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カスタマーサポートとは?定義・重要性・成功のための10の戦略

カスタマーサポートとは、顧客の問題解決を支援する業務およびその部署・担当者を指します。この記事では、カスタマーサービスとの違いやビジネス成長に重要な理由、優れたサポートを実現する10の戦略を解説します。

Mozhdeh Rastegar-Panah

製品マーケティング担当シニアディレクター

家具の組み立て中にスマートフォンでカスタマーサポートに問い合わせている顧客のイラスト

カスタマーサポートは今、かつてないほど注目を集めています。ZendeskのCXトレンドレポート2026年版によると、消費者の72%が「たった一度の悪いサービス体験で競合他社に乗り換える」と回答しており、サポート品質がビジネスの成否を左右する時代に突入しました。さらに、消費者の60%がこの1年でカスタマーサービスに対する期待水準が上がったと答えており、企業への要求は年々厳しさを増しています。

こうした変化を受け、CXリーダーの72%が「現在の経済環境によって、カスタマーサービスは自社のビジネス成功にとって一層重要になった」と認識しています。消費者の82%は商品・サービスを選ぶ際に「迅速な対応と正確な問題解決をしてくれる企業を優先する」と回答しており、競争が激化するデジタルファーストの時代において、顧客に対して迅速かつ的確なサポートを提供することの重要性は明らかです。

メールやメッセージングアプリ、SNS、電話など、顧客が利用するあらゆるチャネルで問い合わせ対応を行い、問題解決を支援することは、どの企業にとっても最優先事項といえるでしょう。この記事では、カスタマーサポートについて押さえておくべき基本を解説します。

目次

カスタマーサポートとは?

カスタマーサポートとは、顧客が製品やサービスで問題を抱えた際に支援を提供する業務およびその部署・担当者を指します。その本質は、顧客が自社に解決を求めてきた問題を、確実に解決へと導くことにあります。

カスタマーサポートの変遷

カスタマーサポートの重要性は以前から認識されていましたが、今や企業間の差別化を図るうえで欠かせない要素となっています。顧客にとっての重要な選定基準であり、それ自体が収益を生み出す力を持つ存在です。老舗企業であれ成長途上のスタートアップであれ、優れたカスタマーサポートチームは新規顧客の獲得、既存顧客の維持、そして既存顧客への追加販売に大きく寄与します。

また、カスタマーサポートは単に個々の問題を素早く解決するだけの存在ではなくなりました。顧客との長期的な関係を構築し、一つひとつのやり取りをより深く価値あるエンゲージメントの機会へと変えていく役割を担っています。

顧客から寄せられる期待も高まり続けており、迅速で手軽かつ効果的なサポートを求め、それが得られなければ他社への乗り換えも簡単に検討されてしまいます。ビジネスが成功するかどうかは、多くの場合、顧客の期待を上回れるかどうかにかかっています。

カスタマーサービスとカスタマーサポートの違い

ここまではカスタマーサービスのことを話しているかのようでしたが、そういうわけでもありません。カスタマーサポートとカスタマーサービスは、専門家にとっても、Google検索でも、それほど容易に違いを示せるものではないようです。

カスタマーサービスは、顧客体験を向上させ、企業との関係構築を促進するあらゆるやり取りを包括する上位概念であり、カスタマーサポートはそのやり取りの一形態に位置づけられます。

すべての企業がカスタマーサービスを提供しますが、カスタマーサポートはすべての企業が提供する必要があるわけではありません。たとえばレストランでは、着席時、注文時、会計時にカスタマーサービスを提供しますが、ウェイターがステーキの切り方を教えることはないでしょう。

Zendeskのエンタープライズサポート担当ディレクターであるJonathan Brummelは次のように説明します。

「カスタマーサービスとカスタマーサポートの違いは、サポートチームが短期的に技術的な問題を解決するのに対し、優れたカスタマーサービスは長期的な関係構築と真のパートナーシップ確立に寄与する点にあります」

カスタマーサポートが「どのように」解決するか、つまりトラブルシューティングの具体的手順を担うとすれば、カスタマーサービスは「なぜ」を担います。なぜクラウドアカウントを特定の方法で設定すべきなのか、なぜ今日の問題を放置すると将来より大きな問題に発展しうるのか、といった説明がそれにあたります。

