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AIと会話型サービスでカスタマーエクスペリエンスを向上

リピート顧客を獲得するパーソナライズされた体験を生み出すには、顧客基盤の拡大を阻んだりビジネスの成長を妨げることにつながる一連の課題を克服する必要があります。

著者: Adrian McDermott, Zendesk最高技術責任者

発行日: 2022年4月7日
更新日: 2022年5月17日

 

   

     

カスタマーサービスの重要性は、いくら強調してもしすぎることはありません。 2022年のZendeskカスタマーエクスペリエンス(CX)トレンドレポートによると、企業の73%が「カスタマーサービスと業績の間には密接な関係がある」と回答しています。一方「たった一度でも不愉快な経験があれば他社に乗り換える」と回答した消費者の割合も60%に上っており、こちらは前年に比べ22%の増加です。

企業にとって高品質なカスタマーエクスペリエンスの提供はいまや、手ごわい競合他社に先んじて成長と収益拡大を実現するための必須条件です。 今回のブログは上記CXトレンドレポートのフォローアップですが、顧客をリピーターに変えるパーソナライズされたスムーズなサービスの提供に欠かせないツールとなりつつある、人工知能(AI)と会話型カスタマーサービスの2つの要素について解説します。 リピーター顧客を獲得する優れたサービスの実現には、カスタマーベースの拡大とビジネスの成長を阻む課題を克服する必要があります。

スマートなCX戦略を実現するにはAIの長所と短所の理解が不可欠

まだまだ完璧とはいきませんがAIはここ数年で大きな進歩を遂げ、適切な用途に適切な方法で使用すれば驚くほどの効果を得ることができます。 AIにはあらゆるサービスチームのリソースと機能を最大化させるポテンシャルがあり、営業時間外対応やおすすめ製品・記事の紹介、顧客ニーズの予測などの優れた機能を提供します。 いまやAIが企業の最優先投資項目の一つとなり、約40%ものカスタマーサービスリーダーが予算の4分の1以上をAI技術に投じているのは決して驚くことではありません。

AIが最も効果的に機能する用途を正しく理解しなければ、顧客に不満を与えかねません。

ただし効果的な導入には、まず現状のAIがどのような用途に最も効果的かを正しく理解しなければなりません。誤ったAIの導入は、パーソナライズされた親しみのあるサービスが必要な場面で顧客の体験を台無しにする恐れがあります。 カスタマーサービスにおいては、AIは決して目標達成を保証する手段ではありません。 AIの実装により顧客とのやり取りを円滑化し、エージェントの能力や効率を向上させ、より幅広いサービスを可能にするには、まずAIを正しく使いこなすことが不可欠ですが、 残念ながら半数以上の企業ではその場しのぎのアプローチでAIを実装しており、AIの真の強みを活かした戦略的な運用には至っていません。

AI運用のインテリジェントなアプローチ

現状のAIの能力を最大限に活かす優れた導入プランがあってこそ、AIはその力を効果的に発揮できます。 カスタマーサービスにおけるAIの利用方法は、例えば以下の通りです。

  • 自動化:AIを利用して反復的な作業を減らし、エージェントをより価値の高いタスクに専念させることができます
  • おすすめの提示:人間のエージェントを補完する顧客対応ツールとしてAIを利用すれば、顧客サービス全体の質を高めることができます
  • 予測:人間がまだ気づかないトレンドの予兆をAIで検出することにより、サポートチームはこれから起こる変化にいち早く対応することができます

 

   

     

将来的には、顧客と企業とのやり取りは全てまずボットとの会話からスタートすることになるでしょう。 消費者はボットによるサービスの効率化を歓迎しています。消費者の65%は、AIがあると対応が早くなり同じ操作や説明を繰り返さずに済むと回答しています。 デメリットを避けてAIの投資対効果を最大化するために、企業が守るべき原則は以下の通りです。

  1. AIが「完璧」になるのを待つのではなく、いまAIでできることを活かすようにする
  2. AI導入に必要なプランやトレーニングを優先的に実践する
  3. 必要であれば思い切って既存ワークフローを見直す

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多くの企業は、「対話型の未来」に向かう十分な準備ができていません

より速く、よりパーソナライズされたサポートの実現に必要なのはAIだけではありません。会話型サービスは、企業が顧客との信頼関係を築き、事業を発展させるのに重要な要素です。

メッセージングは企業と顧客のコミュニケーションを一新しただけでなく、顧客に対するその場限りでない継続的なサービスエクスペリエンス提供への道を切り開きました。 顧客との過去の会話から得られる情報は、その顧客とのこれからのやり取りに役立ちます。企業は過去の履歴に基づいてそれぞれの顧客に合わせたお勧めを提供したり、顧客からのフィードバックに基づいて改善を行うことができます。

大多数の企業は会話型サービスの実現に必要な機能の開発に遅れをとっているのが現状です。

Zendeskの調査では、70%もの消費者が企業とのやり取りは全て会話型サービスで行いたいと回答しています。 こうした期待に応えるには、企業は顧客が初めて自社店舗やWebサイトを訪問したときから継続的かつ一貫性のある体験を提供し続ける必要があります。

「対話型の未来」は実現可能なだけでなく、いずれ必ずやってきます。 しかし大多数の企業は、そうした未来に備えるために必要な機能の開発に遅れをとっています。 すべてのサービスチャネルをつなぐ一元化されたプラットフォームなどの基本ツールがなければ、企業は顧客の全体像を把握したり、顧客データをサービス以外の部門と共有することができません。 これでは、顧客をより良く理解してそれぞれの顧客とのやり取りをパーソナライズしたり、そこから得られるインサイトをビジネスを動かすデータとして活用することは難しいです。

 

さらに理解を深めるために

Zendeskの主席エンジニアリングリーダーPedro Coehlo氏、Constellation Researchの創設者兼主席アナリストRay Wang氏とのAIと会話型サービスに関するAdrianのトークセッションをお聞きください。

 

   

     

会話型エクスペリエンスは、顧客が困っているときだけではなくカスタマージャーニーのあらゆる場面で必要とされています。 昨今、多くのビジネスリーダーが「今年こそはカスタマーサービスの改善を最優先する」と宣言したにも関わらず、結局は表面的な機能やプランの導入に留まっています。 企業がよくある落とし穴を避け真に有効な会話型サービスを実現するには、以下に留意する必要があります。

  1. ワークフローとプロセスの大幅な変更が必要であることを認識すること
  2. まずはオムニチャネルの導入から着手するが、それだけで満足せず次に進むこと
  3. エージェントに対して成功に必要なツールとトレーニングを提供すること

Zendeskの会話型カスタマーサービスに関するレポート(無料)では、データに基づくパーソナライズされた体験の提供により顧客の期待に応えて収益を向上させる方法をご紹介しています。ぜひご活用ください。

成功するカスタマーサービスを実現するには

より良いカスタマーサービス実現のためのビジネスケースは誰の目にも明らかです。企業は、慎重でありつつ変化を恐れないアプローチに基づいて、速やかにカスタマーエクスペリエンス改善のための投資を進めるべきです。 AIと会話型カスタマーサービスはいずれも、スピーディでパーソナライズされた体験の実現のために不可欠です。AIと会話型カスタマーサービスの的確な運用により、企業はリピーターを増やし、顧客サービス品質で競合他社に差をつけることができるでしょう。