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リードスコアリングとは? 優れたスコアリングモデルに共通する要素

リードスコアリングとは、営業担当者が製品やサービスを購入する可能性が高いリードを見つけるためのプロセスです。

更新日: 2024年2月22日

どんなビジネスでも、安定した営業支援システムなしに成功はあり得ません。しかし、獲得したリードの数が多くなると、その分追跡する段階でリードを注意深く選別する必要が出てきます。成約の見込みが薄いリードも含まれる中で、単に数多くのリードに営業をかけて時間を無駄にしたくはないからです。その時間でもっと見込みのあるリードを育成できるはずです。

リードスコアリングとは

リードスコアリングは、営業担当者やマーケティング担当者にとって有用なプロセスで、製品やサービスを購入する見込みが最も高いリードを特定し、それ以外を除外するうえで役立ちます。リードスコアリングを活用すれば、営業チームは特に重要な商談に注力でき、成約件数の増加につなげることができます。さらに、現時点で高い関心を集めているリードの層や、逆にもっと働きかけが必要な層についてもよく理解できるようになります。

リードスコアリングの方法

リードや商談に点数を付けるうえでは、重要なデータポイントや示唆的なデータポイントに数値を割り当てます。たとえば、リードのソースやステータスは有望なリードとなる見込みを示す良い指標になります。これらのデータを変数として組み合わせた計算式を基に、リードの点数を測れます。さらに、この点数はリード管理・トラッキングシステムを使って継続的に確認できます。

こちらのブログ記事では、リードスコアリングを実施する5つのステップについて説明しています。

リードスコアリングモデル

リードスコアリングモデルはリードを評価するためのシステムです。所属する業界や製品に対する関心の度合いなど、さまざまな項目に基づいてリードに点数を付けていきます。これまで価値あるリードに共通して見られた特徴には、高い点数を付けるようにします。

このモデルを使えば、成約の見込みがきわめて高いリードをすばやく見つけることができると共に、優先度が低いと見なすべきリードもすぐに判断できます。

以下では、優れたリードスコアリングモデルに共通する7つの要素について見ていきましょう。

1. マーケティングと営業の連携

マーケティング部門と営業部門がリードスコアリングモデルについて認識を共有できていないと、有望なリードを見逃してしまう危険が生じます。あるいは、そこまで有望ではないリードが誤って見込みのあるリードと判断され、営業部門に引き渡されて、無駄に営業をかけてしまう可能性もあります。

セールスファネルに漏れがないようにするには、営業とマーケティングが協力して、スコアリングの基準とリードスコアリングのしきい値(下のセクションを参照)を策定する必要があります。そして、チームのだれかがモデルを変更した場合には、変更内容について営業とマーケティングの両部門に明確に伝達するようにします。こうしたやり取りを通して、マーケティング部門は有力なプロスペクトを特定し、営業に渡すことができます。

2. リードスコアリングのしきい値

リードスコアリングのしきい値とは、プロスペクトが営業をかける段階にあるかどうかを判断する値のことです。リードの点数がこのしきい値に到達した、または超えた時点で、そのリードはMQL(マーケティングが見込みありと判定したリード)になり、マーケティング部門から営業部門へと引き渡されます。

重要なのは、適切なしきい値を設定することです。しきい値が低すぎると、リードが早すぎる段階で見込みありと判定され、営業担当者がまだ営業をかけるべき段階にないプロスペクトを追いかけることになって、やきもきしてしまいます。一方、しきい値が高すぎると、価値あるリードを長期間野放しにして、競合相手に取られる隙を与えてしまうおそれがあります。

しきい値を設定するうえでは、過去のデータを参照し、見込みありと判定されたリードがどのような特徴を持っていたのかを調べて考慮に入れる必要があります。たとえば、製品デモへの申し込みが、リードが最終的に商談成立に至る一番の指標であるのなら、デモに申し込んだリードには即座にMQLと判断されるに十分な点数が付与されるように、リードスコアリングのしきい値を設定すべきです。

しきい値を定めることで、リードがそうした高い点数を獲得した場合に通知が来るようにCRMを設定できます。

3. 明示的スコアリング

明示的スコアリングでは、勤務先の特徴や人口学的な特徴など、リードの客観的特性に基づいて点数を付けていきます。明示的な特性としては、以下のようなものがあります。

  • 職名
  • 職種
  • 役職
  • 業界歴
  • 業種
  • 従業員数
  • 企業収益
  • 所在地

これらは明確な指標であるため、簡単にリードを評価できます。たとえば、自社のターゲットとする顧客層が大規模なテクノロジー企業の経営幹部である場合には、リードの会社の規模と業種を調べれば、対象となるかどうかを判断できます。

時には、明示的スコアリングに必要な情報をリードが自ら提供してくれる場合もあります。ゲート付きコンテンツをWebサイトからダウンロードする際に回答するアンケートなどがこれにあたります。あるいは、プロスペクトのLinkedInページや企業のWebサイトから、明示的スコアリングに必要な情報を見つけ出すこともできます。

4. 暗示的スコアリング

一方、暗示的スコアリングでは、以下のようなリードの行動に基づいて点数を付けます。

  • Webサイトの閲覧
  • SNS上でのやり取り
  • メールの開封やクリック
  • ニュースレターの購読
  • 問い合わせのリクエスト
  • 問い合わせフォームの送信
  • コンテンツのダウンロード
  • ウェビナーの視聴
  • 無料トライアルや製品デモへの申し込み

