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Event Report:プロアクティブなサポートで顧客満足度をアップさせる

更新日: 2017年12月19日

2017年11月9日・11月10日の2日間、池袋サンシャインシティ・文化会館にて、第18回コールセンター/CRM デモ&コンファレンス2017 in 東京が開催されました。Zendeskからは、エヴァンジェリストの原田豪氏が事例&ソリューションセミナーに登壇。マルチチャネル時代の顧客コミュニケーションのあり方と、それを支える基盤について事例を交えながら紹介しました。

チャネルに応じた適材適所のコミュニケーションが求められる時代に

あらゆるチャネルでお客様とつながることのできる時代。とはいえ、「すべてのチャネルに対応すればOKなのでしょうか?」と原田氏は疑問を呈します。たとえば、シニア層の連絡手段は依然として電話とFAXが中心であるのに対し、若年層のコミュニケーションはLINEやメッセンジャーなど、リアルタイムコミュニケーションが主流となっています。

つまり、「すべてのチャネルに対応すればいいかというと、そうではないということ。企業がサポート対象とする商材によっても対応すべきチャネルは変わってきます」と原田氏。

実際、ある調査結果によると、顧客の60%が「カスタマーサポートを受けるのに待つのは嫌い」と答えており、手軽で待ち時間の少ないチャットでの会話が急速に増えています。こうしたショートコミュニケーションを主流にしたのは、他でもない、LINEです。LINEの登場を機に、コミュニケーションの形態が変わり、とりわけ顧客の企業への問い合わせの仕方も大きく変わってきました。原田氏はこう説明します。


 

「たとえばシステムトラブルのチケットを例に挙げると、以前は現象を事細かに書くか、問題の切り分けを行った上で問い合わせをしてくる顧客が多かったのですが、現在は、どうかすると『〇〇が動きません』の1行だけだったりします。やりとりを重ねながら物事が決まっていくという、非常にライトなコミュニーションです。こうしたトレンドにも企業は対応していかねばなりません。」

「重要なのは、チャネルに応じた適材適所のコミュニケーションを実現すること」だとして、原田氏は電動バイクのレンタル事業を手がける米国のScoot社の事例を紹介。同社では、ZendeskとZendesk製品ファミリーのOutboundを組み合わせることで、顧客のプロファイルや今いる場所、行動、状況などに応じたプロアクティブなサポートを実現しています。


 

「この事例からもわかるとおり、サポート部門は社内の誰よりもフロントラインにいるという点でマーケティングに最も近いと言えます」と原田氏は語り、だからこそ、“人と人とのコミュニケーションに注力できるプラットフォーム”が必要だと主張します。

“人と人とのコミュニケーションに注力できるプラットフォーム”にAIを活用

ここで原田氏は、昨今至るところで注目を集める人工知能(AI)に言及。「導入するだけで効率的になる」「ルーチンワークはAIに任せればよい」「AIだから自ら考えてくれる」といった誤解について指摘した上うえで、学習用の大量のデータや、ルーチンワークを処理するための定義が必要で、自ら考えてくれるAIはまだまだ汎用的ではないと説明しました。

また、AIの適用範囲については、エモーショナル(感情的)な言葉は理解しがたく、より論理的なお客様であればあるほど回答の精度が上がっていくとして、ここでも、「初期回答正答率を上げるためにはAIに学習させる必要があり、結果が伸びるかどうかは導入企業の努力次第」と強調。当然ながら、何もしなくてもAIが精度の高い回答を提供してくれるという夢のような話は望めません。

また、サポート領域におけるAIは大きくシナリオ型、一問一答型の2つに分けられますが、前者は無数のパターンが考えられるため、現実的なのは一問一答型。さらに、検索キーワードではなく、ディープラーニングによって正解を類推させることで、正答率を高める方法がより望ましいとのこと。

クラウド会計ソフトを提供するfreee社では、チャットサポートにこのAIを導入し、初期回答正答率を改善。AIを使って初期回答を自動化するだけでなく、AIを使ってチケットの自動仕分けを行うことで、顧客満足度を向上しつつ、サポート業務を効率化していると言います。

Zendeskとのコラボレーションでこれを可能にしているのは、Studio Qusia社が開発したディープラーニングを用いた人工知能質問応答システム「QA Engine」。双方にとってメリットのある連携を模索し続けた結果として、エージェントがより“人と人とのコミュニケーションに注力できるプラットフォーム”が実現したのです。


 

使うほどに淡い期待が確信へ!使い倒したくなるツール、それがZendesk

最後に、「Zendeskはなんとなく使えそう・・・からスタートすることが多い」と原田氏。最低限のサポート業務が回せればいいと小さく使い始めたものの、半年も経つと決まって「想像以上に使える!」に変わり、さらに一年もすると「バンバン連携して、ガンガン使い倒したい!」と言うお客様がほとんど。その理由を原田氏はこう分析します。

Zendeskが「使える」理由

  • 自動化の機能を用いて、設定したルールに基づいた効率的な対応が実現する
  • 人と人とのコミュニケーションを追跡できる
  • サポート業務だけではなく、社内向けやパートナー向けにも使える
  • API、Embedded機能を使えばIoTでの対応も、モバイル対応も可能になる

小さく始めて大きく成長できる柔軟性がZendeskの大きな強み。単純なものから複雑なものまで、あらゆる規模、あらゆるワークフローに自由自在に対応し、APIを使った高度なカスタマイズも行えるZendesk。こうした可能性の広がりが評価され、いまや日本での導入企業は1200社を超えています。

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