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問い合わせ件数を削減して業務効率化を実現する手法や効果を解説

更新日: 2023年12月8日

デジタル化が進み、顧客がこれまで以上に気軽に問い合わせができるようになった現代において、コールセンターや企業のカスタマーサポート部門はこれまで以上に重要なポジションになっています。24時間365日、増加するお客様からの問い合わせや要望に対応し続ける彼らは、企業と顧客との間に立つ存在であり、直接の顧客接点を持つことから、顧客満足度の向上や優れた顧客体験の提供など、ビジネスへの大きな貢献が期待されます。

しかし、そうした大切な役割を担うにもかかわらず、増大する問い合わせに日々対応するだけで精一杯という状況に陥っている企業も少なくありません。

本記事では、コールセンターやサポート部門に寄せられる問い合わせ件数を効果的に減らし、問い合わせ対応の負荷軽減、業務効率化、そして顧客満足度の向上につなげるための対策を紹介します。

問い合わせ削減の重要性

ZendeskによるCX(カスタマーエクスペリエンス、顧客体験)に関する年次トレンドレポートでは、73%もの企業が「過去1年間に問い合わせ数が増加した」との回答しています。企業に対する問い合わせはますます増加し、その結果、コールセンターやサポート部門は以下のような課題を抱えやすい傾向にあります。

  • オペレーターの業務負荷が高い

  • 担当者の離職率が高く、人材不足が慢性化

  • 問い合わせ件数の増加・多様化により問い合わせを処理しきれない

また、問い合わせ件数の増加以外にも、製品やサービスが進化・複雑化するにつれ、顧客からの問い合わせも高度で専門的なものが増えてきています。特に新しい技術を導入した製品やサービス、または機能が多岐に渡るソフトウェアなどでは、顧客の問い合わせに回答するためには専門知識を要します。

このような高度な問い合わせに対応するためには、カスタマーサポート側も専門的な知識を学ぶ必要があり、場合によっては専門の技術者に問い合わせることになり、一件の問い合わせに対する手間と時間が増大してしまいます。これが結果として、顧客の待ち時間を長引かせることにつながり、顧客満足度に影響を与える可能性もあります。

増大する問い合わせ件数は、企業の業務効率を妨げるだけでなく、顧客満足度の低下という形でビジネスに負の影響を及ぼす可能性があります。この問題に対処するため、企業はコールセンターやサポート部門が問い合わせに対して迅速且つ正確に対応できる体制を早急に整備する必要性に迫られています。

問い合わせ件数の増加が企業に引き起こす課題


コールセンターやカスタマーサポート部門に寄せられる問い合わせ件数が増大することで、企業は数々の課題を抱えることになります。ここでは、代表的な課題を4つ紹介します。

  1. 人件費の増加


    増加した問い合わせ件数に対して応対レベルを落とさないためには、担当者の残業や新規要員採用で補う必要があります。そのため、人件費や教育費が増加し、大きな経費負担につながりかねません。
  2. 業務の遅延


    問い合わせ対応に多くのリソースを割かれるので、管理業務や改善業務・トレーニングなどの業務が遅延・停滞する可能性があります。そのため、企業全体の業務効率が低下する可能性があるとともに、中長期的にはビジネスの成長や競争力に影響を及ぼす恐れもあるでしょう。
  3. 顧客満足度の低下


    問い合わせ件数が増加したことで、応答率が低下したり、応対品質が悪化したりといった悪影響が顕在化してしまうと、顧客満足度低下につながりかねません。顧客満足度低下は企業や商品サービスに対するブランドイメージを損なうだけでなく、顧客離れを引き起こす恐れもあります。
  4. 社員のストレス増加


    顔が見えない状況や、理不尽なクレームなど、問い合わせの対応は件数が通常のレベルであったとしても常に緊張状態にあり、精神的なストレスを抱えやすい業務です。問い合わせ件数が急増すればするほど、これらのストレスは増大してしまうので、応対担当者のモチベーション低下や体調不良、最終的には離職につながる可能性もあります。

問い合わせが生じる根本的な理由

問い合わせが発生する背後には、様々な理由が存在します。ここでは、その主な理由を以下の4つに分けて紹介します。

  1. 製品やサービスの説明不足


    企業が提供する製品やサービスの情報が不十分だと、顧客に操作方法や機能についての質問が生じ、自分で解決できない場合は、コールセンターやカスタマーサポート部門に問い合わせます。特に、Webサイトやマニュアル、パンフレットなど、顧客が容易にアクセスできる媒体で情報が不足している、もしくは媒体が存在しない場合、顧客は問い合わせを通じて必要な情報を探そうとする傾向があります。
  2. 顧客の期待とのギャップ