サポートプロセスに「なぜ」を加えることで顧客体験は向上し、カスタマーサポート担当者の成長にもつながります。

たとえば、クレジットカードの不正利用について問い合わせがあったとしましょう。漏洩した情報の特定と問題解決にとどまらず、その先のサポートも提供するようにします。

具体的には、メッセージングアプリやSNSを通じてフォローアップし、ナレッジベースや自社ブログから関連するヒントやコツへのリンクを案内するといった対応が考えられます。

カスタマーサービス

カスタマーサポート

顧客体験を向上させ、企業との関係構築を促進するあらゆるやり取りを包括する上位概念

やり取りの一形態

関係の構築

技術的な問題の解決

「なぜ」を担う

「どのように」を担う

すべての企業が提供する必要がある

すべての企業が提供する必要はない

長期的な関係構築を重視

短期的な問題解決を重視

ハードスキルよりもソフトスキルが必要

ソフトスキルも重要だが、より必要とされるのはハードスキル

カスタマーサポートがビジネス成長に重要な理由

カスタマーサポートが重要な理由は、端的に言うと、サポート担当者が顧客からの問い合わせを迅速かつ効果的に解決し、顧客満足度を高めるという重要な役割を担っている点にあります。

カスタマーサポートが重要な理由は、サポート担当者が顧客からの問い合わせを迅速かつ効果的に解決し、顧客満足度を高めるという役割を担っている点にあります。そしてそれが最終的に、顧客維持率、顧客生涯価値、ブランドの評判に影響を及ぼします。CXリーダーの76%が「今や解決こそが最大の価値であり、1件の未解決が生涯にわたる顧客離れにつながる」と回答しており、問題解決の確実性がビジネスに直結する時代となっています。

ただし、その重要性の度合いは、事業内容、業界、そして対象となる顧客層によって大きく異なります。

家族向けの遺言書・相続計画作成サービスを提供するTrust & Will社では、カスタマーサポートが事業と製品に関する意思決定の重要な推進力となっています。

「当社で行われるすべての意思決定は、お客様(社内では『メンバー』と呼んでいます)を中心に展開されており、カスタマーサポートチームはそのあらゆるコミュニケーションの前面に立っています」と、同社のメンバーサクセス責任者であるMeg Palazzolo氏は語ります。「新機能、製品、マーケティングサイトの更新や変更を検討する際には、メンバーの声を代弁するサポートチームの意見に耳を傾けるようにしています。」

相続計画は複雑なタスクであるため、Trust & Will社のサポートチームは顧客教育において中心的な役割を果たし、そこで得た顧客の知見を社内全体に共有しています。この好循環こそが、同社のビジネスに欠かせない要素となっています。

「サポートチームなしでは、会社の運営自体が非常に難しいものになっていたでしょう」とPalazzolo氏は強調します。

自社に当てはめて考えてみてください。

  • 自社の業界において、顧客はサポートにどのような期待を抱いているか。ECや旅行業界と、保険や銀行業界では期待の内容は異なるはずです。

  • ビジネス全体に顧客の声を行き渡らせるために、カスタマーサポートはどのように貢献できるか。

  • 製品ロードマップやマーケティング戦略など、重要な経営判断にサポートチームをどのように関与させられるか。

優れたカスタマーサポートを提供するための10の戦略

優れたカスタマーサポートとは、顧客の期待にその都度応えられるものです。そして顧客の期待に応えられれば、相応の見返りがあります。カスタマーエクスペリエンストレンドレポートによると、優れたサポートを提供してくれる企業に対しては、支出額を増やしてもよいと考える顧客は75%にも上ります。

ここでは、優れたカスタマーサポートの提供方法を10個ご紹介します。

1. サポート担当者を戦略的パートナーにする

技術的な問題に対しては、必ず技術的な答えが見つかります。そうした問題の解決を支援するのがサポート担当者です。ただし、提供するサポートのタイプ、タイミング、方法、対象者が適切かどうかが、サポートチームの良し悪しを分けます。

顧客の立場で考えてみましょう。公的機関の窓口、医療機関、税務申告ツールなどのフォームに入力する際に、チェックボックスにチェックを入れることになっていたとします。

チェックを入れずに進めたところ、案の定うまく処理が進まず、カスタマーサポートに連絡することになりました。すると、親切な熟練のサポート担当者が問題を調べ、チェックボックスにチェックが入っていないことが原因だったと説明してくれました。

