クレーム対応に強い組織にするために、今の時代にあった体制構築を

クレーム対応に強い組織にするために、今の時代にあった体制構築を

2018年12月17日
クレーム対応に強い組織にするために、今の時代にあった体制構築を

多くの企業にとって、お客様からのクレームは悩みの種かもしれません。近年では、顧客のモンスタークレイマー化も社会問題として認識されています。一方で、クレームは宝の山であり、クレームから顧客の潜在ニーズを引き出すことで将来のビジネスにつなげられる、という話もよく聞きます。今回は、企業のクレーム対応について紹介していきます。

クレームを防ぐためには ~ 顧客の期待値を知る

クレーム対応の理想形は、「クレームがないこと」だと思われています。ゼロにするのは無理でも、企業は極力、クレームの発生を防ぎたいと思っています。では、どうすればクレームを防ぐことができるのでしょうか?

顧客からのクレームの大半は、商品・サービスが顧客の期待を下回ることによって発生します。たとえば、久しぶりに予約を入れたレストランで、食事が不味く、接客態度も悪ければ、当然、顧客は怒るでしょう。仮に、食事や接客に何も問題がなくても、「この店が無名だった頃にあれほど食べに来ていたのに、人気店になったら手のひら返しで冷遇された」といったクレームを受ける場合もあります。

こういった事例の多くは、「店側が人気店になって増長したから」というより、むしろ人気化したことで多忙になり、「顧客一人ひとりに時間を割いていられなくなったから」というケースが多いと思われます。つまり、「顧客の期待値」が「店が提供できるサービスレベル」に合わなくなってしまったために起こるクレームといえます。

本来、店側は常連客の期待を十分に想定しておくべきであり、予約を受けた際に一言エクスキューズを伝えておく、フリードリンクを提供する、などの特別対応をしてあげると、信頼を保つことができるものです。こういった事例は飲食店に限った話ではなく、一般企業においてもよく起ることです。クレームを防ぐには、顧客を理解し「顧客の期待値を知る」ことが非常に重要だといえます。

クレームはない方がよいのか?

急速なIT化により、顧客の理解を深める方法論は大きく進化しました。その代表が、顧客関係管理(CRM:Customer Relationship Management)です。企業が顧客と接する際に、顧客のさまざまな情報を継続的に入手することで、顧客一人ひとりに対して最適と思われるアプローチが可能になります。

しかし、そのためには、表面的ではない、顧客の本音ベースの声を聞かなければなりません。CS理論を提唱した故・佐藤 知恭氏は、「グッドマンの法則」で以下の3つの法則を提唱しています。

  • 不満を持った顧客のうち、クレームを申し立て、その解決に満足した顧客の再購入決定率は、不満を持ちながらクレームを申し立てない顧客のそれに比べて、高い
  • クレーム処理に不満を抱いた顧客の非好意的な口コミは、満足した顧客の好意的な口コミの倍の(ネガティブな)影響がある
  • 企業が行う消費者教育によって、その企業に対する消費者の信頼度が高まり、好意的な口コミが波及的に期待されるうえ、商品購入の意欲が高まり、結果、市場拡大に貢献する

つまり、クレーマーよりも、見えない不満顧客のほうがよほど問題なのです。むしろ、顧客から直接クレームを受けることで、顧客の本音を知ることができるようになります。適切に説明して相互理解を深めることで、結果として企業の収益性を向上できるのです。

ですから、本来、主眼に置くべきはクレームを防ぐことではなく、「顧客の声をCRMでどうサービスに反映されてさせていくか」といえます。これについて全社を挙げて取り組む必要があるでしょう。

クレームを受けた場合は?

クレームを受けたときに、顧客にどう対応していくかも非常に大事です。どういう体制を敷き、クレームを受けた際にそれをどうデータ化し、どう解決策を探っていくか、といった総合的な取り組みが重要になります。

コールセンターへの「問い合わせ」や「クレーム」を自動的に音声記録し、問題点を洗い出し、顧客分析に活用できる体制を整えなければなりません。むしろ、苦情対応を行うコールセンターを主役として扱う発想の転換が必要です。

前述のグッドマン氏は、「カスタマーエクスペリエンス(CX)3.0」を標榜し、「顧客対応が窓口となり、より予知的で能動的なサービスの展開を行うことで、顧客からの信頼を生み、結果、企業経営全体にも好循環をもたらしてくれる」と説いています。

つまり、クレームを集合知化し、過去の失敗を生かして前もって対応を行うことで、顧客からの信頼を獲得するわけです。では、クレームを収益向上の種に転換するために、コールセンターに苦情を集中させ、オペレーターをフル稼働してクレーマー対応を任せっきりにすればそれでよいのでしょうか?

現在、コールセンターの現場では、電話対応の生産性や質を担保するために、オペレーターの稼働率や応答時間が厳格に管理され、彼らの対応そのものがデータ化されています。「顧客からのクレームに戦略的に対応したい」というのが企業の本音ですが、顧客と直接対峙するスタッフはあまりの抑圧的な管理体制に疲弊し、業務がブラック化しています。それが企業ブランドの低下につながるようなケースも散見されます。

オペレーターはロボットではありません。少子高齢化が進み、人手不足で困っている企業が多いなか、彼ら(彼女ら)にだけ必要以上の負荷をかけてしまうと、離職者が増え、企業全体にとって大きな問題になりかねません。こういった問題は、ITの活用により改善できるはずです。たとえば、よくある問い合わせに対する回答を自動音声化する、ネットからの問い合わせ、クレームにはAIチャットボットを活用する、などです。これによって、個々のオペレーターの負荷を軽減できます。

まとめ:
時代に合った顧客理解のための体制構築を

クレーム対応は古くて新しい問題です。昔から対策が図られてきましたが、依然として解決策を簡単に見出せる問題ではないのかもしれません。ですが、「クレームは宝の山である」という原則は変わりません。クレーム対応を個々の従業員に任せるのではなく、会社全体の問題として、今の時代に合った顧客理解のための体制構築を図るべきではないでしょうか。

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