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景気後退期におけるカスタマーサービスの役割

変化への備えは常に欠かせません。 カスタマーサービスへの投資によって最大限の効果が期待できる分野に注力し、コスト削減と時間の創出の両方を実現するツールと機能を活用しましょう。

著者: Scott Morris, Zendesk、グローバルマーケティング部門SVP

更新日: 2024年2月24日

連日、世界中で不況の到来を危惧するニュースが見出しを飾る中、私たちは不況が本当に訪れるのか、それがいつになるのか、また、どれほど深刻でどのくらいの期間が予想されるのか、という疑問を抱きます。

人々の不安は高まっていますが、先行きが不透明な状況は今回が初めてではありません。 むしろ、私たちはこの数年間で、変化を予期して対策を講じなければならないことを学んできました。 そして多くのことが変動し続ける状況を見届けてきました。

現在、世界ではさまざまな国々がインフレや生活コストの上昇といった問題の解決に取り組んでおり、さらに雇用の冷え込みの兆候も指摘されています。 業界や地域によって影響の度合いは異なりますが、パンデミック、ウクライナ情勢、進行するサプライチェーン問題といった複合的な損失によって、世界経済は総じて混乱が続いています。

食品、ガソリン、および消費者向け商品やサービスにおけるコストの上昇が現実に生じており、以前から貧困や政情不安に苦しむ世界の地域では、特に深刻な状況に発展しています。 世界または国レベルで、あるいはコミュニティや職場で感じ得る景気減速について世界銀行が繰り返し報告を発表する中、今あるものを守るためにどう取り組むのが最善か、どこに投資すべきか、と悩むこともあるかもしれません。

見識は現実に影響する

このような状況に置かれると、現状維持、ましてや投資やプロジェクトの発展を中断して停滞する方向に気持ちが傾いてしまうこともあります。 しかし、デジタルファーストを早々に取り入れた企業ほど、変革への対応が容易であることがパンデミック初期において明らかになっています。

調査会社のIDCが発表した、景気後退期のIT投資ガイド「Navigating Through the Storm of Distuption(混乱の時代を生き抜く)」によると、IT企業の経営幹部の72%は間もなく景気後退が訪れると考えており、さらに北米における回答者の40%はすでに景気後退期に突入していると認識していることがわかっています。

このガイドは、景気後退がすでに到来しているか、またはすぐに訪れると考えるリーダーの意思決定をサポートするものです。 また同調査では、IT関連購入者の50%が、景気後退によってIT予算が全体的に、あるいは限定的に制限されることになると考えていることがわかりました。 しかし、中には楽観的な見方もあるようです。 IDCによると、回答者の多くが景気後退は「緩やか」であり、1年も続かないと予想しています。 景気後退に対する最高経営幹部層の見解においては、回答者の40%近くがIT予算の引き上げは依然として可能であると述べています。

カスタマーサービスリーダーと同様に、ITリーダーにとっても業務コスト削減には自動化への投資が必要です。 IDCは「2025年には、インフラストラクチャ、セキュリティ、データ、ネットワーク製品の60%において、広範囲な自動化を提供し、継続的な業務コストの大幅な削減を保証するクラウドベースの管理プラットフォームの導入が必要になる」と報告しています。

顧客の期待は変わらない

1つ確実にいえることは、顧客の期待は依然として高まっており、困難な状況で顧客とどう向き合うか点が重要だということです。 CXトレンド2022年の調査では、顧客の60%以上がカスタマーサービスに求める基準が高くなったと回答しており、顧客エンゲージメントは2021年と比較して14%も上昇したことがわかっています。 これは、仕事量が増加したことを示す一方で、企業が顧客とのつながりや関係を構築するチャンスであるともいえます。

重要なポイントです。 上記の調査に続いて発表されたCX成熟度調査レポート2022では、サポートチームにおける顧客維持(またクロスセルやアップセルといった顧客へのアプローチ)能力の重要性が示されており、企業の64%が、カスタマーサービスは自社の収益にポジティブな影響を与えると回答しています。

また、AIと自動化があらゆるサービス対応において顧客対応を大きく改善する可能性を秘めており、有人対応自動化の最適なバランスを見出すことが重要であることもわかっています。

サービス組織が今から取り組めること

2023年においては、リーダーは厳しい予算決定を迫られるか、またはその決定をチームに共有することになるでしょう。 いずれにせよ、その予算の範囲内で顧客満足を実現する必要があります。

そこで、来年中にリーダーが直面する可能性のある主要課題をいくつかピックアップして分類し、今後数週間にわたってご紹介していきます。 また、以下の課題の達成に向けて今から取り組めるアクションもご紹介します。

私たちは、Zendeskユーザーから寄せられたサクセスストーリーに刺激をいただいています。また、これらの事例が貴社にもインスピレーションをもたらし、成功につながるヒントとなれば幸いです。

変化への適応、チーム内の回復力の強化、そして不透明な状況への対処は、決して楽な仕事ではありません。 どの企業も、カスタマーエクスペリエンスの質を損なうことなく、従業員、予算、時間、ツールなどのリソースに気を配らなければならないのです。 創造性には制約が伴うことがしばしばありますが、その先にきっとすばらしい展開が待っています。

*IDC、Navigating Through the Storm of Distuption: A Recession Playbook for IT Investments、文書番号: US49790822(2022年10月)

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