数年前であれば、問題が発生したらサポートチケットが発行され、解決したらクローズするという、スピード重視の診断が合理的とされていました。しかし現代のサポート業務においては、顧客の目的が達成されるよう丁寧に対応し、フォローアップに気を配ることが欠かせません。先ほどの例であれば、顧客になぜチェックを入れなかったのかを尋ねてみたり、チェックを入れることで実行される重要なアクションについて時間をかけて説明したりすることが求められます。

2. ソフトスキルを「技術的」スキルと同様に重視する

テクノロジーは人を助けるためにあるべきであり、その逆ではありません。つまり、人間がテクノロジーに関する問題を解決するには、人間的なアプローチが不可欠です。しかし、実際にはそうなっていないケースも少なくありません。

ある公的機関の職員は、行政機関で優れたカスタマーサポートを提供する難しさについて次のように述べています。

「テクニカルリーダーの資質として重視されていたのは、多くがテクニカルスキルであり、顧客体験の向上やリーダーシップといったソフトスキルの有無は必ずしも重視されていませんでした。」

Brummelもまた、どの業界のサポートリーダーも、人材採用は必要なテクニカルスキルを持っているかどうかで判断し、それをマスターした人材を昇進させる傾向にあると指摘しています。

しかし彼は、サポートリーダーに対して、テクニカルスキルだけでなくソフトスキルについても考慮するよう促しています。コールセンターやヘルプデスクでの問い合わせ対応においては、顧客とつながり、顧客のニーズに共感を示す必要がある場面が数多くあるとBrummelは言います。

カスタマーサポートに必要なスキル5選

  • 共感力:顧客の感情や状況を理解し、寄り添う姿勢。問い合わせの背景にある真のニーズを読み取る力
  • コミュニケーション能力:複雑な技術的内容をわかりやすく伝え、顧客の話を正確に聴き取る力
  • 問題解決力:トラブルの原因を特定し、最適な解決策を導き出す論理的思考力
  • 製品・サービス知識:自社製品やサービスに関する深い理解。技術的な質問にも的確に回答できる専門性
  • 忍耐力とストレス耐性:困難な状況や感情的な顧客にも冷静に対応し、最後まで丁寧にサポートを継続する力

3. 一つひとつのやり取りに共感を組み込む

サポート組織における共感力を養うことは、担当者が状況の行間を読み取れるようになることにつながります。

たとえば、サポート担当者が同じ問題について週に700件もの電話やチャット対応をこなしているとしましょう。共感力が養われていれば、1日中その問題で悩んでいる顧客の気持ちだけでなく、担当の部門や事業部全体までもが混乱しているかもしれない、というふうに心を寄せられるようになります。

もしかしたらその顧客は会社や製品を使い始めたばかりかもしれませんし、たまたまうまく扱えなかっただけかもしれません。そういったことをサポート担当者が常に把握できるわけではありませんが、どのような状況であれ受け止める姿勢を持つことが重要です。

「当社には優れた技術力を持つサポート担当者がいますが、彼らは極めて激しい感情に対応しなければなりません。顧客の感情は瞬時に0から75まで跳ね上がることもあります」とBrummelは語ります。

典型的なテクニカルサポートの風刺動画に登場する嫌味な担当者のようにならないためにも、Brummelは「徹底したラポール構築」を提案し、共通の目標に向けた協力意識の醸成を促しています。

いかに技術的なノウハウや製品への深い知識を持っていても、ラポールとのバランスがなければ、助けを求めてきた顧客の役には立てません。そのためには、ときにはBrummelが「骨の折れる領域」と呼ぶような難しい状況にも踏み込んでいく必要があります。

顧客、中でも特にストレスを感じている顧客は、サポート担当者の提案をすんなりと受け入れてくれるとは限りません。そのため、なぜその提案が顧客にとって大事なのかを筋道立てて説明する必要があります。多くの場合、放置すれば将来より大きな問題に発展するリスクこそが、その理由となります。問題が深刻化する前に察知して対処する姿勢こそ、「戦略的パートナー」の証といえるでしょう。

4. カスタマーサポートの成果とKPIを進化させる

カスタマーサポートの評価に適した主要業績評価指標(KPI)には、CSAT、NPS®(ネットプロモータースコア)、解約率などがあります。

主要KPI一覧

指標名計算式
CSAT(顧客満足度スコア)(満足と回答した顧客数 ÷ 回答総数)× 100
NPS®(ネットプロモータースコア)(推奨者数 ÷ 回答者総数)× 100 −(批判者数 ÷ 回答者総数)× 100
解約率(チャーンレート)(期間中の解約顧客数 ÷ 期間開始時の顧客数)× 100
初回解決率(FCR)(初回対応で解決した件数 ÷ 問い合わせ総数)× 100
平均応答時間全応答時間の合計 ÷ 問い合わせ件数

