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サードプレイスとは?意味や会社側の魅力・活用法を解説

更新日: 2024年1月30日

これまで、サードプレイスのメリットは「社員」の視点からのみ語られてきました。しかし、サードプレイスを仕事に生かすことは「会社」にとっても大きなメリットがあります。ここでは、会社側から見たサードプレイスの魅力について紹介します。

サードプレイスとは何か?

まず始めに、「サードプレイス」とはどのような場所を指しているのでしょうか。

  • 会社でも自宅でもない「第3の場所」

サードプレイスとは、自宅(第1の場所)でも職場(第2の場所)でもない「第3の場所」を意味する言葉です。家族や職場の同僚から離れて、利害関係のないコミュニティーの中で自分らしく過ごす、これがサードプレイスの役割です。心のよりどころとなり、精神的なストレスを減らす、「第2の家」のような存在です。通勤時間が長く、過酷な労働環境にある都市生活者、家族と離れて暮らす人、自宅と職場にしか人間関係がない人、このような人々にとって、サードプレイスは特に重要であると言われています。

  • 個人的なメリットが強調されてきたサードプレイス

これまでサードプレイスは、「個人が自主的に発掘し、自ら作り出す居場所」と定義されてきました。その効用も、気楽なコミュニケーションによるリラックスやリフレッシュ効果など、個人的な側面が強かったと言えます。しかし、最近では、サードプレイスで仕事をすることで新しいアイデアを生み出したり、これまでとは違う人間関係を構築したりするなど、ビジネス面でのメリットも注目を集めています。

クラウド型のシステムが普及し、オフィスにいなくても仕事ができるようになったことも、サードプレイスが仕事に活用される原因のひとつと言えます。会社側もサードプレイスでの仕事を認める動きがあり、なかには積極的にサードプレイスを推奨している会社もあります。

  • どんなところがサードプレイスとして利用できるのか?

これまでは、カフェやバー、公園、スポーツジム、ボランティア活動などがサードプレイスとして利用されてきました。自宅や会社以外で「自分にとって居心地のよい場所」がサードプレイスとなっていたのです。これをビジネスシーンにも活用する場合、会議室、勉強会、コワーキングスペースなどもサードプレイスになり得ると言えるでしょう。

 

サードプレイスにより生じる会社側のメリットとデメリット

続いては、サードプレイスを仕事に活用することで生じる、会社側のメリットとデメリットについて紹介します。



  • サードプレイスのメリット

社員がサードプレイスを活用することは、会社側にとって次のようなメリットがあります。

ストレス発散、リフレッシュ
会社とは違うコミュニティーに属することでストレスを発散し、リフレッシュすることができます。メンタルをリセットすることで、ストレスにより低下したパフォーマンスを回復させることが可能です。

コミュニケーションの活性化、新しいアイデアの発見
サードプレイスを利用することで、自宅と職場の往復では出会えない人々と出会うことができます。オフィス内にあるサードプレイスであっても、普段は接点のない人とコミュニケーションを取れるようになり、そこから仕事のヒントをもらえたり、刺激を受けて新しいアイデアが浮かんだりします。

モチベーションアップ、自主的に仕事に取り組むようになる
オフィスは与えられた空間ですが、サードプレイスは個人の意思で自ら出向く空間となります。集中できる環境は人それぞれで一様ではありませんが、「仕事のためのサードプレイス」として選ぶ場所は「自分が集中できる場所」です。自分が選んだ「仕事しやすい場所」で仕事をすることで、モチベーションが上がり、より自主的に仕事に取り組むようになります。

 

  • サードプレイスのデメリット

その一方で、サードプレイスには以下のようなデメリットがあることも考慮しなければなりません。

セキュリティー上のリスクが大きい
サードプレイスは会社以外の場所です。そこで仕事をすることは、機密が社外へ漏れるリスクを伴います。

管理しにくい
サードプレイスで仕事をしていると、勤務状況を管理者側が把握するのが難しくなります。裁量労働制ではない勤務体系の場合、社員の勤怠を評価しにくくなる可能性があるでしょう。

緊急時の対応が遅い
サードプレイスは通常のオフィスから離れているため、緊急時の対応が遅れがちになります。

 

サードプレイスをスムーズに仕事に取り入れるには?

サードプレイスを仕事に取り入れるのは容易ではありませんが、以下に紹介するような事例が導入時の参考になると思われます。

  • 「仕事をする客」を歓迎している場所を利用する

通常、飲食店は長居する客を嫌う傾向がありますが、スターバックスのように「仕事のために利用する客」を歓迎している店舗もあります。サードプレイスとしても問題なく利用できるように、店自体が長時間の利用を妨げることはありません。このような場所なら、安心してサードプレイスとして利用できます。



  • コワーキングスペースを活用する

都市部では、コワーキングスペースやシェアオフィスと呼ばれる場所が増えてきています。仕事に特化したサードプレイスです。電源やWi-Fi接続など、仕事のための設備が整えられており、会社員でもフリーランスでも自由に出入りできることから、新しいビジネスが生まれる場所としても認知されています。

  • 社内にサードプレイスとなり得る場所を作る

会社側がサードプレイスになり得る空間を用意している場合もあり、社内にカフェや娯楽施設を設けている企業も珍しくなくなりました。企業それぞれの特色を生かしたサードプレイスが生まれています。

赤ちゃん用品で知られるピジョン株式会社では、社員だけでなく近隣で働く母親も利用できる授乳室・さく乳室など、育児中の女性に寄り添ったスペースを提供しています。ほかのワーキングマザーと話すことでリフレッシュし、リラックスした時間を過ごせる場所を作り出しています。このスペースは、新しいコミュニティーが生まれる場所にもなっています。

株式会社富士通ラーニングメディアは、品川の研修施設内に「CO☆PIT」という空間を設けています。この施設は、非日常的な空間で異業種の人々と交流するための「フューチャーセンター」として活用されています。

このように異業種の人と話すことで、これまでの経験にはない「新しい何か」を学び取ることができれば、それをビジネスやイノベーションにつなげていくことが可能となります。

 

まとめ:サードプレイスは「いつもとちょっと違う場所」

本来、サードプレイスは「職場でも家庭でもない場所」を意味していました。しかし、近年はクラウドサービスの発展でオフィス以外での仕事が可能になったり、会社がサードプレイスを提供したり、ビジネスに使われる機会も増えてきています。サードプレイスを上手に活用し、「オフィスではない場所」で仕事をすることで、新しいモノを生み出せるかもしれません。

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