2022年は、カスタマーサービスがビジネスの成長を引っ張る年に

発行日: 2022年1月28日
更新日: 2022年5月17日

企業のリーダーは度重なる状況の変化に対応しながらも、ビジネスを推進する手段を考え続ける必要があります。多くの企業が、先行きが見通せるようになるまで新しい取り組みを控えつつ、現在投資すべき分野を検討しています。

検討されている分野の一つがカスタマーエクスペリエンス(CX)です。なぜCXなのかと言えば、人間どうしのやり取りにおいて、最終的に最も重要になるのは量ではなく質であるという考え方が、これまで以上に主流になってきているからです。

収益拡大のためにCXに投資し、経営陣からの支持を確保する

低品質のCXを提供することは、重大なリスクとなります。「Zendeskカスタマーエクスペリエンストレンドレポート(2022版)」によると、新型コロナウイルス感染症によるパンデミックをきっかけに、顧客は寛容になるどころか、以前よりも厳しい目を企業に向けるようになっています。一度でも不快な経験をした企業はもう利用しないと回答した顧客は60%以上と、昨年よりも22%増加しました。消費者の期待が高まり続けていること、そして、消費者が苛立たしい経験に以前よりも目をつむってくれなくなっていることは明らかです。

おそらく企業のカスタマーサービスチームはこの事実を目の当たりにしているものの、予算を握っている上層部は、そこまで明確に認識していない可能性があります。自社の1日あたりのチケットの処理件数にかかわらず、質の高いカスタマーサービスがいかに重要か、そして最終的に顧客関係に最も影響を与える要素は何なのかを、この機会に経営陣に理解してもらいましょう。カスタマーサービスをビジネスの成長に結び付けて考えることは、非常に価値があり、多くの場合、経営陣からの支持を得てカスタマーサービスに投資するうえで不可欠です。

CXの質に関する競争が激化する中で、戦略的な投資を行えば、変革をもたらし、ひいては投資収益率(ROI)を高めることができます。Zendeskの調査によると、調査に参加したビジネスリーダーの64%が、カスタマーサービスは自社の成長にプラスの影響を与えているとし、60%が顧客維持率の向上に貢献しているとしています。カスタマーサービス重視で購入先を選ぶ顧客が増える中、優れたCXを提供する企業は、猛スピードで競合他社を追い抜くことでしょう。

優れたカスタマーサービスを提供するというのはどういうことでしょうか。その答えは、だれにたずねるかで変わってきます。企業の自己評価は顧客の評価よりも高く、調査に参加した企業の60%が、優れたカスタマーサービスを提供していると回答する一方で、顧客の54%が、大半の購入先企業はカスタマーサービスを後回しにしているように思うと回答しています。

他方で、自分の意見が尊重され、大事に扱われていると感じると、顧客はその企業から再び購入する可能性が高くなるようです。顧客のロイヤルティと維持率を向上できるよう、質の高いカスタマーサービスを提供することに注力すれば、長期的には利益の拡大につながります。

質の高いCXを実現するには、基本的なサポートを提供するだけでなく、さらにもう一歩踏み込む必要があります。顧客を維持するうえで最も効果的な方法は、無料ギフトや大幅な割引で感動を与えることではありません。顧客が必要なときに簡単かつシームレスに問い合わせられるように、顧客にとって都合の良いチャネルと手段を提供することです。メール、電話、メッセージング、SNS、SMS、チャットなど、顧客が好きなチャネルを選べるようにします。

また、日々顧客に対応しているカスタマーサービスチームと、社内の他の部門が連携することも重要です。顧客からのフィードバックを共有してサービスエクスペリエンスの向上に活かすことで、企業は消費者の期待に応え、成長を推進できるようになります。

カスタマーサービスで最も重要なのは量よりも質

顧客にとって、何度も同じ説明を繰り返すのは苦痛です。また、簡単なメッセージで済ませたいのに電話しなければならないと、面倒に感じます。カスタマーサービスをもっと手軽に利用できるようにすれば、顧客のロイヤルティが高まる傾向にあります。消費者の93%が、同じことを何度も説明しなくて済む企業なら、積極的に支出を増やしたいと回答しています。

また、消費者はあらゆるタッチポイントでシームレスなCXを期待しており、調査回答者の73%が、チャネルを切り替えた場合にも、一から説明を繰り返すことなく会話を再開できるようにしてほしいとしています。しかし、オムニチャネル対応のサポートを提供している企業はわずか3分の1に過ぎません。つまり、この面で他社と差を付ければ、顧客のエンゲージメントやロイヤルティを向上させるチャンスが大いにあるということです。

Zendeskの調査によると、顧客にとっての最優先事項は依然としてスピードと利便性ですが、それだけではもう不十分です。その他にも、共感力に優れた担当者、24時間年中無休のサポート、(対応するのが人間でもチャットボットでも)パーソナライズされた会話型エクスペリエンスが求められています。毎回の問い合わせでパーソナライズされた対応を期待していると答えた消費者の割合は、68%にのぼりました。

担当者に真のカスタマーインテリジェンス(顧客の基本情報、利用したチャネル、問題を把握するためのツール)を提供することで、企業は質の高いサービスを提供することができます。

今こそCXを優先課題に

この先の見えない状況の中でどんな行動を取るかで、企業の行く末は決まります。何を優先課題にするか、そしてどれだけ迅速に適応できるかが、成長と停滞の分かれ道となるのです。顧客が優れたカスタマーサービスを期待していることは明らかですが、それを日々実現することは困難です。

しかし、カスタマーサービスチームと社内の他の部門の連携や、担当者の支援に関する経営陣からの戦略的支持など、いくつかの重要な分野に投資することで、企業は優れたCXを提供し、ビジネスの成長を加速させることができます。2022年、カスタマーサービスはもはや後回しにされるどころか、成長と収益拡大を促進する大きなカギとなるでしょう。