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業務改善によるコスト削減の推進

不況や景気低迷に直面する企業は、当然ながらコスト削減の方法を探ります。 コストセンターとみなされるチームはいずれも、重大な課題に直面する可能性があります。そのため、カスタマーサービス関連の組織は効率化が期待できる分野に優先的に投資することが必要となります。

著者: Colleen Berube, Zendesk、CIO兼オペレーション担当SVP

更新日: 2023年1月27日

冷静になろう このありふれた助言も、過去10年以上で最悪の景気後退の1つに直面するリーダーにとってはなかなか難しいものです。

インフレ率が過去40年で最高を記録したことを受け、AmazonFedExMetaなどの企業は、打って変わって受け身の姿勢に転じています。 しかし、ピンチはチャンスです。 今こそ、冗長な仕事の排除、ワークフローの合理化、非効率なやり方の廃止に取り組み、従業員の生産性と業務効率の改善に投資する絶好のタイミングです。

カスタマーサービスのリーダーにとって、カスタマーサービスの品質を損なうことなくコスト削減を実現する最善の方法の1つは、自動化への転換、および顧客自身または顧客同士で問題解決できる仕組み作りを導入することです。 これにより、顧客満足度の向上が期待できます。 エージェントエクスペリエンスの改善に投資して、顧客の問題解決を容易にし、効率化することもできます。 これを実現することで、顧客と従業員の双方のエクスペリエンスを向上し、Win-Winな関係を築くことができます。

人員増員ではなくツールに投資する

サービスチームにとって、限られたリソースで、さらなる業務の拡大に挑むことは珍しくありません。 不況の兆候が見られるとすぐに、多くのリーダーは非常事態の体制をとる傾向があります。それは、雇用の停止および人員削減の両方を実施することが、コスト削減において最も効率的な手段の1つだからです。 一方で、賢明なリーダーは、優れたカスタマーサービスの提供と並行して、業績改善を推進する手段としてテクノロジーに目を向けます。 クリエイターが双方向性のリアルタイム3Dコンテンツを構築できる開発プラットフォームとして、Unityは2019年から2020年にかけて急成長を遂げました。 企業の拡大に併せて、送られてくるチケットの数も増加しました。 新規チケットの数が56%も上昇したため、同社はサポートサービスを拡大する方法を見つける必要がありましたが、スタッフの追加は選択肢にはありませんでした。

Unity Technologyのサービスサポート部門シニアマネージャーであるDavid Schroeder氏は、Zendeskの自動化およびセルフサービス機能を導入して、サポートチームのワークフローの時短に取り組みました。

「Zendeskのツールのおかげで、すぐにチケット数の大幅な増加に気づき、原因を特定し、そして問題の緩和に向けた工程を計画することができました」とSchroeder氏は語ります。 「Zendeskなくしては、サポートチームの改善はなかったでしょう。」

結果として、Schroeder氏と彼のチームには大きな成功が待っていました。

「Zendeskのおかげでセルフサービス型サポートを提供できるようになり、昨年はチケットを約8,000枚も減らすことができました。 またチケットの減少により、合計で約130万ドルも節約できました」とSchroeder氏は話します。

業務を効率化

2015年に設立したVeyoは、テクノロジーを駆使した運送仲介業者として、メディケイド(低所得者向け医療制度)とメディケア(高齢者向け医療保険制度)の利用者に日々35,000台の搬送を提供しています。

Veyoの非緊急医療搬送(NEMT)サービスにおける、運転手、顧客、パートナー、医療従事者のデータ管理は不便なものでした。 データの情報源が非常に多いため、エージェントは運行ごとに紐づけられた複数のチケットの管理に手を焼いていました。

会社の拡大に伴い、VeyoはZendeskを導入してチケット管理を合理化することで、エージェントのメール対応を自動化し、機密情報を安全かつ確実に一元管理できるようにしました。

コマンドセンターオペレーションディレクターのAllison Hill氏は、「Zendeskの導入によって、増員コストを年間約45万ドル削減し、さらに顧客満足度(CSAT)も業界基準を5%も上回ることに成功しました」と話します。

この新たなデジタルワークフローによって、Veyoおよびその顧客は年間およそ2,000時間も節約できています。 エージェントは、無駄な時間、リソース、および反復的な仕事の削減や、コストを抑えながらも、カスタマーエクスペリエンスの全体的な改善を実現するこのチケットの劇的な効果をすぐに感じることができます。

効率化を重視する

サービス提供にAIを活用していない場合は、AIを導入して冗長かつ重要度の低いタスクを排除することで、業務コストの削減につながります。 このような時短ワークフローは、ツール、トレーニング、またはスタッフに追加投資することなく、インバウンドの対応を削減できます。 カスタマーサービスでは、AIは3つの主要分野で活躍します。それは、タスクの自動化、コンテンツの提案、顧客からの次の要求の予測、というものです。

コストを削減し、エージェントをサポートするための別の方法は、縦割り構造の働き方を避けるということです。 サポートプラットフォームに加えて、容易なコミュニケーションと、問題解決に必要な回答の迅速な取得を可能にするコラボレーションツールを通じて、エージェントを最適なチームにつなげることも可能です。

また、顧客がエージェントを介さずに自ら問題を解決できるように、よくある質問を集約して堅牢なナレッジベースを今のうちに構築するのも効果的です。 エージェントの労力を削減するために、一般的な疑問を顧客同士で解決できるようなコミュニティフォーラムを追加することも費用対効果の高い方法の1つです。

コスト削減と今後の成長に向けた投資の間で最適なバランスを見つけるのは、確かに難しいものです。 しかし、そのようなときこそ、テクノロジーを駆使してそのメリットを最大限に活用するチャンスかもしれません。

コスト削減と時間創出を両立。カスタマーサービスへの投資で大きな効果を期待できる他の導入事例はこちら。

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