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セルフサービス構築のベストプラクティス:Trustpilotの成功事例

発行日: 2021年2月19日
更新日: 2021年2月19日

セルフサービス型サポートは、もはや「あればよい」くらいの位置づけではなくなってきています。多くの企業がその重要性に気づいてはいるものの、顧客の好みやビジネスのニーズが次々と変化する中、それに応えるセルフサービスを構築、維持することは非常に困難に見えます。しかし、Trustpilotが証明しているように、コンテンツに簡単にアクセスできるようにして、サポート担当者の効率性を高め、データを上手に分析、活用できれば、企業は拡張性の高いセルフサービスを構築することができます。

オープンレビュープラットフォームのTrustpilotでは、9千万人以上のユーザーが企業のカスタマーエクスペリエンスに対するフィードバックを共有し、それを基に40万社の企業が顧客にさらなる価値を提供できるようサービスを向上させています。同社は、設立当初からナレッジ中心型サポートの構築に力を注いできました。

Trustpilotのグローバルサポート担当バイスプレシデントのTonni Buur氏は、次のように話します。「Zendeskを導入したのは8年前です。今ではZendeskを使って、年間15万件以上のチケット(問い合わせ)と200万件のセルフサービスリクエストを処理できるようになりました。今年はセルフサービスの成長が特に著しく、さらにサポート業務を拡張できる見込みです」

Trustpilotでは、Zendesk GuideZendesk Support Suiteの各種製品を組み合わせて活用することで、新しい形のエクスペリエンスを構築することに成功しました。アジャイル型アプローチでナレッジを開発し、それを効果的な方法で活用するようにしたのです。この記事では、同社がそれをどのように成し遂げたのかを詳しく解説しながら、皆さんの企業でも大きな成果を上げられるよう、自社にとって最適なナレッジの活用方法を見つけるためのヒントをお伝えします。

セルフサービスのベストプラクティス:成功のカギ

Trustpilotは、ただの思いつきからセルフサービスの強化を決めたわけではありません。その必要性はデータにもはっきり表れています。「Zendeskカスタマーエクスペリエンストレンドレポート2020」では、ユーザーの63%が、何か問題が発生したときには(ほぼ)毎回、まずは企業のオンラインリソースから自力で解決策を探すと回答しています。

Trustpilotは、このような顧客のニーズに応えるために、自社の成長に合わせてアーキテクチャを構築、拡張していくためのフレームワークを作り上げました(同社はこの10年間、前年比50%の成長率を維持していたのです)。このフレームワークは、以下の3つのベストプラクティスをベースにしています。

  • 顧客のセルフサービス:エンドユーザーがナレッジを簡単に利用できるようにする。
  • サポート担当者の効率性:よりスマートかつ効果的に作業できるツールを導入する。
  • 拡張と測定:適切なインサイトを用いてナレッジ戦略を立てる。

Trustpilotは、セルフサービスに対する明確なビジョンを持ってZendesk Guideを導入したことで、ナレッジを拡大、構築、管理、活用しながら、チケットを削減して、担当者のキャパシティを上げることに成功しました。前年比で見ると、セルフサービスの利用率は62%、セルフサービスの成功率は98%、プラットフォームの年間ROIは1,272%も増加しています。

チケットの削減と担当者の効率性

Trustpilotはこのような成長をどのように成し遂げたのでしょうか? そのカギは、まず自社のサポート戦略におけるセルフサービスのさまざまなユースケースを整理したうえで、その戦略の基盤となるナレッジフレームワークを作り上げることにありました。

  • チケットの削減:セルフサービスのユースケースと言ったら、これが真っ先に思い浮かぶでしょう。サポート担当者とやり取りする前にセルフサービスが利用されれば、チケットの削減につながります。顧客を必要な情報に誘導したり、顧客の状況に応じて最適なコンテンツを表示したりすることも、このユースケースに含まれます。
  • 担当者の効率性:チケットが作成された後に、担当者がナレッジや自動化をサポートに活用するケースです。担当者が適切な情報を入手し、研修期間を早く終え、満足度の高いカスタマーサービスを提供するには、セルフサービスに投資することが非常に重要となります。

