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コールセンター運営のカギを握るワークフォースマネジメント(WFM)とは?

ビジネスを成功させるうえで、コールセンターが担う役割は重要です。

更新日: 2024年2月22日

ビジネスを推進するうえでは、それを成り立たせるあらゆる要素をうまく取り仕切る必要があり、それにはサポート担当者のスケジューリングも含まれます。コールセンターの場合、長時間待たせることなく顧客に対応するには、適切な時間帯に十分な数の担当者を確保しておく必要があります。人員が不足していると、迅速な対応ができなくなる可能性があり、顧客の不満につながります。実際、他のチャネルと比べて、電話ではよりスピーディな回答が求められています。「Zendeskカスタマーエクスペリエンストレンドレポート」によると、顧客の約50%が5分以内の回答を期待しています。一方、ワークフォースマネジメント(WFM)の戦略を用いている企業では、多くの場合、従業員の離職率の低下、顧客満足度の向上、運営コストの削減といった成果が上がっています。

この記事では、コールセンター向けWFMソフトウェアを導入するにあたってのヒントと、それがビジネスにもたらす効果について説明します。

コールセンターにおけるワークフォースマネジメント(WFM)とは

WFMとは、従業員の生産性を最適化するための戦略であり、採用やスケジューリングといった社内プロセスを管理することが目的です。コールセンターの場合、WFMとは、適切なスキルを持った担当者を適切な時間帯に適切な数だけ配置するための一連のプロセスを指します。リモートワークへの移行が進み、24時間年中無休のサポートへの需要が増している現在、WFMの重要性はさらに高まっています。

コールセンターにおけるWFM戦略の3つの要点

優れたコールセンター向けWFMソフトウェアがあれば、一貫したサービスレベルを維持できます。WFMソフトウェアを基に、次の3つの点に関するインサイトを得て、コールセンター業務を合理化しましょう。

  1. 予測

    過去のデータを振り返ることは、担当者の業務量の予測に役立ちます。たとえば、これまでの傾向から、顧客からの電話が増加あるいは減少する時期(または時間帯)を把握できます。また、今後マーケティングキャンペーンを予定している場合は、その時期にも注意が必要です、大規模なキャンペーンの実施中は、コールセンターの人員を増強する必要があるかもしれません。

  2. 管理

    WFMソフトウェアがあれば、予測に沿ってスケジュールを立てることはもちろん、予想外に問い合わせが急増した場合でも、迅速に対処することができます。たとえば、予定外のサービス停止、製品のリコール、悪天候、メディア報道などが要因で問い合わせが増加することがあるかもしれません。こうした事態にぶつかった場合は、すぐに状況を把握して対処できるかどうかが重要となります。

  3. 従業員のスケジューリング

    コールセンターのスケジュールは顧客に左右されます。顧客は、時間帯を問わずいつでも好きなチャネルからカスタマーサービスを利用できることを望んでいます。そのため、適切な時間帯に十分な数の担当者を確保しておかなければなりません。WFMソフトウェアがあれば、顧客からの問い合わせ件数がコールセンターのキャパシティを超えていないかをリアルタイムで確認できます。

hand with clock

コールセンターにおけるWFMの効果

  • カスタマーエクスペリエンスの改善

    電話口の担当者がだれであろうと、顧客は企業に質の高いサポートを期待しています。すばやい問題解決を望んでいるため、長時間待たせれば不満の種につながります。事実、保留時間や待ち時間が長いことは、カスタマーエクスペリエンスにおいて顧客を最も苛立たせる要素なのです。逆に、評価を高める一番のポイントは、問題が迅速に解決されることで、日時を問わずリアルタイムでサポートを受けられることも、それに次いで高評価につながるポイントとなっています。コールセンターでこうしたポイントを押さえるには、ピーク時に適切な担当者の数を確保できるかどうかがカギとなります。

  • 従業員の意欲向上

    過労やストレスに悩まされていない従業員は、満足度が高い傾向にあります。WFMソフトウェアはこの点でも効果があります。若手の担当者と経験豊富な担当者をバランス良く配置できるため、若手の担当者は先輩を頼りながら安心して仕事を進められます。従業員の生産性が高いと離職率も低くなり、そうなると、採用や教育にかかるコストを節約できます。

  • 運営の効率化

    今日では多くの企業がリモートワークに移行していますが、そうした環境下では、マネージャーが現場で従業員の仕事ぶりを確認できないため、担当者のスケジュール全体を把握しておくことがいっそう重要となります。スケジュールが効率的に管理されていれば、人員過多で予算を無駄にするといったこともありません。WFMソフトウェアを使用すれば、マネージャーは離れた場所にいても、各担当者のスケジュールをうまく調整して、1日あたりのKPIやサービスレベルの目標を達成することができます。

WFMソフトウェアの利点

コールセンターでのさまざまなデータを統合するうえで、最も効果的な手段の1つがWFMソフトウェアです。たとえば、Tymeshiftは、Zendesk専用に作られたオムニチャネル対応のWFMツールで、今後の問い合わせ件数を予測したり、リアルタイムで業務状況を確認したりと、人員配置に役立つ情報を入手できます。以下、WFMソフトウェアの主なメリットをいくつかご紹介します。

  • 自動追跡:チケット(問い合わせ)管理、チャット、電話にかかった時間を自動的に追跡できます。事務的な作業が減るため、担当者はより多くの時間を顧客対応に充てられるようになります。
  • 複雑なスケジュール管理:各チャネルにおける人員配置の予定をすばやく作成、確認できます。一日のうちでだれがいつチケット管理、チャット、電話に対応するのか、あるいは休憩に入るのかなど、複雑なシフトも簡単に計画できます。
  • 承認:マネージャーが、アプリを通して担当者のシフト変更や休暇申請を承認できます。
  • WFMレポート:担当者の生産性や効率性、チケットのステータス、サービスの品質、担当者が顧客対応に費やした時間などを詳細に把握できます。
  • 予測:データを基に、最大1年先までの問い合わせ件数と必要な人員数を予測できます。

WFMソフトウェアでコールセンター業務を効率化しましょう

必要な担当者の数を適切に予測するには、WFMが欠かせません。そして優れたWFMソフトウェアがあれば、自社にとって最も貴重な資産であるコールセンタースタッフを成功に導くことができます。ソフトウェアから収集したデータを掘り下げれば、チームの効率は向上し、顧客からの電話にも即座に対応できるようになるでしょう。

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