    顧客が商品やサービスに対して抱いていた期待と現実にギャップがあった場合、それについて問い合わせることがあります。このケースでは、製品やサービスそのものの仕様や品質よりも、企業が提供する情報と顧客の認識との間にズレが生じていることが問題となることが多いです。
  3. 技術的な問題やトラブル


    商品やサービスに技術的な問題やトラブルが発生した場合、それを解決するために顧客からの問い合わせが発生します。特に電子機器やソフトウェアなど、問題解決に専門知識が必要となる商品やサービスは、問い合わせが生じやすい傾向にあります。
  4. 企業への信頼や安心感の欠如


    企業や商品・サービスが信頼や安心感を十分に提供できていない場合、顧客が問い合わせを通じて安心感を求めることがあります。特に、新しい商品やサービスを利用し始めたときや、個人情報を扱うサービスでは、顧客は不安を感じやすく、コールセンターやカスタマーサポート部門への問い合わせにつながりやすい傾向にあります。

問い合わせ件数を削減する効果・メリット


コールセンターやカスタマーサポート部門において「問い合わせ件数の削減」は、さまざまな課題を解決する有効な対策のひとつです。ここでは代表的な効果やメリットを紹介します。

  1. 業務負荷の軽減


    問い合わせ件数が減少すれば、担当者一人当たりの対応件数も自然と減るため、各担当者の業務量やストレスが軽減されます。さらに、問い合わせ対応以外の作業時間が増え、管理業務や業務改善活動、トレーニングなどにより多くの時間を割くことが可能になります。空いた時間で、より良い職場環境・業務プロセスの改善に取り組めれば、良い循環を生み出す効果も期待できるでしょう。
  2. コストの削減


    問い合わせ件数が減るとより少ない人数で対応できるため、スタッフの業務時間や人員数を調整し、人件費や設備管理費を削減することが可能です。
    また、業務負荷軽減により各担当者が余裕を持って対応できるので、離職率を下げる効果も期待できます。離職率が高い状態では新人の採用育成に多くのコストがかかりますが、既存の応対担当者を維持できれば、採用・教育コストの抑制につながるでしょう。
  3. 顧客満足度の向上


    問題や疑問点に対して問い合わせをするという行為は、顧客がわざわざ時間と手間をかけている、ということを忘れてはいけません。しかし、マニュアルやWebサイトなどを使って顧客自身で自己解決できていれば、企業へ問い合わせるという負担やストレスを抱えなくてもよくなります。
    また、問い合わせに至ったとしても、問い合わせ件数の総数が削減されていれば、対担当者は余裕を持って応対でき、より丁寧な対応が可能となります。ミスを減らし、顧客に寄り添った対応ができれば、顧客満足度の向上やより良い顧客体験につながるでしょう。

問い合わせ件数を削減する方法5選

問い合わせ件数を削減するためには、具体的にどのような対策が必要となるのでしょうか? ここでは有効な対策を5つ紹介します。

  1. 問い合わせ傾向の分析


    問い合わせ件数の削減に対して、やみくもに対策案を検討・実行するのは非効率です。問い合わせの履歴や人員の稼働状況といったデータを分析し、現状を正しく把握することで、適切な対策案が検討できます。
    具体的には、問い合わせ内容ごとに、件数、対応者、対応時間などを洗い出し、問い合わせのパターンを明らかにしていきます。また、分析結果を、次から紹介する説明書やマニュアルの充実、FAQ公開やチャットボットの導入などの対策に役立てることが重要です。
  2. 説明書やマニュアルの充実


    商品やサービスの利用方法、料金体系、トラブル時の対応方法などについて、顧客が自身で問題を解決できるよう、説明書やマニュアルを充実させましょう。Webページで説明書、マニュアルを公開していても、UI(ユーザーインターフェース)が悪ければ、必要な情報にたどり着けない顧客が出てきてしまいます。問い合わせ傾向を分析したうえで、該当ページまでの導線をシンプルにすることで、より一層問い合わせ件数を削減できます。
    ほかにも、ITサービスなどは顧客が製品やサービスをうまく利用できるように、使い方のガイドやワークショップ、ウェビナーなどを開催するのも効果的です。顧客に、製品やサービスを理解し、自分で問題を解決できる能力や習慣を身に付けてもらうことが、問い合わせ件数の削減につながります。
  3. FAQの公開と更新


