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顧客ロイヤルティとは?顧客満足度との違いや評価方法を解説

発行日: 2021年1月16日
更新日: 2021年1月16日

企業の売上増やサブスクリプションの定着を目的として、顧客ロイヤルティに注目する企業が増えています。顧客としっかり向き合い、顧客に選んでもらえるサービスや商品を作り上げていくことが求められる今、顧客との良い関係を維持するために重視されているのが、顧客ロイヤルティです。

この記事では、顧客ロイヤルティとはどのようなものなのか、そして顧客満足度との違いや具体的な評価方法について解説していきます。

顧客ロイヤルティとは

顧客ロイヤルティとは、顧客が企業やサービス、商品に対して感じている信頼や愛着を指す言葉です。

英語のロイヤルティ(loyalty)は、「忠誠心」「誠実さ」「忠実性」といった日本語に訳されています。顧客ロイヤルティはこのロイヤルティから作られた言葉で、顧客ロイヤルティが高い利用者は、企業やサービス、商品に対して愛着を持ち、離れることなく忠実に利用し続ける優良顧客と位置づけられています。


顧客ロイヤルティと顧客満足度の違い

顧客ロイヤルティとあわせてよく使われる言葉に、顧客満足度があります。

顧客満足度とは、企業やその企業が提供するサービスに関して顧客がどの程度満足したかの度合いのことをいい、たとえば顧客満足度調査(利用者アンケート)などでその評価をすることがあります。顧客満足度調査とは、サービスの利用後や商品の購入後などにアンケートが用意されており、「当社のサービスに満足しましたか?」「価格設定はどうでしたか?」「スタッフの説明内容はわかりやすかったですか?」といった設問に答えていくもので、レストランなどに置かれていたり、カスタマーサービスへの問い合わせ後にフォームが送られてきたりするのを見たことがある人も多いでしょう。

しかし、多くの企業がリピート顧客獲得や売上増のために顧客満足度の向上を目指している一方で、顧客満足度が必ずしも売上につながるとは限らないという事実もあります。アンケート調査では、サービスや商品に満足すれば「満足」「やや満足」などが選ばれ、不満があれば「不満」「やや不満」といった回答になります。しかし実際には、満足した顧客が必ずリピートして商品を購入するとは限りません。顧客満足度を高めることはもちろん重要ですが、近年ではそれだけでは売上への影響が限定的になるという考え方が広まってきました。

そしてそれに伴って近年注目されているのが、顧客ロイヤルティです。顧客満足度と顧客ロイヤルティの違いは、顧客満足度は顧客が満足したかどうかを測る指標であることに対し、顧客ロイヤルティは顧客が愛着を持ってリピーターとして利用し続けるかどうかの状態を指すという点にあります。

企業にとって重要なのは、顧客に自社のサービスや商品を継続的に利用・購入し続けてもらうことであり、顧客ロイヤルティはそれに直結することから、顧客満足度に加えて、顧客ロイヤルティも重視するというのが今の潮流です。

顧客ロイヤルティの分類

顧客ロイヤルティには心理ロイヤルティと行動ロイヤルティの2種類があり、顧客ロイヤルティを高める戦略を策定するには、それぞれについて考えていく必要があります。まずはこの分類を確認しておきましょう。



  • 心理ロイヤルティ

心理ロイヤルティとは、顧客が企業やサービスに対して抱く信頼や愛着といった感情のことをいいます。

顧客は良いサービスや商品があって価格に満足すれば利用・購入しますが、単にそのサービスや商品が良い、あるいは価格が手ごろであるという理由だけで選んでいる場合、競合他社が類似のサービスや商品を安く提供すればすぐに乗り換えてしまうでしょう。

しかし、心理ロイヤルティが高く企業やサービスに対して強い信頼や愛着を持っている人は、簡単には離れていきません。そのため、顧客ロイヤルティを重視したマーケティングでは心理ロイヤルティを高める施策に重きが置かれています。