Trustpilotでは、ナレッジ戦略を立てる際に、顧客のセルフサービスと担当者の効率性の両方を考慮し、さらにデータ分析を活用したことで、「セルフサービスによって担当者の効率性が上がり、それがさらにセルフサービスの質を高める」という好循環を生み出すことに成功しました。これは顧客にとっても望ましい状況です。実際、顧客の66%は、優れたカスタマーサービスに欠かせない一番の要素として「無駄な時間がとられないこと」を挙げているほか、43%が、担当者につながりにくい自動化システムはカスタマーエクスペリエンスの質を大きく損ねると考えています。

Trustpilotからの助言

Burr氏は、フレームワークを作り上げる際には、構築すべきもの、必要な記事の種類、記事を最適化すべきチャネルを明確にする必要があると言います。加えて、データと分析によるインサイトを基にコンテンツを作成し、そこではシンプルでわかりやすい言葉遣いを使うことが大切だとも話しています。

Trustpilotでは、次の3つの要素に基づいてナレッジのニーズを分類しました。

  • エンドユーザー:Trustpilotの場合は、見込みユーザー、新規ユーザー、リピーターなど、カスタマージャーニーの段階によってユーザーを分類しています。
  • 顧客が必要とする知識:高度な製品機能に関する情報、トラブルシューティングの詳細な手順など、顧客が主にどのような情報を求めているのかを特定します。
  • 問題解決の際に顧客が利用するチャネル:新規顧客は、サードパーティー検索からヘルプセンターにアクセスするケースが多い一方、既存顧客は、製品内のリンクや担当者から共有されたナレッジを活用する傾向にあります。

このアプローチによって、TrustpilotではWebサイトへのトラフィックが46%増加し、SEOの検索順位も39%上がって、オーガニック検索によるトラフィックが全体の3分の1以上を占めるまでになりました。顧客が求めている情報が明確な場合は、自動化を利用して手間を減らしています。Buur氏は次のように話します。「顧客に自力でコンテンツを検索してもらうのではなく、顧客のニーズを把握して、こちらから関連度の高いナレッジを直接提供できるようにしています」

 

たとえば、Trustpilotでは製品内セルフサービスを構築して、製品インターフェイス上のさまざまなポイントで多くの顧客から上がるニーズに対応できるようにしています。製品ページにはWeb Widgetを組み込み、製品についての一般的なFAQ記事を表示しています(顧客の必要なタイミングで表示されるよう、記事のキーワードと見出しは最適化されています)。同様の措置は、SEO検索、製品内参照リンク、チケット内のナレッジ共有の利用時にも適用され、セルフサービスコンテンツを使う顧客のエクスペリエンスを最適化するうえで大きく役立っています。

また、メールなどの非同期型チャネルでは、顧客に迅速に応答できるAnswer Botが高い効果を発揮しています。Answer Botの活用によって、セルフサービスコンテンツへのトラフィック誘導がさらに進んだことから、サポート担当者はより複雑な問い合わせに注力できるようになりました。

「Answer Botは、不要なチケットを増やさないための見張り番のようなものです。Webフォームやメールから届くチケットの処理に非常に役立っています。WebフォームでのAnswer Botによる対応は、ユーザーからも好評です。一度のやり取りで済むのが人気の理由でしょう」(Buur氏)

生産性の向上

Buur氏は、長期的視点を持って継続的な改善を見据えていることが、Trustpilotの強みの一つだと話します。実際にそうした視点の下、セルフサービスセッションを6万件から200万件にまで増加させることができました。サポート担当者はたった22人。フレームワークがなかったら125人は必要だったでしょう。こうした効率的なアプローチによって、Trustpilotのカスタマーサービスはコストセンターとはかけ離れたものになりました。Buur氏は、将来的にはカスタマーサービスを収益源にしたいとも考えており、セルフサービス拡張への投資をますます強化する予定です。

またTrustpilotでは、サポート担当者がナレッジキャプチャーアプリを使って、記事にフラグやコメントを追加することで、コンテンツを継続的に改善しています。この取り組みは、コンテンツキューの強力なデータ解析機能に支えられています。コンテンツキューを使うと、コンテンツのパフォーマンスを分析して、顧客のニーズに合わせてコンテンツを調整することができます。

Trustpilotでは四半期に一度、従業員が自分の作成したコンテンツをすべて見直すようにしています。「コンテンツは、一度公開したらそれでおしまいではありません。常に関連度と鮮度が高くなければならないのです」(Buur氏)

Trustpilotがセルフサービスによって新しいかたちのカスタマーエクスペリエンスを構築した方法については、ウェビナーでさらに詳しくご紹介しています。

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