「地方創生」にITの活用を ITが広げる働き方の選択肢

「地方創生」にITの活用を ITが広げる働き方の選択肢

2018年12月13日
「地方創生」にITの活用を ITが広げる働き方の選択肢

東京一極集中と超高齢社会の到来により、地方経済の衰退が顕著になっています。今や待ったなしとも言われる「地方創生」ですが、それは具体的にはどういうことなのでしょうか。どういう経緯をたどって立案され、具体的にどんな手段があり、どのような期待ができそうなのかを考えてみたいと思います。

 

以前からある地方活性化への取り組み

戦後、特に高度成長期以降、東京一極集中が加速して地方との経済格差が広がったため、「地方を活性化させたい」という動きはこれまでにもさまざまな形であり、例えば「町おこし」や「村おこし」といった活動が各地方自治体で行われました。子育て支援策の強化を掲げて都会の若者夫婦を招聘(しょうへい)したり、田舎暮らしで第二の人生を、とリタイアメント層を呼び込んだり、さまざまな取り組みが実施されてきました。

今でも、Uターン、Iターン、Jターンなどの言葉が残っているように、こういった取り組みは一定の成果を挙げていますが、東京一極集中は一向におさまりません。そして、地方には仕事がない、若い人が定着しない、活性化しない、という悪循環を払い去ることができないまま現在に至っています。

すでに超高齢社会が到来している日本では、今後、地方のみならず都会でも限界集落が多発するほど大幅な人口減少に見舞われ、地方経済や地域コミュニティーが壊滅的な状況になると予測されています。

 

地方創生の新しい側面 ~ ITの力

そこで、もっと本腰を入れて地方を元気にしていかなければ、地方から日本に活力を与えなければ、と取り組みが始まったのが現在の「地方創生」の流れです。

第2次安倍内閣が平成26年11月に「まち・ひと・しごと創生法」をはじめとした地方創生法を成立させ、以降、まち・ひと・しごと創生本部といったところを中心に、さまざまな取り組みが実施されてきました。例えば、地方創生推進交付金のような新型交付金の予算化、国家戦略特区といった施策が実施されています。

これらの施策にはおのおのKPI(重要業績評価指標)が定められ、PDCAを回すことが義務付けられています。しかし、必ずしも目覚ましい成果を上げているとは限りません。ですから、「B級グルメとゆるキャラが増えただけ」と、口さがないことを言う人もなかにはいます。とはいえ、本来、目標達成までに時間を要する類いのものなので、政策自体についてネガティブに捉えるべきではないでしょう。

むしろ、現在の地方創生の流れがこれまでの取り組みと大きく違う点に注目すべきです。それは、「ITの積極活用による地方創生」という部分です。平成27年1月、高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部、いわゆるIT総合戦略本部の下に「地方創生IT利活用推進会議」ができ、地方公共団体との連携を通じて、ITの効果的な導入を通じた地域産業の活性化、住みやすさの向上、地方公共団体業務の効率化等が推進されてきました。

そのなかでも注目に値するのが、人材・産業活性化支援の名目で実施されている「ベンチャー・中小企業等への支援」(例:小規模事業者へのクラウド化支援、クラウドファーストの浸透)や「ワークライフバランス推進・コミュニティー支援」(例:女性・高齢者等が活躍できる働き方改革、ふるさとテレワーク推進)への取り組みです。

 

日本の課題は地方が解決できる ~ IT活用で地方が主役に

「中小企業の活性化」と「働き方改革」は現在の日本社会そのものの課題であり、IT活用によって大幅な改善が見込める分野です。それを地方発で実施することで、地方創生、つまり、地方から日本を元気にすることが可能となるのです。

まず、ベンチャー・中小企業等への支援について考えてみましょう。例えば、現在、都会で暮らす地方出身者が小規模事業を開始するとします。以前は、経理処理や社会保険といった労務管理などに煩雑な実務を要し、それらの管理ツールを導入する初期費用が発生していました。しかし、今はクラウドサービスが無料あるいは低コストで提供されているため、小規模事業を営むためのハードルは下がっています。

また、インターネットのビジネスは物理的な所在地を気にしないものが多く、都会で暮らしている人が地方にUターンやIターンして起業する、という選択肢もクローズアップされています。

もうひとつは、地方発の働き方改革の事例です。コールセンターのような顧客サポート部門を地方に移す取り組みは、以前から行われてきました。今はそこからさらに進んで、地方公共団体がサテライトオフィスを提供するといったように、企業と協力してリモートワーク(テレワーク)を促進する取り組みが進められています。現在では、リモートワークに必要となる勤怠管理、テレビ会議システム、情報共有化のためのシステムなどのクラウドサービスも充実しています。こういったサービスは、AIの活用により機能性に富み、生産性を向上させるツールにもなっています。

現在は、働き盛りのサラリーマンが介護離職せざるを得ない状況や、キャリアウーマンが結婚・出産を経て復職できる場がない、といった残念な状況があります。ITを活用したリモートワークの活用は、その解決の一助となるに違いありません。これまで「働く」ということは、物理的な場所や顧客、そして所属する企業の論理、といった制約条件があり、働く側が選べる領域は少なかったかもしれません。

平成30年の8月に発表された経済財政白書でも、日本はアメリカやドイツなどに比べてIT活用による業務効率化が遅れている、と指摘されています。ITを活用した地方創生の動きが、働く側の選択肢を増やし、多様な働き方をもたらすことで、地方を活性化させ、ひいては日本経済に好循環をもたらす。そんな状況が訪れようとしているのかもしれません。

 

まとめ:
地方創生は一人ひとりの決断の結果

「地方創生」や「働き方改革」は政策の重点項目ですが、私たちはともすれば、単なるお題目として捉えてしまいがちです。しかし、本来は働き手一人ひとりが「どういう生き方」を選択し、そのために「どういう働き方」をするかを主体的に考え、イニシアチブを持つべきです。その結果、もし地方で生きようと決断した人の数が多くなれば、それが地方創生につながっていきます。IT活用により、地方で働くハードルは大きく下がっているのですから。

参考:

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