FAQ(よくある質問)は、Webサイトのリニューアルやキャンペーンページの作成といったWeb施策に比べて、優先度が低くなることが少なくありません。
しかし、顧客や従業員が自ら回答を見つけられるFAQを整備することは、問い合わせ対応の効率化と顧客満足度の向上に大きく貢献します。Zendeskの
CXトレンドレポート2026年版によると、日本の消費者の82%が「迅速な対応と正確な問題解決をしてくれる企業やブランドを優先する」と回答しています。顧客や従業員が必要な情報に即座にアクセスできる環境を整備することは、企業の競争力を左右する重要な要素となっています。
この記事では、FAQの基本的な役割からQ&Aとの違い、Adobe・Airbnb・Microsoftなど18社の優れた事例、そして効果的なFAQを構築するための8つのベストプラクティスまでを体系的に解説します。
目次
- FAQとは
- FAQとQ&Aの違い
- 優れたカスタマーサービスにFAQが不可欠な理由
- FAQに記載する内容の例
- FAQの公開場所
- FAQの事例18選
- FAQの作り方:8つのベストプラクティス
- よくある質問
- Zendesk AIを活用したFAQによるサポート業務の効率化
FAQとはFAQ(Frequently Asked Questions:よくある質問)とは、よく寄せられる質問と回答をまとめたコンテンツです。顧客向けのFAQはナレッジベースの中でも特に重要なコンテンツで、カスタマージャーニーのあらゆる段階で活用されます。一問一答形式で、まず質問があり、それに対する簡潔な回答が続く構成です。 FAQは顧客向けだけでなく、従業員向けの社内FAQとしても広く活用されています。社内FAQでは、人事・総務・IT関連の問い合わせ(休暇申請の方法、経費精算の手順、システムのトラブルシューティングなど)をまとめることで、社内ヘルプデスクの負担軽減と業務効率化に貢献します。この記事では主に顧客向けFAQを中心に解説しますが、基本的な作り方やベストプラクティスは社内FAQにも応用できます。 |
FAQとQ&Aの違い
FAQとQ&Aはどちらも質問と回答を扱いますが、その目的と形式には明確な違いがあります。
- FAQ(Frequently Asked Questions):企業が「よく寄せられる質問」を事前に想定し、あらかじめ回答を用意したもの。企業主導で作成され、顧客が自己解決できるよう設計されています。
- Q&A(Question and Answer):顧客からの個別の質問に対して回答する形式。リアルタイムのやり取りや、コミュニティフォーラムでのユーザー同士の質疑応答などが該当します。
つまり、FAQは「企業が主体となって事前に準備するコンテンツ」であり、Q&Aは「顧客の質問に応じて回答が生成されるインタラクティブな形式」という点で異なります。効果的なカスタマーサポートを構築するには、FAQでよくある質問をカバーしつつ、Q&A形式のチャットやフォーラムで個別の疑問に対応する、両者を組み合わせたアプローチが有効です。
優れたカスタマーサービスにFAQが不可欠な理由
FAQが重要とされる理由は、主に以下の3点です。
- 利便性:FAQ内のリンクがサイト内のナビゲーションを助け、顧客が必要な情報をいつでも見つけられるよう導きます。日本の消費者の69%が「同じ情報を繰り返し伝えさせられることに強いストレスを感じる」と回答しており、FAQはこうした顧客の負担を軽減します。
- 正確性:FAQは、一般的な質問に対する回答を提供する唯一の信頼できる情報源として機能します。
- 経済性:顧客が自力で回答を得られれば、サポート担当者に頼る必要がなくなり、結果として人件費の削減につながります。日本のCXリーダーの52%が「コスト削減策への注力を強めた」と回答している現在、FAQによるセルフサービスの推進は経営上の重要課題となっています。
FAQの目的は、ビジネス上予想されるよくある質問に対して迅速に回答を提供することです。日本の消費者の82%が「商品・サービスを選ぶ際、迅速な対応と正確な問題解決をしてくれる企業やブランドを優先する」と回答しており、企業はデータを蓄積しながら、このリソースを継続的に拡充していく必要があります。
“FAQを設けることは、顧客やクライアントがどのようなサポートを必要としているかを前もって予測し、対応する方法の1つです。FAQから、顧客を思いどおりの方向へと導くこともできます。必ず見てもらいたい情報があれば、FAQに記載するのが一番です”
–Maddie Hoffman氏(Zendesk セルフサービス&オートメーション ディレクター)
FAQに記載する内容の例
さまざまな業界の企業がFAQで回答しているよくある質問の例を紹介します。自社のFAQ作成時にご参考ください。
【顧客向けFAQ】
アカウント関連:
パスワードをリセットするには、どうすればよいですか?
アカウント情報を編集するには、どうすればよいですか?
