者にたらい回しにされることを防いでいます。サポート担当者1人につき対応する製品ラインやセグメントを1つに限定すれば、担当者は製品ライン、セグメント別によく寄せられる問題が理解できるようになり、その結果、問い合わせにスピーディかつ詳細に回答できるようになります。

顧客セグメンテーションの例:同じような質問に回答する

多くの小規模企業は、製品を使用し始めた段階で同じような問題にぶつかっています。このため、ライフサイクル初期の小規模企業に対応するサポート担当者の元には、繰り返し同じ質問が寄せられることになります。担当者が他の分野も併せて担当している場合、顧客の質問に答える前に調査が必要になることがありますが、その分野専門の担当者なら、既に何度も同じ質問に回答しているため、すぐにソリューションを提供することができます。

「顧客セグメンテーションを利用することで、ターゲットを絞り込んでサポートを提供できるようになります。これは、サポート担当者にとっても顧客にとっても良い結果につながります」(Collet)

セグメンテーション分析を通じて隠れた問題を発見できる

顧客セグメンテーション分析を用いれば、さまざまなパフォーマンスに関するトレンドを調査したり、セグメントごとに特有の問題を発見したりすることができます。

顧客セグメンテーションの例:指標で絞り込む

たとえば、顧客満足度のスコアが低下していたとします。ライフサイクルのステージ別に絞り込んで見ていったところ、古くからの顧客の満足度が特に下がっていることがわかりました。こうした情報があれば、顧客維持の戦略を適切に立てることができます。

また、セグメント間で比較すれば、そうした問題がセグメントをまたいで発生していないかどうかも確認できます。では、ライフサイクルのあらゆるステージで顧客満足度が下がっている場合は、どう判断すればよいでしょうか。この場合は、個々のセグメントに問題があるのではなく、何か根本的な問題が隠れている可能性があります。

顧客セグメンテーションの3つの方法

顧客セグメンテーションは、画一的な方法では取り組めません。

「すべてのビジネスにフィットする万能なアプローチはありません。データをよく分析したうえで、顧客、サポート担当者、企業全体にとってどのようなセグメンテーションモデルが適切なのかを考える必要があります」(Collet)

顧客をどう分類してよいかわからない場合は、他の多くの企業と同様に、人口学的な特徴、価値、ライフサイクルのステージといった基準に注目してみましょう。

人口学的な特徴で分類

人口学的な特徴に基づいたセグメンテーションでは、顧客を性別、年齢、収入、教育レベル、居住地などで分類します。

このタイプのセグメンテーションは、マーケティングチームによく利用されます。これを利用すると、特定の世代または地域の顧客に向けてメッセージをパーソナライズすることができます。

これはサポートチームにとっても有用なアプローチです。

たとえば、年齢別に顧客を分類すれば、それぞれの年齢層でどのようなコミュニケーション手段が好まれるかを判断できます。若い世代はチャットやSNSでのサポートを好み、シニア世代はメールや電話でのサポートを好むことがわかってくるかもしれません。

年齢によるセグメンテーションは、顧客とどんなトーンでやり取りするべきかを考えるうえでも役立ちます。たとえば、Z世代の顧客とSNSでコミュニケーションをとるなら、絵文字を使ってみるのも手です。しかし、ベビーブーマー世代の顧客とメールでやり取りする場合は、より丁寧な言葉遣いできちんとした文章を書いた方がよいでしょう。

顧客セグメンテーションの例:特殊な状況でのセグメンテーション

自然災害が発生したときは、地域別に顧客を分類し、それぞれの地域に適したサポートを提供するとよいでしょう。被災地のセグメントにすばやくリーチし、必要に応じて特別なサポートを提供することができます。


価値・コストで分類

自社にどれくらいの経済的な価値をもたらしているかといった観点から顧客を分類すると、最も価値の高い顧客へのサポートを強化できます。

大きな収益につながらない顧客については、サポートのレベルを考え直した方がよいかもしれません。

「たとえば、小規模企業の顧客が毎月2、3回ほどサポートチームに問い合わせてきているとします。電話サポートにかかるコストは1件あたり45ドルですが、この顧客の製品支出額はわずか15ドルです。これではサービスが過剰すぎるという見方もできます」(Collet)

ただし、この場合、サポート規模を縮小するのが最良の方法とは限らないとColletは強調します。まずは、電話よりコストを抑えられるサポートチャネルがないか探してみましょう。

収益性の低い顧客にはコストのかからないソリューションを適用すれば、収益性の高い大企業の顧客へのサポートを強化できます。大企業の顧客は、コミュニティフォーラムやボットでは解決できない複雑な問題を抱えていることが多いのです。

顧客セグメンテーションの例:電話サポートの順番待ちをなくす

電話でよく寄せられる質問を特定し、そうした質問を減らすための良い方法がないか考えましょう。たとえば製品に改良を加えれば、質問自体をなくせる可能性があります。また、FAQページやコミュニティフォーラムに質問への回答を記載するという方法もあります。


ライフサイクルのステージで分類

ライフサイクルのステージに基づいたセグメンテーションでは、カスタマージャーニーのどの段階にいるかによって顧客をグループ分けします。この方法を用いると、ステージが進むにつれて、顧客のサポートに関するニーズが変化することがよくわかります。

「ユーザーは次第に、製品をどう使うのかといった基本的な質問ではなく、製品を効率的に使うにはどうすればよいかといった質問をしてくるようになります。時間の経過と共に事業が複雑化すれば、サポートのニーズも複雑になってくるものです」(Collet).

