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チャットボットなどのセルフサービス型サポートを導入すべき理由

チャットボットやFAQ、ヘルプセンターなどのセルフサービス型サポートと人間の担当者による対応を組み合わせると、顧客の定着につながる優れたカスタマーエクスペリエンスを提供できます。

発行日: 2021年7月23日
更新日: 2021年7月29日

カスタマーサービスチームが質の高いサポートを提供するには、システム、ツール、プロセス、そして何よりサポート担当者の存在が重要であり、それらすべてがうまく連動している必要があります。セルフサービス型サポートは、パーソナライズされたサービスに代わる1つの選択肢となりますが、担当者と同じくらい役に立てるものでなくてはなりません。

セルフサービス型サポートとは、チャットボットや、FAQ、ヘルプセンターのように、顧客がサポート担当者の助けを借りず、自分自身で問題を解決できるコンテンツを充実させるカスタマーサポートの形態を指します。

重要なのは、担当者によるサポートとセルフサービス型サポートをバランス良く組み合わせることです。実際、「Zendeskカスタマーエクスペリエンストレンドレポート」によると、顧客の69%が、自己解決できる問題はできるだけセルフサービスで解決したいと考えています。

もちろん、セルフサービス型サポートを導入したからといって、人間の担当者が要らなくなるわけではありません。現に、問題が発生したときにサポート担当者に対応してほしいと考える顧客は、依然として多くいます。理想的なのは、2つのタイプのサポートをシームレスに連携することです。そうすれば、顧客の定着につながる優れたカスタマーエクスペリエンスを提供できるようになります。

応答の速さか、問題の複雑さか

「応答の速さ」と「問題の複雑さ」は、顧客がセルフサービスと担当者のいずれかを選択するうえでカギとなる要素です。「Zendeskカスタマーエクスペリエンストレンドレポート」によると、顧客の半数は回答を得るまでの速さを重視してチャネルを選択し、約40%は問題の複雑さを基準にチャネルを選択しています。

これを踏まえると、質問が簡単ですぐに回答が欲しいような顧客にとってセルフサービス型サポートは理想的ですが、より複雑な問題を抱えている顧客に対しては、担当者が対応する必要がありそうです。

セルフサービス型サポートが選ばれる場面

多くの顧客は、問題を自己解決したいと考えています。Microsoftの調査レポートによると、セルフサービス用チャネルを利用できるようにしてほしいと考える顧客の割合は、86%にのぼります。以下、顧客がセルフサービスを選択するであろう場面をいくつかご紹介します。

  • 質問が簡単ですぐに回答してほしいとき:簡単な問題なら、セルフサービスのリソース(ブログ、FAQページ、動画、チャットボット)があれば、サポート担当者が介入しなくても解決できます。顧客は回答を待たずに済むようになり、担当者も毎日何度も同じ質問に回答する必要がなくなります。
  • サポート担当者の対応を待つと時間がかかるとき:皆さんも、受話器の向こうから「たいへん長らくお待たせしており、誠に申し訳ございません」という自動メッセージが延々と流れてきて、うんざりした経験があるのではないでしょうか。

    新型コロナウイルス感染症によるパンデミックの影響で、2020年3月ごろから米国で都市封鎖が始まったとき、航空会社やクレジットカード会社の問い合わせ窓口で多くの顧客が待たされるという事態が発生しました。このような場合、長時間待たされるのはストレスなので、多くの顧客は担当者につながるまで延々と待つよりも、セルフサービス用チャネルを利用する傾向にあります。

  • 営業時間外にサポートが必要なとき:顧客は24時間年中無休のサポートを期待していますが、サポート担当者を常時待機させておくことは、ほとんどの企業にとって不可能です。セルフサービス用チャネルなら、営業時間外でも顧客に必要なサポートを提供でき、人件費もかかりません。

こうしたケースでセルフサービス型サポートを提供する目的は、顧客とのやり取りを効率化することにあります。特に簡単な問題の場合は、顧客にとってもサポート担当者にとっても、時間の節約につながります。

サポート担当者による対応が必要な場面

急を要する問題や、(不安を引き起こすなど)感情が絡むような問題の場合、顧客はより細やかなサポートを必要とすることがあり、たとえば次のような場面では、電話、チャット、メッセージングアプリといったチャネルで人間の担当者に対応してほしいと考えます。

  • 緊急性が高く、一刻を争うような事態のとき:もし自分の子供が病気や怪我をしていたら、ボットではなく実際の医師と話がしたいと考えるはずです。このように、一刻を争うような事態だと、だれもが不安を解消しようと他の人に頼ることでしょう。

    ハーバード大学の研究によると、サポート担当者に直接問い合わせるという選択肢があるだけで、(実際に利用するかどうかにかかわらず)不安の解消に大きく役立つことがわかっています。

  • 問題が複雑なとき:場合によっては、顧客の状況が漠然としていたり、込み入っていたりすることもあるでしょう。こういったケースはAIでは十分に対応できず、顧客を不快にさせてしまうことも少なくありません。