KPIは定期的に見直すことで、進化の余地があるかどうかを見極められます。カスタマーサポート向けソフトウェアが登場した当初は、チケットの解決件数がサポートの成功指標でした。

しかし、従来のサポート機能が他のチャネルやビジネスプロセスと統合されるにつれ、成功の測定方法にも変化が生じています。これは、サポートチームが顧客を支援する方法にも影響を与えています。

HGTVの人気番組で知られるChip&Joanna Gaines夫妻が手掛ける小売と体験を融合したブランドMagnoliaでは、チケットの解決件数や解決までの時間といった指標は、ブランドコンセプトに適しておらず、正確な成功指標とは言えません。

同社の顧客は相談のために電話をかけてくることも、オンライン購入について問い合わせることも同じくらいあり得ることを理解しているため、サポートチームには顧客とゆっくり話をする権限が与えられています。また、顧客をもてなしたり花を贈ったりするための予算も認められています。

5. サポートチームを支援する

テクニカルサポートの性質上、サポート担当者には製品やサービスに関する一定の専門知識が求められますが、業務は反復的なものになりがちです。

戦略的なサポートリーダーは、専門知識の必要性を考慮したうえで、目新しいプロジェクトや特徴的なプロジェクトをチーム全体にバランス良く割り当てることで、サポート担当者の「心の硬化」を防いでいます。これはBrummelの言葉で、サポート担当者が退屈を感じたり、担当する製品への専門性や機能のことだけしか考えなくなったりしたときに起きる症状です。

「退屈」を防ぐ方法は数多くあり、特定の業務の責任をサポート担当者に持たせること、他のメンバーのトレーニングを任せること、毎週定期的にライブチャネルでの対応時間を設けることなどが挙げられます。

電話やチャットには日々さまざまな顧客からさまざまな問題が寄せられるため、1対1のライブ対応に携わることで、ベテラン担当者であっても新たな視点を見つけられる可能性があります。

別のアプローチとしては、結果にとらわれることなくあらゆる状況に対応するようサポート担当者をコーチングするという方法もあります。カスタマーサポートは問題を即時に解決することを保証できませんが、担当者は最後まで顧客と協力し、コミュニケーションを取り続けることを約束できます。

優れたカスタマーサポートに必要な5つの要素

6. 迅速に対応する

ZendeskのCXトレンドレポート2026年版によると、消費者の88%が「素早い応答時間に対する期待は1年前と同じかそれ以上」と回答しており、スピードへの要求は高まる一方です。サポート担当者への調査でも、顧客は人間と会話することよりも問題が素早く解決することを1.8倍重視しているという結果が出ています。顧客からの問い合わせにはできる限り迅速に対応しましょう。

チャットボットなどのAI搭載ツールは、サポート担当者の迅速な対応を支援してくれます。ボットは顧客の重要情報を即座に収集してくれるため、サポートチームが同じ質問を何度も繰り返す必要がなくなります。また、ボットには休憩も睡眠も不要なため、24時間年中無休で迅速なサポートを提供できます。消費者の76%が「AIは現代のカスタマーサービスの一部になった」と認識しており、71%が「AIにより、カスタマーサービスが24時間365日利用可能であることを期待するようになった」と回答するなど、ボットやAIエージェントへの期待は高まっています。

7. 親しみやすさを大切にする

スピードは重要ですが、優れたカスタマーサポートはただ問題を解決して終わりではありません。Trust & Will社のMeg Palazzolo氏は、サポート担当者の親しみやすさが肝心だと強調しています。

まず、顧客をチケットではなく、一人の人間として捉えましょう。機械的な対応を好む人はいません。

また、たとえ対応が難しい顧客であっても、別の担当者に引き継がないことが大切です。各担当者が顧客のすべての質問に答えられるよう心がけましょう。答えやプロセスがわからなければ、自分で調べて対応すべきです。

可能な範囲で期待以上の対応を心がけることも重要です。大げさなことをする必要はありませんが、顧客が当初求めていた以上の何かを残すようにしましょう。

8. カスタマーサポートとCRMプラットフォームを連携させる

消費者の69%が「同じ情報を繰り返し伝えさせられることに強いストレスを感じる」と回答しており、67%が「どの担当者であっても、自分との過去のやり取りの文脈に容易にアクセスできるべきだ」と考えています。

