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リピーターを増やす5つの秘訣

更新日: 2024年2月22日

どんな企業も、何度もリピートしてくれるロイヤルティの高い顧客を切望したことが一度や二度はあるはずです。Appleのように製品を買おうと店舗の外で長い列を作るような熱狂的な支持を得たり、Starbucksのように商品を絶賛するファンレターをもらったりと、リピーターの顧客ほどありがたいものはありません。

ここで挙げたどちらのブランドも、高いロイヤルティと顧客満足度を実現しています。ですが、これは何十年もかけて顧客との関係を構築・育成してきた結果得られたものです。この記事では、成功のための具体的な方法と秘訣を探っていきます。

再購入顧客とは

「再購入顧客」と「リピーター顧客」は違います。過去に購入してくれた顧客が、次に戻ってきてくれたら、「再購入顧客」になります。これに対して、「リピーター顧客」は一度ではなく何度も戻ってきてくれる顧客のことで、「ロイヤルカスタマー(ロイヤルティの高い顧客)」ともいえます。

例えば、ある顧客が2回目の購入やサブスクリプション継続、契約締結を行えば、その顧客を「再購入顧客」と呼べます。「再購入顧客」が再度購入やサブスクリプション継続、契約締結をすると「リピーター顧客」になります。

この記事では、既存顧客に再購入を促す5つの方法をまとめました。

  1. 積極的なロイヤルティの醸成
  2. 忘れられないようにする
  3. 購入者に選択の自由を与える
  4. カスタマーケアの再定義
  5. 顧客に特別だと感じてもらうためのさらなる努力

1.積極的なロイヤルティの醸成

ときには特典を活用するのも正当な手段です。再購入者に特典を提供し積極的にロイヤルティを高めるのは効果的な施策であり、リピーター顧客を育てることにもなります。SumAllの調査によれば、初回購入の顧客が再購入する確率は27%で、4回購入した顧客が5回目の購入をする確率は59%だそうです。「2度目の購入は45%オフ」というようなプロモーションをすれば、お買い得感を重視するユーザーに、Webサイトの再訪問を促せます。

購入回数に応じて段階的に特典を提供する専用のロイヤルティプログラムを設けるのも、顧客の定着を促し、ロイヤルティを構築する効果的な方法です。世界中で利用されているクレジットカードや航空会社はこうしたロイヤルティプログラムで実績を上げています。

2.忘れられないようにする

広告担当者が好きな言葉に「ブランド想起」があります。これは消費者が企業のメッセージを目にした時に、そのブランドを思い起こして商品とブランドのつながりを認識できる状態を指します。

Various food products sold by Thrive Market

Johnny CupcakesはTシャツをカップケーキの飾りに見立てて缶入りで販売しています。

広告以外でブランド想起と次回の購入を促す効果的な方法が、商品パッケージの工夫です。遊び心のあるパッケージにすると、商品が目立つだけでなく、生き生きとした印象を生み出すことができます。パッケージが目当てでリピートしてくれる顧客が出てくることもあります。ファッションブランドJohnny Cupcakesの絶妙なパッケージはその好例です。

ユーザーが積極的にブランドにかかわる機会を設ければ、ブランド想起率を維持しながら、再訪問率を高められます。この施策には、顧客に買い物の体験談を聞いたり、サービスや商品のどこを改善すべきか意見を募ったり、市場調査に参加してもらったりすることも含まれます。

3.購入者に選択の自由を与える

ヘンリー・フォードの時代、フォード・モーターが販売していたT型フォード車は黒1色のみでした。残念ながら今日の企業は競争が激化した環境に置かれているため、そんなわけにはいきません。競争に勝ち進んでいけるか遅れをとるかは、顧客一人ひとりの動向に大きく左右されます。成功しているブランドはこの点を認識していて、顧客の多様な好みに合わせられるように多様な商品やサービスを展開しています。例えば、Luxotticaはレイバンとオークリーといった、ターゲット層が全く異なるブランドを展開しています。

シンプルな商品にすることが顧客ロイヤルティの向上につながると考えがちですが、『ハーバード・ビジネス・レビュー』の調査によると、すべてのオプションを比較できるようにして顧客が決めやすくしているブランドは顧客との間に非常に深い絆を築けているといいます。その好例がAmazonです。

「選択の自由」は、もはや商品の色やバリエーションだけの話ではありません。顧客が重要だと思う選択肢を設けられるように、企業はクリエイティブかつ実践的に考える必要があります。もちろん配送方法や支払い方法なども対象になります。