セキュリティの質問はリセットできますか?
全般:
保証はありますか?
契約書に署名する必要がありますか?
実店舗はありますか?
注文関連:
返品ポリシーはどうなっていますか?
注文した商品が紛失、盗難、破損に遭った場合は、どうすればよいですか?
注文を追跡するには、どうすればよいですか?
先行予約した商品はいつ届きますか?
支払い関連:
どのような支払い方法がありますか?
ギフトカードを販売していますか?
ギフトカードの残高を確認するには、どうすればよいですか?
KlarnaやAfterpayなどの後払いサービスで購入できますか?
Apple Payは利用できますか?
製品・サービスに関する質問:
どのような製品を提供していますか?
どのようなサービスを提供していますか?
配送関連:
配送にはどのくらいかかりますか?
海外発送に対応していますか?
送料無料はありますか?
【社内FAQ(従業員向け)】
人事・労務関連:
有給休暇の申請方法を教えてください
育児休業・介護休業の取得条件は何ですか?
給与明細はどこで確認できますか?
経費・総務関連:
経費精算の申請手順を教えてください
出張時の宿泊費の上限はいくらですか?
名刺を追加発注するには、どうすればよいですか?
IT・システム関連:
社内Wi-Fiに接続できない場合は、どうすればよいですか?
パスワードを忘れた場合のリセット方法を教えてください
新しいソフトウェアのインストール申請はどこからできますか?
これらの質問はほとんどの企業に適用できますが、自社固有の製品やサービス、社内制度に応じた質問も用意する必要があります。たとえば、製品固有のトラブルシューティングや、バグ・アップデートに関する情報などが該当します。
FAQとナレッジベース FAQは単なる質問と回答のリストと思われがちですが、大規模なヘルプセンターを構築する際に、その一部として組み込む企業も少なくありません。ヘルプセンターは、顧客が自力で解決策を見つけられる包括的なナレッジベースとして機能します。 ナレッジベーステンプレートの中で、FAQは独立した記事として機能させることも可能です。たとえば、「パスワードを設定するには、どうすればよいですか?」という質問を、「アカウントの設定方法」といった一連の記事に組み込むことができます。 |
FAQの公開場所
FAQの公開場所は、利便性と顧客満足度を最大限に高められるよう戦略的に選ぶ必要があります。最も一般的かつ効果的なのは、自社Webサイトに専用のFAQセクションを設けることです。通常はメインナビゲーションメニューやフッターのリンクからアクセスできるようにします。この一元的な場所が、顧客がいつでも参照できる包括的なリソースとして機能することで、サポートチケットの削減とユーザーエクスペリエンスの向上につながります。
以下は、戦略的な公開場所の例です。
- Webサイトのナビゲーション:ヘッダー、フッター、専用のヘルプ/サポートメニューセクション
- 製品・サービスページ:特定の製品やサービスに関連するFAQ
- チェックアウト・コンバージョンポイント:購入をためらう原因となるよくある疑問への対処
- カスタマーポータル・アカウントダッシュボード:既存顧客向けのサポート
- SNSのビジネスプロフィール:プラットフォーム固有のFAQ機能
- メール署名・自動返信:包括的なFAQリソースへのリンク
- 実店舗:来店客向けにデジタルFAQへ誘導するQRコード
FAQ戦略の効果は、顧客が自然と情報を探す場所で対応できるかどうかに大きく左右されます。最近では、FAQコンテンツを単一のWebページのみに頼るのではなく、複数のデジタルタッチポイントに分散させるマルチチャネルアプローチが効果的です。具体的には、ユーザーのワークフローに状況に即した回答を直接埋め込んだり、デジタルリソースと対面での顧客対応を融合したハイブリッドエクスペリエンスを構築したりします。
目指すべきは、顧客が自社とどのような方法で、どのチャネルを通じてかかわろうとも、常に回答が手の届く場所にあるシームレスなサポートエコシステムの構築です。
FAQの事例18選
FAQを作成する際は、どのような要素を盛り込むかを事前に検討しておくと効果的です。
ここでは、ユーザーエクスペリエンス(UX)、デザイン、追加のセルフサービス機能など、独自の特徴を持つ海外企業のFAQを18事例紹介します。
- AdEspresso
- Adobe Creative Cloud
- Airbnb
- Airtable
- Ancestry
- DoggieLawn
- Etsy
- Fabletics
- Liquid Death
- Mailchimp
- McDonald’s
- Microsoft
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- Upwork
- Vrbo
- Wandering Bear
- Wistia
- Zendesk
1. AdEspresso

