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2018年のカスタマーエクスペリエンスに関するトレンド5つ

更新日: 2018年10月31日

顧客の期待に応えることを一番に考え、テクノロジーを活用してカスタマーエクスペリエンスの改善に取り組む企業は、同業他社に比べても良い評価を得られるようになってきています。カスタマーエクスペリエンスの分野において、2018年はどのようなテクノロジーやツールがトレンドになるでしょうか? 以下に5つのトレンドをご紹介します。

 

1. AIとバーチャルアシスタント

AIはあらゆるビジネスシーンで重要な役割を果たしています。中でもその力が発揮されるのがカスタマーエクスペリエンスの場においてです。AIのバックアップによって顧客一人一人を詳細に分析し、インサイトを得ることによって、企業は顧客一人一人に合わせたコミュニケーションを実現できるようになります。 AIは、オートメーションやバーチャルアシスタントといった多くの主要なカスタマーサポートソリューションに導入されはじめています。

例えばAIを活用したSiriやAlexaのようなバーチャルアシスタントは、スマートフォンによって家の外からでも使えるようになった新しいテクノロジーです。エージェントの手間をかけるまでもないようなタスクを、こうしたバーチャルアシスタントに任せることも増えてきています。

ZendeskのAnswer BotはAIを使ったバーチャルアシスタントです。より複雑で個別対応が必要な問題にエージェントが集中できるよう「よくある質問」のような簡単な内容のチケットに自動で対応。本来集中して対応すべき問題にエージェントが時間をさくことで、顧客満足度の向上が見込めます。

 

2. チャットボット

顧客は問い合わせに対する迅速な回答を望んでいます。わざわざお店に行って聞くほどのことでもないと分かっているときや、長いこと回答を待つほどの問題でないと分かっているときは特にそうです。

従来のチャットボットは非常に単純な回答をするにとどまり、問い合わせへの回答になっていないような内容を返してしまうことも少なくありませんでした。こうしたチャットボットもAIによって、質問内容に合った回答ができるようになります。

結局のところ顧客は、些細な問題がすぐ解決することを望んでいます。 そして迅速に対応してもらえた場合には、カスタマーエクスペリエンスが大幅に向上するということも証明されています。

チャットボットの機能について知りたい方はこちらをご覧ください。

 

3. セルフサービス

セルフサービス(自己解決)は2018年の重要なトレンドです。カスタマーサポートで待たされたくない、自分に合った対応をしてもらいたいと常に望んでいる顧客にとって、ナレッジベースやチャットボット、さらにテキストメッセージの送信ソリューションはぴったりなサポート方法と言えるでしょう。

B to C企業ではセルフサービスの機能を提供するところが増えており、つい最近マクドナルドもいくつかの店舗にセルフサービスの技術を導入しました。特別な注文でもタッチスクリーンから済ませることができるので、注文内容が間違って伝わっていないかを心配する必要はもうありません。車の後部座席に泣いている子供たちを乗せ、慌てて注文をした挙句に注文内容が間違っていたりしたら、大変なことになりますよね。

問題を自分で解決できるツールを提供することは顧客に安心感をもたらします。マニュアルに頼りたがらない人もたくさんいるかと思いますが、そういった人に無理に使ってもらう必要はありませんし、その方法もないでしょう。より適切な手段が見つかれば喜んで使ってくれるはずです。

セルフサービス機能を導入するための準備作業に尻込みする企業も多いかもしれませんが、チャンスがあればぜひ取り組んでみましょう。

 

4. カスタマージャーニーをもっと拡張していく

企業はすでに顧客のための様々な取り組みを始めていますが、さらに上のサービスを目指す企業もあります。カスタマージャーニーを広げて潜在的なニーズや手間が省けることの価値を感じてもらうことによって、サービスを使ってもらえる可能性が高まるのです。

例えば週末にホテルを予約するとしましょう。その時に、単にホテルを予約するだけでなく、近くのレストランやバーの予約ができたり、スポーツイベントやコンサート、またはショーのチケットの割引券も一緒に取れるとしたらどうでしょうか。

自社のサービスを利用してもらうために他の場所やサービスを案内するという方法は不思議に思えるかもしれません。しかし「全体を通して良い経験をした」と感じた顧客は、その後も繰り返し戻ってきてくれるものです。

 

5. 企業の社会的責任

企業の経営方針に関する顧客の意見を考慮したCSR(企業の社会的責任)は、顧客体験の向上に貢献します。人権やエコなど顧客の関心ごとに応じて、製品開発やサービス提供を変化させることで、顧客へ向き合う企業姿勢を示すことができるのです。

例えば、アメリカンアパレルは、価格や生産地の側面以外では、他のブランドと大きく変わらない衣服を提供しています。海外の多くの衣料品メーカーでは、劣悪な職場環境や報酬の低さが深刻な人権問題になっていますが、こうした慣習に反対したいと考える顧客が、アメリカンアパレルで衣服を購入しています。

また、中小企業でもCSRによってカスタマーエクスペリエンスを向上させる方法があります。 その一つは、地域コミュニティの一員としての役割を積極的に果たすことです。フェアへの参加やイベントの主催、ボランティア、雇用創出など、様々な役割があります。こうしたCSRを通じて、地域でのビジネス基盤を確かなものにしていくことができます。

 

最後に

企業が顧客のことを最優先に考えてできることはたくさんあります。それは最近発表したDialpadとZendeskの連携のように技術的なことかもしれませんし、企業理念の変更や、重要な社会問題に対して明確な立場をとるといったことかもしれません。そしてテクノロジーが日々進歩する市場環境の中で、顧客の期待はとても高まってきています。企業もまたテクノロジーのおかげで「変化」が難しいことではなくなってきている今、カスタマーエクスペリエンス向上に取り組まない理由はないと言えるでしょう。

原文の執筆者であるReuben YonatanはGetVoIPGetCRMのCRM比較リソースの創設者及びCEOです。企業がそれぞれのニーズに合ったビジネスコミュニケーションツールを理解し、選択するのに役立つソリューションを提供しています。

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