顧客は、変化するニーズに応じて、サポートチームも対応を変えてくれることを期待しています。これは、特に古くからのBtoB企業の顧客の場合に重要となってきます。通常、ビジネスは成長に応じて複雑になっていきます。引き続き事業を拡張させていくうえで、BtoB企業にはサポートチームの力が欠かせないのです。

「顧客としては、自社のビジネスが成功し、より複雑で緊急性の高いニーズが生まれていくのに応じて、サポート内容も変えていってほしいと思うわけです。顧客と信頼関係を築くうえで、この点は押さえておく必要があります。顧客にとってパートナー企業は、自分たちのライフサイクルに足並みを合わせてくれる存在でなければなりません」(Collet)

顧客セグメンテーションの例:オンボーディング段階の顧客

オンボーディングの段階にある顧客は、多くのサポートを必要とする傾向にあります。製品の使い方にまだ慣れていないため、さまざまな問題が日常的に発生します。オンボーディングからリテンションにステージが移行すると、サポートのニーズは変化します。

顧客セグメンテーション戦略の作成手順

顧客セグメンテーション戦略は、顧客の分類方法やその背景を示すロードマップとして機能します。なぜセグメンテーションを利用するのか、どのようなモデルを使用するのかをはっきりさせておきましょう。

手順1:事前にゴールを設定する

顧客をグループ分けする前に、まずはセグメンテーションがビジネスや顧客にどのような影響を与えるのか、広い視野で考える必要があります。

企業全体のゴールを明確にする:これにより、どのようなセグメンテーションが自社のカスタマーエクスペリエンス戦略全体にフィットするのかを見極めることができます。

「たとえばコスト効率を重視した戦略なら、セルフサービスやボットを活用したエクスペリエンスに焦点を合わせたセグメンテーションが効果的でしょう」(Collet)

顧客のゴールを考慮する:顧客がオンボーディングに手間取っている場合は、セグメンテーションを利用して、初期ステージの顧客に対応する担当者の数を増やすとよいでしょう。

「セグメンテーション戦略を作成するときは、顧客のニーズに合わせてサポートの品質を最大限に高めるにはどのようなセグメンテーションを使うと効果的なのか、よく考えることが重要です」(Collet)


手順2:自社に最適なセグメンテーションモデルを決める

上記で挙げたゴールを念頭に置きながら、自社の顧客ベースにはどのセグメンテーションモデルが最適かを考えていきます。

まずは社内で使用されているモデルを利用する:社内の他の部門が既に顧客セグメンテーションを利用している場合は、まずそのモデルを試してみましょう。社内のすべてのチームが同じ方法で顧客をグループ分けしていれば、顧客のニーズについて検討する際に共通のフレームワークを使用できることになります。

「営業チームやカスタマーサクセスチームがセグメンテーション戦略を作成しているなら、そのモデルを利用してみましょう。サポートチームでも意外とうまく機能するかもしれません。この方法には、他のチームとの連携を高め、協力してサポートを提供できるようになるというメリットもあります」(Collet)

他のチームで使われているセグメンテーションモデルがうまく機能しない場合は、目的に合わせてサポートチーム専用のモデルを考えましょう。

たとえば、サポートチームが顧客の事業規模に合わせてソリューションを拡張できていないのなら、事業規模で顧客をグループ分けしましょう。そうすれば、それぞれの規模に適したサポートを提供できるようになります。

あるいは、顧客ベースの年齢層が幅広い場合は、人口学的な特徴で顧客をグループ分けしましょう。それぞれの年齢層が好むチャネルでサポートを提供できるようになります。年齢層ごとにチャネル戦略を変えれば、顧客満足度も高くなるでしょう。


手順3:定期的に戦略を見直し、必要に応じてサービスを調整する

セグメンテーションの成果が出ないときは、戦略に変更を加えましょう。

セグメンテーションの一番の目的は、顧客に合わせて対応をカスタマイズすることです。カスタマイズしたエクスペリエンスを提供することで、問題解決のプロセスが合理化され、顧客満足度が向上します。そして、最終的な目的は、サポート担当者が顧客をよく理解し、スピーディにソリューションを提供できるようになることです。こうした目的が達成されない場合は、セグメンテーションモデルが適切でない可能性があります。

最初から適切なモデルが見つかることはなかなかありません。時間はかかるかもしれませんが、根気よくさまざまな方法を試してみてください。

顧客セグメンテーションの例:顧客満足度が向上しない

セグメントごとに異なるアプローチをとってみたものの、特定のセグメントの顧客満足度が向上しない場合は、別の方法を試してみましょう。もしかしたら、現状のソリューションが適切でないのかもしれません。たとえば、シニア世代の顧客との主なコミュニケーションにSNSを利用しているケースなどです。

各セグメントに提供するエクスペリエンスに少しずつ変更を加えていき、顧客ベースの心をつかむ方法を探し出しましょう。

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