メインコンテンツへスキップ

記事

カスタマーサポートに重要な7つの指標(KPI)

更新日 2024年2月22日

カスタマーサポートに関する定量的な目標や指標というのは非常に扱いにくいトピックの一つです。例えば、あるチームにおいてCSATのスコアが低くなってしまった場合、単純に迅速な対応ができていないための結果とは言い切れません。スコアを出すための十分なカスタマーサポートサービスの利用回数がないという理由も考えられます。このように一つの指標だけでは判断がつかない部分もあるので、素晴らしいカスタマーサポートを提供している企業は、主要な指標を測定、相互に比較することで、顧客体験の全体を把握しようとしています。

これは、個々のエージェントのパフォーマンスとサポートチーム全体の生産性の両方を見ているということです。そうすることで、カスタマーサポートの日々の状態を継続させると同時に、顧客サービスの取り組みについて効果的な戦略を策定することができます。

解決率

解決率は、あらゆるカスタマーサポートサービスにおいて、最も重要視すべき指標でしょう。解決されたチケット数がサポートチームの価値に直結するといっても過言ではありません。おそらくほとんどのサポートチームは解決率の目標数値を決めていることと思われます。日々の平均値をとっておくと、エージェントのパフォーマンスとリソースの過不足を検討する上で役立ちます。

管理者には、オープンチケットの数と解決済みチケットの数を比較することをお勧めします。問い合わせ数(チケット数)が処理能力を超え始めたら、未着手のチケットに対応するための策を講じなければいけません。

分野別のチケット数

主要な解決領域が分かれば、製品またはサービスのどの部分が特にカスタマーサポートを求めているか、特定の分野でエージェントがどれだけうまく機能しているかを知ることができます。そのためには、解決までにかかった時間やCSAT評価などの指標を同時に測定することが重要です。

チケットの内容を分野別に分析することで、製品やサービスの改善点が特定できる可能性もあります。これらの指標を組み合わせることで、製品チームにとっても非常に価値がある、製品の改善点に対するフィードバックを集めることができます。

応答時間

顧客サービスに関わるほぼ全ての人が、最初の応答時間を指標の1つにあげています。初回回答までの時間が顧客満足度に大きな影響与えるためです。対応時間のキープがサービスレベルアグリーメント(SLA)の遵守に繋がるため、返答時間、または応答時間を計測することは非常に重要です。

応答時間と呼ばれている指標には、一次応答時間や、平均応答時間、および1チケットが解決されるまでにやりとりした回数も含まれます。これらの3つを分析して比較すると、顧客サービスの取り組みが実際どれだけ効果的に機能しているかを示す重要な指標となります。理想的には、これら3つすべてが低く保たれていると良いと考えられます。

解決時間

解決時間は、サポートの速さ以上に重要なものです。たとえば、1次解決率(FCR)があります。これは、1回のやりとりで顧客のニーズを満たせたということになりますが、FCRのチケット率が高い場合は、FAQのようなセルフサービスの利用を促すほうがよいでしょう。

しかし、迅速な解決と、カスタマーサポートの質が高いことは必ずしも一致しません。問題解決時間の指標は、エージェントが1つのチケットに適切な時間を費やしているかどうかを管理者が把握する際に使えます(分野によっては解決までに必要となるやりとりや工数が多いこともあるため、解決時間を指標とすることがお勧めです)。

処理時間

解決努力の指標は、エージェントがチケットを最初に開けたときから、最後に閉じられるまでの間に起こるすべてのことを示しています。処理時間は、解決に関する指標の一種で、エージェントがサポートの1回のやりとりに費やす時間です。もし現在のカスタマーサポートチームで計測できる機能がない場合には、タイムトラッキングのアプリもあります。

エージェントとのコミュニケーション、チケットのコメント、およびリクエスターの待機時間は、エージェントが問題解決に費やした努力量を示す指標でもあります。もし顧客満足度が低い場合には、理由を調べるために指標が役立ちます。

チケットの再オープン率

「チケットの再オープン」は、チケットのステータスが「解決済」から「オープン」に変更されたことを意味します。1次対応だけでは解決しきれず、複雑なサポートに移行したときに度々発生します。チケット再オープンが多すぎる場合には、エージェントがトレーニングを積み専門性を高めることで改善される場合もあります。しかし、時にはそもそもカスタマーサポートでは対応できない問題があったという場合もあります。

この指標には、再オープンしたチケットの総数、平均再オープン数、再オープンのチケットの比率を含みます。

問題を未然に防ぐ NextIssue Avoidance 

カスタマーサポートは、顧客に製品やサービスでより良い体験をしてもらうことが目的です。つまり、より十分に製品やサービスを使いこなしてもらうためにカスタマーサポートが支援するのです。”問題を未然に防ぐ”というのは、それを指し示す指標であり、将来的にはエージェントが対応する工数を減らし、ブランドへのプラスの利益と全体的な顧客満足を向上させるものです。

”問題を未然に防ぐ”ことは、同じ製品や内容の問い合わせを何人の顧客がしているかで測定することができます。 初回の問い合わせでの解決率の次に、計測することをお勧めします。両方のスコアが悪いようであれば、顧客との最初のコミュニケーションをより良いものにするべきです。

コミュニティに耳を傾けて、彼らがどのようなことに興味を持っているのか、聞くことを忘れないようにしてください。本ブログでご紹介した指標については、重要なカスタマーサービスの指標(英語版:Customer Service Metrics That Matter)のeBookで詳しく見ることができます。

関連記事

記事

CX Trends 2024: インテリジェントなCXでビジネスの未来を切り拓く

AI、自動化、データ分析の普及やそれらによる劇的な変化など、これからのインテリジェントなCXの時代にすべてのCXリーダーが知っておくべき最新のCXトレンドをご紹介します。

記事

カスタマーサポートとヘルプデスクで重要なKPI (指標) 14選

カスタマーサポートとヘルプデスクは、社内外の顧客から寄せられる問い合わせの応対と問題解決において中心的な役割を果たします。本記事では、カスタマーサポートとヘルプデスクでの目標達成にKPI(重要業績評価指標)を用いる重要性と、具体的なKPI指標を解説します。

記事

コールセンターにおけるデータ分析の重要性 データ収集から分析・活用までのポイントを解説

コールセンターにおいて応答率や解決率、顧客満足度などに関するデータを収集・分析することで、業務改善や品質向上につなげられます。本記事では、コールセンターでのデータ分析に着目し、分析を行う重要性や、収集から分析・活用までのポイントを解説します。

記事

顧客分析とは?重要性・フレームワーク・セグメント分けのポイント

顧客分析により顧客を理解し、マーケティング・営業戦略や商品の開発・改良に役立てていくことが重要です。セグメンテーションをしたうえで、ターゲットに合った施策を実行しましょう。本記事では、顧客分析の重要性やフレームワークなどについて紹介します。