広告キャンペーン会社のAdEspressoは、FAQでシンプルさを重視しており、記載されている質問は厳選された少数のみ。各質問をクリックすると、短い記事を閲覧でき、そこにはさらに詳しい情報へのリンクも用意されています。
探している質問と回答がページ上に見つからない場合も、冒頭部分から追加のオンラインリソースにアクセスしたり、カスタマーサポートに問い合わせたりできます。
その結果、AdEspressoのFAQは直感的でわかりやすく、非常に有用であることから、あらゆる顧客に好印象を与えています。
2. Adobe Creative Cloud

パワフルなデザイン・編集製品で知られるAdobeは、質問と回答のみを掲載する従来型のFAQ形式を採用しており、シンプルなデザインレイアウトでも十分に効果的であることを証明しています。
Creative CloudのFAQが優れている理由は、複数の検索手段を提供している点にあります。
検索バー
カテゴリ別のサイドバーメニュー
カテゴリ見出しで分類されたよくある質問
バーチャルアシスタントによるチャット機能
さらに、Adobeはページの最後でFAQの改善に向けた読者フィードバックを求めています。
3. Airbnb

Airbnbは、今回紹介する中で最初のナレッジベース型FAQです。従来のQ&A形式を採用するのではなく、ホスト向けのよくある質問を一覧化し、充実したリソースページへリンクしています。
リソース記事では、以下のような複数の方法で質問に回答しています。
読みやすい文章
ホスト向けのヒント
動画
アニメーション
Airbnbのナレッジベースはホスト体験が中心となるため、コミュニティフォーラムを通じて他のホストに質問できる機会も提供しています。
4. Airtable

クラウドコラボレーション企業のAirtableは、顧客が自ら問題を解決できるよう、質問の解決策を検索したり、発生している問題に関する詳細なドキュメントを参照したりできる包括的なヘルプセンターを提供しています。
顧客は、ページ上部でサポートカテゴリを選択して記事やガイドを絞り込んだり、スクロールしてチュートリアル、トラブルシューティングガイド、よくある質問などのセクションを探索したりできます。
このセルフサービス機能により、顧客はサポート担当者の対応を待つことなく、検索可能なナレッジベース記事から即座に回答を得ることが可能です。
5. Ancestry

AncestryはDNAとデータ分析を通じて顧客のルーツを調査する企業です。それを踏まえると、同社のFAQが高度にパーソナライズされているのも納得がいきます。
サインインした状態でFAQを閲覧すると、アカウント情報や遺伝子検査結果に基づいて、ユーザーごとに最適なリンクが表示されます。
これは見事な戦略であり、同社が顧客一人ひとりを理解しているという印象につながっています。
6. DoggieLawn

DoggieLawnは、本物の芝生を使った環境に優しい犬用トイレを販売する企業です。同社のFAQは、読みやすいフォント、見つけやすい回答、アコーディオン形式のデザインなど、一見すると標準的な構成に見えます。しかし、ライブチャットのベストプラクティスを取り入れることで、他社と一線を画しています。
DoggieLawnのFAQには、必要なときにすぐに担当者とチャットできるライブサポートオプションがあります。平日の午前5時から深夜0時(太平洋時間)の間は、画面左下にチャットボックスが表示され、リアルタイムで担当者に質問できます。
FAQで必要な回答が見つからない場合に、これは非常に有効な機能です。また、このチャット機能をFAQ内に設置することで、担当者が問題や質問に対応する間も、顧客をサイトにとどめておくことができます。
7. Etsy

Etsyヘルプセンターは、販売者と購入者の両方に公平に対応する整理された構成が特徴です。このeコマース企業は、ユーザーが探しているものを速やかに見つけられるよう、検索バーをページのトップに配置。検索バーのすぐ下には「注文に関するヘルプを依頼」ボタンがあり、顧客が注文に関するサポートをすばやく簡単に受けられます。
Etsyヘルプセンターのもう1つの優れた点は、購入者向けと販売者向けの2つのメニューを用意し、それぞれにふさわしいトピックを提供していることです。これにより、購入者も販売者も、無関係な記事に目を通すことなく関連リソースを簡単に見つけられます。
8. Fabletics