例えば、電子商取引を行っている企業であれば、どこもクレジットカードやPaypalによる支払いを受け付けています。ですが、トップに躍り出るためには、普及が進むあらゆる最新システムに対応していく必要があります。オンラインで小売販売しているのであれば、ビットコインでの支払いへの対応や、ExpediaやAmazon、Asosといった有名企業への出店を検討するのもよいでしょう。実店舗で販売しているのであれば、提供開始後1か月もたたないうちに20万店が加入したApple Payに対応するのもありでしょう。

4.カスタマーケアの再定義

常に質の高いサービスを提供することは、顧客を維持するうえで非常に大切です。これを裏付けるデータもあります。チャーンレート(顧客の離脱率)を左右するのは価格だと思われがちですが、実際にはチャーンレートが上昇する最大の原因は全体的なカスタマーサービスの質の低さです。また、価格や商品ではなくサービスに不満を抱えている顧客は、競合他社に乗り換える可能性が4倍も高いといいます。

それに加えて、顧客を怒らせてしまうと、不満を感じた顧客がその嫌な経験を9~15人の人に伝えるというデータもあります。ビジネスに厳しい影響が及びかねない問題です。顧客は景気が停滞している時期にもよりよい体験を重視する傾向があり、顧客の60%は満足度の高い体験のためであれば高めの料金でも構わないと回答しています。

従来型の小売業には、店舗で働く販売スタッフの人件費という避けることのできない大きな費用が存在します。オンラインで小売業やサービス業を営む企業は店頭での人件費を心配する必要はありません。このような企業にとって、カスタマーケア担当者は顧客が企業と直接やりとりができる唯一の接点です。しかし、カスタマーケアに掛かる費用は決して安くありません。

機械が対応するなど完全に自動化されている場合は電話1本あたり約35セント(約40円)、人間が対応する場合は電話1本あたり約7ドル50セント(約780円)と、カスタマーケアの運用には多額のコストが発生します。

ですが、この費用はかける価値のあるものです。顧客にとってカスタマーサポートに電話をかけて延々と待たされる状況ほど、苛立ちを感じることはありません。Zapposのカスタマーケアハンドブックには、「電話では機械による自動化されたカスタマーケアはやめて、必ず本物の人間が対応するようにしましょう。顧客を数分間待たせる時は、役に立つ情報や興味深い豆知識、それができなければ笑い話をして顧客を飽きさせないようにしましょう」と記載されています。

若年層の顧客には、この年齢層に好まれているSNSを使って働きかけるとよいでしょう。SNSには、価値がない情報や見る人を退屈させてしまう商品の最新情報を投稿するのではなく、満足度の高いカスタマーサービスを紹介する場として活用しましょう。Zendeskのツールを使えば簡単です。TescoやVodafone、Nikeなどのブランドを見ても、SNSでも顧客重視を貫く姿勢が継続的な企業の成功につながることに疑いの余地はありません。

追加費用なく本物の人間と話せる体験を顧客に提供したいとお考えですか?Zendesk Chatのようなチャットツールを導入すれば、顧客の待ち時間はほぼゼロになり、顧客からの質問にパーソナライズされた回答を提供できます。もう顧客を電話で番号を使って迷路のように案内する必要はありません。

5.顧客に特別だと感じてもらうためのさらなる努力

Robert Cialdiniが著書「Principles of Influence」で語る相互利益の原則によれば、ブランドから大切にしてもらっていると感じるユーザーは、そのブランドに特別の配慮やロイヤルティを示して報いてくれるといいます。

顧客に販売したら、それで終わりではありません。購入プロセス全体に満足してもらい、購入後にもフォローアップやブランドとの接点で継続的に満足してもらえるようにすることが重要です。

初回購入の顧客にはお礼のメールを送って、購入してくれたことのお礼を伝え、引き続き愛用してもらえるようお願いするとよいでしょう。顧客の82%が「パーソナライズされたやりとりをしてくれるブランドから次も買いたい」と回答していることからも、販促物のパーソナライゼーションは不可欠といってもよいでしょう。

顧客の期待の一歩先を目指す姿勢が大切です。パーソナライズされた手書きのメッセージを商品に添えて送ると、受け取った顧客は心が温かくなるはずです。

おわりに

企業がすべてのやりとりで顧客重視を貫いているときに初めて、顧客ロイヤルティを期待することができます。一度であれば、うわべだけ誠実な対応をして、顧客を騙すこともできるかもしれません。ですが長年にわたって何度も購入してもらえるような顧客を望むのであれば、演技は通用しません。真に誠実な態度が求められます。

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