    FAQはFrequently Asked Questions(頻繁に聞かれる質問)の略で、よくある質問と回答をWebページにまとめ、顧客に参照してもらうことで自力での問題解決を促すことができます。
    FAQなどのセルフサービス型のサポートを導入することで、顧客の自己解決を促し、問い合わせ件数を削減します。サポート担当者の業務負担を軽減できるばかりか、すぐに問題を解決したいという顧客ニーズも満たすことが可能です。
    なお、FAQは一度公開したら終わりではなく、継続的なメンテナンスが欠かせません。問い合わせ傾向の分析結果をもとに、顧客のニーズを踏まえたFAQを掲載するとともに、掲載内容に誤りや古い情報がないかを定期的に確認・更新するようにしましょう。
    FAQのイメージ図
  4. チャットボットの導入


    チャットボットが顧客からの質問に自動で回答し解決できれば、コールセンターやカスタマーサポート部門の直接の問い合わせ件数が減らせるため、オペレーターの業務負荷が軽減されます。また、チャットボットでは時間や場所を選ばず問い合わせでき、テキストだけでやりとりが完結するため顧客側のメリットも大きく、顧客満足度向上にもつなげられるでしょう。
    ZendeskのCXトレンドレポートでは、ボットについて、消費者は以下のような調査結果が明らかになっています。
    ・単純な問題に対して自動化されたシステムやボットが役立つと考えていると回答した消費者の割合 66%
    ・人間の担当者が不在のときに、自動化されたシステムやボットが問題の迅速な解決を支援してくれると考えている消費者の割合 54%
    ・以前よりも多くの種類の質問をボットに尋ねるようになったと回答した消費者の割合 48%
    チャットボットを導入することで良質な顧客体験の提供につながります。
    Zendeskならノーコードでボットを作成可能
  5. ユーザーコミュニティの活用


    ユーザーコミュニティを設けることで、顧客同士の情報交換や自己解決の場を提供することができます。ほかのユーザーからのアドバイスや回答により、コールセンターやカスタマーサポート部門への問い合わせが不要となるケースもあります。

問い合わせ件数を削減した成功事例

世界で10万社以上の企業が導入しているカスタマーサービスソリューションZendeskを活用して、業務改善の効率化に取り組んだ事例を紹介します。

「グローバルワーク」「ニコアンド」「ローリーズファーム」など、30を超えるブランドを国内外で約1,400店舗展開するカジュアルファッション専門店チェーンの株式会社アダストリアは、ECサイトの成長を加速させるためZendeskを導入しています。

従来、同社では顧客からの問い合わせの対応において、紙ベースでのアナログな管理を続けていました。そのため、担当者間での情報共有ができておらず、回答に必要な情報を得るために複数のシステムを使い分けながら対応をするなど、応対担当者はもちろん、スムーズに回答がもらえない顧客のストレスも大きいものでした。

そこで、当時部内で最も要望の多かった電話対応の改善を目的に導入されたのがZendeskです。Zendeskとクラウド型コンタクトセンターサービスのAmazon Connectを連携することで、IVR(自動音声応答システム)による専任チームへの振り分け、問い合わせフォームへの誘導、チャットボット(AI搭載型ボット)の活用など、顧客による自己解決の促進や顧客接点の拡充に取り組みました。

また、Zendeskと社内システム上にある会員情報、購買情報、商品情報のデータをAPI連携することで、一次対応における情報不足を解消しています。顧客が問題の種類に応じた適切なチャネルを選び、速やかに対話をスタートできるようになったことで、顧客はもちろん、応対担当者のストレスは大きく軽減しました。

結果として、問い合わせ対応に要していた時間が約3分の1に削減されたほか、自己解決率が260%アップしました。また、生産性が2.4倍にアップしたおかげで稼働時間が10%縮小され、新しいことにリソースを投入できる余裕が生まれています。

問い合わせ件数を削減し、業務効率化とコスト削減を実現

コールセンターやヘルプデスクなどの問い合わせ対応部署の業務改善には、問い合わせ業務の効率化はもちろんのこと、問い合わせ件数自体を削減するのが有効な対策です。業務負荷軽減、コスト削減、顧客満足度向上と、問い合わせ件数の削減には多くのメリットがあるため、本記事で紹介したようなツールを活用してぜひ積極的に取り組みましょう。

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