サブスクリプション型eコマース企業であるFableticsは、特徴的なFAQを持っています。カテゴリ一覧(と検索バー)がまず表示され、ユーザーはトピックを選択すると、関連するよくある質問のリストへと遷移します。
その後、質問を選択すると詳細な回答が表示され、サイドバーには関連する質問やトピックのリストも提供されます。
9. Liquid Death

Liquid DeathのFAQはシンプルかつ効果的です。従来型のブランドと一線を画すこの企業は、内容がわかりやすく質問が見つけやすい構成を採用しており、プラスサインをクリックすると回答が表示される仕組みになっています。
さらに、見出しにゴールドカラーのテキストを使用し、アコーディオン形式の便利なドロップダウンを採用することで、各カテゴリが見やすく明確に区別できるようになっています。
10. Mailchimp

MailchimpのFAQには、CTAボタンやページ下部のチャット機能が配置されており、ユーザーがページ閲覧中にサポートへ問い合わせやすい仕組みになっています。FAQ内にはカスタマーサポートへの問い合わせ方法まで掲載されています。
このメールオートメーション企業は、サイドバーを活用してカテゴリ概要、ジャンプリンク、関連リソースの情報、コンバージョンを促進するメッセージを表示することで、UXの向上も図っています。
11. McDonald’s

McDonald’sのFAQはシンプルですが、ユーザーエクスペリエンスを向上させるフィルター機能を導入している点が優れています。
このファストフードチェーンのヘルプセンターには200以上の記事がありますが、「次を読み込む」ボタンを延々とクリックする代わりに、フィルターを使って検索結果を絞り込める効率的な仕組みになっています。
12. Microsoft

UXデザインには少々物足りなさを感じますが、MicrosoftのFAQは手堅く、ユーザーがページを離れることなくトピック間を移動できる仕組みになっています。
Microsoft 365ページの上部には、ジャンプリストが用意されています。FAQが網羅するすべてのカテゴリが順不同でリスト表示されており、トピックをクリックすると自動的に該当するカテゴリや質問へスクロールします。
13. Upwork

Upworkは、以下の機能により、最もユーザーフレンドリーなFAQの1つを提供しています。
よくある検索語句が表示される検索バー
ユーザータイプ別(フリーランサー、エージェンシー、クライアント、エンタープライズクライアント)で絞り込めるフィルター
シンプルで読みやすいヘルプカテゴリ
おすすめトピック
FAQからは、サポート担当者への問い合わせやUpworkコミュニティへのアクセスも可能です。
14. Vrbo

VrboのFAQには、旅行者、物件オーナー、物件管理者がそれぞれに合った記事を簡単に見つけられる使いやすいフィルターが用意されています。関連性の高い写真を効果的に使用し、ページを視覚的に煩雑にすることなく、ユーザーが探している記事を見つけやすくしています。
このFAQは、整理されたカテゴリ、アンカーリンク、アコーディオン形式のドロップダウン、評価アンケートといったベストプラクティスをうまく採用しており、読みやすさと継続的な顧客満足度の向上に役立っています。
15. Wandering Bear

Wandering BearのFAQは、ユーモアを交えつつ必要な情報を漏れなく提供することで、個性光るページを実現しています。少し風変わりなブランドイメージを持つ同社にとって、FAQでもその要素を発揮するのは賢い戦略といえます。ブランドの個性を表現できるだけでなく、回答を探してイライラしている顧客の気持ちを和らげる効果も期待できます。
16. WhatsApp

WhatsAppのFAQは個性的なアプローチを採用しています。ページ左側にはドロップダウンメニュー付きの目次があり、ユーザーはカテゴリを選択して全オプションを表示し、自分の質問に合った記事をすばやく見つけられます。
よくある質問については、ページ右側で人気のトピックや記事を閲覧することも可能です。また、ページ上部には検索バーがあり、一般の検索エンジンと同じ形式で回答を検索することもできます。
17. Wistia

動画コンテンツのホスティングプラットフォームを提供するWistiaのFAQは、フローティングフッター(ページ下部の固定メニュー)によって、ページをスクロールしても常にメニューが表示される点が特徴です。ページには、よくある質問や年次報告書などの最新のアンカー記事がハイライト表示されます。
フッターには、ページ上部と同じ検索バーに加え、サポートチケットを簡単に送信できるボタンが配置されています。そのため、顧客はナレッジライブラリを閲覧しながら、問い合わせの必要が出たらすぐにチケットを送信できます。
18. Zendesk