カスタマーサポートとCRMプラットフォームを連携させ、顧客の変化と顧客生涯価値を把握しましょう。連携によってプラットフォーム間でデータを共有できるようになるため、これまで思い浮かばなかったような、その顧客に適した解決策を見つけられる可能性があります。送信メールの開封状況、購入履歴、過去のサポート履歴といった重要な顧客コンテキストを活用してニーズを予測し、それに応じた対応を取ることが可能になります。

9. 顧客が選んだチャネルで対応する

顧客の93%が、希望するチャネルからカスタマーサービスを利用できるなら、その企業への支出額を増やしてもよいと考えています。問題の種類によってどのチャネルが選ばれるかは変わるため、企業は複数の選択肢を用意しておく必要があります。

WhatsApp、Instagram、Facebook MessengerなどのSNSのメッセージング機能に対応すれば、多くの顧客が普段から使用しているチャネルで対応することが可能になります。実際、WhatsApp、Facebook Messenger、そしてWeChatやLINEなど特定の地域で人気のアプリ経由の問い合わせは昨年36%増加しており、他のどのチャネルよりも高い伸びを示しています。

10. 顧客がセルフサービスで解決できるようにする

今日では「まず検索する」という行動が定着しています。顧客の89%が、誰にも連絡せずにオンラインで回答を見つけられる企業に対して、支出額を増やすと回答しています。

ナレッジベース、コミュニティフォーラム、ヘルプセンターの記事を案内するチャットボットは、効果的なセルフサービス戦略の鍵となります。顧客が自分で問題を解決できるようになれば、サポートチームは人間の判断が必要なより重要なタスクに集中できます。セルフサービスが可能であれば、顧客はより早く解決策を得られるだけでなく、サポート担当者においてもよりやりがいのある仕事に従事しやすくなります。

従業員、製品エキスパート、外部パートナーから得たインサイトは、ヘルプセンターの記事を作成したり、顧客からのよくある問い合わせに対応したりするうえで欠かせません。また、顧客をサポートする際の参考情報として提示することもできます。

優れたカスタマーサポートの例

カスタマーサポートを受けたことがある人なら誰でも、良い対応を受けた経験と、残念ながらそうではない対応をされた経験があるのではないでしょうか。

私は先日、最近購入した健康サプリメントブランドの投稿をInstagramで目にしました。そこにはWebサイトに掲載されている価格が顧客が支払う唯一の費用であり、「隠れた費用はいっさい発生しません」と記載されていたのです。

しかし私の場合は違ったので、そのことをダイレクトメッセージで伝えました。海外配送だったため、配達時に追加で40ドルの関税を請求されたのです。

するとブランドからは即座に返信があり、お詫びの言葉とともに追加料金を返金する旨が伝えられました。これこそ優れたカスタマーサポートであり、当初ブランド側にミスがあったにもかかわらず、今後も商品を購入してもいいと思えるようになりました。

Novo社のカスタマーサクセス担当ディレクターであるBrian Kale氏にとって、Appleはカスタマーサポートのゴールドスタンダードです。

「Apple Storeを訪れるたびに、そこで働くスタッフのすばらしさに驚かされます」と彼は言います。「顧客から質問された操作方法について丁寧に説明しながらも、実際の操作は顧客自身に行ってもらうよう促しています。つまり、会話を通じて顧客を育てているのです。こうした魅力的な体験を提供することで、強引な営業をする必要がなくなっています。体験の提供が営業になっているからです。」

一方、Palazzolo氏は、心温まるすばらしいカスタマーサポートの事例を紹介しています。涙なくしては聞けない話です。

先月のある日、私のサポート担当者の一人が、電話の向こうで激怒するお客様に対応していました。電話越しに怒鳴り声が聞こえてくるほどでしたが、担当者は非常に冷静に対処し、怒鳴るのをやめていただけないなら会話を続けられないことを伝えました。

お客様は落ち着きを取り戻された後、ステージ4のがんと闘っている奥様のことを話し始めました。サポート担当者はその話に共感を示し、自身の個人的な体験を打ち明けながらお客様の質問に答え続けました。