  • 行動ロイヤルティ

行動ロイヤルティとは、「サービスを継続的に利用する」「商品を定期的に購入する」「サービスを他人に勧める」といった実際の行動のことをいいます。1回のみの利用・購入ではなく、その後も競合サービスに移っていくことなく利用し続けるという点が、行動ロイヤルティの高い人の特徴です。そして、それを口コミで友人や家族に広めている人もまた行動ロイヤルティの高い人と定義されています。

顧客ロイヤルティはなぜ注目されているのか

顧客ロイヤルティという言葉は数年前からよく聞かれるようになりましたが、ここに来て注目度が高まっています。

企業が売上のためにできることはたくさんあります。たとえばセールやキャンペーンなどもその一つで、価格を下げたりプレゼントをつけたりして登録や購入を促すというのは、多くの企業が実践している手法です。

しかし、そのような方法で獲得した顧客は自社に定着するとは限らず、すぐに離れていく可能性があるのもまた事実です。価格メリットだけで獲得した顧客は自社に対する信頼や愛情を持っているわけではないため、他社が同等またはそれ以上の価格メリットを出せば簡単にそちらに移ってしまいます。さらに、このような手法を繰り返すことで顧客単価低下や利益率低下にもつながっていくこともあるでしょう。

しかし、顧客ロイヤルティを高めれば売上は一過性のものではなくなり、今後も継続して利用・購入してもらえるようになります。リピート率が上がり、利用するサービスや商品のグレードアップ(アップセル)や追加購入・セット購入(クロスセル)によって客単価が高まるという好循環にもつながるでしょう。そしてさらに口コミによる良質な新規顧客獲得も期待できることから、顧客ロイヤルティを高める施策は継続的な売上増につながるマーケティング手法として注目されています。

顧客ロイヤルティの評価方法

顧客ロイヤルティの評価のためによく利用されているのは、NPS(Net Promoter Score®)とよばれる指標です。NPSでは、利用者に「このサービスを友人や同僚に勧める可能性はどれくらいありますか?」といったアンケートで0点から10点の11段階で点数をつけてもらい、下記のように分類してそれぞれの割合を出し、評価します。

0-6点:批判者
7-8点:中立者
9-10点:推奨者

NPSとは、この中の推奨者の割合(%)から批判者の割合(%)を引いた数値のことをいい、たとえば推奨者が40%、批判者が10%の場合はNPS30となります。一般的に、NPSが高いほど顧客のリピート率が高まって利用頻度や購入頻度が上がり、NPSが低いほど稼働率が下がって売上が減る傾向があるとされています。



顧客ロイヤルティ向上のための改善点の見つけ方

NPSによって顧客ロイヤルティを測ったら、次に行いたいのは顧客ロイヤルティ向上のための施策の立案です。

顧客に継続して自社サービスや商品を利用してもらうためには、顧客ロイヤルティ向上に貢献したのはどのような体験だったのか、また自社サービスを利用する中のどこで顧客が満足し、どこで不満を抱くのかといったことを整理し、改善点が見つかればそれを修正していく必要があります。

そういった顧客の体験を調べていく方法はいくつかありますが、中でもよく利用されているのが、カスタマージャーニーマップで顧客体験を可視化していく方法です。

ターゲットとなる顧客(ペルソナ)が自社サービスを利用する際にどのようなステップを踏み、それぞれの段階でどのような感情を持っているのかを整理してカスタマージャーニーマップにまとめ、どこでNPSが高くなって(または低くなって)いるのか、その原因は何なのかを特定し、改善点を見つけていきます。

しっかり整理するには時間がかかりますが、自社サービスをこれまでとは異なる視点で見ることでこれまで見えていなかった課題が見えてくるため、顧客ロイヤルティ向上に有効な方法とされています。



まとめ

市場にサービスや商品があふれ、顧客が自分の価値観で厳選できる時代になったことで、顧客ロイヤルティが注目されるようになりました。サブスクリプションの解約や顧客の離脱を防ぎ、顧客との強固な関係を維持するためには、顧客と向き合い、顧客の求めるサービスを提供していくことが肝要です。

顧客との接点となるカスタマーサービスも、顧客ロイヤルティ向上のための重要な役割を担っています。世界160以上の国と地域に展開する当社が、顧客との良い関係を維持するためのノウハウをお伝えします。ぜひお問い合わせくださ

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