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CX Trends 2024: インテリジェントなCXでビジネスの未来を切り拓く

AI、自動化、データ分析の普及やそれらによる劇的な変化など、これからのインテリジェントなCXの時代にすべてのCXリーダーが知っておくべき最新のCXトレンドをご紹介します。

著者: Adrian McDermott, Zendesk最高技術責任者

更新日: 2024年1月19日

AIやデータ分析をはじめとする最新テクノロジーの急速な進化とともに、CX(カスタマーエクスペリエンス、顧客体験)の世界にも業界の基盤を揺るがす劇的な変化が訪れています。いま企業は、技術スタックからチーム編成まで、CX体制のすべてを根本から見直しています。こうしたトレンドは、今後数年の間に、サポートを受ける顧客とそれを提供する組織との関係のあり方に、根本的な変化をもたらすでしょう。

これはすべての企業にとって未知の領域ですが、いまある課題と可能性を理解し的確なプランに基づいて取り組む企業にとっては大きな成果を生み出すチャンスでもあります。コストの大幅な削減から顧客との関係強化まで、顧客と企業との間にまったく新しいつながりをもたらすのが、インテリジェントなCXです。

Zendeskは、CXとそれに関係するすべての人の体験をどうしたらより良いものにできるのか、常に考え続けています。今年で6度目となるZendeskのCXに関する年次調査レポート「CX Trends」は、これまでで最も重要かつ有意義な内容となっています。

本記事では、インテリジェントなCXの時代をリードする10のトレンドを分ける3つのイノベーション領域を紹介します。

AIと最新テクノロジー

最高のCXとは、利用者にとって「ほかの人とは違う、自分だけのためにパーソナライズされたサービス」と感じられるような利用体験です。Zendeskが世界のCXリーダー約4,500人に行った調査によると、CXリーダーたちは生成AIを通じたデータの活用により、利用者にとって人間味と親しみが感じられる、パーソナルでインタラクティブな利用体験を実現できると考えています。

70%のCXリーダーが「今後2年間で各タッチポイントに生成AIを組み込む予定である」と回答

CXリーダーらとそのチームはAIの効果的な運用方法を求めて試行錯誤を重ねていますが、成功したあかつきには必ず努力に見合った成果が得られることを信じています。そしてAIのメリットによる業務効率の改善により、サポートチームはより高度な作業に集中できるようになり、いっぽう顧客とのチャットボットでのやり取りやメールの品質も大きく改善されると期待しています。

また消費者の側でも、こうした変化に大きな期待を寄せています。世界の消費者約2,500人のうち59%が「AI技術によって企業との関わり方が大きく変わることを期待している」と回答しています。

CX Trends 2024の冒頭のセクションでは、AIの力でチャットボットを真のデジタルエージェントに変える方法、AIの透明性確保とAIによる意思決定の自動化がいま企業にとっての最優先課題の一つである理由、そして戦略、ツール、役割への影響など、AI諸課題についてのCXリーダーとチーム間の見解のギャップなどについて解説しています。

データのセキュリティと信頼性

大量の顧客データをどこまで効果的に活用できるかは、企業が長年直面してきた最大の課題の一つです。インテリジェントなCX時代に突入した今、企業はその時々の状況に応じて柔軟にかつ瞬時にユーザー体験を調整できるシステムの構築を重視しており、そのためのリアルタイムなデータの活用の重要性を認識しています

62%ものCXリーダーが「消費者が求めるリアルタイムな利用体験を実現できていない」と回答

多くの企業がいまだに顧客ニーズの予測、問い合わせへの迅速な対応、きめ細やかにパーソナライズされたユーザー体験の提供を実現できていないということは、これらの課題の実現がどれほど難しいかを示しています。こうした利用体験を実現するには、さまざまなデータソースからの情報を瞬時にかつ効果的に集約する必要がありますが、この取り組みにもAIが効果が発揮することが証明されています。

CXリーダーたちは、状況に応じてユーザー体験を瞬時にきめ細かに調整するシステムを着実に構築しつつありますが、一方でデータプライバシーの課題など、避けて通れない多くの新たな課題に直面しています。その結果、CXリーダーたちは、カスタマージャーニー全体に強固なセキュリティをシームレスに組み込む必要に迫られています。

次世代のスマートなエクスペリエンス

オンラインショッピングが消費者にとって当たり前の買い物手段になって数十年が経ち、インターネットを通じた商品やサービスの売買は、今も進化し続けています。今日、オンラインショッピングの未来に向けたトレンドとなっているのが、スピード感のあるスマートな体験です。

消費者は企業とチャットでやりとりしながら商品を購入できる「対話型コマース」に期待を寄せ、製品を十分に理解したうえで即座に購入できるライブストリーミングが世界中で利用されています。シームレスなショッピング体験というだけでは、もはや十分ではありません。より魅力的で、充実した情報が提供されていると感じられるような体験が求められています。

消費者が担当者とのチャットにより直接商品購入の機会を得られると感じている割合は全体のたった34%

ライブストリーミング体験の提供のため、CXリーダーは適切なテクノロジーへの投資と、外部パートナーを通じて得られる専門知識を必要としています。またライブストリーミングや対話型コマースを実装するには、CXリーダーはチームに適切かつ十分なトレーニングを実施すると同時に、顧客データの保護を保証するためプライバシーポリシーを見直す必要があります。

これら次世代型のユーザー体験には、音声チャネルの改良も含まれています。AIを搭載したデジタルエージェントの実用性が高まるにつれ、音声チャネルは、より複雑な問題に対処する人間の担当者によるサポートに欠かせない機能となるでしょう。また、人員体制管理のための予測機能を持ったワークフォースマネジメントツールは、CXリーダーがチームのポテンシャルを最大化して業務効率を上げるうえで、ますます大きな役割を果たすようになるでしょう。

インテリジェントなCXの時代がいまここに

CXの新時代を乗り切るのは困難なように思われるかもしれません。Zendeskは、最新技術の正しい理解と的確な支援で、CXリーダーの皆様のインテリジェントなCXの構築に向けた取り組みをサポートします。そして2024年も引き続き、このCX新時代にユーザー企業の皆さまが最大の成果を上げられるよう、優れたインサイトとベストプラクティスをお届けしていきます。

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