    プログラムで定義されていないアクションをとってくる顧客に対しては、サポート担当者が創造力を働かせて解決策を提示した方がよいでしょう。必要に応じて一歩踏み込んだサポートを提供することで、難しい問題を解決し、顧客満足度を高めることもできます。

  • ハイテクな手段を利用できないとき:Pew Research Centerの報告によれば、米国では成人の15%がスマートフォンを持っておらず、23%が自宅にコンピューターを所有していません。ハイテクなツールを利用できる環境にあったとしても、いまだに苦手意識を感じている人も多く、だれもがセルフサービスを使いこなせるわけではありません。このような顧客は、どのような問題であるかに関係なく、サポート担当者と直接話すことを好む傾向にあります。

顧客の問題が複雑で、心情に大きくかかわるような場合は、概して人間味のある対応が必要となります。そのようなケースでは、サポート担当者が細やかに対応するようにすると、顧客は安心してサービスを受けることができます。

カスタマーサービスチームに役立つ3つのセルフサービス用チャネル

多くの顧客は、簡単な問題に関しては、手軽なセルフサービスからまずは利用したいと考えています。それで解決しなければ、次はサポート担当者に問い合わせようというわけです。

セルフサービスは、企業にとっても便利で費用対効果の高いソリューションです。Gartnerの調査によると、電話やメールなどのライブチャネルでかかるコストは、問い合わせ1件あたり平均8.01ドルであるのに対し、セルフサービスは1件あたり約0.10ドルとなっています。

セルフサービス型サポートを提供することで、担当者はより複雑な問題の解決に専念できます。より多くの顧客に対応できるようになり、何千ドルものコスト削減につながります。これからセルフサービスソリューションを導入してみたいという方は、手始めに、以下の3つのうち、いずれかのソリューションを検討してみてはいかがでしょうか。

  1. チャットボット

    チャットボットは、チャット、メッセージングアプリ、メール、Slackなどで顧客と会話を展開します。AIを活用して顧客のリクエストを理解し、プログラムに基づいて応答します。

    チャットボットは常時稼働し、基本的な質問への回答、情報の収集、優先度の低いチケット(問い合わせ)の処理といった作業に長けているため、サポート担当者の時間を節約できます。実際に、オープンレビュープラットフォームを提供しているTrustpilotでは、不要なチケットを増やさないための見張り番としてZendeskのAnswer Botを活用した結果、セルフサービスでの問題解決率が10%に達しました。

    サポート担当者の介入が必要な場合でも、チャットボットは、速やかに顧客を担当者につなぐことができます。引き継ぎの際は、重要な背景情報やこれまでの会話履歴も提供してくれるため、担当者は顧客のリクエストにすばやく応じることができます。

  2. Chatbot self-service support

  3. ヘルプセンター・FAQ

    ヘルプセンターやFAQ(ナレッジベース)は、顧客とサポート担当者の双方が、必要なリソース、チュートリアル、情報に迅速にアクセスできるようにするオンラインサポートハブです。ヘルプセンターやFAQは、検索性が高く、操作しやすい作りでなければなりません。

    この種のセルフサービスは、窓口に問い合わせる前に、いったん自分で問題について調べたり、解決策を試したりしたいという顧客に向いています。ヘルプセンターを利用すれば、顧客は自分のペースで詳細なガイドや説明の動画を閲覧でき、サポート担当者が対応してくれるまで待つ必要はありません。

    ヘルプセンターやFAQには、サポート窓口の連絡先情報を記載したり、ボットを搭載したチャットを導入したりするとよいでしょう。そうすれば、迷っているときやさらに支援が必要なときにも、顧客はサポート担当者にコンタクトをとることができます。また、各担当者もナレッジベースの記事を利用すれば、それを基に顧客の問題に回答できるうえ、対応に一貫性を持たせることができます。

  4. Help center self-service support

  5. ユーザーコミュニティ

    ユーザーコミュニティとは、顧客が公開された場で質問を投げかけたり、それに答えたり、知識を共有したりできる、オンライン上のフォーラムやグループのことです。一般に、ユーザーコミュニティでの回答は保存され、検索もできるため、同じような問題が過去にやり取りされていないかどうかも確認できます。

    ヘルプセンターと同様に、ユーザーコミュニティでは簡単な問題でも複雑な問題でも、顧客の都合の良いときに解決策を探すことができます。また、自分と同じ立場のユーザーから回答が得られるため、他のユーザーとの連帯感や温かなつながりを感じられるという側面もあります。

    カスタマーサービスチームはユーザーコミュニティでのやり取りをチェックでき、必要に応じて直接手を差し伸べることで、問題が深刻化するのを防げます。さらに、フォーラムは公開された場であるため、だれか1人の問題を解決するだけで、同じ問題を抱えている複数のユーザーに回答できることになります。

  6. Communities as self-service support

セルフサービス型サポートと担当者による対応を組み合わせて、最高のサポートを

解決したい疑問や問題があるときに問い合わせるチャネルが選べれば、顧客の満足度は大きく向上します。セルフサービスとサポート担当者の2つの選択肢を用意すると、顧客は好きな方法で必要な回答を得ることができ、サポート担当者は高いパフォーマンスを発揮して、優れたカスタマーエクスペリエンスを提供できるようになります。

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