最後に紹介するのはZendeskです。手前味噌かもしれませんが、カスタマーケアとセルフサービスはZendeskのミッションであり、お客様からも同様の評価をいただいています。
Zendeskでは、ソリューション(製品)、管理者向けトピック、ガイド(担当者と開発者向け)、企業やコミュニティのニュースなど、項目別にヘルプセンターのリソースを閲覧できます。ユーザーがトピックを選択すると、該当するページへ遷移します。
また、ZendeskのFAQでは、アカウントと請求、製品共通、データプライバシーに関するよくある質問を閲覧でき、いずれもサポートセンターの記事にリンクしています。
FAQの作り方:8つのベストプラクティス
FAQは、詳細で、ナビゲートしやすく、本当に役立つものでなければなりません。そのようなセルフサービス体験を実現するために、押さえておくべき普遍的なベストプラクティスを紹介します。
1. AIを活用したデータ分析で適切な質問を選ぶ
包括的なFAQを作成したり、関連する質問を提案したりするには、ナレッジマネジメントに重点を置いたチームが大量の顧客インタラクションデータを分析できるよう準備を整える必要があります。Google Search Console(GSC)、営業・サポートデータ、ナレッジマネジメントシステム、その他の指標追跡ツールを活用して、顧客ニーズと質問を把握しましょう。
また、AIを活用した顧客分析により、従来のデータ分析ではすぐには明らかにならないトレンドトピックや顧客の新たな課題を自律的に特定することも重要です。日本のCXリーダーの83%が「AIはサービス基準を根本から再定義し、個々の顧客体験の質を劇的に高めている」と回答しており、FAQの質問選定においてもAIの活用が不可欠となっています。
FAQを効果的に機能させるには、データに基づいて質問を設定する必要があります。
顧客の質問に的確に回答する
新規顧客とリピーターの両方をサポートする
さまざまな検索意図に対応する
顧客からの問い合わせパターンを認識し、AIが新しいFAQトピックを自律的に提案できるようにする
よくあるトピックを扱ったAI生成の記事ドラフトにより、迅速なコンテンツ作成を促進する
サポート担当者へのヒアリングも欠かせません。普段どのような質問に対応しているかを聞き取り、その内容をセルフサービス用の記事として作成することで、顧客を適切な情報へ誘導できます。サポート担当者とのやり取りを100%リアルタイムで分析するために、AIを活用した品質保証(QA)の導入も検討すべきです。
導入すると、FAQプロセスを自動化でき、AIが生成したFAQを活用するための知見が得られます。チームはゼロから作成するのではなく、AIが提案した回答の推敲とパーソナライズに専念できるようになります。
2. 複数の形式で質問に回答する
学習スタイルや嗜好は人それぞれであり、検索方法も同様です。
「完全な文章を入力する人もいれば、キーワードを2つだけ入力する人もいます」とZendeskのセルフサービス&オートメーションディレクターであるMaddie Hoffman氏は述べています。「顧客が問題点をどのように説明するかを理解すれば、作成したFAQが検索を通じて顧客に表示される可能性が高まります」
考慮すべき4つの主な学習スタイルは以下のとおりです。
視覚型
聴覚型
体験型(運動感覚型)
読み書き型
緊急性やトピックによって、顧客がナレッジを消費する方法は変わります。概念がわかりにくい場合は、詳しい手順を解説した動画が好まれるかもしれません。一方、「はい」か「いいえ」で答えられる単純な質問であれば、すぐに確認できる一文の回答が求められるでしょう。
3. FAQセクションの構成を決める
すべてのよくある質問を長いリストとして表示すると、顧客は必要な答えを探すのにうんざりしてしまいます。代わりに、FAQをトピック別に整理し、同じテーマに関する問い合わせをグループ化しましょう。
記載する情報が多い場合は、対象顧客やユースケースごとに個別のFAQを作成する必要があるかもしれません。
最もよくある質問を特定したら、顧客が使用する正確な言葉遣いや言い回しに注目します。顧客の表現を取り入れることで、質問が読みやすくなり、シームレスなオンラインカスタマーエクスペリエンスの実現につながります。
4. FAQのデザインを決める
FAQをより効果的にするもう1つの方法は、テキストの合間に役立つグラフィック、写真、または短い動画を差し込むことです。FAQのデザインは、より多くの顧客にセルフサービスでの解決を促す効果的な手段となり得ます。
「視覚的な支援を求める、または期待する人が増えてきています」とHoffman氏は述べています。「スクリーンショットでも短い動画チュートリアルでも、視覚的な支援は新たな学習方法を提供するため、好評を得ています」