たとえば、リードが自社のeBookをダウンロードしたとします。この場合、eBookのダウンロードという行為そのものが加算対象となります。これは自社に対して一定の関心を持っていることを示す行為だからです。

CRMを利用すれば、顧客とのやり取りを漏れなく追跡できます。

多くの場合、暗示的スコアリングは、明示的スコアリングよりもリードの全体的なスコアに大きく影響します。職名に点数を付けるのは一度限りですが、コンテンツのダウンロードやメールの開封については、そのたびに点数が付与されるためです。

5. 減点式スコアリング

プロスペクトが自社との間で行うやり取りは、購入につながるステップばかりとは限りません。リードスコアリングモデルを作成する際は、この点についても考慮すべきです。減点式のスコアリングは、購買意欲の減少や欠如を示すような行動や特徴に基づきリードの点数を減点するものです。たとえば以下のような場合に減点を行います。

  • メーリングリストの購読を解除した
  • 訪問したのが採用情報ページだった(潜在顧客としてではなく、求職者として自社に関心を寄せて

  • いる)
  • 学生や無職などの特定の職業や、自社が提供する製品やサービスとまったく無関係な業種に属して

  • いる(ただの興味でサイトを訪問したと判断できる)
  • 競合他社の従業員である(単に競合相手をリサーチしている)

減点対象となる行動を特定することは、点数は高いものの実際には見込み薄のリードを排除するうえで特に重要です。業種などの属性に関してはスコアが高いリードでも、行動を見ると自社のブランドに対する関心が失われていることがわかるケースもあります。減点式スコアリングを用いると、営業担当者はこのような見込み薄のリードを特定して、有望な潜在顧客の育成に注力できます。

マーケティング部門と営業部門は互いに協力して、商談の可能性が低いと思われるプロスペクトの兆候をリストアップするべきです。両部門ともそれぞれ貴重なインサイトを持っているはずですし、協力して取り組めば足並みを揃えることもできます。

プロスペクトのそれぞれの特徴や行動について、これまでパイプラインから脱落したリードにどれくらい共通して見られるかを確認したうえで、マイナス点を割り当てましょう。そして、実際にそのような特徴や行動を示すリードがいれば、減点を適用します。

6. スコア切り下げ

プロスペクトとのやり取りで何も動きがないのは悪い兆候です。リードがセールスファネルを順調に進んでいるのが理想的な状態で、ある段階にとどまってまったく前進しないのは問題です。

スコア切り下げは、停滞しているリードを追跡するのに役立ちます。リードが相当期間、ブランドとやり取りしていない場合に点数を下げる操作です。たとえば、自社のメールを開かなくなったり、コンテンツをダウンロードしたきりサイトを訪問していなかったりする場合には、リードの点数を下げます。スコア切り下げは、減点式スコアリングと同様に、質の悪いリードを特定し、価値あるリードに注力するうえで役立ちます。

スコア切り下げを適用するには、リードがどのような行動を取らなくなった場合に点数を下げるべきかを決める必要があります。まずは、暗示的スコアリングで採用した採点システムについて逆の視点から考えてみるとよいでしょう。ニュースレターの購読でプラス10点としているのなら、購読解除の場合はマイナス10点にします。あるいは、マーケティング部門にかけ合って、見込みのあるリードはどのような行動をよく取るのかを確認してみてもよいでしょう。

7. 定期的な見直し

優れたリードスコアリングモデルを作り上げるには、「一度設定したらもう大丈夫」ではなく、「よく考えて設計し、常に微調整する」という考え方で臨まなければなりません。

リードスコアリングモデルをできるだけ適切な状態に維持するには、最新の顧客データを基にスコアリング方法を継続的に見直す必要があります。たとえば、多数のリードがMQLと見なされているのに、実際の成約件数が少ない場合、リードスコアリングのしきい値が低すぎる可能性が大いにあります。あるいは、特定の層に属するリードや特定の行動を取ったリードが購入に至るケースが増加または減少しているようなら、そうした場合に割り当てている点数を調整する必要があるかもしれません。

では、スコアリングモデルを更新するべきかどうかはどうやって判断すればよいのでしょうか。そのためには、MQLコンバージョン率が下がってきているかどうかを確認します。もし低下が見られるなら、ターゲットとする顧客層を見直す良い機会です。スコアリングモデルもそれに合わせて調整する必要があるでしょう。

スコアリングモデルを有効活用しましょう

リードスコアリングを利用すると、プロスペクトに営業をかけたり、営業向けプロスペクティングツールを使用したりする際に、営業担当者は大きな負荷を感じることなく、スマートに働くことができるようになります。見込みのあるリードにのみ注力できるため、まだ営業をかける段階にはないプロスペクトや、決して成約に至りそうにないプロスペクトに時間と労力を浪費せずに済みます。

ただし大切なのは、リードスコアリングモデルは継続的に見直す必要があるということです。リードが過大評価または過小評価されていると感じたときには、顧客データを確認してモデルの調節が必要かどうかを検討しましょう。

リードスコアリングモデルを作成する余裕がない場合は、リードスコアリングソフトウェアが助けになります。リードスコアリングモデルを自動的に生成、更新してくれるCRMの導入をご検討ください。

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