そして通話の最後には、お客様が自らの振る舞いについて謝罪しました。それを受け、担当者はお客様の相続計画の費用を当社が負担することを申し出ました。

こういった対応こそ、私たちにできる最低限の心遣いではないでしょうか。

カスタマーサポートチームを成功に導くカギ

1. 顧客にとって役立つ存在になる

カスタマーサポートの立ち位置は、事業内容、業界、顧客層によって大きく異なります。しかし、Palazzolo氏のようなカスタマーサポートのプロにとって、大切なのは顧客の「役に立つこと」です。

「カスタマーサポートの役割は、製品の顧客体験がより良いものになるように手助けすることです」とPalazzolo氏は語ります。「サポート担当者の役割と責任は、顧客の代弁者となり、自社の製品、マーケティング、研究開発などの将来像を形作る助けになることにあります。カスタマーサポートは、顧客中心の企業の核となる存在です。」

2. 信頼を築く

Kale氏にとって、カスタマーサポートとは信頼を築くことであり、それは最終的に顧客ロイヤルティ、維持率、ブランド、マーケティングのすべてに影響を及ぼします。

「信頼を築くためには、共感を示し、誠実に対応し、期待値を設定し、データとインサイトに基づいて社内で顧客の代弁者となる必要があります」とKale氏は述べます。

また、Kale氏はカスタマーサポートの役割は長期的なビジネス戦略へと進化すべきだと提言しています。つまり、顧客の問題に対応するだけでなく、ブランドとの関わり全体を通じて成功するために必要なツールを提供することが求められます。

ここで重要なのは、「サポート業務での顧客とのやり取りから得られるすべてのナレッジとインサイトを活用し、顧客が自ら行動を起こせるよう支援することで、問題を先回りして解決するより優れた顧客体験を生み出すこと」だとKale氏は強調します。

3. 「どのように」だけでなく「なぜ」にも答える

Brummelは、高いテクニカルスキルを持つ人は従来のサポート業務では成功しても、自分自身や他者を理解するという点では苦戦する可能性があると指摘します。

カスタマーサポートでは常に製品やプロセスに関する深い知識が求められますが、そこにカスタマーサービスの要素を少し加えれば、顧客に関心を向ける意識が芽生え、顧客支援に必要な他のスキルも身に付けられるようになるでしょう。

ソフトスキルを適切に評価し、共感を示したり強い信頼関係を築いたりすることを奨励し、成果とKPIを適宜見直し、そのすべての取り組みを行う担当者を十分に支援することで、カスタマーサポートツールを活用するカスタマーサポートチームは、より顧客中心のアプローチを取り、目の前の問題を超えた長期的なサポートを実現できるようになります。

よくある質問

Zendeskでカスタマーサポートを強化

Zendeskの製品利用イメージ

本記事で紹介した戦略を実践するには、適切なツールの導入が不可欠です。

Zendeskは、世界10万社以上が利用するカスタマーサポートプラットフォームです。問い合わせ管理やFAQ、チャットボット、電話対応など、カスタマーサポートやコールセンターに必要な機能をオールインワンで搭載しています。あらゆるチャネルからの問い合わせを一元管理し、オムニチャネルで一貫性のある顧客体験を実現します。問い合わせに自動対応するAIエージェントや、サポート担当者をAIが支援するCopilotなど、最先端のAIソリューションが業務効率化と顧客満足度の向上を支援します。

Zendeskの主な機能:

  • オムニチャネル対応: メール、電話、チャット、SNS、メッセージングアプリなど、顧客が選んだチャネルでシームレスに対応
  • AIと自動化: AIエージェントやCopilot、生成AIにより、24時間365日の迅速なサポートを実現
  • CRM連携: 問い合わせ管理を顧客情報と紐づけ、パーソナライズされた対応を可能に
  • セルフサービス: FAQの構築により、顧客の自己解決を促進
  • 分析とレポート: カスタマーサポートに関する指標を可視化

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Mozhdeh Rastegar-Panah

製品マーケティング担当シニアディレクター

Mozhdeh Rastegar-Panahは、Zendeskの製品マーケティング担当シニアディレクターであり、CX領域で豊富な実績を持つリーダーです。12年以上にわたりカスタマーサービスのイノベーション最前線で活躍し、AIやCXテクノロジーをグローバル企業向けの効果的かつスケーラブルなソリューションへと落とし込むことを専門としています。メッセージング、自動化、オムニチャネル戦略を通じたカスタマーサポートの高度化に注力しており、戦略的なビジョンと実践的な専門知識を兼ね備え、カスタマーサービスの未来を切り拓いています。

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