動画コンテンツの作成には時間がかかりますが、顧客はその労力を高く評価します。動画チュートリアルで概念を詳しく説明したり、手順をわかりやすく解説したりすれば、サポート担当者がそれを行う必要がなくなり、カスタマーサポート全体の効率が向上します。
5. FAQを見つけやすくする
以下のような目立つWebページにリンクを設置して、ユーザーがFAQを簡単に見つけられるようにしましょう。
ホームページ
ランディングページ
ナビゲーションメニュー
Facebook、Instagram、LinkedInなどのSNSプラットフォームのプロフィールで共有することで、注目を集めることもできます。
顧客がFAQを見つけやすくなるよう、Google検索で推奨されやすいURLの例を紹介します。
website.com/how-it-works
website.com/faq
website.com/frequently-asked-questions
website.com/support
website.com/help-center
6. ユーザーが簡単にサポートへ問い合わせられるようにする
FAQには、顧客が回答を見つけられなかった場合にサポート担当者へ問い合わせられる方法を複数設けましょう。いくつかの方法を紹介します。
- 固定ナビゲーションメニュー:どの企業も、Webサイト上部のナビゲーションバーにお問い合わせページへのリンクを配置すべきです。ナビゲーションバーを固定表示にして、ユーザーがスクロールしても常に表示されるようにすることも可能です。これにより、ユーザーが時間を無駄にしたり、リンクを見失ったりすることなく、簡単にサポートへ問い合わせられます。
- チャット:Webサイトにチャットウィジェットを追加し、AIエージェント、チャットボット、またはライブチャットでサポートを受けられるようにしましょう。チャットやバーチャルエージェントは、特に複雑すぎない問題や緊急性の低い問題に対して、リアルタイムサポートを提供するのに最適です。
- CTA:FAQが長い場合は、ユーザーが担当者に簡単に連絡できるよう、CTAセクションを戦略的に配置することをお勧めします。また、販売関連のトピック近くにCTAを配置すると、コンバージョンの機会にもなります。
7. 経過とパフォーマンスを追跡する
FAQを公開したら、更新が必要なタイミングを判断するために、パフォーマンスを継続的に監視しましょう。以下の指標を確認することで実現できます。
- ページトラフィック:関連キーワードと価値あるコンテンツを含むFAQを公開すれば、トラフィックの増加が見られるはずです。数か月後にトラフィックが減少した場合は、更新の時期かもしれません。
- 直帰率:FAQからサイト内の他のページにリンクしている場合、ユーザーが自分に関連するコンテンツを見つけているかどうかを把握する重要な指標となります。直帰率が高い場合は、データを確認して回答が必要な質問を特定しましょう。
- リピーター:ユーザーがFAQに何度も戻ってくる場合、過去にFAQで回答を見つけ、優れたリソースと見なしている可能性が高いといえます。
8. 情報更新のプロセスを確立する
FAQを更新する基準を設けましょう。更新の根拠となる条件は何か?一般的な理由としては、以下が挙げられます。
製品メッセージングの更新
新しい製品やサービスのローンチ
指標の低下
繰り返し寄せられる質問
これらの基準を特定したら、コンテンツ管理システムまたはナレッジマネジメントシステムを使用して、必要な更新を管理できます。
よくある質問
Zendesk AIを活用したFAQによるサポート業務の効率化
優れたFAQを作成することは、セルフサービスソリューションの実現に向けた第一歩です。FAQを最大限に活用するには、チケット用のマクロを作成して、顧客からのチャットに自動的に応答できるようにするとよいでしょう。
また、トレーニング動画、コミュニティフォーラム、ハウツー記事の作成もお勧めします。Zendeskは、関連コンテンツの自動提案、ユーザーの行動に基づいたレコメンデーションのパーソナライズ、さらにはサポートチケットのよくあるトピックからの新しいFAQエントリの生成など、AIを活用してこれらのチャネルを強化できます。
日本のCXリーダーの71%が「過去12か月のカスタマーサービス向けのAI投資でプラスのROIを達成した」と回答しており、AIを活用したFAQの強化は確実な投資対効果が期待できます。インテリジェントな自動化機能を備えたオムニチャネルの顧客セルフサービスポータルを提供できるようになれば、スマートなAIアシスタンスでサポート業務の負担を軽減しながら、顧客が自力で問題を解決できる包括的なヘルプセンターの構築に向けて大きく前進できます。
